室井慎次 生き続ける者のレビュー・感想・評価
全382件中、301~320件目を表示
ドラマを考えるのが面倒になったのかな?
あっさりと解明される事件。
あっさりと自供を始める犯人。
あっさり改心する福本莉子&町の人々
あっさり逮捕される加藤浩二。
あっさりと彼氏を変えた丹生明里のように本作は本気じゃなかったのかな。
まさか、ラスト数秒で姿を見せる彼のお膳立てだったのか?
室井さん…
唐突な別れに気持ちの整理が出来ません…
青島ともう一度対面して欲しかった!
スターウォーズのオビワンのような…
そんな感じでも新作にも登場して欲しいです。
踊るマニアとしては5.0
作品としては3.0にはなっちゃいます…。
今週の作品の中では見やすいのだが、問題提起が足りないか…。
今年405本目(合計1,496本目/今月(2024年11月度)11本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
※ なぜか「先行公開」のようですが、ここで見る限り全都道府県そうなっており、IMAX前提とかということでもないようなので(事実、通常の上映扱い)、ネタバレ扱いしないものとします。
個人的には前編より「見どころ」は多かったかなという感じがします。
いろいろな取り方があるのかなと思いますが、映画内で現れる一つの大きな論点として「里親制度と児童相談所の現在の実態」という大きなテーマを扱っている割に、その点は明確に出てきても問題提起だけで終わっている(実態まで知っている方は少ないのでは)という、ちょっと「惜しいかな」というタイプのストーリーです。
ただこの点は法律系資格持ちとしてそういう論点があることを見た上で察知して「この論点について触れたかったのかな」という考えと、「そもそもそんな論点は入れていない」という考えもあるでしょうし、そこはまぁ個々あるのであまり引かない立場です(詳しくは詳細ほか)。この映画に関して言えば、シリーズものであるという性質上、その「シリーズものとして見る」という立場も理解できるからです。
ストーリーの展開的に前編を見ていることが前提になりますので、観ていない方は前編を見てからがおすすめです(今週なら大きな映画館なら、前編後編で見られるように配慮されているところも多そう。来週になると厳しいか)。
採点は以下まで考慮しています。
--------------------------------------------------------
(減点0.1/放火罪と犯人隠匿罪)
犯人隠匿罪の対象は「罰金以上の刑にあたる罪」が対象で、当然放火罪はそれに該当し(該当しないものを探すほうが難しいほどに少ない)、一方でこのことを論点にすると映画は30分で終わってしまうので仕方がない部分だろうと思います。
(減点0.2/放火と被害届のお話)
放火は、程度にもよりましょうが、延焼が容易に起きる日本においては、被害届があろうがなかろうが強制的に警察が介入するものです(なお、日本では法定刑が軽い一部の親告罪がそうで、一般には金額が低くかつ初犯であるような万引き事案なども同じように運用されています)。
(減点0.4/いわゆる「引きはがし」について考察が欲しかった)
この点は、法律系資格持ちからの視点になるでしょうか。この点は後述します。
--------------------------------------------------------
(減点なし/参考/里親制度と「引きはがし」問題について)
映画内で展開されるストーリーは、実際の日本でも問題になっていることがらです。
里親や児童養護施設等、何らかの配慮を必要とする子を受け入れる制度は、例えば悪意の遺棄(←通常の日本語での意味)や虐待など何らかの理由があるものであり、特に里親制度は限りなくボランティアに近い制度です(一応、受け入れ人数に応じて食費等の勘案はされるが、それで儲けることは絶対にできない)。
