十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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厳しいけれど必要悪もあるのかな。
圧巻でした。僕らの時代で山田さん、仲野さん、岡山さんが出ていらしたのでお話を聞いて映画を拝見したのですが…あまりの撮影の過酷さであまり話せなかったようなことを仰っていた意味がわかりました。これは大変な撮影だったと思います。
映像やシーンがエグイところもあるのですが、やっぱり人間の策略がえげつなくて…この時代はこういうことを経て平和が築かれていったんだと思うと身に詰まされます。新発田は鬼畜だと思いますけど、一言でそう言い放っていい問題でもなかったりする。騙しあいも裏切り合いも、必要悪という部分があって、誰かがその役割をしなければならない時もあるのでしょうね。それらを傍目から酷いとか、最低とか、言いきって言い問題ではないのでしょうね。それでも罪人たちの立場で描かれたお話だったので、見ていて可哀想でいたたまれなかったです。こうやって踏みつけられて犠牲になった人は多くいたのでしょう。この人は本当に罪人か?というような罪状の人たちもいっぱいいましたしね。自由や尊厳などが認められていない時代では死刑は流れ作業のように決められていたのかと思う惨状も目の当たりにする辛さがありました。皆さん本当に素敵な演技でした。甲乙はつけたくないけれど…仲野大賀さんがあまりに凄くて圧勝でしたし、いい役でもありました。いやぁ来年のアカデミー賞が楽しみだなぁ。
悪くはないけどねぇ〜
脚本が破綻してると思うんだけど・・・。
犬吠埼の東映オープニングなんで5秒がアガったんだけど。
先週、「侍タイ」を見たせいで、新潟の城下町ってことなんだけど、「東映の京都撮影所じゃん」って思ってしまう。
文字で「新潟」って書いてるんだからそこは新潟と思ってくださいよ!ってことなんだろうけど、もう少し作りこめないのかなと。
城下町の人々、エキストラさんの演技が侍タイの「エキストラの人の演技の演技」とまったく同じなんだもの。
そもそも題名からして「十三人の刺客」を想起させるわけだから、どうしたって比べちゃうわけなんだけど、確かにアクション単体だったらさほどひけをとってない。
でもさ。
新潟の田舎につかまっていた罪人が10人集まって、薩長軍と戦えるってこと自体が荒唐無稽だし、それにリアリティを与えるロジックすらない。
「十三人・・・」のほうにあった、「初めて人を切ることへの不安や興奮」みたいなものがまったくなくて、おそらく一度も真剣で戦ったことのない下級武士が30人くらいの官軍を切り倒していくんで、桃太郎侍とか暴れん坊将軍的な画になってしまってるんだよねえ。
11人の紹介も下手なんで、いったい8人なんだか12人なんだかもよくわからないままラストを迎えるから、「オレは11人目の賊軍だ!」って叫んでくれることで、ああ11人だったのね、ってわかるという・・。
あと、髪も服装も身体もぼろぼろに汚れてる最下層の人なんだけど、虫歯のない真っ白なきれいな歯並びを見せて叫んでくれちゃうし・・・。
とにかく「十三人の刺客」みたいなものを期待していくとかなりヘコむんで、監督お得意のゴア描写が見られればいいやくらいの気持ちで行くといいと思います。
内容が薄い間延び映画
長い割にご都合すぎるが、悪くない
良いところ
ジジイが強い
?なところ
敵味方両方が妙にしぶとかったりあっさり死んだりと都合で処理されてる感
たまたま聞いた裏事情で話を作るのはなー
映画に限らず映像作品というのはそこに存在する全てに意図がある、たまたまそこに映ったものでもそれを残すかどうかは監督の責任の上。つまりところ偶然というシチュエーションは存在せず、必ずそこにはそれに至る必然が存在している。
