ザ・バイクライダーズのレビュー・感想・評価
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言い尽くせぬ儚さとノスタルジーが込み上げる
ジェフ・ニコルズが創り出す映画にはノスタルジーを感じさせる映像の美しさとアウトサイダーの心理模様が同居する。私はバイクへの憧れなど微塵も持たない人間だが、それでも本作が描く60年代、疎外感を抱えた個々がバイクに思いを重ね、繋がりあい、価値観や居場所を共有する生き方には共振を覚えるし、一方でそれが制御を失い道なき道を暴走し始めた時の恐怖や危うさもわかる気がする。そうした目で見た時、この映画には何かしらの普遍性と、もう二度とはそこに戻れない儚さや痛みがあふれているのを感じた。まるで古いアルバムをめくるような感覚というべきか。ニコルズ監督流の落ち着いた語り口と構成、ベニー、ジョニー、キャシーが織りなす両者一歩も引かない人間関係も親しみを抱かせる要因となろう。特にトム・ハーディの役柄にはマッチョな体の中の繊細なハートを感じた。過去を美化するのではなく、現在地も含めて人を包み込む視点がここにはある。
この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い...
この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い永遠」だ。
なのに勝手に考えたサブタイトル
「オッサン達の青春」
「男が涙を流す時」
「バイク乗りたちの黄金時代をえがく」
「このクラブは俺が築いた家族だ」
「妻の愛情か 男同士の友情か?」
「俺は誰にも従わない」
「死ぬ時はバイクに乗って死にたい」
「いつか抜けて白バイに乗るんだ」
「本当は支部なんて、作りたくなかった」
「拳か?ナイフか?」
「あたい 5週間後には結婚よ! ね!」
・架空のモーターサイクル・クラブである「ヴァンダルズ」の栄枯盛衰をえがいてるが、モデルは実在の「アウトローズ」と言う巨大バイクグループ。
・ノーマン・リーダスは「ウォーキング・デッド」のスピンオフ・ドラマ「ダリル・ディクソン」の撮影と重なってる為、パリとオハイオを行ったり来たりして撮影したそうな。
ベニーも良いけどジョニーもね!
元祖暴走族のお話でしょうか?
暴走族のバイクはハンドルが高くてふんぞり返って乗るものだと思っていました。
元祖は違うんですね。
普通に座っていて、ハンドルがやけに低くて。
何かに似ていると思ったら乗馬の姿勢ですよね。かっこ良いです。
バイクに釘付けでした(^_^;
ベニーの若さに嫉妬しながらも(奥さんのキャシーが可愛いんだわこれが)
ジョニーの渋さにおじさんも捨てたもんじゃないぞと、組織を束ねていくのは大変なんだぞと、元中堅管理職は小さくガッツポーズしてしまいました。
然し、ジョニーの危機になんでヴェノムは来ないんだ、、、
若造なんかにやられて世代交代なんて、なんか悔しかったです。(~_~;)
ヘルメットという概念がない
くらいの古き良き?法令非遵守な時代の物語。バイク乗り(ハーレー)なので見たくてしょうがなかった。ルポライターの本に基づいているらしく、ド派手なアクションや奇抜な脚本ではないところが興味深く見れた。
黄金時代の終わり
他とは少し違う荒くれ者のベニーと出逢いスピード婚をしたキャシーが、ヴァンダルズとメンバー達についてのインタビューを受けながら、これまでの物語を見せていく作品。
ベニーに惹かれ結婚したものの、やはり彼の危うい生活に不安を覚え…。わかっていたことではなかったか。
かくいうワタクシも男の子。ワルな感じに憧れる気持ちはまぁ分からなくはないですね(笑)
そしてピクニックって、何かの隠語かと思ってたら割とホントのピクニックなのねw
そんなこんなで、酒にタバコに喧嘩に暴走。でも、ホントにヤバいことは仲間の為だけだし、彼らも彼らでやはり何か思う所があった人生だったのでしょう。時折見せる淋しげな彼らの瞳にはそれぞれに過去が隠されているのかな〜と。
そして、いつの時代も親御さんは大変。
ジョニーに対する思いもわかるが…彼はクラブを家族と思っていたわけで。。
何ともやりきれない気持ちになる。
また、強き漢が不安定になっていく様も印象的。やはり組織は大きくなりすぎても問題は起こるし、誰にも見せない繊細な一面を唯一みせれたのが…。
結局彼はヴァンダルズをどうしたかったのだろう。
バイク黄金時代の終焉…。バイクに乗らないワタクシにも、強くも1人では生きられない荒くれ者達の日々を通し、深い郷愁を感じさせてくれる、そんな作品だった。
しかし、鉛筆おじさんは流石に可哀想すぎた。
あの場面だけはヴァンダルズを少し嫌いになってしまったw
エンディング曲も良い感じでしたね。懐かしき時代のパンクフレーバーが感じられ、本作にピッタリでした!
