室井慎次 生き続ける者のレビュー・感想・評価
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踊るレジェンド、大団円! …ならず
前提として私は踊るの大ファンであり、
過去作(特にMOVIE1と2)は何十回と見てきた。
前後編併せての今作のレビューになるが、
個人的には大満足するものだった。
確かに今作は踊るシリーズに求める痛快さはほとんどない。だから、踊るシリーズの熱心なファンでない方や、『事件は現場で起きてるんじゃない!』や『どうして現場に血が流れるんだ!』に通ずる熱いものを求める客層にはマッチしないのは至極当然の結果かと。
しかしながら、これは「容疑者…」にも共通する為、あくまでもスピンオフであり「室井慎次」を描いた作品であると鑑賞前から割り切っていたので、個人的には想定の範囲だった。
まぁ、ところどころに見られる作り込みの粗さ的なものもあるにはあるが「まぁ、映画(フィクション)だから…」で個人的には納得。
室井の結末に賛否があることも当然と言えば当然だと思うが、個人的にはそれにも優って「これで踊るレジェンドも大団円か…」の感情が込み上げてきた。
ただ、その思いもポストクレジットシーンで裏切られることに…
そんなポストクレジットを見て、ふとMOVIE 1のラストの青島の台詞を思い出した。
『(室井が)なんか見舞いくるとか言ってたみたいだけど。来たらね、蹴り入れて追い返してやるんすよ。
こんなとこ来る暇あったら、もっともっと偉くなってくれって』
きっと室井もこの映画のラストで
こう言ったんじゃないかと思う。
『こんなとこ来る暇あったら、被害者の為に現場に戻って捜査を続けろ』
…なんてな。
もう踊るではないけれど
室井慎次の映画
踊る大捜査線ファンからすると賛否両論、意見が分かれそうですが、「室井慎次の映画」という見方をすると納得、感動すると思います。エンディングに松山千春の曲が流れ、さらに感動し、評価5としました。
これはヒューマンドラマだったんだ。ただリアリティーの面で・・・
この映画、死体遺棄事件の行方はどうでも良く、室井慎次と里子3人(今回は特にリク)とのヒューマンドラマだったんだと途中でやっと気づきました。その意味では、実父と暮らすことになったリクが再び室井家に戻ってきたときは心底驚いたし、追ってきた実父に立ち向かうときの室井の言葉「これは親の仕事だ」は非常にカッコよかったと思います。ただ前編から気になっていましたが、室井の生業は何なのか(田んぼとか畑の話が出てきますが)、生業の収入(農業が生業なら冬場は収入はなさそうだし)と退職金と年金収入で里子3人養えるのか、独身男性が女子も含めた子どもの里親となることは法的に問題ないのか(それとも元警官という特別な扱いなのか)などリアリティーの面で気になります。
またセリフで気になったのが里子3人を前にして室井が述べた「(君たち)3人のことを悩み考えるのが楽しかった」という言葉です。「君たちの親で居られて幸せだった」とか「君たちのおかげで親にしてもらえた」などという言葉なら分かりますが、リクが家を出ていく前の、「家族4人」で過ごす最後の時間で「楽しかった」はないでしょう。「親子の結びつき」は「楽しかった」という言葉で表現するものなのでしょうか。この映画が描きたかったのは里親里子でも真の親子関係を築けるというものだったはず。にしては「楽しかった」発言は軽すぎるという印象を受けます。
最後のシーン、織田裕二が登場しますが、よれよれのコートなど、見た目はヒラ刑事のままのようです。織田主演の踊るシリーズ最後の公開から10年以上たっても昇進していないのもリアリティーに欠いているように見えます。
ドラマとしてはよかった
2つ合わせての評価。正直評点は迷うところだけど。犯罪に関わる子どもたちにフォーカスして世相も反映していたし、それぞれの成長とその過程の葛藤が丁寧に描けていたと思う。
数々の古参メンバーの登場は内輪ウケっぽいけど、古くからのファンとしてはご褒美であった。
ところで、問題なのはシリーズ通して見たときに、室井さんの居ない踊るは踊るなのか?
