ザ・バイクライダーズのレビュー・感想・評価
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日本のヤンキー漫画に通じる面白さ
60年代〜70年代に実在したバイクチームを題材にした物語。日本でバイクチームと聞くと暴走族の話を連想してしまい、巷によくあるヤンキー漫画と似た感じになるのかと思っていた。
統率力のあるリーダー、ケンカっ早い若きカリスマ、冷静な参謀、おふざけ担当なんかがいるチーム。法を犯したりもするが、そのカッコよさに憧れる者が増え組織が大きくなっていく。他のチームと衝突しケンカするが仲良くなったりもして。やはり日本のヤンキー漫画と似たような同じ流れだった。違うのは年齢が少し上だということ、少し上だからこそ彼女や妻も一緒に出かけて遊ぶ関係だというところか。
ふと考えると、「莫逆家族」といういくつかのヤンキー家族が出てくる漫画を思い出した。昔ヤンキーだった奴らが築いたファミリー(チーム)を描いた漫画だった。そこには大人になったヤンキーたちが描かれている。本作が「莫逆家族」と共通しているのは、彼らは他に居場所がなくて、だからこそ仲間との絆を第一に考えるところだろう。
身近な仲間だけだったのが、チームが大きくなるとよく知らない人間が所属することになる。組織というものは大きくなると統率が難しくなる。これはどんな組織・団体でも同じ。世界共通と言っていい。本作で若くて狂った奴らが暴走していく様は、予想がつくとは言え見ていてつらくなった。
この映画って何を楽しむ映画なのかという疑問が浮かんでしまう。ヤンキー漫画でも同じだが、この手の物語ってカッコいいと思えるキャラがいるだけで成立してしまう。本作で言えばベニーかジョニー。特にベニーを演じたオースティン・バトラーが異次元のカッコよさだった。ジョニーがベニーのカリスマ性に期待して次のリーダーを任せようとした気持ちもわかる。
本作は、インタビューを受けたキャシーの目線で語られる形で物語が進む。だからベニーの本当の気持ちはわからない。ベニーは本当にリーダーになる気がなかったのか。ベニーが話した言葉と彼の行動でしか判断できない。彼がリーダーになっていたら少しは違っていたのだろうかと想像してしまう。でも、あの流れでは難しいだろうな。
だから最後のベニーの笑顔が何を意味していたのかが気になってしまう。答えはない。後悔のない笑顔にも見えるし、バイクに対する未練があるけど今の生活を彼なりに守ろうとしている笑顔にも見えた。チープな言い方になるが、人には居場所って大事だということを改めて考えてしまう映画だった。とても心に残る映画だったことは確かだ。
ザ・バイクライダーズ(映画の記憶2024/12/4)
監督さんバイク乗ったこともなさそうで、何の魅力も描けない
バイカー達の集団を描き、「イージー★ライダー」1969年に繋がるはずだった、でなければ何の意味もないただの馬鹿集団でしかないわけで、にも関わらず見事に本作は犯罪集団に陥る必然の表面をなぞっただけの愚作でした。なによりオースティン・バトラー扮する主人公ベニーの意思が全く描かれない、何をしたいのか? ただ流れに沿っているだけで、ベニーが能動的に動かない。これじぁ、映画も動きようがないじゃないですか。
当時こんな集団を取材した者の記録に基づくと冒頭に示されるが。まさかインタビュアーまで画面に入るなんてあり得ない。彼を主役に描くなら、集団への懐疑とか不安定をテーマに絞り込めば、まだしも価値が見いだせたのに。モノローグも含めてジョディ・コマ―扮するキャシーの立場を貫けば、異質な集団に魅了され振り回された後悔を描き得て、それなりに見応えある作品になったのに。要は誰の視点で描くのかが、まるでいい加減なのが致命的。
なによりバイクの爽快感が全く画面に伝わらない。意識が高がろうが低かろうが、バイカーの第一義は風切る爽快にあるはずで、それを画面に定着し得ない監督さんはお払い箱ですよ。その共通認識で集団が形成されるわけで、ベニーの感ずる風は全く観客と共有出来ていない。ひたすらオースティンをカッコよく見せようとそればかりに集中し、本質を見落としてしまった。彼をジェームス・ディーンに仕立てようなんて到底無理なハナシでしょ。
で、作品の要としての集団のボスに名優トム・ハーディが扮しているが、その渋さと男臭さは流石の迫力ですが、ジョニーとしての役柄に首尾一貫せず、中途半端は否めない。終盤の呆気ない死に方はそれこそトム・ハーディに失礼でしょ。悪い事に彼の中から真っ黒なヴェノムがいつ現れるかって意識が離れないのが困ったもので。さらに何故かマイケル・シャノンまでどうでもいい役で登場しますが、まるで主題に絡んでこない。本作で魅力なのは、集団に見切りをつけハーレーに乗って賃金も貰えるポリスに転じたコックローチがただ一人でした。若きチンピラに扮したトビー・ウォレスはお初ですが、今後が期待出来そうな面構えでした。
