劇場公開日 2025年9月19日

「韓国映画を意識」宝島 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 韓国映画を意識

2025年9月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

私の予想に反して沖縄県民の内地に対する本音や怒りをストレートに表現した作品だったことに大変驚きました。

韓国では「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」が韓国政治の恥部を描いたにも関わらず大衆映画として大ヒットしましたが、日本でもやっと宮森小学校ジェット機墜落事故やコザ暴動のことをインディペンデントではなく、東映で製作したんですね。明らかに昨今の韓国映画を意識して製作されていると思いましたが、今一歩韓国映画には及ばずといったところでしょうか。

もし沖縄戦がなければもっと教育に力を入れることができたでしょう。もし基地がなければ、独自の新たな産業が産まれたでしょう。そうすれば、内地との所得格差もここまで広がらなかったのではないでしょうか。米兵の犯罪に巻き込まれることもないですし、基地に核を持ち込まれることもないでしょう。

沖縄県民が当たり前に感じる様々な思いや悔しさがスクリーンを通じて想像できたので、沖縄史を知らない人にこの史実を伝える使命を持った作品だと思います。癒しの島という言葉の下には数えきれないほどの沖縄県民の犠牲があるということも。

オン、レイ、ウタの秘密と経済界と米軍の関係をもっとスリリングに後半盛り上げることができたら、韓国映画の名作にもう一歩近づけたのかな?本作は内容的に今は興行収入は難しいとは思いますが、日本映画界は観客が育てていかなければならないと思っていますので、今後も期待していますし気骨な作品であれば必ず観に行きます。それにしても、塚本監督の出番が多くて嬉しくなりました〜。

ミカ
ノーキッキングさんのコメント
2025年9月28日

もっとスリリングに!  たしかにそうですね。自分は学びとして、また苦い薬として受け止めました。

ノーキッキング
ひなさんのコメント
2025年9月28日

ミカさま
共感ありがとうございます🙂

韓国は映画コンテンツに国が積極的に支援しているにも関わらず、国家体制を批判するような映画の制作が可能で、そしてその映画が大ヒットする、珍しい国なのではないかと思っています。

塚本晋也監督、主人公の妻夫木聡さんのバディ役が良かったですよね。
瀧内公美さん、劇薬のような役で、もう少しキレるところを見たかったですね。

余談ですが…
9/17〜9/26開催の「第30回釜山国際映画祭」に、日本映画もたくさん出品して現地入りしてました。

『国宝』李相日監督・吉沢亮さん・黒川想矢さん、『8番出口』二宮和也さん、『秒速5センチメートル』松村北斗さん、『盤上の向日葵』坂口健太郎さん・渡辺謙さん、『旅と日々』三宅唱監督・堤真一さん…目黒蓮さん、岡田准一さん、小栗旬さん、柴咲コウさん…

新設のコンペティションで、『愚か者の身分』が最優秀主演男優賞を北村匠海さん・綾野剛さん・林裕太さんの3人が受賞しました!
「アジアのカンヌ」を謳うだけあるな〜と感激しました🥳

※長文コメント失礼しました。

ひな
羅生門さんのコメント
2025年9月28日

昔から邦画には重大事件に絡む政治サスペンスものは沢山ありましたよ。「帝銀事件・死刑囚」「広場の孤独」「地の群れ」「人間の条件」「日本列島」「傷だらけの山河」「貴族の階段」「黒い潮」「二・二六事件 脱出」「日本のいちばん長い日」「戦争と人間」「華麗なる一族」「不毛地帯」「金環蝕」「日本の熱い日々 謀殺・下山事件」「劇映画 沖縄」「海と毒薬」「金融列島・呪縛」「レディ・ジョーカー」「クライマーズ・ハイ」「沈まぬ太陽」、最近では「福田村事件」などなど、沢山ありますよ。太平洋戦争を題材にした映画は数え切れないほどある。

羅生門
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