写真集ができるまでを描いたストーリーとも言える作品
ダニー(マイク・ファイスト)とキャシー(ジョディ・カマー)が
モーターサークル「ヴァンダルズ」の結成前後を思い出しながら語る(インタビュー形式で)
そんなつくりの作品です。
とにかくオースティン・バトラー演じるベニーがかっこいいんですよね。
ベニーがかっこいいというよりも、オースティン・バトラーがかっこいい。もう圧倒的なかっこよさ。
そりゃキャシーも惚れるわ!と思いました。
ただ、キャシーはヴァンダルズが徐々に暴力的な組織になっていくにつれ、
ベニーには抜けて欲しいと思っているし、最終的にはそれを伝えて、ベニーも応じるわけです。
そしてラストのベニーの微笑みは、この選択に納得している笑みだったと思います。
その時々の自分の判断が最適だと常に考えている人物なのかもしれません。
それは現代の人々へのメッセージなのかもしれないと思いました。
トム・ハーディー演じるジョニーも、全然ヴェノムとは違った魅力全開で、
組織のために冷徹にならなければならないプレッシャーを
うまく演じていたと思います。
いい味出していました。さすがだなと思いました。
正直、本作が面白いかと言われると微妙です。
1960年代のアメリカの空気感や色味など、そういうビジュアルが素晴らしいとは思いますし、
オースティン・バトラーのかっこよさも規格外ですから、
そこがなければ観ていなかったかもしれません。
観客は、おそらく60代以上のおっさんばかりでした。。
一筋の愛を込めた眼差しが救いとなる
打ち切り寸前、滑り込んで鑑賞
期待以上の作品でした♪
実在した伝説のバイクライダーズクラブの誕生から犯罪組織へと変貌してゆく様を縦軸にして、ありがちなモーターサイクルマシンにまつわる男のロマンや憧れ、反骨心あふれるアウトロー達をタフなヒーロー化する事もなく、人としての弱さに容赦なく冷徹な視線を浴びせつつも、ベースとなった写真集、写真家と同じく、一筋の愛を込めた眼差しで間近でじっくりと見つめるスタイルが上質なドキュメンタリー作品のような風格をこの作品に与えていると私は思います
サブカルチャー史に名を残すライバルのバイカーズ「ヘルズエンジェルズ」とも共通な成り立ちで、バイク好きがつるんで走る同好者の集まりから暴走族化し、やがてFBIから監視対象の凶悪犯罪を行うギャング団へと変質し、倫理的に墜落してゆく端緒を描くこの作品は人間の本能が持つ弱点と愚行も浮き彫りにして、個人的にはとてつもなく興味深かった
バイクの魔力、若さの力、そして老いと生活……
かつてバイク乗りだった一人の人間として、なんとも複雑な感情で見ました。
ベニーやジョニーほどの入れ込み具合ではなかったですが、かなり長い時間バイクと人生を共にして、ヴァンダルスほどのチームではないですが、ツーリング仲間たちとつるんで楽しんでいました。
バイクには他の乗り物にはない魅力があるんですよね。
