「平和なんて一度も見たことがない!」宝島 ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
平和なんて一度も見たことがない!
悔しい思いがして追記をアタマに!
ヤマコの台詞で『金網の外じゃ戦えんの?』がありました。
その金網の外で米軍将校の子を産み落とした母親。この『抗議と抵抗』は小さなものではない。 評価の低い方々は主題を軽視している!この“戦果”を守ろうとしたオン、母親の叫びを聴いたグスク。その後20年も“抵抗の証”を探し続けるも、象徴的な存在であるウタ(証)は米兵に撃たれ、オンも亡くなり、魂の証は虚しく消えてしまい、オキナワの声なき声は踏みにじられる。オンの名は『怨』なのだ。
終映…打ちのめされた。いつまでも消えない濃密な苦さを感じていて、今回ばかりは普段、長々と書いているレビューの端緒も浮かばない。外に出て、ふと気付いたのは、ここ六本木シネマズの高台から眼下数百メートル先に米軍基地があるということ。政府は首都圏のド真ん中に存在するこの基地をあらゆる地図から消し去り、毎年恒例の麻布米軍ヘリ基地撤去抗議集会の報道も過熱させないように各メディアを抑え、沖縄のような問題化を避けるのに腐心している。だが、もし
“有事”
となれば、全国の基地を統括管理するこの施設は真っ先に攻撃対象となる。
冒頭、戦後の沖縄の猥雑さがよく出ている映像はさすが。
“義賊”を待望する人々に英雄などと祭り上げられると、いつの間にかその行動に
使命感が伴うもの。戦果アギヤーの下敷きになる事柄が、実は戦中にある。
日本軍の戦闘機に撃沈させら れた米艦船から流れ出した漂着物が浜にあがるのだ。海風が沈んだ船の重油の臭いを運んで来ると、兵隊達は一斉に浜にくり出す。日用品、食料品、米軍の物資は、まさにお宝、兵隊達はこれをルーズベルト給与と呼んだ。
“おいしい米軍物資”義賊気取りで犯行をかさねるも、米軍に追われて散り散りになった戦果アギヤー。後に刑事となったグスクが沖縄の現状の“やるせなさ”を熱く訴える『平和なんて一度も見たことがねぇ!』暴動の中で不敵に笑い続ける彼。これに激しく感情移入した。
映画の熱量と現実の重さを受け止めきれない自分はここで、はたと考えこんでしまう。今も続く、米軍の横暴、本土の無情。返還前はパスポートが無ければ行けなかった“外国”オキナワ。自分は未だに彼の地で起こる事件を“外国”の事象のように見過ごしているのではないか?他人ごとだと思っていないか?同胞意識がうすいのでは?と自省の念がたえない。
だから、映画と云えども上から目線で登場人物をむやみに批判できない。沖縄の人々の慟哭は深く、重く、我が身に突き刺さる。自分は沖縄に対して軽々にものは言えないと悟りました。
厳しい映画体験でした。
演技は皆素晴らしかったが、自分は窪田正孝の方言使いと屈折した心の有り様、やさぐれ感が気に入りました。
相当入れ込んでいた妻夫木聡は、かの賞レースで、先行独走する『彼』をまくりきるつもりだろうか?
コメントありがとうございます。
歴史を伝えきるにはあまりにも時間が短すぎますね。
前編、後編とか3部作だったら、もっと掘り下げて欲しい所が見られたのかと思います。
制作費問題もあって難しいとは思いますが。
ノーキッキングさん
コメントを頂き有難うございます。
同感です。
多くの方々、特に若い世代の方々に観て頂きたい作品です。
実はノーキッキングさんのレビューを読ませて頂いた時に、六本木に米軍基地が在る事を全く知らず、検索したんですよね。初めて知りました。
共感&コメントありがとうございました。
私も他人事で、外野である意識があり、何もわかってない事に軽く罪悪感のようなものがあります。なのでこういう人に向けても意義ある作品と思いますし、3時間を長いとは感じませんでした。
窪田くんは爽やかなイメージが一変され、すごい役者になりましたよね。
私はブロックされたままで構いませんがノーキッキングさんを巻き込んでしまい申し訳ありません。こちらのコメント欄にご迷惑がかかるので、この映画についてはもうここにコメントしません。
返信ありがとうございます。という事は、私からは見えないけれど、存在しているんですね。私が言い返した事でショックを受けて退会した、よりはマシです。可哀そうな事をしたかなと思わなくて済みます。
ノーキッキングさんが少し前にある人からブロックされたというのが誰か分かりました。私もその人からのコメント、共感、フォローが取り消され、私からのフォローも消されて、レビューも私からは探せません。これがブロックされた状態という事でしょうか。お差支えなければ教えて下さい。
ノーキッキングさん、コメントどうもありがとうございます。
本土、反省、おっしゃる通りだと思います。
窪田正孝さんのキャラクター、なかなか良かったですね。
共感コメントありがとうございました。私はウタを沖縄のすべての命(人、自然、魂)の象徴だと思いました。それを最後はほったらかしで、お葬式もオンの分だけ、はいただけませんでした。
コメント有難うございます。
役者サンの熱演には敬服致します。
商業映画でここまで沖縄に迫るという覚悟はヒシヒシと感じました。
『 dentsu 』に過剰に反応したかもしれません。