んで、たまたま汗を流すか洗い物か知らんが初めて出てきた水場でたまたまそこにいた女中に肝心要の裏事情をたまたま足を引っ掛けて転んだ拍子にイカサマがバレた賭博師と刃状沙汰になった武士を連れてきてバラすとか。
聾唖の設定もノロの生い立ちも要らん要素が多すぎる。長い。その分はジイ様か辻斬りに割いてやれや。なんかこう詰め込み過ぎて誰が何やら分からん内に退場してゆくのがもったいない。
コレラは血液感染はしないとは言え、あの状況ならほぼ確実に感染してんだろうな。とは言え序盤の伏線からきちんと匂わせつつバレる流れは冒頭に書いた作為的かつご都合展開の対極にあって良いと思った。脚本家が上手いのか下手なのかよく分からんな。
十一番目の、、、
懐かしの東映集団時代劇。里見運動会といわれた十三人の刺客や大殺陣、もちろん公開時でなくリバイバルや名画座で観た作品だけど、黒澤作品とはまた違った意味で面白かった。その新作、それも笠原和雄が残したプロットを。
そして監督が白石和彌。もう期待しかない。
十一人の賊軍。メインがすでに十一人なのに登場人物が多すぎる。砦に十一人以上いるし、侍多いし、官軍も同じような顔の人いっぱい出てくるし。
メインの罪人たちのバックグラウンドが描かれてないから、ひとりまたひとりって亡くなっていっても同情できないし悲しくもない。(七人の侍の千秋実、宮口精二、三船敏郎の時なんて泣けたのに)
戦闘シーンや斬り合いの場面は迫力があった(DOLBY ATOMSで観てよかった)けど、知恵がないというか工夫がない。
そりゃ殺られるやろっていう殺られかた。
あれで助かるかっていう助かりかた。
それでは殺れやんやろっていう殺りかた。
あげくは敵の陣地の真上真後ろに油の井戸、ドラえもんのポケットかよ。(せっかく爆発させたのに中途半端)
前半の霧(煙)の中、そしてクライマックスの燃え盛る炎の中での斬り合い、絵面はいいけど、あまり意味がない。
敵にも味方にも不利。
吊り橋って真ん中で爆破しないと落ちないの?
あ、やっぱり端っこ切ったら落とせるのか。
終わったのに終わらない、ダラダラと続く日本映画の悪いとこ。エンディングに予告で流れてたイメージソングがかからなくてよかった。
豪華なのかしょぼいのかわかんないキャスト。
合っているのかいないのかわかんない音楽。
(「七人の侍」や「十三人の刺客」工藤栄一監督の方、はつくづくよく出来てたんだなぁと思いました)
あ〜おもしろかった〜。
「俺は、十一人目の、、、」からの仲野太賀のカッコいいこと。仲野太賀主演で集団時代劇アクション、仲野運動会シリーズ化してほしい。
御國に逆らい奉り致す
予告編の印象で、現代同様に、国会権力の横暴さに耐えきれず、反逆するストーリーと捉えてたけど……。
前半から中盤にかけての組み立てが酷かった……。
随所にトンデモ感じてたが……、終盤に入ってからの個々の心情が視えてくると、面白く感じてきた。
御家老始め、意外に凄腕剣客がズラリ。もっと活かせる話を盛ってたらより愉しめた様な…。
ラスト、こうしならない様にするにはどうしたら良かったのか?……たしかにやりようが無かった様な氣もする。
衆院選を終えたこの時期、今後の日本の在り方を重ねて考えてしまう。考えさせられてしまう作品となった。
監督は冒頭で氣づいたが、原作が冲方さんなのはエンドロールで初めて氣づいた。面白いはずだ。
久々に時代劇でリピートしてます!
ネタバレしたくないので抽象的なレビューになりますが
個性有る11人の賊や全体のキャスティングが本当に素晴らしい!
仲野大賀さんからは主役の人柄が滲み出てきます。
元アイドルの鞘師里保さんの和服を着た佇まいの美しさにびっくりしました。
本山力さんの殺陣の迫力には驚きました。
阿部さんの狂気!
玉木さんの迫力!
千原さんの変態度(笑)
書ききれない・・・
そして全体を纏め上げているような山田孝之さんの深み・・・
全てを引き出した白石和彌監督!
もう一度、見に行こう!
