劇場公開日 2024年11月29日

「久しぶりに腹の立つ作品を観た」雨の中の慾情 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5久しぶりに腹の立つ作品を観た

2024年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編は良かった。タイトルどおりのエロス感たっぷりで、かつ昭和らしい情緒も感じられる。
ひと言で言えば、“大人の映画”を見せてくれそうな予感が有った。

が、しかし・・・
期待は裏切られた。

【物語】
舞台は戦前・戦中の台湾。
貧しい町・北町に住む売れない漫画家の義男(成田凌)は、アパートの大家・尾弥次(竹中直人)から彼が最近知り合ったという女の引っ越しの手伝いを頼まれる。 家賃を滞納している義男は断ることも出来ず、自称小説家の伊守(森田剛)と共に女の家に向かう。

女は福子(中村映里子)といい、離婚したために引っ越すのだと言う。義男は忽ち福子に魅了される。しかし、先に彼女の気を引いたのは伊守だった。やがて義男は伊守が企画する北町のPR誌を手伝うようになるが、仲間の一人が預かった金を持ち逃げしたため、金を払った発注者たちに追われた伊守と福子が彼の家に転がり込んでくる。

【感想】
冒頭を観て嫌な予感がした。
映画においてオープニングは作品の良し悪しを推し量る上でとても有効なバロメーターだ。オープニングは良かったが中味は大したこと無い作品もたまにはあるが、オープニングがダメだけど、中味は良かった作品には出合った覚えが無い。
今にして思えば、あのオープニングシーンは作品全体を表していた。

いきなりのエロなのだが、情緒もへったくれも無い。「なんだ、これ?」の世界。
それは、主人公義男の夢だったというオチなので、ストーリー的にはダメなわけではないが、「オープニングにあんなシーンを持って来るセンスはどうなの?」という話だ。

前半はまだいい、まともだ。
しかし、終盤になって来ると訳の分からない場面展開になって来る。 突飛、奇天烈な編集をして、
「どうだ、お前に分るか?」
と言っている監督の顔(顔なんてしらんけど)が浮かんでしまったが、
「俺には全く分からない」
と堂々と答えたい。

終盤になって、この作品は監督が脚本も書いているに違いないと思ってエンドロールに注目していると案の定、監督が脚本も書いていた。脚本と監督が別の人間だったら、どちらかがブレーキを掛けただろうと思うのだ。
つまり、俺に言わせればあの展開・編集は監督の暴走としか思えない。

良かったことと言えば、ヒロイン中村映里子の裸体が綺麗だったことくらい。

泣き虫オヤジ