意思を後輩が受け継いでいく展開は良いが、これで退場になってしうのはやや不本意。制作陣は死んでしまったとしているけれど、演出は明確な死を描いておらず、見舞いとも見れるような濁し方をしている。もしかしたら監督だけは抗ったのかもしれない。
青島中心の続編はもう動き出していそうだが、その建付け方次第で、今回のこの作品の評価が決まりそうな気がする。
27年お疲れ様でした
凡作になってしまった。。。
「敗れざる者」が期待以上の出来だったので、「生き続ける者」を楽しみにしていました。
しかし、「生き続ける者」はあらかじめ決められた結末を語るだけの作品に成り下がってしまっていました。
話の起伏が左程ない前後半通じてのストーリーですが、それでも「敗れざる者」では登場人物の心情をわりと丁寧に辿っていたと思っています。
それが、この「生き続ける者」では、その決められた結末に到達するために、全ての人間関係が都合よく表面的に扱われ、無理矢理エンドにするという残酷な表現に終始していました。部分的には感情を揺さぶられる場面もありましたが、作品として見ると、とても軽く、感動に値しない物語だったと感じています。
商店での若者との絡みは明らかに唐突で、しかも話に絡ませなくてもいいエピソードなので、不要だったと個人的には思っています。
そんな不要なエピソードを入れるぐらいなら、もっと他を丁寧に語ってほしかった。
児相もムショ帰りの親に簡単に子供を返すなんて有り得ないし、あんなに賢いシンペイが何もされていないのに迷い犬になるのも普通ではありません。ラストに近づけば近づくほど脚本の粗が目立ち、白けて席を立ちました。とどめは。。。
ラストの青島、あそこまで来て帰りますかねw
感動した
最悪な後編、なのに満点。
前編の終わり、室井さんのコートが小屋の中で燃えていたのが、まるで火葬のようだった。
でも、室井慎次は死んでいない。
保護した子達とは本当の家族になった。温泉に入って、ラーメンを啜ってさ、あんな幸せそうな室井さんを見られて嬉しかったよ。
たださ。
誰が何のために死体を埋めたのか、小屋を燃やしたのかなど前編で謎な部分を見せておいて、肝心の謎解き部分はまったくないのは、拒絶反応を示す輩が大量発生してしまいますよ。配信者がこぞって酷評してるけど、酷評した方が視聴数増えそうですから、そんな輩はほっといて、無視してはいけないのは踊る大捜査線のファンが満足することのないストーリー展開、演出だと思います。低評価をつけてしまうファンも仕方ない。容疑者室井慎次以上に、主人公が何もしてないのはダメでしょ。犯罪者にカリスマがあるかもしれませんが、そこは切り離しておいて欲しかった。
でも満点です。映画を見てて過去のシーンが蘇ります。
すみれ「ねえ、あなたさ、いつもここ(眉間)にシワ寄せてて疲れない?」
室井「別に」
すみれ「東京生まれ?」
室井「秋田だ」
すみれ「寒いとこで生まれるとそういう顔になっちゃうんだ」
室井「(目をそらす)」
すみれ「それとも東大出はみんなそうなのかなあ」
室井「東北大だ」
すみれ「なんだ、そうなの?」
室井「なんだとはなんだ」
すみれ「官僚ってみんな東大出だと思ってた」
室井「……東北大のどこが悪い」
すみれ「あー。それ、コンプレ?」
室井「何言ってる」
すみれ「そうなんだ。コンプレックスでいつもこんな顔になってんだ(室井の顔まねをする)」
室井「早く取り調べに戻れ!」