そして仲間たちとの絆も深まるし、その輪が広がれば、仲たがいして分裂したりすることもある。
私自身結婚して子供ができて、バイクに乗る時間が無くなり、結果的にバイクから降りてしまいました。できれば、エンジンのバイクが買える間にもう一回乗りたいと考えていますが、なかなか難しい。
ラストシーンでベニーとキャシーが見せるほんの一瞬の笑み。
その意味をしみじみと味わっています。
なるようにしかならない
こないだ鑑賞してきました🎬
「ヴァンダルズ」というモーターサイクルクラブのメンバーベニーとボスのジョニー、ベニーの妻となるキャシーが中心の物語。
キャシーが出会って5週間で結婚したベニーを演じるのは、オースティン・バトラー🙂
私は彼の出演作は初めてです。
それにしても男前ですね🤔
無口で感情を表に出さない彼ですが、クラブにかける情熱は高く、一人でいるときもメンバーの証であるジャケットを脱ぎません。
そのせいで絡まれるのですが…。
ポーカーフェイスながら、信念を持った男を静かに体現していました🫡
キャシーにはジョディ・カマー🙂
「最後の決闘裁判」以来見ないなと思っていたら、ようやくお目にかかれました。
相変わらず小顔でお綺麗ですが、目で語るタイプの女優さんですよね🤔
時折大きく見開かれる瞳には、独特の魅力があります🙂
今作ではストーリーテラー的な役割も担っていました。
ヴァンダルズのボスであるベニーにはトム・ハーディ🙂
クラブに心血を注いで、デカくしていく彼ですが、後半にはその副作用ともいうべき事態に直面します。
荒くれ集団を束ねるボスとして、どっしり構える姿には貫禄がありましたね💪
一昔前の、仁義に篤い男たちの生き様は刹那的ながら一瞬の輝きのようなものがあります。
オースティン・ジョディ・トムの3人が演じた人物も特有の魅力にあふれており、特にバイク好きの方には面白さが増す映画でしょう👍
気になる方は是非、映画館へ😀
タバコを美味しそうに吸う
オースティン・バトラーがかっこいい。
タバコを美味しそうに吸う。
ドキュメンタリータッチで淡々と進むので、諸行無常を感じる。
ポスターが100点なだけに、ハードルを上げすぎてしまったかなというのが素直な感想。
音がカッコいい
バイク好き集団からギャングへの転換期が舞台。初っ端のバイク音にため息が出そう。迫力ある排気音がバイク好きにはたまらない。ネイキッド派なんだけどアメリカンに乗り換えたくなりました。酒飲んだりノーヘルだったり、危ないけどカッコいい憧れのスタイル。
一応バイク映画の体裁ですが
1960年代中〜後半、シカゴのバイク集団「ヴァンダルズ」をめぐる、ちょっと年のいった不良達の青春残酷物語。
主人公ベニーとクラブリーダーのジョニーのブロマンス、そこにベニーの妻キャシーが加わった三角関係を軸に、インタビューに答えるキャシーの回想という形でストーリーは進んで行くが…
もうぶっちゃけ、ひたすらオースティン・バトラーを愛でる映画ですよね、これ?