一方で、児童相談所は現在(令和6年)にわたっても、児童相談所の施設や里親制度というのはあくまでも一時的対応ととらえており、実際の親が児童相談所等に圧力をかけて「引きはがし」を行う実態が一定程度あります。映画内で描かれているような「特殊な事情」(ネタバレ回避)のような悪質のケースもあれば、意図的に虐待を繰り返す等色々ありますが、これらの事情があっても児童相談所は警察ではないので、施設で実際に暴れた等明らかに適さないと認められる場合以外は、いかに危険であっても実際の親が引き取りを要求してきた場合、ステップを踏んで引き渡すことになりますが、それが虐待の循環を招いているのは実際の日本も映画においても同様です。実際に不純な目的を持っている親からすると、裁判(行政事件訴訟法)や行政不服審査法等も駆使してこられると児童相談所の手に負えませんので(児童相談所はそんなに法律に詳しくない)、実際には「現地で実際に暴れる」等特殊なケース以外は後手後手です。このことは、広く考えれば「実際の戸籍上の親の元に戻すべき」という家族に対する考え方が背景にあります)
この点、実は、里親制度を取る日本においては、里親のほうから「今のままでは不安だからもう少し待って欲しい」というような要望は出せないようになっています(映画内の描写と同様だが、「里親の当事者は取消しを求めることはできない」という判例あり(那覇地裁/原告適格、訴えの利益ほかのお話。行政事件訴訟法))。この点、そもそも里親側が「引き取りを取り消すような訴訟を提起する」こと自体が稀であり(上述の通り、多少の費用は地方自治体等が補助してもそれで食べていけるのではないので、そうした訴訟を提起するのは、そもそも論で言えばその子の将来を考えてのものであり、里親本人の利益のものではない。里親側から取消訴訟を起こすこと自体も限りなくボランティアに近い)、この「無理やり裁判を起こしてでも引き取って虐待を繰り返す」等の類型は、「引きはがし問題」と呼ばれているもので、特にコロナ事情のもとで生活保護や(子の数に応じた)給付金等が整備された2020年以降に特に急増して見られるものです(こうしたトラブル自体は里親制度の元からあったが、コロナ事情により激増した。上記の那覇地裁の判例も2021年のもの))。
この点については、ある程度の福祉行政の知識があればわかるお話ですが、この点は明確にもう少し何が論点なのかを整理して示す等などあれば…というのが一人の法律系資格持ちの感想ではあります。
室井慎次あっけない最後
内容自体は前回の続きって感じです。
もちろん色々と事件は起きますけど後半では日向真奈美の娘の杏とも打ち解け村の人達とも仲良くなります。最後は秋田犬のシンペイを吹雪の中、探しに行って死んでしまいます。
しかしここでよく考えてみてください秋田犬は寒さに強い犬とされており下手に人が探しに行くより帰ってくるのを待ったほうが良かったのでは?と思いました。
最後の最後に青島刑事がでてきますが(1分ほど?)フジテレビ系で織田裕二の新作ドラマを遣るという話でたぶん青島刑事を復活させて遣るのだと思いますが(だから映画の最後に出したのだと?)室井慎次は死んでしまったので青島刑事とは二度と会うことはありません。
2つの理由が考えられます、一つは室井慎次役の柳葉敏郎さんは最初この仕事を断っていたので二度と復活できないように最後は亡くなるという設定をしたのかもしれません。
もう一つは織田裕二さんとの不仲説で織田裕二は青島刑事として最後のエンディングの最後に出るだけで室井慎次役の柳葉敏郎と一緒に出ることはありません。
互いに嫌って一緒の出演を断ったのか或いは仲の悪いとされている柳葉敏郎といっしょに出なければでてもいいという条件をつけた可能性もあります。
何れにしても室井慎次が死んだのは残念でした。
ちなみに恩田すみれのその後も話していましたが新作にはでそうにもなさそうです。
想像できなかった自分が不甲斐ない
基本的には評価は甘め、ポジティブな意見を書くことが私のスタンスです。
踊る大捜査線や本広監督が好きで、映像に映っていない映像と映像の空間を想像で埋めることで作品をこれまでは楽しめていました。
楽しみで先行上映に行きました。きっと作品は良かったのでしょうが、今回私の映像を観る力が不足し、映像と映像の空間を想像で埋めることができませんでした。
作品の意図は理解はできるが納得できない結末
