ザ・バイクライダーズのレビュー・感想・評価
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言い尽くせぬ儚さとノスタルジーが込み上げる
ジェフ・ニコルズが創り出す映画にはノスタルジーを感じさせる映像の美しさとアウトサイダーの心理模様が同居する。私はバイクへの憧れなど微塵も持たない人間だが、それでも本作が描く60年代、疎外感を抱えた個々がバイクに思いを重ね、繋がりあい、価値観や居場所を共有する生き方には共振を覚えるし、一方でそれが制御を失い道なき道を暴走し始めた時の恐怖や危うさもわかる気がする。そうした目で見た時、この映画には何かしらの普遍性と、もう二度とはそこに戻れない儚さや痛みがあふれているのを感じた。まるで古いアルバムをめくるような感覚というべきか。ニコルズ監督流の落ち着いた語り口と構成、ベニー、ジョニー、キャシーが織りなす両者一歩も引かない人間関係も親しみを抱かせる要因となろう。特にトム・ハーディの役柄にはマッチョな体の中の繊細なハートを感じた。過去を美化するのではなく、現在地も含めて人を包み込む視点がここにはある。
これは大好きだった
主役三人の魅力が堪らん
マッドマックス的な?暴力要素もありつつ、主要三人物の関係性がいい塩梅で描かれている良作!
新年一発目。本厚木kikiで鑑賞。
トム・ハーディ演じるジョニーがハマり役。
口数が少ない無骨な役が似合う。
本作の語り部キャシー役のジョディ・カマー。クラブの外側からの(一般人のドン引き)視点、ベニーへの感情に翻弄されながら自身の強さもみせる魅力的な役。
そして主役のオースティン・バトラーはDINE2のフェイド・ラウサでしか知らなかったけど、紙を生やすと超絶男前。無口でケンカっ早いが魅力に溢れるベニーにフィットしてた。後半出番があまり無いのが残念。
演出面では、カットの繋ぎでの音楽の使い方が絶妙。これでシームレスに次の場面に繋がる。
サントラが欲しくなった。
実話ベースなので、結末はスカッととはいかないが、余韻を感じれるいい映画だった。
一点、自分が観た劇場の都合なのか、元々の映像がそうなのかは分からないが、スクリーン上下に余白が入ったのだけは残念。
画で魅せる映画なので、そこがノイズになるのは勿体無い。画面がとても小さく見える。
トム・ハーディの男臭さ
バイクの魔力と陶酔感をシーン一つで理解させてしまう一作
実在のバイク集団「ヴァンダルズ」の誕生から変質までを描いた作品。ヴァンダルズのリーダー、ジョニー(トム・ハーディ)と若きメンバーのベニー(オースティン・バトラー)、そしてベニーのパートナーであるキャシー(ジョディ・カマー)の関係を中心として物語が展開します。
タイトルやキービジュアルから連想するほどにはバイクを乗り回す場面は多いわけではなく、むしろヴァンダルズを構成するメンバーの人となり、あるいはグループとしてのやや粗暴で破天荒な行動原理の描写に重点を置いています。
ひたすらバイクを乗り回す映画を予想しているとちょっと意外な方向性に思うかもしれませんが、時間的には短いバイク場面の迫力は尋常ではありません。白眉はキャシーがベニーとともにヴァンダルズのメンバーと並走する場面。
キャシーがこれまで全く興味を持っていなかったバイクの魅力に目覚める重要な場面なのですが、鳴り響くエンジンの鼓動は、4DXでもないのに全身を揺らすほどの迫力で、キャシーの陶酔感を観客もダイレクトに共有できます。ごく短いこの場面で、「もう料金分の体験できた!」と思ってしまうほど。
バイカー達の、ほんとに拳しか語る言葉がないんかい、と言いたくなるような粗暴だが妙な明るさのある振る舞いは、その後の変質を踏まえると妙な寂寥感にも満ちてもいました!原案となったヴァンダルズの写真集もぜひ見てみたい!という気にさせてくれる作品です。
よくできた雰囲気映画
とにかく、オースティン・バトラーが部屋の隅やバーカウンターで格好つけてるだけで地蔵のように動かない。真の自由を愛する男だからという設定なのだが、たまにキレる以外特に何もしない存在なので、主人公としての魅力がまったくない。完全にトム・ハーディに喰われてしまってる。
かたや、そのトム・ハーディもいかにもトム・ハーディくさい演技しかしないし、ノーマン・リーダスもしかり。クラブのメンバーたちについても、各々経歴が語られたりするのだがどれもキャラ立ちせず薄い。演出にはかなり欠点があると思うが、ジョディ・カマーにインタビューしてクラブの過去を語ってもらうという構成はそこそこ成功していたと思う。
音楽は既成曲ばかりだが、なぜこのシーンでこの曲なのかはまったく分からなかった。バイク乗りの人なら分かるのかもしれないが。
ウェルメイドなそこそこよくできた映画だと思う。が、テンプレートに乗っかった雰囲気だけの本当に退屈な映画でもあると思う。
この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い...
