「涙が出るけど、温かい気持ちになれる映画」春の香り mowさんの映画レビュー(感想・評価)
涙が出るけど、温かい気持ちになれる映画
主人公が亡くなることは映画を観る前からわかっていることだが、希望を持てるラストが待っている。
初恋の描写はフィクションだが、脳腫瘍に関するノンフィクションのエピソードを描くために必要なパートになっていると感じた。
モデルとなった春香さんは、18歳で逝去された。人生の春を迎える時期、もっともっとやりたいことがたくさんあったと思う。「生きたい」と強く願ったことが、「恋」というわかりやすい題材を通じて伝わってきた。美しい映像に心が洗われた。
一方で、病に関する描写は実話に基づいており、綺麗事だけではない現実に心が締め付けられた。本人だけではなく、彼女を支えた家族の葛藤も丁寧に描かれており、誰の立場に立つかで物の見え方が変わってくる。
共通しているのは、彼女も家族も懸命に闘い、強く生き抜いたということ。生きていることの幸せを再認識させてくれる作品だと思う。
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