保護者としての室井さんの振る舞い、前作含めてすごく好きでした。日向真奈美からの精神的支配を受け続けていた杏を室井さんが実銃を撃たせ、身を以て認識を改めさせたのかな。真奈美との関係を撃ったように僕は感じました。ずっと杏には犯罪者の娘という影がチラつい断ち切ってほしいと前作で思っていただけに、喜ばしい展開でした。
残念だったのがリクの父親が訪ね、襲いかかってくるシーン。シンペイを外で追い出すにしても、殴る蹴るなど身の危険を感じなければ犬がそんな遠くに行くとは思えない。
そして室井さんがあの吹雪のなか軽装で探しに行く。これも行くとは思えない。室井というキャラクターにピリオドを打つことがこの作品の目的だったのかもしれない。だがずっと踊るシリーズを観てきた者として、こんな結末であって欲しくなかった。なんなら不可抗力な心筋梗塞のほうが理解できた。
青島が訪ねてくるシーンはサプライズ演出として嬉しかったが、せめてかつて室井が晩酌していた椅子に手を合わせてほしかった。室井モデルが全国展開され、室井さんがかつてのワクさんのような指導員的な立場で戻って来るような、そんな話も観たかった。
作中で恩田すみれさん退職したと名言されましたし、室井さんも今後登場しない。今後の展開あるとしたら「踊る」シリーズとしてどう続いていくのか気になります。
室井慎次という男の生き様を考える
先行上映で鑑賞
前編は単なる前半だったので酷評したけど、なら後半をどう予想するのか?しっかりとは予想はしていなかったけど、予想を十分上回る作品に仕上がったと思った。
前編での事件の解決したい訳でも、日向真奈美とその娘について語りたい訳でもない。あくまで主人公は室井慎次ただ一人。そして里子たちはキーパーソン。日向真奈美はキーパーソンですらなかった。そしていわゆる『動』の部分は全く無かった。
親は子にどう接するのが良いのか?決して絶対の正解はないが、室井慎次は常に信念を曲げず、自身が信じた事に突き進む。だからマインドコントロールされていた杏も信じ、杏もそれに応えた。あまり快く思っていなかった人々も変わっていった。
前編はこんな映画ダメだと思っていた私も、心揺さぶられる素晴らしい作品になったと思った。
里子のリクを迎えに来た実親(加藤浩次)は生活保護の子の分は って、絶対ダメ人間変わっていないと思ったけど、リクは帰宅しても室井さんの事ばかり。これはキレる。この件のみ同情する。
そして…。
最後に「モッズコート」を着ていた男。たしかにコッチ向いたよね。見間違えでないよね。
いつの間にかヒューマンドラマに
後半は、泣かせに来た。物語が進むにつれてサスペンス色がどんどん薄くなっていく。あまりの力技で、思わず泣きそうになったが、周りのすすり泣きがすごかったので、なんか冷めてしまった。
前半であれだけ、過去の事件との関連性を匂わせて盛り上げておきながら、いきなりヒューマンドラマで片付けられてしまって、梯子を外された感じ。
WithOut Youが流れるシーンが、自分的には一番盛り上がった。
やっぱりそうきたか。ポストクレジットに注目でございます。
先行上映にて。
前編というか、敗れざる者が、あ、踊るシリーズであって、踊るシリーズではないのだな、これは。と感じていた。
こちら生き続ける者もやはり踊るシリーズとは少し違った。
それ自体は全く気にならなかったのだけど、ちょっと室井さんのラストが、えー、となってしまった。
最後の最後まで、はっきり明言しないなら、ころすな、と出て来るんじゃないかと願ったけれど、やはりそうなのか。
普通に考えて保護する人がいない状況で、里子たちだけで暮らせないから、やっぱいるんじゃ?と思ったけど。
そこはもう少し預かった子らを育てる室井さんを見せてほしかったな。。
事件の顛末も、少々雑な気がしなくもないが、考えてみれば、踊るシリーズ、逮捕後の犯人の話はほぼなかったよな。逮捕で終わり。
のちの作品に出て来る人もいたけれど、深掘りはしてない。
あー、そうだったな。と。
地元の人達との和解?や、杏の変化も、あっさりと言うより、敗れざる者から少しずつ変化の種まきはしてきていて、それが芽吹き始めた、という印象。
現実はもちろんもっと複雑だけど、これは尺の長くない映画だから仕方なし。
ただ、大事なのは、言葉の少ない室井さんが行動でどう示したか、それを周りの人たちがどう受け止めてきたか、受け止められたか、なのかなと。
