「見事なジャンルMix作品」聖なるイチジクの種 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
見事なジャンルMix作品
予告では銃盗難に焦点が当たっていたので、ミステリー中心の作品だろうと
思っていたら、それだけじゃなくてジャンルMixのエンターテイメント作品となっていた。
約3時間が次のジャンルで約1時間ずつ。
・イランという国の窮屈な体制を描く社会派章
・銃紛失or盗難事件のミステリー章
・家族内サバイバルホラー章
イランの体制は本当に窮屈だ。
宗教が要因ではなく、権力者の宗教の解釈によるものだと思う。
国にまつわる仕事は監視されていたり(盗聴エピソード)、
女性のファッション(ヒジャブ🧕など)、体型が出ないように、髪色、ネイルなど
自由がきかなかったり、若い子はやはりスマホで世界の情報を得ていることから
もっと自由になりたいのは自明の理。そこが自由にできない窮屈さが強調されている。
銃紛失・盗難疑惑も家庭内で起きてしまうが、
それも父親の秘密主義(これは仕事上、仕方のないことだが)及び
父親の仕事へのアンチテーゼが生んだ事件だと思う。
しかし、家族を疑い尋問にかけていく流れは、やはりお国柄だと思うし、
どんどん家族が崩壊していくきっかけになっていて、誰の犯行かはわからなかった。
長女の友達が犯人かも!?とも思ったが、動機がないよなぁと思ったり。
ラスト1時間はまさかの父親による妻&娘二人の監禁、
そして妻・娘が逃亡してからのvs構図になり、サバイバルホラー化していく流れは
実にエンターテインしている。オチも読めない。
ただ、次女が銃を盗んだことがわかり、次女が巧みに父親を誘い出し、
母親・長女を救い出しつつ、みんなで逃げる&父親に追われる構図には目が離せず、
ラストのオチも予想外でめちゃめちゃ楽しめた。
あまりにも面白く、パンフレットも購入した。じっくり理解を深めていこうと思う。
ひでちゃぴんさん、コメントありがとうございます。ラストの追っかけっこは怖いながらもドキドキと笑えた、この映画で唯一のシーンでした。父親のあの姿含めて。うまく逃げられて良かったね!と共感もできた!