失礼ながら、笑いながら楽しみました
フォローさせて頂いているレビュアーさんの2点台の低評価、非常によくわかります。
脚本が滅茶苦茶すぎる上に支離滅裂です。
大変申し訳ないのですが、作品としては絶望的な出来栄えと評価せざるを得ません。
振り返っても、最初から最後まで意味不明なお話でした…。
何でもかんでも爆発させ過ぎ。無駄なグロも不要です。
一方、何とか面白くしようとする俳優陣の努力が不思議な笑いを引き起こしてくれました。
お話には笑えるところは一切ないのですが、
「お客様にいかに楽しんで頂くか?」という気持ちが非常によく見えてきたのです。
こういう作品があるからこそ、「俳優さん」を好きになれるのかもしれません。
滿潮で泳いでいるとき(作品自体が優れているとき)は誰が皆順調に見えます。
しかし、潮が引いて初めて、誰が裸だったのか分かるというような。
この現場でも素晴らしい演技が出来る俳優さんは、本物なんだろうなと好きになってしまいます。
※脚本家の方は、原油への着火がいかに困難か一度お調べくださいますよう、伏してお願いいたします。
支持。仲野太賀の体躯全体から漲る気合。
キャラが立っていて長さ感じず
血しぶき舞い、首やら腕やら指やらが飛び交うのに、変だけど爽快感がある。
そもそもがほとんど侍じゃないのでイデオロギーなんか持ち合わせず、何だか自分の都合が良い匂いを嗅ぎつけてはあっちへフラフラこっちへフラフラするのがいですね。
まあ、なんだかんだあって、結局のところ一致団結へと向かうのはだれかれ関係なく「国(故郷)にいるおとう・おかあを危ない目に遭わせていいのか!」でした「最後に愛は勝つ~♪」かな。
全体的にストーリー展開がテンポよく、それを助けたのは賊軍(罪人)たちが銘々キャラ立ちしていたことだと思います。
拝啓とか詳しく描写されなくても、区別化されていたので見やすかったですね。
そして中野太賀さん!演者の中でも飛び抜けた存在感でした。阿部サダヲさんの奥が読めない無表情との対極にある「動」の演技が素晴らしかった。
暗い映像が多くて誰の顔なのか分かりにくかった以外は文句のつけようがありませんでした。
ストーリーについて行けなかったけど殺陣のアクションシーンに引き込まれた作品。 本年度ベスト級。
物語の背景や状況説明の字幕が所々で出るものの字幕が読める眼鏡を忘れ良く見えず(笑)
死刑囚が吊り橋の手前の砦を守り切れば無罪放免となる設定は理解出来た(笑)
新潟の方言が聞いていて心地好い。
死刑囚の山田孝之さん演じる政。
剣術道場の鷲尾兵士郎を演じる仲野太賀さん。
この2人を中心に展開するストーリー。
殺陣のシーンが半端ない!
首を落とされるシーンが多めなんだけどグロく目えない感じが好印象(笑)
阿部サダヲさんの役がいつもの良い人キャラじゃなくてビックリ(笑)
仲野太賀さんが素晴らしい!
殺陣のシーンが素晴らし過ぎた!
罪人でも無いのに本作のタイトルを叫ぶシーンに鳥肌が立つ(笑)
ゆりやんレトリィバァが登場したシーンがツボにハマりました( ´∀`)
義を貫き、仁を棄てる
ご家老の乱心ぶりには、恐れ入ります。最前線に囚人兵を送るし、知られたくない情報は、確実に始末するし。(実際に、そういうことするヒトいるし。)…そこまでして、ご家老が守りたかったものは、何かな?。その代償として、ご家老は許される者なのか、許されざる者なのか…。
子、曰く人として最も大切なのは、仁。仁、言葉で表し尽くすこと能わず。されど、仁の裡に義あり、礼あり、節あり、忠あり、孝あり…。
つまり、義は仁の一部ではあるものの、全てではない。どんなに自らの正しき義を貫いたところで、隣人の義とぶつかるだけ。争うだけ。傷つけ合うだけ。
義を貫徹、仁を棄てた御仁に見える世界とは、どんなものですかね。
大勢の幸福の為には、少数の犠牲はつきもの。よくある主張です。しかも、自分がその大勢の側にいると、賛成はしなくとも、黙認してしまうのが、ヒトの性(さが)。そして、少数を犠牲にしたヒトを責め、犠牲にされたヒトに同情する。しかも、自分は安全なエリアから、一歩も踏み出さない。あ、そうだ。戊辰戦争のひとつ、上野会戦を見物していた江戸っ子が、いたとか。江戸無血開城のおかげですね。映画館まで足を運んだ私は、その末裔かもね。