なのであまり深く考えず、ジェームズ・ディーンばりに繊細さと狂気と色気を振りまくオースティン・バトラーを堪能するのがよろしいかと。
当時のバイカーズ・ファッションもカッコ良いです。
バイカー集団の盛衰
監督のジェフ・ニコルズが、アメリカの写真家ダニー・ライオンの写真集「ザ・バイクライダース」(1965~73)に触発され、社会の枠外で生きるアウトサイダーたちの姿を映像で蘇らせようと試みた作品である。
実在した「アウトローズ・モーターサイクル・クラブ」は、映画の中では「ヴァンダルズ」という架空の存在に置き換えられている。。
物語は、キャシーのナレーションで進行する。ベニーとの出会いから結婚、そして、2人の運命にかかわってくる「ヴァンダルズ」のリーダーのジョニーについて語りはじめる。彼女は映画では主人公といってもいいほどだが、写真集には彼女が大きく髪を膨らませた流行のヘアスタイルで鏡の前にいるのを捉えた1枚しか収録されていない。
映画が描くのは、バイカーのライフスタイルに共感して集い合った男たちが、バイクが好きな仲間と時間を過ごすのを純粋に楽しんでいる60年代から、やがて、グループが麻薬密売や殺人に関与する犯罪組織へと変貌していく70年代までである。その頃になると組織が攻撃的で暴力的になり、みなが散り散りばらばらになっていく。象徴的なのが、麻薬中毒のベトナム退役軍人が仲間入りしたことで、グループの空気が荒んでいくところ、バイカー集団の盛衰は、アメリカの近代史を写す鏡でもあるのだ。
日本の暴走族とは異なり、アメリカのモーターサイクル・ギャングは、かなり年齢のいったメンバーも珍しくない。しかし、アウトローを標榜して自由にハイウェイを爆走しているだけでは生活が成り立つわけではないから、コミュニティを作って自分たちの居場所を確保しようとする。ただ、暴力で維持されている組織は、やがて先鋭化し狂犬化した若者たちに手ぬるいとみなされ凌駕されてしまう。
ニコルズ監督は語る。「一部のアウトサイダーはサブカルチャーに惹かれ、そこで面白いことが起こる。サブカルチャーは新しい芸術が生まれる場所だ。そして必然的に、そうしたサブカルチャーはメインストリームに吸収され、その影になる」
バイクの黄金時代‼️
髪をポマードでビッシリ固めて、レザーに身を包み、ハーレーをはじめとするカッコいいオートバイを走らせるバイカーたち‼️映画ファンにはマーロン・ブランド主演の「乱暴者」が懐かしいバイクの黄金時代を、一人のバイカーの妻が取材に応える回想形式でほろ苦く描いた作品‼️まず何よりもキャスティングですね‼️オースティン・バトラーをはじめ、トム・ハーディ、マイケル・シャノン、ボイド・ホルブルックら、レザージャケットやオートバイが似合うカッコ良すぎる俳優さんたちがこれでもかと揃ってる‼️映画はリーダー格ジョニーと、彼がグループを任せたいと信頼しているベニー、そして普通の生活がしたいベニーの妻キャシーの複雑な人間関係が描かれると同時に、グループの若手が麻薬密売や殺人に手を染め、犯罪者集団に変わっていくことから、グループが次第に崩壊する‼️そしてジョニーの殺害‼️バイカーのグループは自分たちのルールを持ってて、あからさまに他人に迷惑をかける事はしない‼️そんなグループが崩壊していく様は、任侠道を失ってしまう日本のヤクザ映画に近いのかなとも思いました‼️一つの時代の終焉と古き良きバイカーたちへの憧れが切なく描かれたステキな作品ですね‼️ただジョニーの仇はキッチリ取って、カタルシスを味わいたかったのも確か‼️
写真集にインスパイアされた作品だからか淡々としてる。日本の暴走族と違い米国は卒業しないらしい。むむむ。だから年齢層も高い。とりあえず群れはする。
日本と違って卒業しないので年齢層が高く、仕事もあって結婚して子供もいたりする。何か不思議な感じがする。蛇行運転して騒いだりしない。
ジョニーを殺したやつら以降は犯罪者集団になってしまった。
◎ジョニー
ベニーもジョニーもイケメン俳優が演じてるから、イケオジ,渋オジ感がハンパなく、やたらにカッコいい。
特にジョニーの方に、俺は渋いんだぜ感がビンビンである。やっぱ、落ち着いて余裕ある立ち振舞いや言動が”渋さ”をかもし出すんだな。シャカシャカ,セコセコ動いてちゃダメである。
◎ベニー
