室井慎次 生き続ける者のレビュー・感想・評価
全381件中、201~220件目を表示
ファンなら見届けたい
今もなお、日本で1番好きなドラマ&映画のシリーズを久しぶりに観れたことがまず本当に嬉しかったです。
スピンオフとはいえ、同じ製作陣にて一生懸命作ってくれたと思います。
どんな作品にも賛否両論はつきものです。
わたしはこのシリーズが本当に好きなので、
いつしかテレビ離れをし、映画業界もパッとした作品がないと感じていた今日この頃。
ザ・ファイナルで完全完結だと思っていたので
再始動を知った時の私の気持ちの高まりは半端じゃなかったです笑
それぐらいこのシリーズの製作陣には期待と信頼があります。
室井さんの最後となる作品なのであれば
この最高の製作陣の締めくくり方をそのまま
受け止め、室井さん、柳葉さん
本当にお疲れ様でした。最高の作品をありがとうございます。と心から伝えたいです。
(ちなみに色んな気持ちが込み上げて開始2分くらいでもう泣きました。ずっと泣きっぱなしでした。)
不器用な室井慎次さん
綺麗な秋田県の雪景色や俳優の方々の
演技は良かった。シンペイも可愛い。
不器用ながら警察官であった事に
対して子供達、少年、青年に間違った
道を歩ませず助ける気持ちと信じる気持ちは
伝わった。親として。
少し脚本が伏線回収が足りてない部分や
ちぐはぐな所が少しあった感じが心残り。
柳葉敏郎さん長い間、お疲れ様でした。
これは無いかなぁ
途中、家族として成立していくまでだけなら、全然有り。
むしろ好きな方、『4.5でも良い。』って思える位。
でも、簡単に室井さんが亡くなったり、青島が “いかにも” ってタイミングで出てきたり。
“踊る・・・・”と見ればそんなモンかも知れませんが、それまで室井さんがベースだっただけに、急に方向性を変えた制作側の意図が分からない。
とりあえず私には合わなかったです。
分からなくはないけど……
はじめに。
自分なりに踊る大捜査線は大好きです。
踊るシリーズ再始動となり、全作見直して、
破れざる者を見た。
大いなる序章という事で、前作は概ね納得し楽しめた。
なんなら二回見に行った。
で、先行上映を見た。
結論からいうと、なんの盛り上がりもなく
序章のそのままのスピードで物語が進み、
レインボーブリッジの持ち出しも、
死体が出てきた理由の訳も全く語られず。
ましてや事件も、当たり前だが刑事ではない室井をほっといて犯人逮捕に繋がる。
レインボーブリッジも日向真奈美もコンテンツの無駄遣い。
ただ、淡々と踊る大捜査線版北の国からだった。
そもそも、あんなに村人にハブにされてたのに、
あんなに簡単に皆が心変わりするのか?
日向杏もあんなに簡単に心を開いて呪縛から溶けるのか?
そもそも青島との約束を守れなかったから、
そのケジメをつけるために子供を引き取り
子供たちとの暮らしが楽しいと話してた室井が
吹雪そうな山奥に向かうのか?
遭難して皆に迷惑をかけるかもと思わないのか?
室井慎次のキャラクターって、あんなだったのか?
青島との約束はそんな簡単な事だったのか?
子供は自分が引き取ると言ったあとの行動としてはおかしくないか?
人の人生なんて、そんなに映画やドラマになるほどドラマティックで刺激的な事は少ないのかもしれない。
警察を辞め、山奥に暮らせば
関わる人は減り、
普通の人の人生はそんなものなのかもしれない。
関わった人や子供たちに室井の信念は受け継がれ
そういう意味では「生き続ける」ってことなのかもしれないけれど、
踊る大捜査線って、そういうものだったのか?
これは自分だけなのかもしれないけれど
ある意味ファンタジーで
生きづらい毎日の中でも
ユーモアと信念と、信頼出来る仲間がいれば生きていけるよ
それが自分の中での踊る大捜査線だった。
いろんなキャラクターがいて
青島みたいなキャラクターばかりではなく、
室井慎次みたいな人の人生があるのは分かるけど
これは敢えて見せる必要があったのか?
