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今年302本目(合計1,394本目/今月(2024年8月度)27本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
台風が接近している中でオンライン試写会に招いていただいた fansvoicejp さまにご感謝を。
タイトルと予告からわかる通り、自分の本当の父親に会いたくて、コロナ事情という特殊な事情においてもイタリアに渡りその夢をかなえられるか…という趣旨のストーリーです。
この「出生を知る」というのはこの映画の例のような場合には未成年はもちろん大人であっても、日本では判例によって確立されている「知る権利」のうちの「出生を知る権利」というものを行使した形にあたります(例えば、熊本市だったかのいわゆる「赤ちゃんポスト」で育った子が将来、自分の親を知りたいというのもそれにあたります)。
この「出生を知る権利」は子供はもちろんこの映画のように大人によっても行使されることがあり、この映画の例はまさにそれです。かつ、この映画がちょうどそれであるように、日本国内に収まりきらないのが特徴です。海外(この映画ではイタリア)の協力も欠かせないわけですね。
この点色々な考え方があろうと思いますが、「知られたくない」納得できうる強固な事情がありまたそれが納得できるようなものである場合はともかく、一般的にそうではない場合(適当に育児を放棄している場合等は「知られたくない」権利まで主張するのは権利の濫用)、「知る権利」から派生する「出生を知る権利」は幅広く認められるべきというのが私の思うところで、この点について触れられていたのは良かったところです。
採点に関しては以下が気になったところです。この映画は(正規の公開日が)土曜日で、土曜日公開の映画は概してミニシアターが多いということも考慮したものです。
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(減点0.3/なぜに法律事務所のTシャツを着ているのか不明)
これはエンディングロールで、映画に協力した法律事務所(弁護士の事務所。弁護士以外は「法律」という語を看板等に使えません)がクレジットされて一致するので、そのTシャツということになりますが、弁護士事務所(法律事務所)にせよ司法書士にせよ行政書士の事務所にせよTシャツがどこでもあるわけではなく(Tシャツを売ることは業務でも何でもない)、おそらくこのTシャツを着ているのは「広告挿入型なのかな」という気がしないわけでもありません(おそらく予算を抑えるために広告挿入型にしたのではとも思える)。ただ、この映画のように多くの来客が見込めないこの映画でそうした方法で資金を集めることは理解できるところですが、この点は趣旨を書かないとわからないのでは…と思います(この映画の「主人公」に当たる方は弁護士ではありません)。
(減点0.3/メールの英文法)
まぁ通じればいいというのはありましょうが、英文法的にむちゃくちゃなので、誰かアドバイスしなかったのかな…という気がします(あの内容だと、お父さんに会いたいという気持ちが伝わらないか誤解される恐れがあります。文の単語単語を(文法を無視して)拾って語句レベルで訳せばわかる程度)。