そして、室井さんの語る「被害者にも加害者にも家族がいる。家族は傷つき、苦しんでいる」ということ。
ドラマシリーズの冒頭、被害者家族の苦しみに目を向けられなかった室井さんと、そこに目を向けていた青島さんを思い出す。
リクが父親の元に返されることが決まり、タカと杏が車を追うシーン。まさに家族が苦しめられている事実だなと。自分で生きていけない子供が、家族だったせいで、その人生を翻弄されている。出会いと別れを大人に決められて、紡いできた絆がそこまでで停止してしまう。
親元に返すことが良いか悪いかとは別の話として、確実にそれがあるんだなと。
ラストのラスト、もう本当にいないのか、室井さん。。
そう思っていた時に、3人を乗せ走る車、室井さんの車だし、運転席には誰かがいるが、誰だ?(諦めが悪い)
そこから、室井さんの家へ。
そこにはあの人。
どう見てもその人に見える背中だけで終わり?と思いきや、顔見せるし、喋るし、名乗るし、あの走り方だし。
なんとなく、もしかして最後とかチラっと出て来るんじゃ?と思ってたけど、今までを考えたら、ないよなーと思ってたので、めちゃくちゃサプライズだったわ。
どう続けるのか分からないけど、どうしていこうとしてんのかな、これは。
室井さんのラストに後味は良くないものの、ラストのサプライズに期待もしてしまう。
何て言うか?
歳を取ったせいか、それとも踊る大捜査線を初めからみたせいか前を思い出しながら見たから本当に良かったです。
ネタバレしたくないから書きませんが自分は最後の方でめちゃくちゃ泣きました。
賛否両論有ると思いますが自分は良かったと思います。
出来れば秋田編を続けて欲しいぐらいですがどうなんですかね?
期待をもって
子供の頃に見ていた踊る大捜査線の世界を、令和のこの時代にまた見ることができるとは思っていませんでした。
現実世界と同じ様に、年齢を重ねた室井さん、渋くてカッコよかった。
自分も歳をとったせいか、涙腺崩壊しっぱなし…
眉間に皺を寄せ常に固い表情だった室井さん。リクとの初対面の際に見せたあの柔らかい表情を見た瞬間に涙腺崩壊😭
見た事のない室井さんに感動しました!
他の方のレビューにもある通り、踊る大捜査線の本筋からは逸れるかもしれませんが、室井慎次のスピンオフとしてはとても素晴らしい作品だと思いました!
そして最後の最後に、会いに来てくれたんだと思い再度涙腺崩壊😭
今後の作品展開、楽しみにしています!
ポジティブに評価して”踊る“ではありません。
“踊る”の軽妙かつテンポの良い熱い刑事ドラマを期待して鑑賞すると肩透かしを受けると思います。
大事件や猟奇的サスペンスに発展しそうな予兆は数々起こりますが、どれもそんなことには発展しません。
その一つ一つは室井さんを含めて登場人物の人生の苦悩の物語でしかありません。
かつての”交渉人真下正義“や“容疑者室井慎次”のようなスピンオフ的な要素は僅少です。
倉本聰さん的なヒューマンファミリードラマくらいに思って見れば感動もしますし泣けもします。
ただ、警察高級官僚OBとはいえ、室井さんの警察との関わり方や警察側の配慮や、
おチビさんの出戻りエピソードや室井さんの遭難時のひたすら警察無線交信での状況説明進行と無線のやたらと感情的なテンション、
その後室井さんが居なくなった後の子供達の暮らしぶり等にリアリティは欠けてますが。
まあ、“踊る”の看板が無かったら私自身わざわざ映画館に足を運んだかは疑問ですし、前編はここまでの興行成績は無かったとは思います。
作風規模的に見ても、新たな”踊る“映画の公開記念的にフジテレビ地上波の映画枠を使った2週連続ドラマだったらすんなり納得した出来だったとは思いますが、映画配給するほどの作品か?とは首を傾げたくなりもします。
興行収入を当てにしなくともある程度の視聴率とスポンサードは期待できたでしょうし、円盤化や各配信サービスで回収出来たでしょうに。
まあ、私的には柳葉さん的な室井さんへの葬送に寄り添ったドラマ作りだったんだろうなとは納得していますが。
寧ろエンドロール後一分弱の青島刑事登場と本格的な“踊る”プロジェクト再開への伏線が、このヒューマンドラマを芯のないものとしてぶち壊している気にしかなりません。
結局“踊る”やるならこの作風の映画必要でした?