もう物語の中盤で、薄々とラストは見えていたけど、思った通りの結末だった。
こんなんならドラマの最終回に
あの階段の上と下で敬礼をして
お互いを信じて、それぞれの立ち位置で互いを信じて生きている。
そこで終わっていて良かったのではとさえ思えてしまった。
(でもそれだと最悪の七日間も、レインボーブリッジもいらないってことになってしまうけど)
自分としては、低迷してるフジテレビをもう一度復活させるため踊る大捜査線で一旗あげたい。
けど、柳葉敏郎はもう室井慎次の呪縛から逃れたい。
しかも柳葉敏郎と織田裕二の確執はやっぱりあって、二人をまたシリーズに引っ張り出すのが難しい
それならやっぱ室井慎次、死んでもらおうか?
ってのがフジの答えじゃない?
みたいに思ってしまった。
この二作は踊る大捜査線シリーズではなく、室井慎次という人間にフォーカスしたストーリーで、
一人の人間の生き様を見ろと言われても、
なんの感情移入も出来なかったし、
ラストに向けて畳み掛けるように心変わりする周囲の描き方が雑すぎて
完全に置いてけぼりだった。
本当に苦痛に感じてしまうほどだった。
ここまで書いたけど
本当に踊る大捜査線は今まで見てきたドラマで一番好きで、
ある意味生き方の指針の一つみたいに勝手に思ってる。
だからこそ、もう踊る大捜査線シリーズはもういいです。
ラストに出てきた。
これでどこかできっと彼も彼なりに日々に揉まれながら生きてる。
それでいいと思うから続くのはやめてくれ。
無理矢理ケリをつけるための誤った子育て
「踊るプロジェクト」と称される二部構成の室井慎次を主人公にしたスピンオフ作品の後編である。青島との約束を果たせないまま定年を前に警察を退職して、郷里の秋田の田舎に隠遁生活を始めた室井は、犯罪被害者の救済の役に立ちたいと、タカとリクという2人の男児の里親として暮らしている。そこにかつて湾岸所を占拠した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だという少女・日向杏が現れて平穏が乱され始めるというのが前編の流れだった。
後半である本作では、前作の簡単な復習から始まるが、全く前作を見ていない人には不十分な復習であるので、やはり前作を見た人前提に作ってある。映画はどんな作品でも、それのみで完結しているのが理想であるというポリシーもあるが、その意味ではこの作品は全く独立作品としては成立していない。
前作でも感じたのだが、この映画の中の室井は、かつての踊るシリーズの室井とは結びつけるのが困難なほどキャラクターが変わってしまっている。いつも額に皺を寄せて顰めっ面をしていて無口だが、正義感だけは揺るぎないのが室井という男だったはずである。本作の室井は、特に里子の二人には人懐こくよく喋るし、顰めっ面もしていない。猟銃の管理は非常に厳しいはずだが、呆れるほど緩くて、おまけに犯罪行為に目を瞑っている。これのどこが室井なのかと面食らってしまう。
この映画でテーマになっているのは親子の愛情と信頼関係だと思うが、刑務所から出所したリクの父親との比較で親としての理想像を見せたいらしい。しかし、この映画で室井が行っている子育ては間違いだと個人的に思う。
子供は未熟なため、自分の周りしか見えず、その中から都合の良い情報だけを拾って行動する生き物である。大人に比べて視野は非常に狭く、倫理や社会的ルールを軽視しがちである。従って、子供が良くない行動を起こした場合には、親は叱らなければならないのだが、現在の世の中には「叱る」を「怒る」と勘違いしている大人が多い。子供が行った行動のどこが何故いけなかったのかを子供にも分かるように言葉で説明して、二度と繰り返さないように教えることが「叱る」であって、これは場合によっては長い時間を要する行為であって、簡単には済ませられず、また怒気を含まずに行うべきことである。
それを親が自分の腹の虫が治らないからと大声で怒鳴ったり、時には体罰に及ぶような行為は、「叱る」ではなくて「怒る」であって、子供はよく理解する余裕もなく、ただひたすら怒気をかわすためにわかったフリをするだけで、実際には何が悪かったのか全く理解できていないために同じことを繰り返してしまう。「叱る」はこどもの成長のために行う行為であるが、「怒る」は親が自分の腹の虫のためにやってるに過ぎない。短時間で済ませたい親の都合で行われるものに過ぎず、リクの父親が典型的なこれだった。
では室井はどうなのかというと、これまた叱ることなく抱擁するだけである。愛情を示す必要はあるが、叱っていないので、子供は何が悪かったのかを自分で探らなくてはならない羽目になる。子供を信用して自分で気付くまで待つという姿勢なのかも知れないが、そのために自分の資産を燃やされたり、他人を非行に走らせるようなことを言ったりするのを放ったらかしにするというのでは、とんでもない忍耐と経費を必要とすることになり、到底一般人にはできない話である。そもそも、里親として信頼を獲得する努力を室井は何もしていないようにしか見えない。
