十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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こんな戊辰戦争もあったのかと
全編に白石和彌監督らしさ炸裂映像
手首
腕
首
切り落とされまくる
そしてそれを演出でゴマかす事なくリアルに見せる
そして放送禁止用語を躊躇なく使う
ストーリー的にはお涙頂戴でもなく
義を貫く武士道でもなく
あの時代のあるお話
賊軍の脇役たち、非常に良かった
55点
映画評価:55点
良いような、悪いような、
良いような、悪いような、、、
中々ないですよ。
真面目なのか、ふざけてるのか、
熱いのか、サムいのか、
大切なのか、くだらないのか、
これだけ、
どっちつかずの作品は
本当に珍しい。
そして、それこそがこの作品の魅力でした。
実話っぽい背景なのに、
キャラ、設定、展開、爆弾(無双)、等々
どれを取っても夢物語(非現実的)
じゃあファンタジー路線か?と思えば
そうとも言えない、当時の深刻さが表現されている
アニメだったら、
どこにでもある感覚で見れただろうけど
実写だったので、
困惑しながら見る事になりました。
くだらない、ふざけてると思う人の気持ちもわかるし、面白い、感動したと思う人の気持ちもわかる
本当に不思議な作品
是非、あなたも体験してみて下さい。
【2025.3.4観賞】
感動の話だが、時間が長い
なんか物足りない…
監督の白石和彌は、現在の邦画界ではトップレベルの実力のある監督だと思う。
今回も、言わばソツなく作られていて、面白い。とてもよく出来ている。
でもなんか物足りない。
「孤狼の血 LEVEL2」でも感じたけど、深作欣二より上手いところが多々あるけど、やはり深作を越えていないと思ったのと同じように、今回も何か足りない。
今回は、サム・ペキンパー(「ゲッタウェイ」「ワイルドバンチ」)やウイリム・フリードキン(「恐怖の報酬」)と、私の好きな映画の影響があって、十分楽しめたけど、ガツンッと来ないというか、物足りない。
コミカルなところや、シリアスなところ、殺陣もなかなかだし、話も笠原和夫原案らしく、虐げられた者たち、コマとして使われる者たちの怒りや悲哀も感じられて面白いけど。
なんで物足りないか、分からない。強いて上げるとすれば、脚本の書き込み不足(それぞれ賊軍たちの背景など)と話の展開に勢いがないことかな。
新潟県民としては、新潟弁がけっこう効いていて、良かったし、役者も仲野太賀は良かったし(彼の代表作になると思う)、ちょっと首を切りすぎ!と思ったけど、特殊メイクや効果が結構リアルで良かったし、鞘師里保という初めて見た女優は良かったし、本山力という役者の殺陣はすごいし(「侍タイムスリッパー」にもでてたとか)、といいとこいっぱいあるので、見直すと初見より面白いかも。
新発田市の人は、これを見てどんな気持ちになるか、ふと思った。手放しに喜べない映画では?と。
やぶ医者の恐怖
泥まみれのヒーロー
新発田より愛を込めて
仲野太賀の一人勝ち
戊辰戦争において新発田藩が奥羽越列藩同盟から新政府へ寝返った史実(※)を背景に、新発田城下で同盟軍と新政府軍が衝突することを避けるために、処刑を待つ罪人たちを新政府軍足止め要員として送り込んだというフィクション。
※新発田藩はそもそも勤王が藩論だったから、錦旗を掲げた新政府に反抗する同盟に加入したことが城下の民意に対しては裏切りだったかもしれない。
もっとも、同盟の各藩も新政府と戦をしたかったわけではないのだが…。
この映画はすこぶる評判が良く、そろそろロードショーが終わりそうだったので慌てて劇場へ駆け込んだ。
だが、私は物足りなさを感じた。
