「斬新な表現手法」ひどくくすんだ赤 jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
斬新な表現手法
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予告編は興味をそそられるものになっているが、本編を観てみると細部設定の粗雑さやレッドのダメさ加減に不快感を覚える。
この期待外れ感は、ヒーロー戦隊のリーダーに選ばれ、自分の人生が有意義なものになると考えていたレッドの今の心境にも似ているのかもしれない。
下半身付随になったピンクが襲われた際にかつての得意技であるキックを繰り出そうとするシーンや、敢えてチープに描かれた怪人との戦闘シーン、レッドが血で赤くくすんだマットレスの上に横たわるシーンなど、観ていて嫌な気分になる場面が多数描かれる。
全編を通して続く不快な演出に視聴者が耐えられなくことを見越してか、ヒーロー戦隊としてのお約束の設定や世界観の説明を省き、1時間足らずの短い作品となっている。
不快な演出は主人公の心境を表現する斬新な手法である。短編作品にすることで視聴者の負担軽減を図っていることも伝わる。それらを踏まえたとしても、観るんじゃなかったと思わされるような後味の悪さが残る作品だった。
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