夏目アラタの結婚のレビュー・感想・評価
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意外性のある名作 佐藤二朗さんは・・・
予告しか見ていなかったのですが、良い意味で裏切られる作品でした。
黒島結菜さんの演技は秀逸でした。
猟奇的な部分、恋する女性、悲しみや孤独、すべてを諦めたような表情。
そして幸せな顔。
どんどん話が進むにつれて色んな事実が明らかになる。
目が離せない。大きな驚きはないかもしれない。
無戸籍のこども、どこかで聞いたことある設定
そう思うかもしれないが、これはこれで説得力もあった。
解説役の佐藤二朗さんは正直にいうと少し苦手だった。
必要な役柄なのかもしれないけど、いつもの佐藤二朗さんで
何役というか、佐藤二朗さんがそこにいるとしか思えず
ノイズになってしまった。
主演の柳楽優弥くんももう30代。イケメンであり演技力も抜群。
(今思えば、面白くないはずがない。)
少し正義感があって、やさしさがあって、開始当初は頼りなささえある。
でも芯がある役だった。どっしりと役を受け入れ演じきったと感じる。
レイトショーで何見るか選択肢がたくさんあったなかで選んだ1本。
思いがけず名作に出会えた。人にすすめたい作品。
法廷ファッション、1着目と2着目はどういう意味があったのか
それを考えながら今日は終わりにしようと思います。
原作も明日読んでみよう!
柳楽くんが良い
柳楽優弥が格好よかった
自分を「ボク」とかゆう女性、キャラ立ってて良い。わざとらしい…読めない性格だな…と思ってしまうが、この一人称似合っていた。「私」とか言ったら台無しである。
刑期を終え出てきてもまだ30代前半だ、未来は明るいかもしれない。その間、面会に通い続けるのかな?
KAWAIIは正義
面白かった。
けど、何が面白かったのかはイマイチわからない。
品川ピエロのままなら絆される事はなかったように思う。彼女は殺人犯だ。殺人犯ではなくとも死体と共に数日を過ごした異常者である事は間違いない。
その事件の真相を追っかけていく事になるのだけれど…一人称「僕」と話す彼女が可愛いく見えて仕方がない。ほぼ全編を通して「騙されるもんか」との葛藤を抱えたまま物語を追う事になる。
男って低俗だなぁと自覚する。
獄中婚ってハードルがそうさせるのか、超ヘビーな愛を全力で投げつけてくる一途さに絆されるのか、手玉に取られる快感をDNAが知っているのか…惹かれてしまう。劇中で弁護人が肩入れするのに共感してしまえる。…蜘蛛に絡め取られていくみたいだ。
劇中、法廷の柵を飛び越えてくる彼女にときめいてしまう。そして瞬時に否定する。
「いや駄目だ。コイツは異常者なんだ」
そう考えてしまう時点で手遅れだと思われる。主演2人はナイスなキャスティングだった。
もうずーっとこんな調子だ。
物語の本質をカワイイに邪魔される。
見た目が本質を否定しようとする。いや、むしろ願望なのかもしれない。善人とは言わないまでも、猟奇的な殺人犯であってほしくない。
ずーっとソレと闘ってる。
異常者たる片鱗を存分に発揮しても尚、そう思ってしまう。…手に負えない。
そして物語は真相らしき事をポツリポツリと語り出す。何やら殺人犯ではなさそうだ。
なのだが、へそ曲がりもここまでくれば表彰されるんじゃないかと思うのだけど、今度はその事にも騙されないぞと思ってしまう。
お前、結局どうあって欲しいんだと自問自答だ。
タチが悪い!
柳楽氏の独白で彼女を肯定しまうから尚更だ。お前と一緒に俺はならないぞってなもんだ。
ずっと疑念が付きまとう。
決定打を打たれてもまだ捨てきれない。
どうやら2人は運命的な出会いをしていて、彼女はその頃彼にもらったタオルを大事にもっていた。
彼の優しい匂いをずっと探してたと言ってもいいのかもしれない。彼女的には初恋が成就されたようなものだ。
と、猟奇的殺人事件で始まった物語は、転がりに転がって純愛を描き出す。
いや、おいちょっと待て。
ハッピーエンドでいいのか?
アラタ君、君が改めてプロポーズしたのは、4人を殺した殺人犯だぞ?しかも殺し方はエゲツないぞ?経緯はどうあれ油断してる相手を毒殺だぞ?最後の自供を信じるなら、4人の遺体を切り刻んで遺棄したサイコパスだよ!
でもカワイイが邪魔をする…。
ラストに至り純愛に傾きまくる。もうわかった…降参だ。この物語は純愛物語でいいよと白旗を上げた時、彼女は笑う。
あの不揃いの歯で不適に笑う。
なにぃぃいっっ!
