十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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だんだんと映画になっていく
どんな映画とも知らずに飛び込んでみました。タイトルの「十一人の賊軍」を見れば、「七人の侍」「十三人の刺客」等々、個性的な少人数で大群と戦う、伝統の映画であることは明白なのですが、それを感じさせないほど、最初はどうなるのか、さっぱり判らなかった。
妻を手込めにされ、残された家紋から逆恨みの人情に及び、そこからいつ断罪に処されてもおかしくない変転振りで、主役に明日があるなんてまったく感じない。そこから十人の似たような罪人が集まり、無茶振りを言い付けられるあたりから、ああ、成る程。遂に「映画」に至ったかと得心がいきました。
他のなんとかの「侍」や「刺客」に比べ、なんと危うい戦いであることか。武士だというのに礼儀も誇りもへったくれも無い。ワザとでしょうか。後ろから斬りかかるアクションを何回みせられたことか。幕末・倒幕の時代で武士道など末期の時代、銃の集中砲火は当たり前だからそういうものなんだろうけど、かえって戦いのリアリズムが凄まじい。
どんどん犠牲者が増えていき、生き残りも仲間割れすれば、まず斬る撃つの脅しのない本気の喧嘩。何度も例に挙げますが、「侍」「刺客」からずいぶんと荒々しさ・リアリズムに磨きがかかっているように思う。ああ、もっと例えるなら、スピルバーグの「プライベート・ライアン」を忘れてはいけなかった。あれのリアリズムも凄かったけど、かくも映画監督はリアリズムを追い求めなければならないのか。
その戦い振りは、斬り合いのアクションから作戦の立て方、「焙烙玉?」といった爆薬のアイテムまで面白さ満載でした。賊軍の戦い振りに加えて、阿部サダヲさんの演ずる家老?の策術権謀も良いですね。斬り合うと見せて拳銃でケリを付けるあたり。そうです。あなたのキャラはそれで良いんです。卑怯で結構。そういう役だから。
舞台の隅から隅まで変転する情勢。勧善懲悪などと型にはまった対立関係では収まらず、結果の読めない展開にワクワクが収まらない。
物語の終焉、先にも挙げましたが、後ろから斬りかかるような斬り合いだったからこそ、槍の使い手の老人剣士の誇り高き武士の振るまいが素晴らしい。ざんぎり頭の官軍将校にちゃんと名乗りを上げるあたり、武士としての思いの丈を込めて戦いに死ぬつもりだったのでしょう。そして賊軍の十一人目を最後に名乗った剣士に、この映画での数少ない誠意ある姿を見た気がする。指一本を立てる独特の構え、前半で敷いた伏線だったのですね。
そして生き残るべき人はちゃんと生き残り、幸せになる人はちゃんと幸せに。なんか「弟君」が生き残ったのに「CUBE」に通じるものがあるなあ。これも映画の伝統なんでしょうか。
それと比べて、策術権謀の御家老と言えば、大切な物を失われたまま生きていかなければならない。生きてさえいれば人は幸せなのでしょうか。ちょっと考えさせられるところ。
他にもそれぞれの個性に生きて、そして散っていった、ちゃんと「侍」「刺客」「ライアン」に通じる伝統ある娯楽映画だったと思います。
60分削ってください!いや30分でもいいです!
