「綺麗さっぱりどんでん返し!」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 Pinoさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗さっぱりどんでん返し!
序盤の絶望的状況から最後の大どんでん返しの種明かしまで、隙間なく楽しめる作品だった!
それでいてギャグですよ〜どんでん返し系ですよ〜的な邦画のわざとらしさが無いのが単純にスカッとする理由にもなっていると思う。
序盤、真面目に働いてきた公務員が何もかもうまくいかず1人の人として人格を踏み躙られていく様は見てて気が気でない。人が怒られている状況に耐えられない私としては、本当に胸が痛くてたまらなかった。
ていうか後輩の女の子のせいだよね?!
熊沢さんが超真面目で優しすぎるのもあるけど、一言「私がでしゃばったせいで熊沢さんが、、、」くらいあってもいいんじゃない?!と思ってしまった笑
脱税の闇にツッコむこと自体が悪いのではなく、タイミングってもんがあるだろー!と思った。
中盤、詐欺師たちと組んで作戦を立て、ちょっとずつ引っ掛けていくシーンはやはりワクワクする。
そこからの地面師シーンも、詐欺師集団一人一人キャラが立っていて面白い。
最後の契約の場面、圧倒的不利な詐欺師たちの状況にまんまと騙され、こりゃもう終わりだ〜〜!と思わされたのも束の間、見事なトリックと種明かしに感激した。
いや、熊沢と詐欺師たちが復讐に成功するのは分かりきってはいるものの、緩急にやられ完璧に圧倒されてしまった。
ネトフリの地面師以上に、家族や仲間、上司など、周りの人との交流も丁寧に描かれているためか、単なる詐欺の話でなくあくまで熊沢さんの人生に起きた絶望や憎しみ、そこから掻き立てられる行動などを描いたヒューマンドラマになっていると感じた。