「過剰演出と思う」宝島 うさぎさんさんの映画レビュー(感想・評価)
過剰演出と思う
原作を数年前に読了済み。映画化と聞いて楽しみにしていたが、評判があまりによくないので、その秘密が知りたくて劇場に足を運んだ。
原作を読んで面白くないわけがないからね。
映画としては、よくできていたと思う。
ただ気になったのは、沖縄の悲劇や矛盾を描こうとするあまりに、過剰演出になってしまって、全体に話しが重すぎるところ。
これでは、沖縄は、テロリストの島、暴動の島になってしまうではないか。
確か原作では、知的に冷静に現状を分析し、行動する、本物の島のリーダーの姿がきちんと描かれていたはず。
映画の冒頭数秒間で描かれた、レイの刑務所での暴動騒ぎのあたりに、登場したと思うのだが、読んだのが数年前なので、記憶はあいまいであるが、かなり重要な場面だったと思うのだが…。そのあたりが、完全にスルーされているのはいかがなものだろうと思う。
酷評されるのは心外であるけど、原作を知らない人には、ある程度は仕方がない気もする。
もう一度、原作を精読してみようと思う。
精読してみた。
なんか少しがっかりした。後半はプロパガンダ小説の印象。反米、反日、うらみつらみで、映画と同じに感じてしまった。
なぜに作者は、ウタとキヨを死なせてしまわなければならないのか納得できない。悲惨さを強調する手段としてはいかがなものか。
前半の疾走感はとってもよかっただけに、少し残念に思ってしまった精読でした。
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