本サイトの特集によると、60年前の幻のプロットを起こし、「孤狼の血」で東映ヤクザ映画を現代味に復活させた白石和彌監督のもと、今度は、東映集団時代劇を復活させた、という触れ込み。
そんな企画は大体、プロットが勝りすぎて時代遅れになったり、プロットが今どきの忖度に薄まり、味がしなくなったりと良いことはない方が多かったり、オレ自身が「孤狼の血」をそんなにかっていないのと、NETFLIXの「極悪女王」があんまりおもしろくなくてガッカリしての、期待値は結構下げての鑑賞。
舞台は戊辰戦争。東京映画祭オープニング作品。戊辰戦争の意味がどれだけ国際映画祭に通じるか、そしてその価値はあったのか。
「十一人の賊軍」
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東映集団時代劇というと、1989年の「将軍家光の乱心 激突」ぐらいしか見たことはないが、当時高校生の自分でも、「ザ・痛快・時代劇」、チャンバラと火薬を堪能した記憶がある。
全体的には、同じように名もなき者たちが、権力闘争、時代の渦に巻き込まれ、奮闘する、というものになるので、アツイものを感じられる。そして、「孤狼の血」がおおよその評価として認められた白石監督であって、本作も現代風に「アップデート」とは言わないが、見ごたえのある作品に仕上がっている。
とはいえ、いかんせん長すぎる。
戊辰戦争という、国際映画祭に上映するにはいささかわかりにくい舞台設定について、ちょっと説明が足らない部分はまあいいとして、官軍側の描写が多すぎ。これらと新発田藩士側の人名に字幕がついたりと、「名もなき」賊軍との比較、ということかもしれないが、結局ノイズ。
さらにサダヲの連続断首のエピソードも要らない。サダヲの娘も必要ないし、賊軍の女も要らない。主人公の妻の聾唖の設定も要らない。
もっと要らないのは、最初のチャンバラ。暗いし、ウェストショットのアクションばっかりで、(これは役者の殺陣の技量によるかもしれないが、)ちっとも盛り上がらない。(NETFLIXの「極楽女王」でも感じたのだが、どうにもアクションの撮り方が単調に見える)
これらを切るだけで60分、いや30分は短くなる。
とはいえ、後半、俄然盛り上がってくる。嵐の中のつり橋攻防からだ。
「黒い水」と「つり橋」で、こっちは勝手にフリードキンの「恐怖の報酬」、あるいはせめてコッチェフの「地獄の七人」やってくんねえかな、と思ったら、やってくれました!!ありがとう!!どうせなら、油井まで嵐の中つり橋で重機を渡す、みたいな展開だと感涙までしたはず。それぐらい嵐のつり橋シーンはよかった。
そして、峠での決着をもっての、仲野の独壇場。ここはカメラはしっかりと白昼の下、ロングショットで立ち回りを見せる。
結末はある程度想像つくものではあるが、テイストは「アメリカン・ニュー・シネマ」である。そして一騎討ちをカタルシスとせず、道場で鍛えられたはずの家老サダヲの行動が、戊辰戦争の結果を端的に表す。そのためにも主人公孝之はひっそりと意味もなく、火薬とともに見せ場を譲る必要があった。
イヤほんと、前半全部要らないって。
追記
「名もなき者」の奮闘で世界が救われる、は「アルマゲドン」が至高と思ってるぐらい、程度の低いオレだが、賊軍にそれなりの技量があっての集団でなければ「アルマゲドン」の域には達しない。本作に説得力の希薄さや嚙み合わせの悪さを感じるのは、一概にそのせいだ。
追記2
この手のエンドクレジットは、それぞれの顔と名前をワンカットごとに挟みましょうよ。娯楽色がもともと強い企画なのだし、そもそも登場人物が全く印象残らないくせに、何の役にも立たないのに「医者」だ「詐欺師」だ「坊主」だとか説明する時間は全部省いて、エンドクレジットでドン、で十分。むしろそのほうがかっこいい。
というか、かっこいい、と言っちゃダメなんだろうな。