ところで、そのご見物の談話だと、刀で斬り合うと、初めの一合で生死が決まることが多く、何合も斬り合うのは、お互いの腰が引けて小手先を斬り合う場合。こうなると、腕周りの失血が多く、体力低下した方が討ち取られたそうです。斬るか斬られるかは、映画のようにかっこ良くないそうです。ちなみに私、斬られたくないので、転生したら、新政府軍の兵隊だった、は、遠慮させて下さい。
どうにもこの映画、11人の怒れる者達だけでなく、クニの為、大多数の為に、凄まじい罪と罰を背負わされた方が、気になります。官も賊も、関係ない。同じ藩、同じクニにいても、守るべきものが違う。大切にすべきものが違う。その結果があの結末だとしたら…。
皆様は、何を守りますか?。
何を大切にしますか?。
追記)
阿部サダヲ、いい役者さんになりましたね。この先、柄本明や、イッセー尾形に匹敵する名優になりそうな気がしました。
「推しの子」ドラマや、映画になるそうですが、いっそ、「推しのサダヲ」してみる?。
新発田藩新政府軍へ恭順までの日々
感想
期待を持って映画館に向かう。東映のタイトルロゴも昔のままでオープニングを迎えた本作。話は1868年7月戊辰戦争時、越後地方新発田藩の奥羽越列藩同盟脱退、新政府軍への恭順を示した藩の政変時に発生した駆け引き的な局地事変を描いた話であった。
日本侠客伝、仁義なき戦いの脚本で有名な、笠原和夫氏の温めていたプロットを元に狐狼の血の白石和彌監督が映画化した。
出演俳優陣全員の文字通り身体を張った演技は素晴らしい。特に仲野太賀さんが目覚しい活躍であった。東映時代劇の復活を掲げて制作したという触れ込みであったが、正直な感想としては脚本が今一つの印象を受けた。賊軍十一人全員に焦点が上手くあてられておらず性格や個性を観る側に説明出来ていないように感じた。撮影もリアリティ重視なのは分かるが暗がりが多く演出なのか、アクションが優先され、勢いはあるのだが登場人物の顔のアップは余り無くカット割によるアップも限られた役者しか撮られていない。もっと十一人の個性をデフォルメした方が話が面白くなったと本当に感じる。笠原氏のプロットは話としては興味深く上手く制作すれば名作誕生を予感していたので真に残念である。
また配役と脚本の問題だと思うが、山田氏は始まりは素晴らしい滑り出しで期待を高めたが、主役級なのに役柄が脱走を繰り返し台詞も少なめで印象が薄い。小柳氏は役どころとしては面白かったのだが顔のクローズアップが余り無く印象が薄い。また松尾氏に至ってはもっと活躍するのかと思いきやすぐ爆死してしまう役どころである。尾上右近氏は役どころが町人賭博師役なのでそこそこ面白い役柄であった。野村氏、田中氏、一ノ瀬氏は見た目からして現代人そのもので申し訳無いが時代劇には合っていない印象を受けた。繰り返し言うが演技は本当に全員素晴らしいのだ。本作に大きな期待を賭けていたので残念で仕方がない。
本作を観た印象として21世紀の今時の日本人に江戸時代の日本人を演ずる事自体が難しくなってきているのかもしれない。出自そのものや社会的生活的に考えて見ても人が負う人生の苦労度が桁外れに違う。当然顔付きも変わる。例えば和装で山や道を走る。又は歩く。というこの簡単に感じる所作一つでも江戸時代と現代は違っていたような気がするのである。俳優さんは悪くないのだが、期待している顔付きがもっと眼光が鋭いというか、どうしようもないのだが気迫というものを感じられないのだ。気迫を劇中に感じたのは仲野氏、本山氏、松浦氏くらいの印象なのである。時代劇の制作期間は俳優陣を含めてそれなりに長く取らなければいけなくなってしまったようだ。残念だが自分には本作が合っていなかった。
🌟2.5
リアルさを出してる映画!何を守り何を犠牲に!
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