FARANG ファランのレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
R18の中ではまだ安心して見られるほう
今年203本目(合計1,295本目/今月(2024年6月度)3本目)。
(前の作品 「マッドマックス フュリオサ」→この作品「ファラン」→次の作品「からかい上手の高木さん」)
まずこの映画はフランス映画なので、例の?というか、あの形容しがたい不思議な旋律で登場するCANAL+の表示。フランス映画かな…と思ってみていると…。
確かにフランスが最初舞台なのですが、物語前半からすぐタイに飛んでしまいます。タイに行った理由についてはここのサイトにも書かれていますが、タイにいっても過去を清算することができない彼が待っている結末とは…といった趣旨の映画です。R18で、ややアダルトかな(PG12レベル)と、流血などの表現(R15レベル)が数え役満みたいな状況で、R18単体で…というほどそれほどそうか?というようには思いませんでした。人によってかわる部分もありますね。
主人公はタイ編において「ある場所」に向かいます。そこは工場ですが、そこで作られている「工場」は、日本も決して無関係なものではないものです(いわゆる児童の強制労働)。この映画はその問題提起を描くものではないですが、悪役がそれに手を染めていることを明示することで「それはいけませんよ」ということを間接的に指ししめした点は大きかったのでは、と思います。
採点に関しては以下を考慮しました。
なお、R18という映画ですので、その部分については(それを濫用したなどの事情がない限り)採点除外の扱いです。
-----------------------------------------------------------------------
(減点0.2/タイで土地を買う買わないの話)
フランスからやってきた主人公ですが、フランスは土地の売買は、当事者では有効でも第三者に対抗するには登記しろ、です(日本も同じ。日本では177条)。一方、これとは違い「当事者であっても登記しろ」はドイツ、韓国がこれにあたります。タイはというと「書面によってなされた契約書を添付の上当事者間であっても登記しろ」で、出身国のフランスとは実は扱いが違います。
この点、フランス映画として見るなら、フランス民法のその規定(日本民法177条相当)は常識ですが、そのあとの土地の売り買いの話が若干躓く部分が出てきますので(前提として頭の中に入っている「マインドセット」の話)、ここは何か入れておくべきだったのかな、とは思います。
-----------------------------------------------------------------------
無計画で無鉄砲な復讐
フランスで裏社会の人を死なせてしまい、国外へ逃亡し、タイ東部のバンチャンへとたどり着いたサムは、現地で出会った妻のミアと娘のダラと幸せに暮らしていた。サムは、ホテルのポーターとして働きながら、いつか妻との店を持ちたいと、ムエタイの賭け試合に出場していた。しかし、買おうとした土地が買い占められ、高騰し、焦ったサムは麻薬の運搬を引き受けるが失敗し、妻のミアは目の前で惨殺され、娘のダラは連れ去られた。サムは妻と娘の復讐に・・・さてどうなる、という話。
いくら強いと言っても、あまりに無計画、無鉄砲なサムの行動にちょっと白けた。
タイってあんなに怖い国なのかなぁ?表しか知らないから明るくて良い国だと思ってたが、裏は酷いのかも。
タイの綺麗な海辺の景色、汚いドヤ街など観れたし、タイ語も聴けて良かった。
FARANG/ファラン 家族を失った男の復讐劇。マッドマックスの新...