犠牲の上に成り立つ平和の心苦しさ
その場で偶然居合わせた人物たちが、人数も装備もスキルも圧倒的に上の輩たちを相手に戦わなければいけないという設定は、何度見てもワクワクする。
どんな機転で現状打破するのか。
圧倒的不利な立場でそれをどう覆していくのか。
その展開が楽しみではあったのだけれど、そんな王道まっしぐらな話ではなかった。そりゃそうか。
見終わった後、どんな感情になれば良いのかわからなくなった。胸糞といえば胸糞だし、でも世の中っていつの時代もこうだよな…とも思うし。
時代劇ではあるけれど、とても現代的でもあるなと感じた。
一部の権力者の人がよく言う「多少の犠牲はやむを得ない」という言葉。いつ聞いても、じゃあお前がその犠牲になってくれと思ってしまう。
いつの時代でも、何かを得るために名もわからない人々が犠牲となって戦っているんだと改めて思わされる。そしてそんな彼らの心の叫びを浴びて、私はどうしたらいいんだという気持ちにさせられた。
仲野太賀の初の殺陣は素晴らしかったし、山田孝之の汚いビジュアルでの野生味溢れる演技は素晴らしかった。仲野太賀のラストの迫真の演技は圧巻すぎるので、是非見てほしい。
迫力の「爆発」活劇で実感する仲野太賀の凄み
シビアなストーリーと爆発シーンの迫力、そして仲野太賀最高。たまたまドルビーシネマで観たがそれが大正解。そう思えるような、まさに活劇だった。
舞台は戊辰戦争さなかの新発田藩。城に押しかけた旧幕府軍の滞在中、彼らと鉢合わせしないよう砦で新政府軍を足止めする任務に駆り出された10人の罪人と数名の武士たち。歴史的にはダイナミックなシチュエーションだが、物語はこの砦を軸とした3日間の出来事というコンパクトな設定だ。
新政府軍も旧幕府軍も、あまりよい印象の描き方はされない。大きな対立軸の上での勝つ側の正義も、負ける側の悲哀も本作にはない。そこにあるのは、社会的ヒエラルキー上位の人間たちの思惑に命ごとひたすら翻弄され、それでも無罪放免を勝ち得るため、生きるために闘う賊軍たちの姿だ。
特に山田孝之の演じた政は、聾者の妻のもとに帰るために砦から逃亡してでも生き延びようとする(ただこれは、後でなつに指摘されたように独りよがりな判断ではあるのだが)。そんな彼が賊軍での共闘を経て、最後には一度放免されたのに、兵士郎を救うため砦に戻る。その心情の変化が、古典的な展開ではあるが心を打つ。
そんな政と対照的に描かれるのが、藩への誠を尽くそうとする兵士郎だ。任務を共にした入江たちと違い、溝口がはなから賊軍を放免にする気がないと知らされないまま、彼らと行動を共にする。そして溝口の真意を知り彼と対峙した時、11人目の賊軍になった。
仲野太賀はいわゆる二枚目に分類される俳優ではない(と私は思っていた)が、兵士郎になった彼は本当にかっこいい。まっすぐな人間である兵士郎としてのかっこよさはもちろん、俳優としても発声や滑舌、表情、殺陣などどこを取っても素晴らしく、あの適材適所のキャストたちの中で一際輝いていた。終盤のタイトル回収シーンでは鳥肌が立った。
(映画.comの作品紹介文では「11人の罪人たちが〜」と書かれていますが、違うんです罪人は10人なんです、罪人でない兵士郎が最後に賊軍を名乗って11人になるからアツいんです、ネタバレを避けたのかもしれないけどそこ大事)
彼ら賊軍のドラマを際立たせるのが、溝口という人間だ。
彼には家老として藩を守るために現実的な選択をするという彼なりの正義があるのだが、罪人たちには当然のように嘘の約束をするし、旧幕府軍を殿様に御目通りさせないために多数の民を切り捨てるなど、そのやり方はエグい。
しかし一方で彼は、一人娘を思う父親であり、殿様の扱いに苦労する管理職でもある。そんな、身近に感じる側面を持った人間が、一見理があるようにも思える信念のもとに顔色ひとつ変えず領民を殺し、刀で向かってくる兵士郎を銃殺する酷薄さを見せるから怖いのだ。