背中にロゴの入ったジャンパー着るのは皆んなといるときだけでにした方がイイらしく、着たまま1人で酒場で飲んでたりすると、そこをネジロにしてる奴らに絡まれてけんかになるんだが、ベニーはそんなこたあ知ったこっちゃない。
「ここでは,そのジャンパー脱げ」と言ってきた2人をぶちのめしたらカッコよかったのだが、アッサリぶちのめされる(/--)/
うーん、そうか。ベニー,鼻っ柱は強いんだが、要するにアホなんだな。納得 (^^)。
◎キャシー & ベニー
キャシーはもともと不良とは全く縁のない穏やかな生活を送っていたのだから、ベニーと出逢わなければそのまま一生穏やかな暮らしをしていたのではないかと思う。
だから、どちらかといえば平穏な暮らしを望むキャシーは、ベニーにはライダーズを卒業してほしい。しかし、そんな生活をベニーが望むべくもなく、いずれ2人が破局してしまうまうのは目に見えている。
アウトローが主人公の映画なので、キャシーが望んでたベニーとの穏やかな生活は叶わず、最後はベニーがジョニーを殺したヤツと差し違えて死ぬと思っていた。
ところがベニーは差し違えたりはせず、キャシーのところから去ってしまう。
◎再びベニー
そして、最後に、ベニーが整備屋みたいなことやってノホホンと暮らしてるみたいな映像が流れたので、ちょっとズッコケてしまった。
まあベニーの人生なんで、まさか僕がベニーに「アウトローっぽく差し違えて死ねよ」なんて言うわけにもいかないし、ベニーが良ければそれでいいんだけど。
それに生きてた方がもちろんイイに決まってる。
僕は、映画の中のアウトローは最後は死んでしまうのがお決まりの定番ように思い込んでいた。
今は、アウトローが最後に死んでしまうような結末にはしない時代なのだなと思った。
ベニーは今は誰ともつるまないで広い荒野を1人で走ってるのだろう。
これはこれで良いと思う。
色々足りないと思う所もある。
でも一周回って「これはこれで良い」と思う。
オースティン・バトラーとトム・ハーディ、信じられないほどカッコ良いではないか。バイク乗り達が生きた古き良き60年代の世界観も素晴らしい。余計な台詞もなく、シンプルでストレート。実に潔いじゃないか。実は僕もバイク乗りだが、革ジャンとデニムジャケットの重ね着をこれほどカッコ良いと思った瞬間はない。バイクを見ても時代を感じる。
またストーリーテラーを妻のキャシー(ジョディ・カマー)がしたのも良かった。当事者じゃなく妻の第三者目線で語られた事で物語が「バイカーの寓話」として味のあるものに仕上がったように感じた。物語が全体的にほど良く「リアルじゃない」のが逆に効果的なのだ。ジョニーがトラブってると気づいたらベニーは何の躊躇なく相手に殴りかかる。今の時代では考えられないが、こういう「見る前に跳ぶ男」が魅力的なのも確かだ。それが良いか悪いかは別にして、迷いなく行く姿を見て仲間は絶対的に信頼するのだ。良いか悪いかは別にして(笑)
ラストは好みが分かれる所かも。僕は基本的に「破滅型」が好きなので散ってもらっても良かったのだが(笑)、こういう終わり方も悪くないと思う。激動の60年代が終わり、70年代の新しい生き方に変わって行ったという意味があるのかどうかは分からないが。
とは言え「バイク乗りの精神」なんて「生き方がロック」と同じくらい抽象的な話でもあるわけで、そんな映画が今のこの時代でも意外に評価されている事を少し嬉しく思う。
サラッとカッコ良い映画でした。
【”拳とナイフが時代と共に銃に変わった時、アウトローバイク集団はギャングに堕ちた。”今作は1960年代の時代の流れと共に変遷するバイク集団の姿を描いた切なき風合の作品である。】
ー 豪華キャスト、勢揃い作品である。アウトローバイク集団”ヴァンダルズ”のリーダー、ジョニーをトム・ハーディが演じ、孤高のバイク野郎ベニーをオースティン・バトラーが演じ、彼に魅了されたのちに妻になるキャシーをジョディ・カマーが演じ、更にはマイケル・シャノンも出演しているのである。吃驚!-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・孤高のバイク野郎ベニーが、格好良すぎる。キッパリ!あの髪型と絡まれても絶対にチーム名”ヴァンダルズ”が綴られたスタジャンを脱がない姿。イヤー、オースティン・バトラー君、格好良かったぞ!
