「男尊女卑」聖なるイチジクの種 めるさんの映画レビュー(感想・評価)
男尊女卑
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イラン映画を観ると毎回思うのは女性の人権の低さ。21世紀にもなりどうして女性は男性に意見すべきではないという考えが未だ根強いのか考えてしまう。
家族が一つの銃を巡ってお互い疑心暗鬼になっていくっていうのが簡単なあらすじやけど、銃が無くなるまでにも物語がある。イラン国内での暴動、親子の思想の違いによるギスギス…えらいお母さんがお父さんに気をつかうんやなと思ってたけど母の終盤の言葉に集約されている。「本性を見せたくなかった」という言葉に。イスラム教においての離婚は夫側からの申し出は比較的容易だが、妻側からは裁判所を通じてなど手続き自体がとても大変なのだという。このお母さん、内心は離婚したくてもできなかったんちゃうかなと思ってしまった。ただ、子どもの前で父を批判しないのは家庭の均衡を守る意味もあったんかなと。
ヒジャブの本来の意味って男性の視線から守るとかいう意味もあるらしいが、この国では女性が抑圧されている象徴としての意味で被っているのかなと思ってしまう。少なくとも世論は後者で認識している人が多いと思われる。ネットがある以上拡散は止められずこれは暴力ではなく正当な逮捕だと言い切るのは国際社会的にも難しいやろう。
国の問題も真正面から描きつつ、ある一家の崩壊の様子を映した本作。長い映画やけど引き込まれて長さを感じなかった。観終わった後日本で生きていることの幸福を痛感した。
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