もろもろダメダメを書き連ねましたが、不自然な程に当時の楽曲が全然観客に響かないのが最大の欠点ですね。オールディーズからロックンロールへの過渡期が背景で、バイクの爆音に重ねガンガンに当時のヒット曲を網羅すれば、金髪を風になびかせるオースティンにシビレル事が出来たのにね。
こみあげる胸熱
映画鑑賞が生き甲斐の男には理解不能な世界
タイトルの出方が最高。
敵を叩きのめして満面の笑みの主人公・ベニー。
その背後ではベニーに命の危険が迫っていて、観客としては「志村!後ろ後ろ!」状態。
で、ベニーに一撃が加わるまさにその時、画面がピタッと静止し、タイトルがどどーんと出現。
思わず笑ってしまった。
映画中盤にこのシーンのその後が描かれるが、タイトルが出た時からは思いもよらない凄惨な事態になっていて、ドン引き。
調子に乗るもんじゃないと肝に銘じた。
キャシーが友達との待ち合わせ場所になっている酒場に行ったら暴走族の溜まり場になっていて、警戒心全開で店内を移動するキャシー。
自分も同じ状況なら、同じような感じになっていたと思う。
ところが、暴走族の一人・ベニーを見た瞬間、恋に落ちるキャシーさん。
オースティン・バトラーが演じているとはいえ、他の暴走族と変わらないように見えていたので、突然の事態に「ええっ!」となってしまった。
まあでもヤンキー好きの女性っているよなあと思いながら鑑賞。
その後結婚するも、キャシーにとっては苦労が絶えない生活。
まあそりゃそうなるでしょうねえ。
暴走族から脱退させようと、キャシーはベニーのことを変えようとするが、それはキャシーのエゴだと思った。
第一印象の良さだけで男と付き合っちゃう女性には、こういうことが起こりがちなのではと勝手に妄想。
日本の暴走族って大人になったらヤクザに転身するイメージ。
一方、本作に出てくる1960年代・シカゴの暴走族は、いい大人になっても暴走族みたいなことを続けている感じだが、組織のシステムはヤクザっぽいと思った。
個人的には理解不能だが、カッコ良い気はする。
ても、こうはなりたくない。
終盤は、死亡フラグの見本市。
『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観た時も思ったが、信者的若者は怒らせると何するかわからなくて怖い。
哲学が
70年台のアメリカを見たような
アメリカングラフティ-の世界を思い出したような、
社会から逸脱してアウトローになりたいという青年の夢。
バイクで疾走する興奮は東西皆同じかも。
じゅんすいにライダークラブがカラードになりそしてギャングへと変質していく、人は若者から年寄りになり組織の変質についていけなくなる。破綻へのメッセージか?
キャシーの演技は光る
MX4D!
MX4Dのスクリーンで観た。
入口で、ノーマルの映画と、
アナウンスがあるが、
やはり期待してしまう、
せめて排気音だけでも、、、
期待感は抑えて本作。
作品全体的に、
潜在的な魅力を最大限に引き出すには至らなかった。
静謐な雰囲気を漂わせ、
観客を深く物語世界へと引き込むには至らない。
もちろん、
これがいいという観客も多いだろう。
キャシー、ベニー、ジョニー、仲間たちの、
すばらしい芝居で、
彼女たちの痛みを、葛藤を、
自分事のように感じる事ができた観客は、
このままがいいはず。
自分はそう感じる事ができなかった。
理由は二点。
一点目。
回想形式による物語の展開は、
感情移入を阻む要因の一つである。
過去の出来事を淡々と振り返ることで、
現在の緊迫感や登場人物たちの内面の葛藤が希薄になり、
観客は物語に十分に没頭できない。
回想は、物語に深みを与える効果的な手法ではあるが、
本作においては、かえって物語のテンポを遅延させ、
観客の興味を薄れさせてしまう結果となっている。
二点目。
物語のシナリオと演出の推進力が不足している点も指摘せざるを得ない。
トム・ハーディ演じる主人公が圧倒的な存在感を放ち、
組織が安定しているため、物語に大きな波乱が起きにくい。
アウトロー映画においては、
組織内の対立や外部からの脅威など、
ドラマティックな要素が物語を牽引するが、
本作ではそのような要素はあるのだが不足している。
例えば、
ライダーズチームのドラマ『サンズ・オブ・アナーキー』では、
リーダーの不在、伝説のリーダーの息子が主人公、