多くの登場人物たちを一見丁寧に描いているようで、それぞれバラバラの断面を見せているだけで中途半端なのだ。
アクションにそれなりに尺を割かなければならないうえに、中途半端な人物描写にも尺を使っているから全体が長くなっている。もっとダイエットできたはずだし、面白い設定が活かされていない気がした。
主人公は罪人の政(山田孝之)と足軽の鷲尾兵士郎(仲野太賀)の二人だ。
この二人の間に対立や友情のような物語はない。だが、最後に共通の敵と戦うというドラマ構成が秀逸なのだが、兵士郎の道場仲間だった藩士入江数馬(野村周平)にも花を持たせたりするから、ボヤケてしまっている。
罪人たちを最後は口封じしろというのは藩命だ。なのに数馬は罪人たちに謝り、家老に放免をかけ合うと約束する。それほど罪人たちと心が通った訳でも、罪の意識を持っていた訳でもないのに、唐突なのだ。藩命に背く数馬の藩士としての矜持は何なのか。
家老溝口内匠(阿部サダヲ)の娘(木竜麻生)が数馬の許婚者だというのも布石がなく、一人で砦にやってきて数馬の死を看取るお涙には無理やり感が否めない。
家老を悪役にするのは良いとして、幼君溝口直正(柴崎楓雅)をわがままなバカ殿のように描いていながら、結局それに翻弄されるでもなく、家老の独断で事が進んでいく。
家老の妻(西田尚美)に至っては、存在感が薄かったのに自決するに及び、家老に何を訴えたのか。
笠原和夫の幻のプロットを評価する専門家筋のコメントを目にするが、脚色と演出への評価ではないのでは…。
とはいえ、上記のような不完全な人物描写を除けば、スケールも大きくて面白い面はある。
砦の攻防アクションは、確かに見どころだ。
あんなロケ場所をよく見つけたなと、そこによくオープンセットを作ったなと、感心する。
官軍が大砲をあんな場所まで運ぶのは大変だったろうと思うが、大砲攻撃がないとあの攻防は盛り上がらない。やはり、今の映画ならではの演出だ。
吊り橋を爆破するメインイベントは、特に面白い。
油を使っての奇襲はリアリティに欠けるものの、その後チャンバラまで展開して盛り上がる。
そして、最後に家老と兵士郎の直接対決だ。
この映画は、阿部サダヲvs.仲野太賀だったのだとハッキリ示している。
芸達者な二人の役者による渾身の演技合戦は見応えがあった。
特に、全身で見栄を切る仲野太賀のエネルギッシュなパフォーマンスに魅せられた。
さて、10人の罪人たちの中で2人を生き残らせたのは、そこだけ切り取れば悪くはないのだが、そもそも笠原和夫が製作と対立した理由が「全員死ぬ」結末だったのなら、笠原和夫の無念はこれで晴らされたと言えるのだろうか…?
白石監督史上、最高傑作
久しぶりにこちらにレビュー投稿。
というのも、今作の素晴らしさをもっと世に伝えたい。
東映と白石監督はこれまでも『孤狼の血』があったが、やはりかねてから監督は時代劇制作を熱望していただけあって、東映との相性は抜群。おそらく制作費もこれまで監督が作った長編の中で一番あったのかな、と推測。
内容も戊辰戦争に着想を得て、そこにさまざまな人間模様が入り乱れ、それは決して受け入れられないような人間もいるが、それも生きる為の手段だったり、と面白くも切ない人間ばかりだった。
これまでの白石監督作品に出てきたようなキャラクターが多く、監督を線で追っている自分としてはそういうキャラクターが愛おしく、また圧倒的な殺陣技術や、かなりハイレベルな撮影技術に感動。最後は自然と涙が流れた。
もっと世界に売り出してほしい。
キャラの魅力がもっと欲しい!
令和の娯楽時代劇
圧巻の演技とカメラワーク
幕末好き、山田孝之好き、仲野太賀好き、玉木宏好きとしては観ないといけない映画だとおもってみました。
期待を超える内容でした。
仲野太賀の殺陣とそのカメラワーク超かっこいい!
山田孝之の演技かっこいい!
