「ポップコーンムービーにはなってない」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 Tama walkerさんの映画レビュー(感想・評価)
ポップコーンムービーにはなってない
『オーシャンズ11』とか古くは『スティング』みたいな、ダークじゃない洒落た「犯罪エンタテインメント」を、内野と岡田将生でつくってくれたら楽しかっただろうけど、そうはなってない。ゆえに「あー面白かった!」とはならない。
基本はドキドキさせて時々笑わせて、なんだけど、内野や岡田については参加動機も描かれ、特に内野演ずる税務署員の背景ストーリーが悲惨すぎる。家族のシーンなどはコメディに振っているのに、そこだけシリアスで社会派的な雰囲気が漂う(内野の演技も一瞬、コメディタッチから変わって「素が出た」みたいな感じがするところがある)。この何となく韓国映画っぽいバランスは、もちろん意図しているのだろうが、ダークな要素は入れないで洒落た「極上エンタメ」にしたらよかったのに、と思う。
で、その犯罪大作戦。そう来たか!と楽しませてもらったけれど、『地面師たち』の後だと既視感がある。それとちょっとショボい。①イーロン・マスクとか大谷翔平とかの話ばっかり聞いてるうちに麻痺しちゃって、今じゃ「10億」はそんなにスケール大きく感じない。②セットがショボくて金持ち感が不足。③キャストがちょっと。犯罪集団のうち、内野、岡田、真矢みき、以外は映画館のスクリーンを背負えてない感。
さいごに、本筋から外れたキャラだけど川栄李奈がすごく良かった!望月さくらの『マルサの女』が見たい!
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