どっちなんだよ!やっぱり真珠の掌で踊らされてたのか?身悶えするほど艶かしい!
してやられたと思った時にエンディングだ。
題名は知らないが「最低のヴァンパイア」ってフレーズが印象的だ。
この歌詞の内容がまた、真珠とリンクする。
最後の最後まで聴いて読んだ。
やっぱ純愛だったのかなぁ…。
まんまと堤監督の術中にはまった。
いや、嵌められた。
終わってみたら、監督らしい作品のチョイスだったなぁと、一風変わったミステリーに歯痒さMAXだった。
にしても、あの歯、よく出来てたなぁ…。
腑に落ちない事はいくつかあるが…。
母親にとって、第一子の存在証明がどうしてそこまで必要だったのだろうか?
IQ云々の説明はついたものの、なぜ出生年を偽ってまで第二子を第一子として育てる必要性があったのだろう。
もう一つは、17歳当時の被害者達との関係性である。あの3人の真珠への執着の根源はなんなんだろう?どれくらいの期間で3人を殺害したんだろうか?
彼らの懇願も真珠の捏造と言えなくもないので、真相は以前明かされてはいないのだろうな。
後は、品川ピエロなんだけど…ラストに至りアラタが道化師に見えてきたのは洒落が効いてたなぁ。
男って、ホント…あぁ、無力だなぁー。
原作の再現性とストーリーの省略化が秀逸!
原作のマンガを読んでいたので、この世界観をどこまで再現できるのかと半信半疑で観ました。
パンフレットによると、原作者のところに何度か映像化の打診があったものの、「真珠の歯」の再現について(困難性や、俳優の都合などで)消極的な態度が多く、断り続けてきた中、今回の映画化については「真珠の歯」の重要性をしっかりと理解し、その再現に全力を注ぐ姿勢だったことで、映像化が承諾されたのだとか。確かに違和感のない見事な再現には脱帽でした。
恐ろしかったり、幼かったり、美しかったりと、目まぐるしく表情が変わるという難しい役所を、黒島結菜がしっかりと演じてくれました。
原作のストーリーは、人間関係が複雑に絡み合い、さまざまな人の思惑が入り混じっていますが、映画の尺に合わせるには、ある程度、単純化する必要がありますが、これもなかなか見事に単純化されて、良かったです。
原作にはない“十文字”を最初と最後に印象的に見せる、映画ならではのトリックも巧みです。
何より、ラストがきちんと「希望」になっていたのに、ほっとしました。
とてもおもしろい
構成も流れもしっかりしてるし
時間も飽きずにちょうど良いです。
黒島さんすごく良かったです。
コミック未読なので、是非読もうと思いました。
ミステリーではなくラブストーリーなんですね。
珍しく原作を知ってた
とは言っても、うろ覚えだけど。
原作の長さ的に前・後編の二部作にしないと収まりきらないかも?
と思ったら、やっぱり端折ってる。
原作のどこをどう端折ったかまでは分からないし、アニメならまだしも、実写で原作に忠実に再現なんてできない事は分かってるけど……
あんなに簡単に見つかってたかな?
尺の都合?
実写化の宿命?
面会のシーンで、仕切りのアクリル板に映り込んだ面会者の顔の位置と真珠の顔を重ねる演出は実写ならではだと思う。
アラタが勤務先の児童相談所にやってくる子供たちをいかに見下していたのかと反省する展開が秀逸です。このアラタの心の変化こそ、本作の隠れたテーマだといっていいでしょう。
乃木坂太郎の同名ベストセラーコミックを堤幸彦監督のメガホンで実写映画化し、死刑囚との獄中結婚から始まる危険な駆け引きの行方を描いたサスペンス映画。
●ストーリー
毎日1回20分だけ許される面会の中で、会うたびに変わる真珠の言動に翻弄されるアラタ。やがて真珠はアラタに対し、自分は誰も殺していないと衝撃の告白をする。
日本中を震撼させた連続バラバラ殺人事件の犯人で、逮捕時にピエロのメイクをしていたことから「品川ピエロ」の異名で知られる死刑囚・品川真珠(黒島結菜)。
児童相談所に勤務する夏目アラタ(柳楽優弥)は、その連続殺人事件の3人目の被害者の息子である山下卓斗(越山敬達)から「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」という依頼を受けます。未だ発見されていない父親の首の隠し場所を聞き出そうと、アラタの名を騙って犯人の品川真珠と文通しており、直接会って話すことを真珠から求められたためでした。