良くできたことは褒め、良くないことをした場合には叱る。この両方がきちんと揃っていて子供を育てられるはずである。この映画の中の室井の子育ては、まるで「右の頬を叩かれたら左も差し出せ」という宗教的な異様なものにしか見えないのである。こういう育て方ができなければ里親になれないとでも言いたいのであれば、成り手がいなくなってしまうはずである。
前作の冒頭で発生する死体遺棄事件の結末も唐突だったし、集落内での軋轢も簡単に解決してしまっていて拍子抜けである。タカの恋愛話は何のために必要だったのか?極め付けは、あれほど賢かった秋田犬が突然行方不明になるという強引な展開とその結果である。どうにも腑に落ちないものを感じてしまう。
柳葉敏郎は、「踊る」シリーズが始まって室井を演じ始めた頃、プロデューサーに降板を申し出たことがあったらしい。無口で顰めっ面だけしている役など何も難しくないので辞めさせて欲しいという主張だったそうである。プロデューサーや脚本家は、この申し出を重く受け止めて今回の室生像を作ったのであろうが、見る側から言わせて貰えばこれは室井ではない。強引なオチの付け方も何だかなである。
「踊る」のテーマ曲が結局一度も流れなかったのが違和感に拍車をかけた。最後に登場するあの人物も取って付けたようで、本編と何の関係もないのが痛々しかった。このオチの付け方に納得できない人は多いと思う。役者の希望したケリの付け方を視聴者に押し付けただけだったのではないのか?
(映像5+脚本1+役者3+音楽3+演出4)×4= 64 点。
一緒にお菓子戻そう
北の国からの名台詞「こどもが〜」は有名ですが本作では悪い意味でこの迷台詞が生まれました。
本当に大好きな作品だから悪い評価はしたくない。室井慎次の結末も、亀山さん達や柳葉敏郎さんが望んだことなら受け入れます。家族ドラマを中心とした話も良かったです。だけど無理がありすぎる。
銃口を向けるほど敵意を向けていた村人たちが何故室井に心を許したのかさっぱり理解できなかった。スマホを手にした途端に他の男へ好意を寄せる女の子にも。唐突に万引きしたリクの心情も。猟銃をぶっ放したら改心した杏にも。諭されていい子になる不良たちも。
全て観る側で脳内補完でもしない限り理解が及ばない。不自然なまでに物事が丸く収まる。やるなら当初の予定通りドラマで時間をかけて丁寧に描いて欲しかった。大好きなシリーズだか、本作はいくらなんでもお粗末で急性で雑すぎる。北の国からとグラントリノの劣化版とまで言いたくなる。この二作を足して2で割ったらマイナスになったような作品。テレビ映画でもラストマイルのような質が高く完成度の高い作品があり、大きく見劣りしている。これは予算だけの問題ではないように思います。
前編で期待値が上がっていただけに本当に残念で仕方ない。室井慎次の死を描くなら、こんな酷い脚本にゴーサインださず、もっと丁寧にしてほしかった。亀山さん、映画化したのは間違いだったのではないでしょうか。
後編で同じことを描くなら二部作にする必要はなかったのでは。日向真奈美とレインボーブリッジの犯人を絡める必要もなかったのでは。
新しいシリーズに期待したいが、とにかく不安でしかない。相当にハードルを下げるしか…。
北の国からを目指したのか?
予約画面に行ったら先行上映始まってたので、フライングで鑑賞。
前作でのどかな秋田の美しい風景と骨太な人間ドラマの印象が強かったですが、雪景色となった今作をみていて思ったのは北の国から感があるなぁ、、、という話。
正直、刑事ドラマ関係ないだろうと。
踊るのリマインド挿入は本当にちょっとToo Muchだなと思います、
前回の終わりでも日向真奈美のピュア悪を引き継いだ悪の子みたいな杏の事件性とか不気味な予告(猟銃、放火など)や、加藤浩次の不気味さなどが気になっていたわけですが。
結局2−3時間の映画で扱うには一つ一つが重すぎるテーマなので、それこそ、2クールドラマとかでやった方がよかったんじゃないですかねえ。。。という印象
ドラマとしては悪くないのだけれども、いかんせん時間制限のせいか、問題解決が一気に進みすぎた感があり、しっくりこない。
世の中そんなうまく行くかい?みたいな感じがありました。
柳葉さんの重苦しいような演技と、少年のピュアさみたいなもののドラマとして作ればよかったので、「踊る」が正直邪魔だったかなと、いう気持ちはあります、
最後えいがかんのなか結構な啜り泣きも聞こえてましたので、感動する作品としては悪くない。
刑事ドラマのアクション感とか、あの軽快さを期待していくと、期待外れになりかねない映画かもしれない
そういう結末を描きたかったの?
