満月、世界のレビュー・感想・評価
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再現ドラマかセミドキュメンタリー?
チラシに吃音の子が出てくると書かれていたので期待していたら、全くそういう子ではなく、エンドロールになったので、どういうことかと思っていたら、次の作品の冒頭で、いきなり言葉が話せない子が出てきたので、全く別の作品の組み合わせだとわかった。話し方が通常の吃音と異なっていて、言葉がなかなか出ない話し方だった。調べてみると、難発という種類だった。担任教師は急かさないけれども、何も声をかけずに冷淡だった。周りの生徒は、違和感のある反応の者もいれば、本人が話し始めるとじっと聴き入る者もいた。ことばの教室に通っていれば、居場所ができただろうし、担任教師や他の生徒との橋渡しを期待できたのではないかと思った。最後の場面で、担任教師がほとんど記入されていない学級日誌をただ開いて確認している意味がわからなかった。
事後の監督トークで、2編はそれぞれ出会った子どもたちの日常から生まれたもので、IC レコーダーを渡してつくりあげた、『満月』と『世界』とはつくり方が違う、というようなことを話された。質問で、『世界』の主人公と周りの生徒や担任教師との関係は、実際もそうだったのか、最後の学級日誌の内容はどういう意味なのか、主人公はことばの教室には通っていなかったのかを質問してみた。演出も加えたという。再現ドラマかセミドキュメンタリーといった作品と言えるのかもしれない。追跡的な作品が2030年に完成するそうなので、本作の関係性がどうなっているのか、楽しみではある。
『満月』と『世界』の2編、各30分の短編からなるオムニバス映画。 ...
『満月』と『世界』の2編、各30分の短編からなるオムニバス映画。
始まって、またおま的インディペンデント系映画か?と思ったが、終わってみればとても瑞々しい短編たち。両作とも主役は長野に住む中学生の女の子、満月と秋。それぞれに推しがいて、介護が必要な祖母がいて、父親が不在というのが共通点か。
ハタから見ていて面白いのが「満月」(みつき)。それは今時の極々普通の女子中学生のリアル。でも少しだけ人と違った趣味がある。とはいえ、まだそれは山のものとも海のものともつかない状態。
もう少し痛々しいのが「世界」(秋)。世界って面白い、世界を知りたいという知的好奇心で心の中は膨らむばかり。でもそれを表に出すことが出来ない歯がゆさ。もし将来大成するとしたら彼女の方かも知れない。
本作は、塚田万理奈 監督が現在進行形で取り組む、10年に渡って子供達を撮り続ける『刻』プロジェクトから派生した物語たち。こちらは全編 16mm フィルム撮影で、完成はなんと 2030 年予定とのこと。エンドロール後にその断片を少しだけ観ることができる。これはもう期待しかない。
世界って、かっこいいんだよ
自分の居場所を探す中学生を描く「満月(みつき)」と、きつ音のある中学生と夢を諦めかけたミュージシャンの日々が交差する「世界」。
中学生だったあの頃、裕福ではなかったけど不幸ではなかった。明るい未来を感じてはいなかったけど、辛かったわけでもない。
何かしたいこと、好きになったことを自ら持ちはじめるとき、否定しなかった親に改めて感謝です。
あの頃どうしてもできなかったことは、何十年たった今、思いっきりしています。
第二次性徴
なんてことないJCのお話のオムニバス。
満月
キラキラした都会に仄かに憧れを抱く、田舎暮らしのJCの話。
小説書いたり友達と駄弁ったり母親のお出かけにつきあったり…というなんてことない日常を暮らしている感じだけど…なんとなくモヤモヤはわからんでもないかな。
世界
吃音のJCとミュージシャンをしつつ飲み屋を営むミュージシャンの話。
授業中前に出て作文らしきものを…吃音?もう良いよって言ってくれるの待ってます?からのパッとしない大人と…これまた言わんとしてるものはわからんでもないけどぐらいかな。
どちらもせめて頑張っている感があったらね…。
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