・時代の変遷により巨大化する”ヴァンダルズ”の状況に、苦悩しつつもあくまでも、喧嘩は”拳とナイフ”に拘るジョニーを、オジサンになったトム・ハーディがいぶし銀の如き演技で魅せる。
仲間が、バイク事故で亡くなった時は、キッチリ花を贈り、両親から花を受け取られなくとも、葬儀にはビシッと棺の両側に整列し、両親から憎しみの目で見られ、唾を掛けられても姿勢を変えない姿は、アウトローとしての漢気を感じるのである。
・仲間とは、頻繁にバーベキューを開き、”ハッパは良いが、ヘロインは駄目だ。”(どっちも駄目だ!)などと真面目な顔で語っている。
だが、1960年代からベトナム戦争の影響もあり、ヘロイン、LSD、スピードと言った合成麻薬が流行したのは、ご存じの通りである。
・ベニーが、”ヴァンダルズ”のシマ以外の店で呑んでいて絡まれて、足の健を切られるも松葉づえでジョニーが誘う場に来たり、何だかんだ言いながら、アウトローバイク集団”ヴァンダルズ”の結束は固いのである。
だが、ベニーは変わりつつある”ヴァンダルズ”の姿を見て、何処かに消えるのである。妻、キャシーの家からも。
この一連の物語をキャシーを演じたジョディ・カマーがモノローグ風に語る手法も良い。
■だが、時の流れによりアウトローバイク集団”ヴァンダルズ”に且つて入りたがっていた若造が、ジョニーに戦いを申し入れ、若造は卑怯にもジョニーに対し拳銃をぶっ放すのである。このシーンは一時代の終焉を表し、アウトローバイク集団が只のギャング集団になった事を示しているのである。
<その事を知ったベニーが、急遽キャシーの家に戻り、足の健を切られた時には涙一つ見せなかったのに、キャシーの隣で涙を流すシーンは沁みたなあ。
そして、彼は”ヴァンダルズ”を抜け、キャシーが兼ねてから望んでいた車修理工場をキャシーの従弟と新天地で始めるのである。その時のベニーの表情には柔和な笑顔が浮かんでいるのである。
今作は1960年代の時代の流れと共に変遷するバイク集団の姿を描いた切なき作品なのである。>
単車版グッドフェローズ
支持。
単車版グッドフェローズ。
カリスマの誕生と組織の隆盛、
その後の緩慢と腐敗を女性目線で丁寧に活写。
ビビりつつ図太い女。
体臭、油臭、煙草臭が充満し、
それを洗う単車の上の風の心地好さ。
青春の終わりの始まり、
そして終わらぬオヤジの青春。
私的年テン入りか。
モーターサイクル・エンプティネス
「ザ・バイクライダーズ」マッチョでホモソーシャルな世界の賛美なら嫌だなと思いながら観たら、居場所がない連中が集まったマッチョでホモソーシャルなモーターサイクルクラブが凶暴化し崩壊していく様を描いた切ない物語でした。そして、ジョニーとベニーとキャシーの三角関係の物語でもあったな、良作。
意外とバイクのシーンは少なかったりするんだけど、ヴァンダルズが集団で登場するシーンは「ストリート・オブ・ファイヤー」のボンバーズを彷彿。あと、ウォーキング・デッドのダリルでお馴染みノーマンリーダスはカリフォルニアからやってきた陽気な酒飲みバイカー役でした。
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