こういうことするから不仲説がまことしやかに流れるんじゃないですかね?
今後の作品に室井さんが関わらないなら、その作品で沖田さんか新庄さんかに室井さんの行く末を語らせれば済んだんじゃないですかね。
総括すると元警察官僚OBの人生の終末へのロードムービーとしては感動できますし評価できますが、
”踊る大捜査線“が復活した!と、高揚して観に行くのは止めたほうが良いです。
松山千春「生命」。。。
いや~ これは 久々に ラストは涙が溢れ出ましたね。こんなラストなんだけど これでホントに良かった気がします。これ以外だと ストーリー 台無しになる気がしますもん。子供の成長が ホント素晴らしかったです。子供以外にも 今まで 出会った人にも スゴい影響力を与えていて。。地味な性格、地味な生活 全て地味なんだけど 今までの自分に対しての 償いと考えていて。。それを 全てに愛情を与えていて。。こんな人には なれないですけど 子供達 そして警察官 住民には 響いていましたね。。エンドロール 松山千春の「生命」が。。。 更に 涙が溢れ出ました。ヤバい。。
壮大な送別会
「踊る大捜査線」の新シリーズを開始するにあたり、室井さんとして、柳葉敏郎さんを登場させない代わりに、室井さんという人間を前編115分間、後編117分費やして、これでもかと良い人にして、丁重にお送りした作品で、事件はオマケ程度です。
こういう回りくどい復活の仕方では、「踊る大捜査線」の新シリーズも期待できないですね。
人生のテーゼを突きつけられた
「敗れざる者」から「生き続ける者」へ
このタイトルに込められた意味が今、心にすうーっと入ってきた。人の思いは決してその人だけのものではなく、その思いを共感した人たちによって支えられ、繋がれ、その魂と共に、強い信念として受け継がれていく。
室井自身は「敗れ去った」が、その強い思いは数々の人々に受け継がれ、永遠に「生き続ける者」として刻まれていく。
正に人生にとってのテーゼ、生きていくための壮大な命題をストレートに見せてくれた作品であった。
作品は監督の本広氏と脚本の君塚氏のタッグによる鮮やかで細やかなストーリー展開とそれを支える俳優陣がピッタリはまっていて、それがとても心地よく、清々しい。
また、武部氏の音楽も、この作品を彩る大きな要素であった。決して大袈裟な音ではなく、あくまでも演者が語る言葉を深める要素となって、心に響いた。
こうして幕を閉じた作品かと思いきや…
最後のシーンは正に「STILL CONTINUED」
いよいよ本丸の登場を期待させてくれた‼️
ぜひぜひ次の「ODORU」を待っている。
納得いかないラストだった
11月15日の公開を前にして実施された先行上映初日に鑑賞いたしました。初日ということで映画館はかなりの盛り上がりでしたね。
率直に結論から申し上げますと、かなり期待外れでした。
事件解決は中途半端。前編から続いていた「青島との約束」も中途半端。終盤の展開については不満だらけで、続編匂わせの中途半端なエンディング。少なくともシリーズファンじゃない私にとっては最後青島が出てきても特別嬉しくはないんで、多くの不満が残る映画でした。前編はそこそこ楽しめたんだけどなぁ……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
踊る大捜査線シリーズの登場人物・室井慎次にフォーカスした映画二部作の後編。警察官を辞職し、故郷である秋田県に戻り、犯罪の被害者加害者の家族たちを引き取って生活を送っていた。そこに、かつて対峙した凶悪殺人犯・日向真奈美の娘である杏がやってきてから、室井の周りで様々な事件が起こるようになる……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
演出がワンパターン。展開が強引。脈絡が無い。
感動シーンの演出がワンパターン過ぎて白けます。これは前編の『敗れざる者』を観ていた時も感じていたんですが、感動的なシーンになる度に「テーレーレーレー♪」って毎回同じBGMが流れるんですよね。「ここ泣き所ですよ~」って言われてるみたいでめちゃくちゃ白けます。観客をBGM流せば涙を流すパブロフの犬だと思ってるのかと思うくらい毎回同じ音楽なんです。