が物語に緊張感をもたらし、
組織の存亡をかけたドラマが描かれる。
さらに、『ゴッドファーザー』のように、
ドン・コルレオーネが命を狙われることでファミリーの絆が試され、
組織が危機に瀕するような状況が描かれることで、
観客は物語に引き込まれる。
回想形式は、物語に深みを与える一方で、
物語のテンポを遅延させるというジレンマを抱えている。
成功例、『グッドフェローズ』では、回想が効果的に用いられ、
物語に奥行きが与えられている。
(個人的にはグッドフェローズの評価は低い)
本作においては、回想が物語の推進力を阻害している。
キャストの演技は素晴らしい。
トム・ハーディをはじめとする俳優陣は、
それぞれのキャラクターを見事に演じている。
しかし、物語そのものが静的で、
観客を興奮させるような要素が少ないため、
キャストの演技が十分に活かされていないように・・・
いや、
活かし過ぎなのかもしれない。
結論として、
『ザ・バイクライダーズ』は、
美しい映像や魅力的なキャラクターにもかかわらず、
物語の構造的な問題により、
観客を十分に満足させることができなかった。
史実に忠実に描くなら他にも方法はあっただろう。
よりダイナミックな展開や、
登場人物たちの内面の葛藤を深く描くことで、
より完成度の高い作品になったのではないだろうか。
名前
オースティン・バトラー、なんて覚えやすい名前(゚∀゚)
齢50も超えると新しい単語が入ってこなくなり、ティモシー・シャラメみたいな、ちょっと凝った名前だと一発で出てこなくなる悲しい現実(砂の惑星のアイツ、え~となんだっけ!?アレアレ、みたいな)
今年の顔グレン・パウエルみたいな比較的簡単な名前でも一発は怪しい…
競馬をやって40年近く経つが、ここ10年の馬の名前が出てこない…
アイネスフウジン(中野)→トウカイテイオー(安田隆)→ミホノブルボン(小島貞)→ウイニングチケット(柴田政人)→ナリタブライアン(南井)→タヤスツヨシ(小島貞)→フサイチコンコルド(藤田)…と競馬を始めた頃のダービー馬は騎手の名前込みでスラスラ出てくるが、今年のダービー馬は?
スイマセン、出てこない…(正解はダノンデサイル)
オルフェーブル辺りから馬名がスッと出てこない!
マカヒキ→レイデオロ→ワグネリアン→ロジャーバローズ(これは比較的覚えやすい)→コントレイルはナントカントカ💦
しかし、シャフリヤール→ドゥデュース→タスティエーラ、 この並び
そもそも馬名の意味自体わかんねーよ(゚∀゚)
と、どーでもいい駄文を書き散らしましたが、オースティン・バトラー演じるベニー、70年代の広島カープのオッサン軍団(山本浩衣笠水谷水沼三村江夏…)に唯一咲いた若き核弾頭、高橋慶彦のようで、そりゃモテるわ…と思った次第 オワリ!
バイク乗り
バイカーの美学
人生をバイクに捧げてる僕たちに、たまらないシネマがやっと日本上陸だよ!。若い頃手に入れたDanny Lyonの写真集The Bikeridersには、世界3大MCのアウトローモーターサイクルクラブがリアルに記録され、何度読み返したものか。
その書にインスパイアされた今作#ザバイクライダーズは、バイクと仲間を愛したアウトサイダー達の、クールで儚い感情がスクリーンに刻まれていた。ドラマティックな展開はないけど、名優たちの力量と美術や衣装で、60年代初頭の息遣いが見事に再現されたなぁ。
とにかく演者がサイコー!エルヴィス主役でオスカーにノミネートされたオースティンバトラーは今作もイカしてる。めちゃ練習したというバイカーの役作りもさすが。ハンナモンタナに出てた子役が大物になったねー。マッドマックスのトムハーディは、シブくてバイカーが似合いすぎ。スターウォーズのジョディカマーも、支える葛藤を見事に演じた。第三者の眼差しで語られる回想で、物語を転がす構成も良かった。
MCといえば映画イージーライダーのチョッパーなイメージだけど、登場するハーレーはボバーが多い。これも写真集に忠実だ。主役のベニーが駆る50年代パンヘッドのエレクトラグライドや、リーダー役ジョニーのハイドラグライドは、リラックスなライドスタイルが素敵。
純然たるバイク好きのチームが、破滅に向かった史実が生々しかった。バイカークラブのアイデンティティを、スタイルに昇華した男たちの美学。そしてメインストリームに反したサブカルのパワー。また新たなバイク映画の名作が生まれたね😊
ジュディ・カマー
憧れと懐かしさ
予告を目にしなかったので、鑑賞予定に入れてなかったのですが、本サイトの紹介文から、古きよきアメリカの匂いを感じて鑑賞してきました。特に劇的なストーリー展開があるわけではありませんが、なかなかおもしろかったです。