溝口は、阿部サダヲが演じるそんな多面性への、白石監督の信頼が伝わってくる役柄だった。薄寒い怖さを見せつけた後で、切腹し損ねる場面はちょっとコミカル。これぞ阿部サダヲ、という感じだ。
その他のキャストも、それぞれについて書けば切りがないほどよかった。
なつ役の鞘師里保のかっこよさにびっくり。ノロの佐久本宝、朝ドラ「エール」裕一の闇堕ちした弟! 印象変わりすぎ、俳優はすごい。爺っつぁんの本山力はすごい殺陣だと思ったら、東映剣会所属の方ということで納得。「侍タイムスリッパー」「碁盤斬り」「せかいのおきく」「仕掛人 藤枝梅安」などに出演歴あり。彼の殺陣で作品の雰囲気がかなり締まった。
松尾諭や駿河太郎、浅香航大など脇も贅沢。白石作品常連の音尾琢真を見つけた時の謎の安心感。玉木宏が演じたのは教科書的には山縣有朋だが、この頃は吉田松陰の「諸君、狂いたまえ」という教えに影響されて狂介と名乗っていたそうだ。ちょっと厨二……傾(かぶ)いてる感じでかっこいい。
演出面では、迫力の爆破シーンに圧倒された。映画館で見るべき臨場感ある音響。
官軍への痛快な一撃、仲間の劇的な死など、手に汗握るダイナミックな展開。犯罪者集団とはいえ、官軍の「投降すれば官軍に入れてやる」という言葉をあっさり信じてしまう素直さが悲しい。
溝口の不誠実さに怒った兵士郎は死に物狂いで数十人を斬り倒し彼と対峙するが、溝口は拳銃で勝負をつける。彼の冷酷さだけでなく、刀に刀で応える武士の倫理が重んじられる時代の終わりを象徴するようだ。
不誠実さの報いを娘の死という最もつらい形で受ける溝口だが、領民(ころりの病人以外)を守ったという事実は残った。ただしその平安の下には、無数の骸が転がっている。
ケレン味たっぷりのエンターテインメント活劇の骨格部分にある、ヒエラルキー上位のものに下位の人間の人生や命が翻弄され、足場にされる社会の構造。切羽詰まった状況でむきだしになる人間性。そこにはリアリティと普遍性がある。それが物語の深みを生み、私たちは賊軍に魅了されるのだ。
余談
白石監督のネトフリドラマ「極悪女王」で主役のダンプ松本を演じたゆりやんの演技は予想以上に(失礼)よかった。監督が本作で彼女をチラ見せしたかった気持ちもわかる。
集団戦の高揚と群像劇としての面白さを堪能
戊辰戦争といえば日本における最も身近なシビルウォーである。そこに白黒や善悪の二分論などあるはずもなく、本作でもただ領地内が戦禍に見舞われることを阻止したい一心で計略が張り巡らされる。その結果、もぬけの骸の砦へ時間稼ぎ部隊として投入されるのが罪人十一人。もちろん自分らが生贄だとは露知らず。いやその宿命に気づいたとて、どう抗えるというのか。登場人物の誰もが後ろめたい事情を抱えていてもう崖っぷちで後が無い。そんな各々のやるべきことは、ただ己の命を精一杯に燃やすことのみ。そこに二転三転のドラマと壮絶な生き様がむき出しとなっていく。砦を主戦場にゴロツキが集団戦で敵を迎え撃つ高揚感。そして個性豊かな面々が織りなす群像劇としての面白さ。白石作品らしく身と心が躍動し、一人一人の命が大切な何かを切実に訴えかける。これが笠原和夫による幻のプロットを基に創り上げた作品とは驚きだ。胸の鼓動高まる時代劇を堪能した。
白石監督好きなんですよね、今回は、
白石監督好きなんですよ、でも、大変失礼なんですが当たり外れがあるんでよね、でもそれもいいんですよね
みんなが完璧なるホームランバッターではないですし、毎回KO出来るチャンプではないのです
今回はどうかなと楽しみに拝見させて頂きました
とはいえ、ちょっと長いので少し億劫にもなってはいたんですけど
結論から言うと、最後は良かったです
はじめは方言も強く聞き取りづらいこともあり、(もちろん、よりリアルにする為だと思っているのですが)