この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い永遠」だ。
なのに勝手に考えたサブタイトル
「オッサン達の青春」
「男が涙を流す時」
「バイク乗りたちの黄金時代をえがく」
「このクラブは俺が築いた家族だ」
「妻の愛情か 男同士の友情か?」
「俺は誰にも従わない」
「死ぬ時はバイクに乗って死にたい」
「いつか抜けて白バイに乗るんだ」
「本当は支部なんて、作りたくなかった」
「拳か?ナイフか?」
「あたい 5週間後には結婚よ! ね!」
・架空のモーターサイクル・クラブである「ヴァンダルズ」の栄枯盛衰をえがいてるが、モデルは実在の「アウトローズ」と言う巨大バイクグループ。
・ノーマン・リーダスは「ウォーキング・デッド」のスピンオフ・ドラマ「ダリル・ディクソン」の撮影と重なってる為、パリとオハイオを行ったり来たりして撮影したそうな。
ベニーも良いけどジョニーもね!
黄金時代の終わり
他とは少し違う荒くれ者のベニーと出逢いスピード婚をしたキャシーが、ヴァンダルズとメンバー達についてのインタビューを受けながら、これまでの物語を見せていく作品。
ベニーに惹かれ結婚したものの、やはり彼の危うい生活に不安を覚え…。わかっていたことではなかったか。
かくいうワタクシも男の子。ワルな感じに憧れる気持ちはまぁ分からなくはないですね(笑)
そしてピクニックって、何かの隠語かと思ってたら割とホントのピクニックなのねw
そんなこんなで、酒にタバコに喧嘩に暴走。でも、ホントにヤバいことは仲間の為だけだし、彼らも彼らでやはり何か思う所があった人生だったのでしょう。時折見せる淋しげな彼らの瞳にはそれぞれに過去が隠されているのかな〜と。
そして、いつの時代も親御さんは大変。
ジョニーに対する思いもわかるが…彼はクラブを家族と思っていたわけで。。
何ともやりきれない気持ちになる。
また、強き漢が不安定になっていく様も印象的。やはり組織は大きくなりすぎても問題は起こるし、誰にも見せない繊細な一面を唯一みせれたのが…。
結局彼はヴァンダルズをどうしたかったのだろう。
バイク黄金時代の終焉…。バイクに乗らないワタクシにも、強くも1人では生きられない荒くれ者達の日々を通し、深い郷愁を感じさせてくれる、そんな作品だった。
しかし、鉛筆おじさんは流石に可哀想すぎた。
あの場面だけはヴァンダルズを少し嫌いになってしまったw
エンディング曲も良い感じでしたね。懐かしき時代のパンクフレーバーが感じられ、本作にピッタリでした!
