助産師たちの夜が明けるのレビュー・感想・評価
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フランスのとある産科病棟。 あらたに助産師としてやって来たのは若い...
フランスのとある産科病棟。
あらたに助産師としてやって来たのは若いルイーズ(エロイーズ・ジャンジョー)。
出勤途中、母親からの電話がスマホにあり、なんやかやとやっているとギリギリの時間になってしまった。
赴任先の産科病棟は、目も回る忙しさとはこのことで、指導の先輩助産師から伝えられることをすべては覚えきれない。
ベテラン助産師ベネ(ミリエム・アケディウ)に付いたときなども、「患者の前で感傷的にならないこと」と厳しい指導を受ける。
落ち込み、まだ新しい住まいも決まっていないルイーズに手を差し伸べたのは、ソフィア(カディジャ・クヤテ)。
彼女も、この産科病棟勤務の日は浅いのだが、有能で自信に満ち、すでに出産に立ち会っていた。
ルイーズはソフィアの申し出に従い、アパルトマンの一室で同居することになった。
その夜は一息ついたルイーズだったが、翌朝からは再び激務が続く・・・
といったところからはじまる物語だが、テレビドラマのようなヒューマンストーリーはない。
ドキュメンタリータッチで描かれる産科病棟の激務は、どうみても人手不足、低賃金、休憩時間もない、立って食事をせねばならないというブラックな職場環境。
助産師たちの仕事の動機は、もう「やりがい」しかない。
映画はそんな様子を厳しく厳しく映していきます。
ドラマはないかというとそんなこともなく、
有能なソフィアだったが心拍数モニターの故障から子宮破裂に気づけず、母子の生命が危険にさらされるという試練に襲われ、メンタルもかなりダメージを受けてしまう。
産科病棟のマネージャは、そんなソフィアを出産現場から遠ざけて、危険の少ない出産に向けての教育などの役職に就けるが、ソフィアは現場に戻りたがる・・・
その他、高齢妊娠の末に死産したカップル、口うるさい母親、移民で路上生活を送る女性の出産や、未成年の出産など、テレビドラマでは、それだけで1話もつぐらいの内容が、詰め込まれている。
さらには、出産シーンも実際の出産の様子が映し出されています。
ただし、好き嫌いが分かれると思わるのは、ドキュメンタリータッチのシリアス描写だけでなく、巻末に映し出される助産師たちの抗議行動の様子。
直接描写で締めくくるので、ここで一気にアクティビスト的になってしまう。
このシーンなくても、主題は伝わると思うんだけどなぁ、と思っちゃいました。
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