「第1作と第2作のいいとこどりで第3作移行の中では佳作」エイリアン ロムルス ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
第1作と第2作のいいとこどりで第3作移行の中では佳作
エイリアンは第1作で地球外生命体に襲われるSFホラー映画の名作となりました。第2作ではエイリアンが一体ではなく複数で襲ってきたらという設定で2番煎じではなく、続編でありながらも傑作となりました。ところがそれ以降はエイリアンを登場させたいだけという作品。エイリアンがサメ映画レベルのB級作品となりました。リドリー・スコットが原点回帰として挑戦するも第1作ほどには遠く及ばず、さらにその後製作するという暴走となりました。その後で登場した本作品は鑑賞前から嫌な予感しかありませんでした。
物語はいきなり劣悪な環境の惑星にある鉱山で労働者として暮らす孤児の女性レインそしてアンドロイドのアンディ、友人のタイラー、タイラーの妹ケイ、タイラーの従弟ビヨン、ビヨンのナヴァロがこの惑星から脱出為に必要な冷凍休眠装置を奪うため、放棄されている研究宇宙施設ロムルスへの乗り込みというものでした。科学者も軍人もいません。新たな希望を求めた若者のみです。サメ映画のようにいけにえになる若者達という設定のようでした。ところが第1作で登場していた会社指令第一のアンドロイドが登場します。冷蔵室では第2作での複数のエイリアン襲来等を再現しています。その後の展開も第1、第2作から踏襲したシーンが再現しつつもこだわった出来映えでした。アンドロイドに導かれ一般人の若者がエイリアンと戦いつつ脱出を試みる展開はやや薄い話ではあります。ひねりがあるのは、ようやく脱出して冷凍休眠装置に入ろうとした時に、エイリアンではなく新たな脅威ミュータントが襲ってきます。レインがTシャツ、短パンで逃げ、宇宙服を装着する第1作のラストを再現していました。成功事例の過去作品のいいとこどりをして無難に作り上げていました。良い出来ではありますが、願わくばこれでエイリアンシリーズは終了して欲しいです。