FARANG/ファラン
家族を失った男の復讐劇。マッドマックスの新作公開日とぶつけてくるのは中々面白い事をしたなと思っていたが、返って本作の悪さが目立つように感じた。(意識的に比較をしてなくても)
主人公の俳優は元々キックボクサーをやっていたみたいなので所々キレのある戦闘シーンは魅力だがカメラワークが悪いのかそれも存分に写しきれてない様に感じた。
ストーリーも出所後にも悪党に付き纏われ、ようやく手にした家庭も奪われ復讐に囚われる流れになにも捻りもなく淡々と進むのでどこか心置いていかれてる形。
今月はやたらとクロックワークス配給の洋画作品が多かったがどれも個人的にはハマらず残念だった。
こんなに無理に折り込まなくても良いような気もするが。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 マッドマックス:フュリオサ 4.7
5 アイアンクロー 4.7
6 ありふれた教室 4.7
7 オッペンハイマー 4.7
8 クレオの夏休み(横浜フランス映画祭2024) 4.7
9 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
10 ARGYLLE/アーガイル 4.7
11 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
12 9 恋するプリテンダー 4.5
13 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
14 システム・クラッシャー 4.5
15 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
16 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
17 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
18 アクアマン/失われた王国 4.5
19 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
20 マリア 怒りの娘 4.0
21 異人たち 3.7
22 ミツバチと私 3.6
23 ブリックレイヤー 3.5
24 猿の惑星/キングダム 3.5
25 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
26 胸騒ぎ 3.4
27 オーメン:ザ・ファースト 3.4
28 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
29 12日の殺人 3.3
30 インフィニティ・プール 3.3
31 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
32 プリシラ 3.2
33 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
34 コヴェナント/約束の救出 3.0
35 僕らの世界が交わるまで3.0
36 ブルー きみは大丈夫 3.0
37 ゴジラ×コング 新たなる帝国 3.0
38 ブルックリンでオペラを 3.0
39 ストリートダンサー 3.0
40 カラーパープル 2.9
41 弟は僕のヒーロー 2.8
42 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
43 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
44 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
45 関心領域 2.6
46 ボブ・マーリー ONE LOVE 2.5
47 タイガー 裏切りのスパイ 2.5
48 ジャンプ、ダーリン 2.5
49 またヴィンセントは襲われる 2.4
50 人間の境界 2.4
51 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
52 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
53 マダム・ウェブ 2.3
54 落下の解剖学 2.3
55 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
56 哀れなるものたち 2.3
57 PS1 黄金の河 2.3
58 ティアーズ・オブ・ブラッド 2.3
59 フューチャー・ウォーズ 2.3
60 殺人鬼の存在証明 2.3
61 エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 2.3
62 ザ・エクスチェンジ 2.2
63 DOGMAN ドッグマン 2.2
64 パスト ライブス/再会 2.2
65 リトル・エッラ 2.2
66 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
67 ボーはおそれている 2.2
68 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
69 瞳をとじて 2.2
70 ゴースト・トロピック 2.2
71 葬送のカーネーション 2.2
72 Here ヒア 2.1
73 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
74 ハンテッド 狩られる夜 2.0
75 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
76 トランスフュージョン 2.0
77 ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 2.0
78 ゴッドランド GODLAND 2.0
79 キラー・ナマケモノ 1.9
80 ザ・タワー 1.9
81 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
82 マンティコア 怪物 1.9
83 FARANG/ファラン 1.9
84 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(イタリア映画祭2024) 1.9
85 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
86 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
87 デストラップ 狼狩り 1.6
88 No.10 1.5
89 VESPER/ヴェスパー 1.5
90 ナイトメア/夢魔の棲む家 0.9
91 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
ソウルフル・ワールド 5.0
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
犯罪都市 NO WAY OUT 4.5
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
バジュランギおじさんと、小さな迷子 リバイバル 2.0
メメント リバイバル 2.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
貴公子 1.5
マイ・スイート・ハニー 1.5
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
ソイレント・グリーン デジタルリマスター版 1.5
これで「R18+」ですか?
タイオールロケのフランス映画。リベンジアクションならば、親子愛とか最小限に徹して、もっと過激に復習して欲しかったです。この程度の殺人シーンで「R18+」なら、ゾンビ映画も全て「R18+」ですけどね?
エクストリームに究めたバイオレンス&ゴア描写
『ヒットマン』、『ディヴァイド』、『死霊院 世界で最も呪われた事件』など、ジャンル映画を撮る為に生まれてきたようなザヴィエ・ジャン監督作。麻薬組織に妻を殺され、娘が行方知れずとなったフランス人ムエタイファイターが、復讐の狼煙を上げるというストーリー自体はありきたりな上に、アクションのシチュエーションも『オールド・ボーイ』や『ザ・レイド』っぽい。
要はアクション描写をいかに斬新に魅せるかがカギとなるが、そういう点ではバイオレンス満載で容赦ないゴア描写に尽力した感がある。人体破壊もボカさず真正面から描き、たとえそれが自分の○○であろうとも、息の根を止める為には何でも使う…というエクストリームなDIY精神に満ちているあたりがザヴィエの面目躍如といったところか。
主役俳優は元々キックボクサーという事もあり、演技が少々野暮ったいのはやむを得ないが、それを補うかのように『オンリー・ゴッド』のタフなオッサン役が印象的なヴィタヤ・パンスリンガムが脇を固める。というか、そろそろこの人を主役にしたアクション映画が観たいぐらい。
R18レイティングゆえに、バイオレンス&グロテスク耐性が薄い人は少々覚悟して観ましょう。
なお、『ジョーズ』を観て映画監督を目指したというザヴィエの新作『セーヌ川の水面の下に』は、セーヌ川に出没した巨大ザメの恐怖を描いた、まさに念願待望の作品。こうなったらもうこの人には、ジャンル映画道をエクストリームに究めていってほしい。
全25件中、21~25件目を表示