「主演の二人がサイコー!」お嬢と番犬くん おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
主演の二人がサイコー!
さんざん予告を観ていたので、それなりに楽しめるだろうと期待して公開2日目に鑑賞してきました。定期的に公開されるラブコメ作品の一つとして、及第点に達する仕上がりだったと思います。
ストーリーは、幼い頃に両親を亡くして、瀬名垣組組長の祖父のもとで育った一咲は、その家庭環境のせいで友達ができず、普通の学校生活が送りたくてあえて遠くの高校に入学するも、その身を案じた組の若頭・宇藤啓弥は年齢詐称で裏口入学して”番犬”として一咲のそばを離れようとせず、素性を隠した二人が高校生活を送る中、しだいに変化していく二人の関係を描くというもの。
極道の娘と組員の恋というどこかで見たような設定ではありますが、主演の二人の対照的なキャラと演技がなかなか楽しいです。一咲役の福本莉子さんのコミカルな演技と愛くるしい表情に癒されます。啓弥役のジェシーさんは、一咲への優しさとクールさが同居し、さらにちょっとしたおバカ加減が絶妙で、こちらも見事な愛されキャラとなっています。このビジュアル満点の二人が織りなすテンポのよいボケとツッコミが、前半を楽しくリードします。
後半、田貫の登場あたりから雰囲気が変化して、多少シリアス要素が入ってきます。田貫が醸し出す危ない雰囲気と存在感がスパイスとなって、一咲と啓弥の距離が縮まり、一咲が自身の想いに素直になるという流れは理解できるし、悪くはないです。でも、なんだかキュン要素が足りない気がしたのは残念です。田貫の存在が邪魔だったとは思いませんが、前半に対して後半がイマイチだったかなという印象です。とはいえ、予定調和のラストは、観る者にしっかりと満足感を与えてくれます。
主演は福本莉子さんとジェシーさんで、ビジュアルも演技も言うことなしで、ラブコメにおける絶対条件をきっちりクリアしています。脇を固めるのは、桜井海音さん、香音さん、松井遥南さん、佐々木希さん、飯田基祐さん、杉本哲太さんら。