コメントありがとうございます。素晴らしいレビューですね。本当におっしゃる通りです。窪田正孝さん狂気の表現が尋常ではなかったです。良い意味で恐ろしい役者です。私は沖縄でコザが一番好きなんです。住んでみたらまだ知らない沖縄を知ることができそうです。
コメント有難うございました!余談ですが私の妹は宜野湾市に嫁に行き島民と家庭を築いています。甥っ子姪っ子います(笑)。終戦当時とは違う今の基地周辺の情報入ってくるのでとても複雑な気持ちです。
無知・無関心だった層(自分も含め)に沖縄や基地について考えるきっかけを与えた意義は大きいと思います。ヤマコが宮沢賢治を沖縄弁で?確かに難しそうです。
ノーキッキングさん、コメントありがとうございます。
オンの名は「怨念」の怨とは、まさにその通りですね、。
妻夫木聡も映画を通じて沖縄に「心」を持ってますので、
いい演技してます。賞レースにも参戦してもらいたいです、。
その為にも映画そのものの評価がたかまれば、と思います。
コメントありがとうございます。
自分はどうしても、テーマとか歴史的背景より“映画作品”として観てしまうので…
演技自体はみなさん良かったと思いますよ。
ただ逆に、あの中においてもなお頭一つ抜けた印象を残す窪田正孝が凄い。
コメントありがとうございます。公開前がかなり盛り上がっていた印象があったので、この逆風や初動の悪さに?って感じです。高評価レビューの内容は納得できる意見が多く、嬉しいです。
共感、コメントありがとうございます。
必ずしも米軍の全てが悪とは思いませんが、今なお続く根強い反米意識の根っこを見ました。
沖縄の基地問題と沖縄以外の基地問題は別物のように思います。
ノーキッキングさんの様にこの作品をしっかり読めて、沖縄近代史にもお詳しい方のレビューは拝読するだけでグサリと来ます。
イテテ_:(´ཀ`)
私は無知なので本作に関しては強く自分の気持ちを言えませんでした。
"シリアス"ではなく"知らなす"なのデスorz
でも、すずのカーブがエロくなってきたなとか、ちゃっかりそこに瀧!とか、栄莉弥、光路ブラザーズは美しいなとか、ちゃんと脱線してはいましたよ♪
ねぇ、だからアイコン怖いですw
コメントありがとうございました。
そうですね。戦果は抗議の象徴、だったんでしょうね。
しかし、あんなに人が簡単に殺されて、切なくなりました。
今でもゴザ地区は貧困が酷いとか。
他人事のようなコメントしか出来ませんが、引き続き沖縄に関心は持っていこうと思っています。
共感&コメントありがとうございます。
戦果が、「毒ガス」と思わせておいてからの「ウタ」だったことが、かえって衝撃でした。
そして、オンがウタを命懸けで守り抜く姿に涙が止まりませんでした。
あの暴動の根底にあった無数の「怨」は、今もなくなってはいないのでしょうね。
それに気づかぬふりをしている自分が恥ずかしくなりました。
コメントありがとうございます。
そうですね、そもそも映画化作品に原作の要素をあまさず盛り込むのは不可能と思います。
今回の原作は削りどころの難しい作品だったのだろうと思っています。
このテーマを映像化して世に出した意義は大きいです。
再読しました。
ウタが死んだこと、オンの熱い思いも、
儚くかき消された。
オンは怨念の怨。
そうですね、甘いラストシーンでないことの意味、
寓話的な海に引き継がれた“願い“のラスト、
そう思えば腑に落ちるラストでした。
教えてくださりありがとうございます♪。
コメントありがとうございます。
私もラストはやるせない気持ちになりました。どちらかでも生き延びてくれたら…。
沖縄の声を訴える為にはやむを得なかったのかもしれません。
なるほど、“オン”は“怨”ですか! 深い読みに唸りました。
共感&コメントをありがとうございます。観る前はもっとエンタメ性の強い作品なのかなと思っていたら、非常に重厚で終始深刻な空気感が漂う硬派な作品であると感じました。
こんばんは!いつの間にかお写真変わりましたね!仰るようにどこか他人事のように感じている自分に自省の念が起きます。そして窪田正孝はほんっとうに良い役者ですよね!
共感、コメントありがとうございます。1959年6月30日の宮森小学校米軍機墜落事件が原作、映画とも扱われています。小学生11人が焼け死にました。このシーンは涙なくして観ることができませんでした。
お褒めの言葉ありがとうございます。
六本木の高台からアメリカの基地が眼下に広がる・・・
ぜんぜん無知でした。
今そこにある危機、だらけですね。
私も窪田正孝は突出した役者だと思いました。
急に冷え込んだので松茸は、たくさん採れるかもしれません。
こちらこそありがとうございます!
“広瀬すずは“遠い山並み”もあって主演、当確でしょうね。あんまりミーハーな所に出ないでほしいけど。”
ごめんなさい、コメントの意味がよく解らないけど広瀬すずさんのちはやふるシリーズだけは観てませんがそれ以外はほぼ観てます、海街diaryから好きだし、ずっと彼女は輝いてると思ってます!
ミーハーな作品!?の定義が解りませんが彼女が出る作品は可能なかぎり観たいです私は。
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