すみれ「はーい……早く、警視総監なってね」
室井「君たちを見てると自信がなくなる」
室井さんの出生を知り、どんな人生を歩み、何を抱えて湾岸署に来たのか。
現在の室井さんは、このあたりから大きく変わっていく。
周りのシワも増え、眉間のシワが目立たなくなったけど、かっこいいですよと茶化ししたら、きっとこう答えてくれる。
室井「……」
こりゃまた失敬。
新たに増えるシワの数だけ、室井さんの葛藤や苦労があったはずだ。そんな不器用な室井さんがかっこいい。
冒頭でも触れたが、室井さんの幸せな暮らしが見れただけで十分です。笑いジワが増えた。苦しみ続けた警察官時代からの解放であるように見えた。
ラストシーンについて。
秋田の風景、残された子供たちの笑顔、そして見慣れた背中。はい、目に焼き付けました。
北の国から、次はどこに舞台を移すのか。
潜水艦事件を小説でもいいんだよ、と生き続ける者の願いを込めて。
※感想作成にあたり、クイックジャパンウェブのブログ記事をお借りしました。踊る愛のある記事でした。
踊らない捜査線
前編を見た、ダンナのお供で観映。
私は前編を見てません。
踊るシリーズのドラマも映画も、全部みた訳ではありません。
でも、十分話の内容は理解出来ました。
ヒューマンドラマとしては、良い出来だと思います。
柳葉敏郎さんを「踊るシリーズ」の呪縛から解放させる作品なんだなあと。
「スーツもオールバックも室井のイメージになるから、そういう役は引き受けなかった」
先日、インタビューで、柳葉さんが言っていたけど、だから、柳葉さんも今回は引き受けたのかなと。
「踊るシリーズ」のスタッフが描く「北の国から」といった感じ。
秋田暮しの柳葉さん、雪かきのスノーダンプやスコップ扱いが、慣れてらっしゃる(笑)
「踊るシリーズ」を期待すると、色々無理やり感があるので、期待値上げるとガッカリします。
「踊るシリーズ」の新しい作品のための、プロローグ的な作品だとしたら、何も室井さんは死ななくてもいいんじゃないかな。
「室井さんはたくさんの子供たちに囲まれて、田舎で酪農家や農業を手伝いながら、静かに余生を過ごしました」
そんな終わりで良いんじゃないかな。
最後のあの終わり方は納得できない
前作を観て,堅い感じの室井さんではなく柔らかくなった室井さんは俺はいい味を出してて良かった。だが,所々「ん?」と思う所はあった。例えば,今回の事件の犯人の捕まり方や動機が不明なところ,加藤浩次が「生活保護ってどう貰えますか?」って言った後の児相の対応とか諸々言いたいところはあった。なんといっても室井さんがしんぺーを探しに行って遭難して生き絶えたという終わり方はやっぱり納得できないなぁ。そこまでして製作陣はギバさんを室井慎次から離したかったかね。最後に青島が出てきたけど「これから青島主役で続編出します!」って言われても踊るファンは納得しないぞ。こんなボロクソに言ってる俺だけど,家族ストーリーとしては良い作品だった。
あー戻ります。
壮大な予告詐欺
前編の5分後に後編。
意外と続けて観られる映画館は少なかったのでありがたい。
前編の最後、後編の予告を観てましたが、予告と全然違うじゃないか。
誰が殺した?
誰が〇〇した?
杏は天使か悪魔か?
とか、どうでも良くなったよ。
前編もそうでしたが、刑事ドラマではないし、完全に家族ドラマですね。
しかし室井さんがとにかく優しくかっこいい!
