「わかりにくくて残念」宝島 sakuraさんの映画レビュー(感想・評価)
わかりにくくて残念
沖縄の海や熱帯雨林の美しさ、街の猥雑さの中にあるきらめき、そして初めて触れる沖縄の伝統的な空気感——どれも映像として非常に見応えがありました。
ただ、残念だったのは、謎解きのストーリーであるにもかかわらず、重要と思われる場面で沖縄弁が使われていて、「えっ、今なんて言った?」と考えているうちに話が進んでしまうことです。ストーリーが難しいのか、キーワードが聞き取れていないのか、自分でも判断がつかないまま、物語に置いていかれてしまいました。むしろ、米軍インテリジェンスの英語の方が、まだ何となく意味がつかめるような気さえしました。
勝手な推測ですが、米国と日本本土に振り回される沖縄という構図を描くために、あえて正規の沖縄弁を使ったのではないかと思います。字幕をつけることも検討されたかもしれませんが、それでは本土の日本人にとって「他人事感」が増してしまうため、あえて字幕をつけなかったのかもしれません。
暴力的な描写が多いため、地上波での放送は難しいのではないかと感じました。配信の際には、沖縄弁の訳を字幕に追加し、字幕の有無を選択できるようにした方がよいと思います。すべての観客が高い意識や理解力を持っているわけではないので、視聴のハードルを下げる工夫が必要だと感じました。
社会的に重たいテーマを扱っているだけに、物語に入り込めず置いてきぼりにされたのは残念でした。制作された方々の一生懸命な熱量を感じるだけに、なおさら悔しい思いがあります。結果的に、「頭が悪くてついていけませんでした、ごめんなさい」という感想になってしまいます。
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