なかなか難しかったのですが、慣れてきて段々と時代背景含みわかってきました
割とシンプルでした
ただ、ちょいちょいと白石監督のコメディの部分というか、コメディじゃないのかもしれませんが、ナダルでてんじゃん、ゆりやん出てんじゃんとなると少しコメディ要素も感じます
箸休めですかね
ただやっぱり山田孝之さんは素晴らしい俳優だなと思います
仲野太賀さんも素晴らしかったです
そして、存じ上げなかったのですが本山力さんですね
みなさんたまげたのではないでしょうか
少し長めではありますが、面白い映画でした
エンターテイメントでしたね
上から目線ですみません
脚本が雑だし少し無駄に長過ぎるとも思うが、中々面白かった。
昭和が薫る「集団抗争時代劇」
2024年公開、配給・東映。
【監督】:白石和彌
【脚本】:池上純哉
【原案】:笠原和夫
主な配役
【駕籠政】:山田孝之
【鷲尾兵士郎】:仲野太賀
【なつ】:鞘師里保
【ノロ】:佐久本宝
【爺っつぁん】:本山力
【溝口内匠】:阿部サダヲ
ほか玉木宏、柴崎楓雅、岡山天音、千原せいじ、ナダルなど
1.原案は笠原和夫のボツ企画
故・笠原和夫は伝説の脚本家。
海兵団からキャバレーの用心棒など職を転々とし、27歳で東映入社し映画の世界へ。
任侠ものや戦史ものが多い。
本作の企画は、1964年笠原によってプレゼンされたが、岡田茂がダメ出しした。
渾身の作品だったため、あらすじ以外はすべて笠原自身で処分するほど落胆した、と伝わっている。
白石和彌監督がこのエピソードに興味を惹かれ、
作品化した。
本作の脚本を担当した池上純哉が、笠原を意識したかどうかはわからないが、
本作は、良い意味で、昭和の香りがする。
最近の映画にありがちな無意味なリアリティを排して、痛快な「集団抗争時代劇」路線を踏襲した。
残酷なシーンはあるが、
見ていて不愉快になるほどではない。
(↑これは、あくまで、私個人の感想)
2.お笑い芸人も大活躍
千原せいじやナダルは、思った以上に無難にこなしていた。
やはり、お笑い芸人たちはベースがうまい。
あと、若殿を演じた柴崎楓雅も、不安な感情を表す演技が印象的だった。
だが、ぶっちぎりで演技が秀逸だったのは家老を演じた阿部サダヲだ。
彼が演じた家老は悪人ではなかろう。
よくできた脚本だな、と思う。
3.まとめ
期待を上回る作品だった。
山田孝之、仲野太賀の熱演、
本山力(爺っつぁん)の美しい剣技、
安定の阿部サダヲ。
昭和が薫る「集団抗争時代劇」。
次作に期待したい。
☆4.0
なめんなよ
同僚の教員が、戊辰戦争でいかに自分たちのふるさとが難しい立ち回りを強いられたかを、小学生に分かりやすく、でも考えさせるように巧みに教材化して授業した。
知れば知るほど官軍の奸計と幕軍の盲信に腹立たしくなる。
小学生もそれは感じるらしく、夏休みの自由研究にして地域の研究発表会で発表したほどだった。
鑑賞中、どうしても我が郷里の立場が思い返されて、何度となく歯噛みした。
新発田藩のように寝返ったのではなく、最初から四面楚歌の官軍だった我らがご先祖様方だが、いったいどのような無理難題を強いられて、やむをえず官軍と成り果てたのだろう。
阿部サダヲが演じたような家臣が、劇中と同様にうまく立ち回り、無関心な住民たちの無責任な口コミで英雄視されたんだろうことは想像に難くない。
ここしばらくの国政の混乱ぶりとも重なるところが多々ある映画だ。
最近の首相の言葉をそのままそっくり昨今の為政者に返したい。
なめんなよ。
白石監督が荒井晴彦さんのインタビュー本のほんのわずかな記載から構想を知り、現代に通じるものを感じてシナリオ化したそうだ。
もっと早くに観ていたら、2月に荒井さんにお会いした時に感想聞けたのに。
もったいないことをした。
鞘師里保さんという女優さん、知らなかったがとてもよかった。
調べてみたら元AKB?
