「Unrivaled」FARANG ファラン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Unrivaled
仕事終わりには一発軽快なものを!というご要望に見事に応えてくれる作品がちょうど流れていたので鑑賞。
愛する妻を殺され、娘を誘拐された男の復讐劇というシンプルなものに強烈なゴア描写で味付けした作品で、要所要所は良いものの、ドラマ部分の単調さが足を引っ張ってちょい微妙なアクション映画になってしまっていました。
復讐劇というジャンルは個人的には序盤で葛藤を見せてから、そこからは復讐のオンパレードという勢いが好きなんですが、今作はどうにもドラマに重きを置きたいのか分かりませんが、ドラマとアクションがアンバランスでテンポがあんまし良くないなと感じるシーンが多かったのが残念でした。
アクションは見せ方もありますが良いものが揃っていて、足技手技はもちろん、その場に落ちているものを活用したアクションが素晴らしく、ノンストップで敵を蹴散らしていく様子は爽快でした。
やられ役の方々の挙動も素晴らしく、オーバーすぎず超絶リアルの吹っ飛び方をしてくれますし、タフだから何度でも蘇って反撃してくれるのも良かったです。
この手の作品には珍しく男女入り乱れての乱闘で、どの方もアクション畑なのもあって筋骨隆々、パワーでやりきってくれてます。
ゴア描写も強めっちゃ強めですが、R15+くらいでいいかなというくらいのものなので安心して観れると思います(どこがやねん)。
首を掻っ切ったり、頭が弾け飛んだり、目ん玉にナイフぶっすーだったり、腕も足もボッキボキに折ったりと中々に暴れてくれていました。
ただアクションが特別多くない作品だったので、その点では物足りなさを感じてしまいました。
カメラワークは躍動感満載で、役者と一体化するように弾けていてとても好みなものでした。
ラスボスとの対決はなぁ…もう少しやりようなかったのかなと思ってしまいました。
もちろんそこまで強くなさそうだったので、戦術面よりかは頭のキレでどう戦うのかというところに期待したんですが、油断したところを掬われ、体からはみ出た骨で首をぶっ切るというアイデアこそいいものの、やられる側が呆気なかったのが惜しかったです。
娘の所在も、かつての友との虚しい再会も、ラスボスとの消化不良からか、あまり感動もできずじまいで、もったいないなーという感じが否めなかったです。
「セーヌ川の水面の下に」を監督は撮られているみたいなので、そちらを見る良いきっかけにはなりました。
ぜひまたゴリゴリアクションの作品を撮ってくれたらなぁと思います。
鑑賞日 6/13
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 D-9