ストーリーは、1960年代のアメリカのシカゴで、ごく普通の少女キャシーが、友達に呼ばれて初めて訪れた、ジョニー率いるバイクライダー「ヴァンダルズ」の溜まり場で、偶然出会ったベニーに惹かれ、わずか5週間後に結婚するが、バイクと暴力に飲み込まれていくようなベニーとの関係はしだいにギクシャクし出し、急速に規模を拡大していく「ヴァンダルズ」も内部に不協和音が響き始めていくというもの。
全体的には、現在のキャシーにインタビューを行う体で、ベニーとの出会いから回想するようにドキュメンタリー風に展開していきます。そのため、時系列は多少前後しますが、混乱することはありません。むしろ、キャシーとベニーの出会いから、ヴァンダルズの変貌を経ての現在の二人の様子までが、とてもわかりやすく描かれています。
その中で紡がれるベニーとジョニーの絆、ベニーを慕うキャシーの愛が沁みます。ベニーは多くを語らず、彼の真意がどこにあるのかわかりにくい部分はありますが、バイク好きな寡黙な男が、その“好き”をただ貫いただけのようにも見えます。
一方のジョニーは、仲間を思うが故に不本意ながらチームを拡大して、自身が危惧していたとおりの結果を招くのですが、それを甘んじて受け入れるような潔さを感じます。「人生はままならないもの」と捉える彼の言葉が印象的です。
この二人の男性に対してキャシーは、大切なベニーとの生活を守りたい一心で自身の思いをストレートにぶつけます。ベニーに対する束縛のようにも映りますが、愛する男性との平穏な日々を求める、女性らしい姿が対照的に描かれます。
そんな三者三様の生き様が交錯し、そこに絡むように描かれるヴァンダルズに集う男たちの狂信的で刹那的で暴力的な姿が、時代を感じさせます。登場するバイクも、いかにもアメリカンな感じで、エンジンの重低音が心地よく、風を受けてを疾走する姿に憧れを感じます。自分も以前にバイクを何台も乗り継いでいたので、懐かしさを覚え、ノスタルジックな気分に浸れました。おそらく、そんな気分を求めて来場したのか、観客の大半は中高年男性で、鑑賞中は全員ヴァンダルズの一員だったことでしょう。
主なキャストは、オースティン・バトラー、トム・ハーディ、ジョディ・カマー、マイケル・シャノン、マイク・ファイスト、ノーマン・リーダスら。先日観た「ヴェノム」とはうってかわって、トム・ハーディが渋くてかっこよかったです。
24-138
fist or knife
1960年代後半から70年代前半のシカゴのバイク乗りチーム「ヴァンダルズ」の話。
他のメンバーとは雰囲気の違うベニーに惹かれて結婚したキャシーやメンバーへのインタビューという体で、ベニーやリーダーのジョニーを軸にみせていく。
荒くれ者でルールを守らないヤツらではあるけれど、チームにはルールを作り自分たちなりの秩序を持っていたヴァンダルズ。
色々な意味で危なくはあるけれど、それはそれで楽しそうだったのに、チームが大きくなり、世代が代わり…荒くれ者とならず者は違うからね。
ジョニーは半分わかっていながらもそこに出向きそんな結末で、ベニーはそのタイミングで行動を起こしたことで、美味しいまま次のステージに行けたということですね。
で、レイクサイドの2人はとうなりました?
(*_*)
ラストすごい好き
ホットロードデスロード
人生のちょっとでもバイクに影響された事有る人なら、ちょい解るんじゃね?
ショベルにパンにナックルヘッド!
ハーレー好きなら、ヨダレたらたらに憧れVツインサウンドだ!
キック一発で、あのクソ重たいエンジン始動させるのがカッコ良い!! キーを回すシーンすら描かれ無いのもカッコ良い!
リザーバータンクも無視にガス欠すらカッコ良い!
て、バイクファンの歪んだウンチク語りはどーでも良いんだわw
バイクに乗った人生でも、乗った事なんか無くても良い。
家族が、恋人がバイクに関わってた、でも良い。
時にバイクは人生狂わせたりすんだよ。
酒やパチンコ、映画と同じなんだわ、付き合い方が重要。
幸福や充実ももたらすけど、不幸や苦痛も与えたり、人生と共に有ったり。
俺はもう降りちゃったけどバイクは好きだよ、暴走族と暴力はキライだけど。
てもバイクを描く物語は不幸も描かないと嘘になるんだよな。
キリンは泣かないライオンに我が子を食われても。
ハルヤマが良い子ちゃんやれてれば、カズキも泣かなくてよかったのかな。
紡木たくとか重ねちゃうな。
ジョニーはトム・ハーディでなければいけない。 ベニーはオースティン...
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