そういう意味で、主役も踊る大捜査線の室井さんでは無い。
ただ、あるシーンでスーツの上下を着た瞬間に、前しか見ない堅苦しい室井さん登場。
子供たちがさらに良い。
個人的には号泣嗚咽寸前だった。
なんか北海道の話みたいだな、、、って思ってたら、エンディングの歌声、完全に北海道の家族ドラマだな、、、と思ったらエンドロールの後、まで必見。
前編後編通して、、、完全に予告詐欺だな。
良い意味で。
踊る大捜査線のオールドファンは納得しなそうだけど、それ以外の人にもオススメです。
終盤グダグダ…
途中までは非常に良かった。途中と言っても8割くらいまでは。事件よりも家族愛をテーマとした人間ドラマがメインで、踊る大捜査線ぽくはないがそれはそれで良かった。里親になった理由を語るシーンでなるほど!と思った。(前編鑑賞後にTVシリーズを見たので余計ジワりと来た)
しかしながら、終盤からグダグダになった。「えっ、死んだの?」ってなって「はぁ?」と思った。けれど、北の国から風のエンディング見ながら、「いや、きっと死んだと見せかけて入院か何かなんだろう。新城さん来たとき車無かったし。遺影は出て来なかったし。退院するまで子供たちの世話をしてもらってるんだろう。ほら子供たちを荷台に乗せて車戻ってきたでしょ?…」この展開ならギリ説明がつくと思ったが……非常にモヤモヤして終わりました。ちなみに、青島が出てくるのは想定内だし、逆に出て来なかったらもっと評価下がっていた。
いろいろ書いたが、最後に意味が分からなかった点を挙げておきます。
・リクが逃げ帰って父親が室井の家に来たとき、リクが寝ていた部屋から室井が戸を閉めず出ていったのが気になったが、てっきり2階か家の奥の部屋かと思ったが、玄関のすぐ横に居たんかい!と思った。(戸開けっぱなしで)
・リクの父が来たとき、瞬時にタカがあの頼りない警察官を呼んだのが唐突で不思議。
・杏が猟銃の金庫の番号を知っていたのは分かっていたが、なぜ瞬時に弾を充填できたのか?
・普段からほとんど放し飼いのシンペイが、首輪を外されたからってあんな遠くまで行ってしまうのか?(全然懐いてないじゃん)
・消防隊の無線が何でアニメ声優っぽいのか?「犬が離れませーん!」っておい…
・シンペイはどうして自力で帰ってきたのか?(あの場に放置されたのか?)
・リクが父親から逃げてきたが、冬の夜道を歩いて来たの?距離感が分からんが相当な体力だし、さすがに商店のおばちゃんとか誰かに目撃されるだろ。
・ヤンキーの関係性が分からない…いじめているようにみえたが、見た目皆ヤンキーだし。室井の家に最後来たが、なぜ改心したのかよく分からんし、来たのは4人のうち2人だけだし。
・リクの父が生活保護を受けたがっていたが、ちゃんと養える分からないのに児童相談所が簡単にリクを返したのが謎。
・日向真奈美が室井を狙って信者や杏を洗脳しているのに、うやむやになって終わった。
室井が死んだのかははっきりと名言されていませんが、死ぬ→遭難させる→犬が逃げ出す→リクの父を自暴自棄にさせる→リクを玄関の近くの部屋に寝かせ且つ部屋の戸を閉めない、みたいに死から逆算させて無理矢理作った展開に思えてならない。
2回見て納得。素晴らしかった。
先行上映で見た時は涙が止まらなくて「俺の室井さんを返してくれ!」という怒りに似た悲しみが1週間続いたが、2回目は少しだけ落ち着いて見られた。でも涙は止められず、周りからも鼻をすする音が聞こえていた。
2回目で室井さんの結末を受け入れられた。架空の人物ではあるが、どこかで生きていて頑張っているから、自分も頑張らないとと思ってきた。馬鹿のつくくらい真面目で嘘のつけない室井慎次が永遠の存在になった。この映画は同年代の人を中心に、愚直に生きる勇気を与えてくれる。
色々と評価はあると思う。でも深いところで理解したい。この作品を世に出してくれて、本当に感謝している。
最後に、高かったが室井コートを注文した。届くのが楽しみだ。青島コートと併用する。これからも踊る大捜査線と室井慎次と、ともにいたい。
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