室井さんが信念をもって犯罪被害者加害者の家族を育ててるのは理解できました。
ただ、周りの人たちの行動の背景が、ちょっと汲み取れなかったです。
タカと良い感じだったのに、急に別の男の子になびいてく女の子。
急に万引きしだすリク。
急に現れる暴れる若者たち。
急に音信不通の息子のことを打ち明ける村の人。
急に自分もよそ者だったと打ち明ける村の人。(だったら前編であんな厳しくすんな笑)
急に自供を始める殺人犯。
ずっと母の言葉の影響受けてたのに、急に改心する杏。
室井さんの信念から発する言葉を聞いて皆心変わりしたのかもしれませんが、
それにしてもなぜその言葉が効いたのか、どう効いたのか、もう一つ。。。
それぞれの人物の描きたいシーンをブツ切りに撮って詰め込んだような感じ。
一つ一つを掘り下げるか削るかできたんじゃないかなーと思いました。
それと、リクをしっかり育ててきた室井さんから、簡単に怪しい父親に渡そうとした児相。
首輪なしで遊んでるシーンあったのに、最後急に雪山に逃げ出すシンペイ。
終始変なテンションの警官。
なぜか室井さんのことを解ってます風の若い刑事。
私には彼らの行動の背景が汲み取れませんでした。
室井さんの信念が生き続けていて、
子どもたちが目標をもって強く生きていったり、
新城さんや沖田さんが警察内部で実現しようと動いていたりする流れは良かったと思います。
でも最後別に室井さんを無理やり退場させなくても良かったんじゃないかと思います。
なぜこれで良いと思ったのか...
さも警察を辞めたにも関わらず室井さんが事件に巻き込まれる事が物語のメインストーリーのような予告ですが、違います。巻き込まれますが、さらっと関わるだけです。
基本は里子と室井さんの日常に起きる出来事がメインで、過去に関わりがあった人たちが偶然に関わってくる感じです(新城、緒方、森下、沖田等々)。
結果室井さん死にます。
吹雪の雪山で遭難した犬探しに行って、そのまま死にます。
冗談の様な話ですが、冗談じゃありません。
もう里子引き取ってって設定がいらなかったんじゃないかと思う。
秋田で一人暮らしって設定で良かったんじゃないか。
浅い疑似家族ごっこを延々と見せられても全く面白くない。
落ちのない子供の初恋の話もいらない、結局NTRれて終わり、初恋の相手がとんだビッチだったって事で終わり。
前後編やったわりにまったくキャラの掘り下げがされなかった。
捜査一課の若手刑事と室井さんのバディものにした方が良かった。
4時間近くたったのに良かったシーンは、青島が出てきたエンドロール後の30秒だけ。
踊るはコメディじゃなかったのか??
本当にこんな作品が作りたかったのか??
若者に絡まれて「君等には勝てん!!一緒にお菓子戻そう!!」って言ってました...本当にあなたは室井慎次なのか??
最後に室井さんを落ちぶれさせて終わらせた制作陣は罪深い...
踊る大捜査線が好きだから本当にガッカリした。
ホームドラマとして鑑賞なら
第1部を観たこともあり、少しの期待を持っての鑑賞となりました。
結論から言うと、「踊る〜」シリーズとは一線を画すもので、最後には少し勇気を貰えるそんなホームドラマかな。
ラストのサプライズ、非常に微妙なところで「そこでですか?」と思ったし、あのお巡りさん最後まで騒がしいだけでただウザいだけでした。
サプライズもラストではなく、せめて中盤あたりで事件そのものをもっと掘り下げて、刑事ドラマにしてほしかったと個人的には思った次第です。
ひとりの人間を描いている。
踊るファンとして、昔のノリを期待してしまうが・・・、
今回の2部作は、ひとりの人間を深堀りしたものであり、警察ドラマのノリではない。
賛否が分かれるのも、そこではないかと個人的に思いますが、私はとても、面白かった。
ここまで、人間くさくて、誰にでも温かい室井さんは、本編では描けなかったはず、
結果として「神格化」されてしまった結末は、とても残念ではあったが、
皆の心に「生き続ける者」になったのは、間違いなさそうだ。
映画のあと、敬礼した人も多かったのではなかろうか。
今後もレジェンドは、継続されるようなので、
どういった着地をみせるか、期待したい。
たくさんの生き続ける者たちに、乾杯!