事件についても、あれだけ散々「レインボーブリッジ事件の犯人だ」「これは室井さんの事件だ」とか言っていたのに、結局室井が何かをするわけでもなく他の警察が犯人の場所を突き止めて機動隊が突入して犯人の一人を逮捕。ずっと黙秘を続けていたのに取調室で室井とちょっと話をしただけで懐柔されて自供を始め、「他の犯人もそのうち見つかるだろ」と一件落着。
前編であれだけ険悪な雰囲気だった近所の住民や後編から急に出てきた行きつけの商店の不良たちが、ちょっと話しただけで室井に絆されているのも急すぎて違和感がありました。近所の住民はまだ多少理解できますが、不良と話をするシーンで室井が「お菓子、棚に戻そう!」と連呼するのは完全にギャグシーンなのに、感動的なシーンとして演出されているのが違和感だらけで気持ち悪かったですね。
犯人たちの犯行動機についても「日向真奈美の洗脳だ」の一言で片付ける。家に火をつけた杏に対しても「日向真奈美の洗脳だ」でお咎めなし。それだけ日向真奈美を絶対的な犯罪者として演出したかったのかもしれませんが、便利な言い訳として日向真奈美が使われているだけな気がします。
ちなみに「被害届が出されなかったとは言え、建物に放火した杏は何かしらの刑事罰に問われるんじゃないか」と思って調べてみたところ、刑法109条の「非現住建造物等放火」については「公共の危険を生じかなった場合は罰しない」とあり、被害を受けた唯一の人物である室井が被害届を出さなかった場合は罰せられないっぽいですね。
そして何よりも私が腹が立ったのが最後の展開。室井が雪山で亡くなるシーンです。直前にあった陸の父親の襲撃だったり、死ぬにしたってもう少しドラマチックに感動的に室井を退場させるやり方があったはずなのに、よりによって「犬を探しに山に行って死ぬ」っていう訳分からん死に方にさせられたのは非常に不満です。心臓の病気(狭心症?)を患っているという描写があったのでてっきり心臓の病気で雪山で身動きできなくなってしまったのかと思いきや、救助隊の無線を聞く限りでは「雪崩に巻き込まれて谷底に落ちた」ってことだったのもよく分かりませんし、「犬が離れませーん」って無線もよく分かりません。
これは完全に憶測の話なんですけど、2022年1月にクロアチアの雪山で遭難した男性が、一緒にいた飼い犬と身を寄せ合って温めあい、救助されるまでの13時間生き抜いたというニュースがあったんですよ。そのニュースを見た本広監督か脚本の君塚さんが「これいいじゃん」って感じで強引に差し込んだ展開だったんじゃないかな~と邪推します。それくらい、長編作品のメインキャラクターの退場シーンとしては強引で間抜けな展開だったと感じました。
他にも不満点はいくつかありましたが、とりあえずはこれくらいで。
期待していただけに、消化不良の展開で不満が残る作品だったと思います。
里親室井慎次と里子たち
定年前に退職し秋田の集落で里子と暮らす室井慎次が過去の事件と向き合わせられることになる話の第2弾。
ガンバったタカのエピソードは省かれたかの様な敗れざる者のダイジェストで始まって、今回はリクと杏とかつての事件と繋がる殺人遺棄事件の話しなわけだけれど…あれ?やっぱり事件はどうでも良い感じ?
勿論事件についても触れはするけれど、結局そこに繋げたいだけで無くても良いのに、一応警察ものってことでちらつかせただけですか?という感じで、あくまでも室井慎次が作った家族の話しなんですね。
室井慎次のドラマとしては確かに面白いけれど、今回はこのシリーズらしいすっとぼぼけた笑いもないし、どうしても「踊る」のスピンオフというところで期待した方向とは違うよな…と。
ラストもしれっと顔出してくれるかと思ったんだけどね…からのそっちの人!?
しばらく間をあけて放置していた踊るシリーズを終わらせに来た「終わりの始まり」ってところなのかな。
全382件中、301~320件目を表示