劇場公開日 2024年10月18日

「20%の蟻でも有り」まる くまくまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.020%の蟻でも有り

2024年11月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

予想していたよりも深く良い映画でした。
そして、監督が是非、堂本剛さんにと望んだのがよく分かります。Kinkiの特にファンというわけではないのだけど、堂本剛の飄々として、でも、物事の核心を捉えた日頃の発言が、この「さわだ」という男にぴったり。演技も自然で、久しぶりの演技の仕事とのことですが、良い役者さんですねー。これを機にもっと演技のお仕事して欲しいです。

さわだは、ひどく真っ当で、純粋で、でも、前面に出て行くこともせず、もしかしたらやる気のない人と思われてしまうかもしれず、それは秋元(吉田鋼太郎)のような人間からは取るに足らない奴、搾取して当然な奴に映るのかもしれない。そして、彼が変わった、秋元のようになったと見られたなら、矢島(吉岡里帆)のように、それを攻撃する人もいる。
意味などなくてもただ存在する、好きなことを名誉とか金とか関係なく(人に迷惑かけずに淡々と)する、それでいいではないかと心に訴えてくる映画でした。

本編後にメイキング映像もあり、役者さんてあんな環境で演じるの大変だな、と再認識。しかし、有名になった沢田が陥る状況って、異常に見えるけれど、アイドルの堂本剛は、実生活で経験済みなんだよなあ。それって凄いことだ。

キャストも堂本剛を筆頭にはまり役で、チンピラっぽい綾野剛、良い人すぎるミャンマー人の同僚モーさん(森崎ウィン)怪しすぎるキュレーターの早乙女太一(ほんとこういう役ハマる)、やり手の美術商(小林聡美)、謎の茶人(柄本明)、そして、古物商(片桐はいり)、全員最高でした。片桐はいりがエンドロールで流れて、え?どこに?って思ったら古物商!この古物商やってる男優さん、誰だっけ、絶対知ってると思ったのに、全然分からなかったよー

くまくま