雨の中の慾情のレビュー・感想・評価
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予告編のほうがよかった?
うーん、YouTubeとかで見た予告編のほうがよかったような……。
この複雑な物語を組み立て仕上げていく監督の技量、それからキレのあるカットも散見され感心しましたが、映画作品として面白くなかった。退屈だと感じる時間も長かった。
予告編だけで十分だった……かも。
追記
劇場に観客は6人ほどいましたが、僕以外は全員女性でした♡
報告おわり。
愛と幻想のねじ式
つげ義春が1981年に描いた短編エロ漫画のタイトルなのだが冒頭に繰り広げられるシュールコミカルなシーケンスがその漫画を執筆中の成田凌(義男=つげ義春)の妄想というだけででこれが原作というよりつげ義春的漫画家そのものを描いた愛と幻想のねじ式である。片山慎三監督と撮影の池田直矢のタッグは相変わらず強力で移動撮影が圧倒的に上手く、今回の台湾ロケが「つげ風ワールド」を見事に再現していて角を曲がると一気に戦場へと連れて行ってくれるダイナミズムがたまらない。クリストファー・ノーラン的な時系列行きつ戻りつの中に夢想の過去が混ざって来るので決してややこしくはないのだがややもすると真面目に筋を追う気持ちを失わせる危険な映画である。しかし132分は長すぎでうんざりの一歩手前。戦場との行ってこいをあと一回カットしてくれれば良かったのに。
夢のマトリョーシカ
成田凌推しの方は見るべし!
雨の中の欲情
楽しい作品だが、
「パラサイト」のポン・ジュノ監督に師事していた片山監督らしく、暴力描写や性描写、すなわち人間描写に妥協がないところが好きだ。かつ、色んなテクニックを駆使した撮影・演出でしっかりエンターテイメントになっているところが片山作品の特徴かなと思います。
本作はとてもトリッキーな作りになっていて、これは脚本一体どうなっていたんだと思いましたが、やはりシナハンや現場でオリジナル展開をどんどん足していったようで正直シナリオとしてはまとまりのない作品だったかと思う笑
色んな作風や演出、アイディアがてんこ盛り。
ただし、そこは成田さんをはじめとする役者陣が大奮闘しているのでそれなりに観れてしまう。
死の直前に観る走馬灯のようでもあり、全てが夢でもあるというつくりは面白いし、雨や水道の水が夢の中ではとめどなく流れ出ているのも、欲情に歯止めが効かなくなった主人公の観る夢ということで筋が通っている気もするが、やはりそれに対する戦争パートが欲情を奪われた世界線(こっちが現実)という位置付けになっているように感じるので急にテーマの相性の悪さを感じた。夢と現実が上手く対比になっていなくチグハグな印象を受ける。戦争パート自体の映像はよかっただけ(片山監督による戦争映画が観たくなるほど)に、もったいなく感じた。
前半のあのバス停の映像の力、構図の力がすごかったので、やはり最後もあのバス停をベースに夢と現実の決着を描いて欲しかった。
「さがす」の西成区や本作の台湾の街並みなど古き良き日本の姿というか、一見バラックのような無秩序な街並みに美しさを見出してるところに、つげ義春漫画と片山監督作品との共通点を感じた。
個人的には中盤の西の国で嘘みたいな宮殿で暮らす森田剛演じる伊守の楽しそうな姿が印象に残っている笑
全く中身の無い意味不明の作品
旧態依然の映画ファンには最高
夢のリアリティ
⭐︎3.2 / 5.0
最初のエロがピーク
2024年劇場鑑賞319本目。
土砂降りの雨の中、バス停で雨宿りしていると雷に異常に怖がる女性。「金属製の物外さないと危ないですよ」と男性。そのボタンも、そのブラも、と言われるがままに裸になっていく女性。なんで胸隠さないん?バス停にも金属が使われていたのでバス停から離れる事になるパンツ1枚の男女。田んぼでお尻突き出して転ぶ女性。いやもうこれはムラムラせずにいられないでしょ!って何のAV?(笑)
その後もボカシ入りのエロシーンが何度か出てきますが一番エロかったのはやっぱり冒頭のシーンですね。
エロのピークが最初だったので、後はいつの時代か、国も日本とは単純に言い切れない不思議な世界観で、後に色々展開があって筋は通るのですが、その種明かしが早いというか、いつ終わってもいい状態が三十分くらい(時計見たわけじゃないので体感ですが)続くので蛇足でした。
奇妙な映画体験がクセになりそう
主演と監督、原作者くらいだけ知ってる状態で鑑賞
中盤以降の展開は最初こそ戸惑いましたが、各世界観のディテールを見るとなんとなく整理できるため、自分の解釈があっているのなら、現実パートはごく一部。大半が夢や妄想のようなものとしても、そこで描かれているものはところどころで「現実パート」とも薄くリンクしているため、作品トータルとして見せたいものは伝わってきます。
戦中期の占領地のものと思われる日常描写や戦争描写も、台湾で撮影することでより味わい深いものになり、全体の幻想的なイメージをより高めてるのでしょう。
変な映画といえば変な映画ですが、提示された世界観はかなり好きで、機会があればまた見てみたい作品です。
役者の無駄使い
つげ物とは大分異なる
人間の営みの喜劇性
愛の映画でありながら、それに絡めて戦争を美化したり、悲劇一辺倒に描いていないのが新鮮で素晴らしかったです。
どんなに厳しい追い詰められた極限状態にあっても、
慾情に揺さぶられてしまう滑稽さ(喜劇)が同居しているのは、
リアルな人間像だと感じました。
美しい配色の画面、
切れ目なく舞台転換するカット、
時間軸も含めて夢と現実が頻繁に交錯する構成、
そしてなにより、たくさん出てくる戯画的、幻想的な表現が
映画の世界観と適合して、強く心を揺さぶられました。
ラブシーンも変な艶っぽさは少なく、
ときに戯画的で、本能にしたがう動物的な大らかな表現が印象的です。
全体に癖の強めな、少し不快感さもある濃厚な表現の中、
夢に溺れそうな状態で観ていましたが、
成田凌さんの一服の清涼剤のような爽やかさに悲しみ(雨)や純愛が現実であってほしいと強く思わされました。
映画表現の潜在力をまざまざと見せつけられた時間でした。
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