これは、踊る大捜査線ではない。踊る大捜査線を踏み台にした新たなる物語なのだと感じました。
室井慎次 生き続ける者 だから、室井慎次の生きざまを見せるのかと思えば、全く違いました。生き続ける者 は、ここに登場する者、さらに踊る大捜査線に登場した者、すべての生きざまを語っているようです。
小学生のりくちゃん、まだ10年に満たない人生で背負った重荷を、このまま背負い生きて行く、まさに生き続ける者なんですよね。また、加害者も被害者も重荷を背負って生き続ける者であり、もう泣けてしましました。
この映画の評価が低いですけど、そんな事ないです。非常に良くできていると思います。ただ、室井さんの扱いが雑なのは残念でした。
最初から嫌な予感がありましたけど、これからも丁寧に描けたろう?何してるの?びっくりです。生き続ける者の1人として、描いて欲しかったです。本当に残念です。
それぞれの生き続ける者に思いを寄せて欲しいです。
「踊るシリーズ」のファンの期待を裏切る、警察ドラマではなく模擬家族の物語になってしまった。
1997年から2012年にかけて制作されたフジテレビ系列のテレビドラマ及びその劇場版映画作品である『踊る大捜査線』シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く映画2部作の後編で、『室井慎次 敗れざる者』の続編。
注目は『踊る大捜査線』シリーズの主役である青島俊作が『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来12年ぶりに登場することです。
●ストーリー
警察を辞めて故郷の秋田に戻り、事件被害者・加害者家族の支援をしたいという思いから、タカ(齋藤潤)とリク(前山くうが・前山こうが)という2人の少年を引き取り、暮らしていた室井慎次(柳葉敏郎)。
しかし、彼の家のそばで他殺死体が発見され、さらにかつて湾岸署を占拠した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だという少女・日向杏(福本莉子)が現れたことから、穏やかな日常は徐々に変化していきます。かつての同僚であり今は秋田県警察本部長になっていた新城賢太郎(筧利夫)に頼まれ、警視庁刑事部捜査一課の若手刑事・桜章太郎(松下洸平)とともに捜査に協力することになった室井。そんな彼のもとに、服役を経て出所してきたリクの父親柳町明楽(加藤浩次)が訪ねてきます。 室井は明楽からもう二度と息子に暴力はしないという約束を取り付けたうえで、リクを父親の元に一旦は返したのですが…。
●解説
脚本の君塚良一が2022年冬、「とにかく室井を書きたい」と亀山千広プロデューサーに連絡したのがきっかけで動き出した「踊るシリーズ」の新作企画。しかしオファーをかけても、『柳葉=室井慎次』というイメージが強くなりすぎて、俳優業がつまらなくなっていて、できる限りそのイメージを払拭したくて仕事をしてきた柳葉敏郎から、「俺が納得いくような説明をしてくれ」と要求されて、ニベなく断られてしまいます。
しかし2回目の会議では、君塚と亀山の、室井に対する熱い思いをひしひしと感じた柳葉が、当たり役を作り上げてくれた2人に恩返ししなければ、という思い変わって、撮影にこぎ着けることができたそうです。
それでも柳葉の心の内には、室井の姿は今回で見納めにしたいという強い決意があったのでしょう。その意向が強く脚本に反映されて、「踊るシリーズ」のファンにとって驚きの結末を迎えることになりました。
企画がスタートするや、柳葉は「制服やスーツ、コートという鎧を脱ぎ捨てた室井は何か出来るのか、何のために生きるのか。」問いつづけてきたそうなのです。そして室井を演じきることに凄まじい責任感をもって役に当たりました。その意気込みは、本作をご覧になった方なら感じられると思います。そのストイックで、一途な役者精神は、どこか室井と共通するものを感じさせます。
室井は今回で降板となりますが、柳葉が残してくれた本作の演技は、見た人の心の中にずっと『生き続ける者』となることでしょう。
●感想