写真集ができるまでを描いたストーリーとも言える作品
ダニー(マイク・ファイスト)とキャシー(ジョディ・カマー)が
モーターサークル「ヴァンダルズ」の結成前後を思い出しながら語る(インタビュー形式で)
そんなつくりの作品です。
とにかくオースティン・バトラー演じるベニーがかっこいいんですよね。
ベニーがかっこいいというよりも、オースティン・バトラーがかっこいい。もう圧倒的なかっこよさ。
そりゃキャシーも惚れるわ!と思いました。
ただ、キャシーはヴァンダルズが徐々に暴力的な組織になっていくにつれ、
ベニーには抜けて欲しいと思っているし、最終的にはそれを伝えて、ベニーも応じるわけです。
そしてラストのベニーの微笑みは、この選択に納得している笑みだったと思います。
その時々の自分の判断が最適だと常に考えている人物なのかもしれません。
それは現代の人々へのメッセージなのかもしれないと思いました。
トム・ハーディー演じるジョニーも、全然ヴェノムとは違った魅力全開で、
組織のために冷徹にならなければならないプレッシャーを
うまく演じていたと思います。
いい味出していました。さすがだなと思いました。
正直、本作が面白いかと言われると微妙です。
1960年代のアメリカの空気感や色味など、そういうビジュアルが素晴らしいとは思いますし、
オースティン・バトラーのかっこよさも規格外ですから、
そこがなければ観ていなかったかもしれません。
観客は、おそらく60代以上のおっさんばかりでした。。
一筋の愛を込めた眼差しが救いとなる
打ち切り寸前、滑り込んで鑑賞
期待以上の作品でした♪
実在した伝説のバイクライダーズクラブの誕生から犯罪組織へと変貌してゆく様を縦軸にして、ありがちなモーターサイクルマシンにまつわる男のロマンや憧れ、反骨心あふれるアウトロー達をタフなヒーロー化する事もなく、人としての弱さに容赦なく冷徹な視線を浴びせつつも、ベースとなった写真集、写真家と同じく、一筋の愛を込めた眼差しで間近でじっくりと見つめるスタイルが上質なドキュメンタリー作品のような風格をこの作品に与えていると私は思います
サブカルチャー史に名を残すライバルのバイカーズ「ヘルズエンジェルズ」とも共通な成り立ちで、バイク好きがつるんで走る同好者の集まりから暴走族化し、やがてFBIから監視対象の凶悪犯罪を行うギャング団へと変質し、倫理的に墜落してゆく端緒を描くこの作品は人間の本能が持つ弱点と愚行も浮き彫りにして、個人的にはとてつもなく興味深かった
バイクの魔力、若さの力、そして老いと生活……
かつてバイク乗りだった一人の人間として、なんとも複雑な感情で見ました。
ベニーやジョニーほどの入れ込み具合ではなかったですが、かなり長い時間バイクと人生を共にして、ヴァンダルスほどのチームではないですが、ツーリング仲間たちとつるんで楽しんでいました。
バイクには他の乗り物にはない魅力があるんですよね。
そして仲間たちとの絆も深まるし、その輪が広がれば、仲たがいして分裂したりすることもある。
私自身結婚して子供ができて、バイクに乗る時間が無くなり、結果的にバイクから降りてしまいました。できれば、エンジンのバイクが買える間にもう一回乗りたいと考えていますが、なかなか難しい。
ラストシーンでベニーとキャシーが見せるほんの一瞬の笑み。
その意味をしみじみと味わっています。
なるようにしかならない
こないだ鑑賞してきました🎬
「ヴァンダルズ」というモーターサイクルクラブのメンバーベニーとボスのジョニー、ベニーの妻となるキャシーが中心の物語。
キャシーが出会って5週間で結婚したベニーを演じるのは、オースティン・バトラー🙂
私は彼の出演作は初めてです。
それにしても男前ですね🤔
無口で感情を表に出さない彼ですが、クラブにかける情熱は高く、一人でいるときもメンバーの証であるジャケットを脱ぎません。
そのせいで絡まれるのですが…。
ポーカーフェイスながら、信念を持った男を静かに体現していました🫡
キャシーにはジョディ・カマー🙂
「最後の決闘裁判」以来見ないなと思っていたら、ようやくお目にかかれました。
相変わらず小顔でお綺麗ですが、目で語るタイプの女優さんですよね🤔
時折大きく見開かれる瞳には、独特の魅力があります🙂
今作ではストーリーテラー的な役割も担っていました。
ヴァンダルズのボスであるベニーにはトム・ハーディ🙂
クラブに心血を注いで、デカくしていく彼ですが、後半にはその副作用ともいうべき事態に直面します。
荒くれ集団を束ねるボスとして、どっしり構える姿には貫禄がありましたね💪
一昔前の、仁義に篤い男たちの生き様は刹那的ながら一瞬の輝きのようなものがあります。
オースティン・ジョディ・トムの3人が演じた人物も特有の魅力にあふれており、特にバイク好きの方には面白さが増す映画でしょう👍
気になる方は是非、映画館へ😀
タバコを美味しそうに吸う
音がカッコいい
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