この後も女優としての活躍を期待したい。インタビュー記事も読んだがとてもしっかりした方だった。
久しぶりに感想を書きたくなったのだが、すっかり備忘録のような内容になっちまった。
とにかく必見の映画です。
太い紐
戊辰戦争で進撃を続ける官軍に対し、奥羽越列藩同盟に属する新発田藩は、密かに官軍への寝返りを画策していた。しかし同盟軍と官軍がほぼ同時に到着し、藩内で戦闘が起きかねない状況に。そこで藩は、無罪放免を条件に、罪人10人に官軍の進軍阻止を命じる。彼らは賊軍として、官軍を相手に。
コレラや石油も取り上げて、最後の報いまで一本の太い紐のように練り込まれた物語。痛快な泥臭さ感じさせつつ、迎えた結末が悲しい。惚れ惚れする強さのじっつぁんが、まさかの長州人だったとは。
ただ、芸人の配役は正直不要と思いました。
藩の命令で、嫌々ながら官軍を足止めするため砦に籠る罪人たちの奮闘記
気になっていた作品だったので鑑賞してみた。
内容としては、江戸幕府から明治維新へと移行する中で起こった戊辰戦争を背景に、10人の罪人が藩の命令で、嫌々ながら砦を守る姿を描いた時代劇アクション映画。
正直なところ、13人の刺客をイメージしてた部分があり、守る砦も様々な仕掛けをして敵を迎え討つと思ってたが、この映画では砦に仕掛けはなく、これで守りは大丈夫なのかという状態で敵を迎えてしまいます。
しかも、嫌々ながらに参加している罪人だけに戦おうという意志を持っているわけでもないため、政のように砦から逃亡しようとする罪人もいるほどで、正直登場する人物で感情移入できる人がいなかったのが残念。
しかも、意外なことに芸人である千原せいじとナダルが、主要キャストとして映画に登場していたので驚きました。
最初から最後まで、物語がダラダラと進行しているように感じたのは、自分だけだったのかな?期待値が高かっただけに、見終わった後の評価が悪かったのかもしれないなぁ。
ただ、物語が終盤に差し掛かることで官軍に勝負を挑もうとする罪人の行動の変化は凄かった。
闘う意志がないままの賊軍認定
どこまで事実なのか判らないが、何か乗り切れない感がありました。
調べてみたら、新発田の裏切りとして、今でも新潟県内の県民感情としては、新発田市に対するわだかまりが残っているそうです。
なので、創作意図としては、その歴史的事実を描く事にあったのだと、後から知りました。
砦の攻防を描いた映画としては、十三人の刺客が有名ですが、その要因としては、トリッキーな宿場町の仕掛けがあったと思いますが、この映画にはそのよう様な要素はありません。
かと言って、魅力的な登場人物がいるかと言えばそうでもなく、所詮はいやいや投入された罪人ばかりで、イデオロギーとか戦う意思とかが元々ないので、どの登場人物に感情移入して良いのか判らないままストーリーが進んでゆきました。
唯一感情移入出来そうな登場人物は、仲野太賀が演じる実直な若侍ですが、彼も阿部サダヲが演じる家老に翻弄される哀れな立位置で、戦略的には他の罪人と変わりは無いので、直情型の人間特有の哀れさの方が先に立ってしまいました。
山田孝之の演じる町人も、その場その場で立位置を変えるので、本心はどのような行動原理なのか掴みかねて、感情移入する事は出来ませんでした。
結局は、ずる賢い家老への後味の悪さだけが残りました。
まあ、史実を基にしているということなので、創作のアクション時代劇だと思い込んで鑑賞した自分が間違えていたのですが、爽快感は殆どありませんでした。
今も昔も変わりなく、現実はこんなもんだという事を訴えたかったのかもしれませんが、あまり心には響かない作品でした。
仲野太賀の芝居がいい
始まりからテンポよく話が進んでいく。アクションとストーリーのバランスがいい。SFXというか特殊効果も非常に緻密で、刀で人が斬られる瞬間の迫力がすごい。
理屈抜きに入り込めるように作ってある。細かい設定がなくても大体の流れは見ていたら分かるんじゃないだろうか。
今後のチャンバラ時代劇のひとつの基準になりそうな気がする。
ただし、登場人物がやたらと多いのと、一部セリフが不明瞭なのがなんともいただけない。昔の黒澤映画を意識したとでもいうのだろうか。
そこはもうひと工夫ほしかったところだ。
そして終わり方には好みが分かれそうな気がする。
