「風見鶏」十一人の賊軍 GodFieldさんの映画レビュー(感想・評価)
風見鶏
白石和彌監督の時代劇、二作目
前作よりもアクションよりで戦闘が無くとも
残忍なシーンを入れたりと飽きさせない工夫があるものの、全体的にバランスが悪いと思いました。
スタートから騒がしいのですが、村が襲われたり、謀反で殿様が殺される一大事かと思いきや
大した事は無く拍子抜けしてしまいました。
キャストも前作よりも数は多いものの、質は前作の方で阿部サダヲがいくら残忍な役で人の首を何度も斬り落とそうと他の大御所の一発には敵いません。
大御所では無くとも「十三人の刺客」の稲垣吾郎も一人斬っただけで顔面に血を浴びずとも残忍なのが伝わりましたし。
後半の戦闘シーンも同様に印象が薄く
刀を持った切込みシーンで定番のスローモーション。この後はお決まりの鉄砲(阿部サダヲ)で撃たれます。敵を斬り倒して行くシーンはありましたが敵の鉄砲隊を全滅させるシーンは無く、何処いった?と刀で勝負しない阿部サダヲを際立つ為とは言え他含め無理矢理感が強く出てしまいました。
流れ的に自爆も原田眞人監督の「関ヶ原」を見ている人ならば想像出来てしまい、チープな音楽が余計に残念な気持ちにさせられます。首や指をそう何度も斬らなくても良いので他の工夫が欲しかったです。
前作もあった時代劇に洋物、今回は城にローマ字で方角が書かれた風見鶏
時代的に伝わっていたかもしれませんが不自然な物をあえて映すのはソフィア・コッポラの「マリーアントワネット」にコンバースが登場するのと似た様な表現なのかもしれません。
ここは、ウォリーを探せ!みたいで
次回作も時代劇ならば注目して見てみたいと思います。
キャストや音楽を少し変えたり
主人公が逃げてばかりで戦わないので
鷲尾兵士郎を主人公にするなど
かなり印象は変わっていたと思います。
新潟だけに花火を武器にしたりとユーモアも有り
時代劇が減る中で若い人にも見てもらう為に時代背景をナレーション入りで説明したり色々と試行錯誤も見られます。
好きな監督だけに次回作にも期待したいです!