今までよく知らなかったんですが、尾上右近、鞘師里保、岡山天音、本山力がすごく良かったです。
ナダル!、お前いたんかナダル!wwというくらい、芸人のナダルさんが出ていることに全然気づかなかったです。
すごく目力のあるいい役者だな~と思ったらあのクズキャラで売っているナダルさんとは。
鑑賞後に調べてひっくり返りました。
演出もとっても良かったです。
ストーリーは、まぁ及第点かなと正直思いました。
とっても楽しめました。良かった。
わしは賊軍だ、十一人目のな。
まず、幕末、そして官軍と奥羽越列藩同盟の対立の経緯を予備知識として知っているかどうか、そして越後の地理と各藩の力関係がわかっているかどうかで、この映画の楽しめ度が違うだろうなと思う。だからと言って、その説明をしていては凡長になるし。そして、観ている個人個人が、どの勢力に肩入れして観るかでまた大きく見方が異なる。
で、自分はというと会津びいきなので、当然、長岡も新発田も嫌いである。冒頭、「そこから長岡を中心とする奥羽越列藩同盟、云々」とナレーションが入るが、新発田も日和見だけど長岡こそ天秤外交のような日和見交渉の末に城下を焼野原にしたんだろうが、という反発しかない。むしろ、最後まで城下を守った新発田は、憎いながらも褒めてやりたい気分。だから、阿部サダヲ演じる内匠を悪人だとは思いきれない。むしろ潔く悪役を買って出ている覚悟が見えて、組織人としての矜持を感じた。
さておき、白石監督なので、おそらく必要以上にドッカンドッカンとやってくると思ったら案の定だった。しかも城下に入るのにそんな谷底の深い川に架けた橋しかないんかよ、と突っ込みも入れたくなる。べつに、ひと山向こうに迂回すればいいだけの話だがそれを言っちゃ野暮。
エンタメとしては、殺陣が存分に楽しめた。当然、この監督なので首は転がすわ、腕もぶった切るわ、指も飛び散る。仲野太賀の迫真の演技には目を見張った。が、それにも増して、おや?このおっさんいい声してるな?と気にかけた白髪頭が、見事な太刀裁きを見せた。あとで調べると、なるほど時代劇でさんざん切られ役をしてきた東映剣会の凄腕のようだ。伏せてきた正体(名乗ったときに、ああそれなら!と膝を打った)さえも存分に納得できる腕前。
史実にのっとったとはいえ、エンタメ寄りだと思えばいいかな。
時代は幕末だが現代に通ずるもの有り。
賊の意地
戊辰戦争の最中、勢いを強める新政府軍との闘いで劣勢に立たされた幕府軍。闘いの前線にされそうな新発田藩の溝口がある作戦を企て…。その駒として砦を死守することとなった罪人達の物語。
それぞれに重罪を犯した死刑囚達。しかし、ある作戦に身を投じれば無罪放免を言い渡され…といった所から本筋が始まっていく。
登場人物は多いものの、皆キャラが立っていてわかりやすく良い感じ。
何物でもない一般人(重罪人なのでそうは言えないか…)達が、官軍を相手に見事な作戦で闘う様は、唸らされると同時に大迫力。
ここでの敵は官軍でありながら、こちら側は罪人と藩という構図で、中々一枚岩とならない描写も見応えアリ。…そうそう、無罪放免といってもやっぱりね。。
そんなこんなありながら、アクションシーンは大迫力‼…の合間に見せられるドラマパートはちょっとテンポがよくなかったりしたり、やはり2時間半超えの尺はどうにも長く感じてしまったり。
あとは、賊の意地だなんだとカッコ良い言葉を並べても、アンタ何度も皆を…。
感情移入するにはちょっとアレな主人公だったのが少し残念。でもまぁ罪人なわけだし、キレイに描かれていてもそれはそれででしょうかね。また、最後の殺陣は流石にちょっとやり過ぎなような…。
と思う所はちょくちょくあれど、圧倒的に不利な状況を知恵と腕っぷしで戦い抜く決死隊の姿には熱くなったし、誰もが生き残って欲しいと思える程良キャラ揃いだったのはとても良かった。
総じて、とても面白い作品でした。
単純な物語ではないところがいい
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