大活劇を意識したつくりでありながら、ヒーローがヒーローのままで落着しないことだ。私としてはあれでいいと思う反面、阿部サダヲの行ったり来たりの展開にはすっきりしない気もした。
いまいち
中々楽しめた時代劇
泥臭い映像と香ばし演出(邦画の良いトコ取り)
毎度の土曜深夜、映画を観る以外にやる事が無いマ王🌀
医者から禁止令が出てるのに構わず特攻気分で鑑賞準備ときました🛩️
U-NEXTのポイント消費に(月末なので)選んだ作品というだけなんだが、マ王の予想とは違った裏切り方が響いたのでレビューをしておこうかなと😁
何が裏切られたかと言えば、演出がイイのと出演者が際どくて堪らないのよ😆
山田孝之の苛々する行動や一本の竹が真っ直ぐ伸びたような仲野太賀の渋さは、まぁ見事と称賛しても良かろう✨
また脇を固める千原せいじやナダルがチラチラと面白いのでブラックペッパーの効いてる料理のように映像から目が離せなくなる😳
物語は全編通して裏切りの連鎖が止まらなくて何となくバレバレなバッドエンドへと進んでゆくが、不思議と後味はスカッとしてた🤔
泥と水と油と埃に塗れた悪臭漂う映像だがコレも不思議と汚くは感じない🥸
PG12らしく血塗れシーンは多いけど我慢出来る大人なら娯楽作品として楽しめる内容となってます👍
が、何処かフィクション感が否めない作りとなってる所為か迫力は欠けてたかなぁ😅
邦画の悪いトコなのかもしれん🌀
点数が低めなのはその点だけで、動乱の幕末を上手に溶かし込んでいて楽しめました😄
しかし、ゆりあんレトリィバァが登場したら一気に吉本新喜劇の雰囲気に戻されたと思ったのはマ王だけかいな?
今回のレビューは短めでゴメンね❤️
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
阿部サダヲの血塗れシーンは見応え有り度★★★★☆
お色気全く無し度★★★★★
脚本が
刀で切ると血が飛び散り、火薬で人が吹き飛ばされバラバラになり、今これが時代劇では普通になっている。この話は現実にあった戊辰戦争での新政府軍と旧藩連合と新発田藩の駆け引きと、藩の策略が描かれる。死罪の罪人を無罪と引き換えに戦わせる。吊り橋で守られている要害でどう戦うかと言う話だ。ところが主人公達の罪人がどういう者なのかがよく描かれない。普通は一人ずつを役人が首見聞し、そのとき牢役人がこれはこういう罪で死罪になったと、見る者に説明するのが普通だろう。吊り橋を爆破すると言って何で真ん中に爆弾を仕掛ける必要があるのか?吊り橋なら片方を爆破するか切れれば良いだけなのに。また敵の後ろの山に石油が都合良く出る。そして、なによりも昔の時代劇のようにほとんど人を斬ったこともない侍が敵をバッサバッサと斬りまくる。こういう風にあちこちなんだか詰めが甘くて納得できない物語になってる。リアリズムとはリアルな残酷描写ではなく、いかに見ている者を納得させ、必然を感じさせるかだ。 いくらでも面白く出来る話を、不十分な脚本で力づくで作ったアクションである。
難しい
難しいというのはこの作品をどのように評価知ればいいのだろうか?
戊辰戦争でこんな事があったのね。(歴史に疎いのでw)
って事は分かった。
しかし、頭の悪さが露呈して途中で????????
今戦ってる相手ってどっち???
とかなってしまって(汗
で、それとは別にこんなにスプラッターにする必要あったのかな?
臓物血しぶき当たり前w
苦手ではないんだけどその描写が邪魔していまいち集中できない。
キャスティングも気になる。
中野太賀さん山田孝之さんはいいですな
安定です。
ゆりやんは浮いてた。
なんかねなんかですよ。
監督さんと脚本さんが「日本で一番悪い奴ら」「虎狼の血」の
監督さんと脚本さんなんですな。
ハードボイルドタッチな訳だwww
娘と一緒に観ていたんだけど娘は面白かったとおっしゃっていた。
娘から父は?と聞かれて即答できませなんだ。
面白さを打ち消すスプラッターとキャスティングかな。
いや、面白くなかったわけではない。
しかし、素直に面白かったとも何故か言えない。
その答えが未だに出ないで消化不良を起こしているのは確か。
なので、レビュー終わったら観た事を忘れようと思っている。
困った難しい作品でした。
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