本作は「踊るシリーズ」のファンの期待を裏切るものとなりました。「踊るシリーズ」の核心は、警察の官僚組織の改革にありました。しかし青島刑事との約束を実現できずに警察を辞めてしまった室井を描いても、もはや警察の官僚組織の改革なんて無理なことは誰にも明らかです。それでも室井がしたためた捜査改革案のレボートが秋田県警察本部長の新城によって評価されて、警察組織に浸透していく予感をさせるということでお茶を濁しているのです。もし君塚さんが、本腰入れて青島刑事との約束の顛末を中心に据えたのなら、警察組織が抱える問題点にもっと肉薄し、事件は現場に落ちているのにそれを無視する実態を鋭くえぐり出していたはずです。
しかし君塚さんは「踊るシリーズ」の核心を回避し、本作の軸を室井が退職後に作り上げた摸擬家族の物語にしてしまったのです。これはこれでいい話に仕上がっているのですが、「踊るシリーズ」の話ではなくなってしまっているところが問題です。
前編で、秋田県警と警視庁の合同捜査態勢が敷かれて、室井の自宅周辺で大規模な捜索が行われた殺人事件も、殺された被害者が、かつてのレインボーブリッジ事件の犯行一味の一人だったという設定からは、室井も捜査に参加して、犯人像と昔の事件との接点に迫る展開が考えられたのに、後編の本作ではほとんど無視されてしまいました。
前編のラストで室井の自宅倉庫が放火されるシーンも、室井一家の身辺に危機が及ぶのかと思いきや、あっさりと犯人が判明し、放火を白状してしまうのです。これでは放火の背後で関与したと思わせる獄中の日向真奈美の魔の手が全く活かされなくなってしまいました。
唯一緊迫感あるシーンは、出獄してきたリクの父親が、室井の自宅を急襲し、乱闘するという顛末くらいです。もはや警察ドラマではなくなってしまったのが、本作の前後編だったのです。
皆さん期待の青島刑事の出演シーンも、エンドロールの後のみの限定されたものになってしまいました。それでも彼らしい登場の仕方なので、ぜひ30年ぶりの再会を楽しまれてください。
●最後に
ついでに秋田犬のシンペイが本作で大活躍します。思わず凄い演技力と唸るシーンも後半出てきます。
終わっちゃった…
ラストはみなさんおっしゃってるように、とても納得できない!!!
どーしても室井さんを踊るシリーズから退場させたかったのかなぁ…
今後の展開に室井さんの死が必要なのだろうか…
と思わざるを得ないラストでした。
村の方々とは後半は打ち解けてで安心はしました。説明不足なとこも多かったですが、まぁ室井さんの人柄が伝わったのでしょう。
子供達にもちゃんと室井さんの信念が届いてたようで、室井さんの意思は生き続けてるようでよかったです。
なんだかなぁ
パトレイバーは踊る〜の教科書ですって本広監督が言ってたから「みんなで幸せになろうよ」的な大団円期待して観たら思ってたのと違う
室井さんのあの最期だけは納得いかない
狭心症の疑いがあるとか…盛大にミスリードして死んでないんかーい!は、the Movieで青島で既にやったけどもう一回やろうよ
なにより里親として子ども達を育てる責任を放棄したように見えるのが1番残念なんだよ
室井さんはあんな無責任な死に方しないよ
タカの成長を見守ってやってよ
リクをダメな親父から守ってよ
杏の洗脳をといて安心させてよ
何も解決してないじゃん
踊るファンとしては和久さんと吉田副総監みたいな関係になってくれると信じてたけど、それは前編で否定されたし警察辞めた以上、青島にあわせる顔が無いのは分かるけど室井さんにはもっと幸せな最期を用意して欲しかったなー
って思ったけど…よく考えたら本広監督エヴァも好きだったわ
庵野さんみたいに俺が観たかったラストはコレジャナイと思わせるのはなんだかなぁ
悪くないのに
飽きることなく最後まで見れる作品だが、フジテレビ系制作のせいか、北の国からの秋田バージョンに感じるポイントがたくさん。
エンディングで松山千春の歌声が聞こえてきてお腹いっぱい。
踊る大捜査線とは関係ないものだと思って見てもいいぐらい過去の室井慎次らしさは何もない。
【きたのくにから】に『あ』をつけた
【あきたのくにから】だと思って前編後編を観ると感動作品です
ガッカリすることも驚くことも裏切られることもない
全381件中、201~220件目を表示