小中学校で落ちこぼれのいじめられっ子だったという真珠のプロフィールから、エリート公務員ぶればマウントが取れると思っていたアラタでしたが、逮捕時の「太ったピエロ」とはまるで別人の華奢な少女のような姿で現れた真珠に驚き、つい地が出てしまいます。アラタが手紙の主では無いと見破った真珠が面会を打ち切るのを何とか止めようと焦ったアラタは「俺と、結婚しよーぜ!!」と口走ってしまいます。元々アラタは結婚には何の夢も持っておらず、真珠と本気で結婚する気もまったく無かったのですが、真珠の巧みな駆け引きと真珠の無実を信じる弁護士・宮前光一(中川大志)の真珠への協力もあって、婚姻届を提出して正式に真珠と夫婦となったのです。
1審で黙秘を貫いていた真珠でしたが、控訴審では自分につきまとっていたストーカーが真犯人であり、そのストーカーが自分の父親なので庇うために今まで黙っていたのだと主張します。宮前と違って真珠の無実を信じないアラタでしたが、真珠が虐待された子供だったこと、婚姻届を渡された時に心を開いた子供のような笑顔で嬉し泣きした姿を目の当たりにしたことなどから、徐々に心を動かされて真珠に惹かれてゆくのです。
その一方で、真珠が宮前やアラタの同僚の桃山香(丸山礼)、被害者遺族である卓斗まで巧みに篭絡していることには気づいており、しおらしかったり「はすっぱ(女性の態度や動作が下品で慎みのないこと)」だったりと様々な顔を使い分ける真珠の本心をつかめずにいました。
真珠が8歳で施設に保護された時と21歳の逮捕時で30も知能指数が上昇した謎、母親の環が真珠を決して歯医者に行かせず高カロリーな食事で太らせていた理由、1審で真珠が早く起訴されたがった真意、そして事件の真犯人は誰なのか…。様々な謎が交錯する中、真珠にまつわる重大な秘密が明らかになり、事態は大きく動き出します。
●解説
本作の見どころは、まず冒頭でアラタがいきなり獄中の真珠に結婚を申し込むところでしょう。真珠をつなぎ止めるための方便として、とっさに出た言葉だったのです。でも真珠を担当する弁護士の宮前奮闘もあって、本当に結婚届を出してしまうところまでいってしまうのです。
冒頭の掴みとしては衝撃的で、そんなまさかと思っていたらあれよあれよの展開でも本当に獄中結婚してしまう件の説得力は、堤幸彦監督だけのことはあると思いました。
最初は真珠から、いまだ発見されていない被害者の首を聞き出したいという理由から真珠に近づいたアラタでしたが、真珠と向き合い、その生い立ちに深く触れるうちに、自分は真珠を含めた子どもたちを可哀想な子どもと当てはめ、自分は自分の家庭環境と比べてあの子どもよりはましだと思いたかったのではないかと考えてしまうのです。
アラタが勤務先の児童相談所にやってくる子供たちをいかに見下していたのかと反省する展開が秀逸です。そして真珠に対する気持も大きく変わっていきます。このアラタの心の変化こそ、本作の隠れたテーマだといっていいでしょう。
そしてアラタを利用しているとしか見えなかった真珠にも、唐突なアラタからのプロポーズを受け入れる、理由があったのです。それが明かされるるとき、本作はふたりの遠大なラブストリーたったのだと気がつくことでしょう。
つぎに本作にはネタバレできないいくつかのトリックが用意されています。特に真珠のIQの急激な変化についての真実は、驚きの展開でした。そしてそのトリックが明かされるとき、裁判がいったん中止になるほどのインパクトをもたらします。
この辺の事件の真相へといたる展開は、驚きの連続です。あまり詳しく詳しく解説するとネタバレになってしまうので、この辺で止めておきますが、少なくとも冒頭での連続殺人容疑者としての真珠のイメージが次第に変わっていくことでしょう。その変化をぜひ愉しまれてください。
彼女は、何故、人を殺めたのか・・・
予告編を見た時から,気になっていた一本です。
予想とは異なる展開でしたが、楽しませてもらえました。とても、面白かった。
連続バラバラ殺人事件の犯人から、切り取った首の隠し場所を探り出すために結婚する話。
そんな馬鹿な!って思ったら、やっぱり漫画原作の実写化でした。
絶対、有り得ない話かと思いますが、そこは芸達者な柳楽さんと黒島さん、しっかりと魅せてくれました。
二転三転する話のなかで、それぞれの見方、見え方が変わってくる。
いや~、魅入っちゃいました。予想以上に面白かった。
佐藤二朗さんが、なかなか良い味出してました。
【ネタバレ】
真相が明らかになったら、そこに非情な殺人鬼の姿はなかった。
むしろ、じんわりと目頭が熱くなるのを感じた。
でもね、今、思い返してみると・・・
結局、死にたかった3人を安楽死させたのが真相みたいだったけど・・・
何故、死体をバラバラにする必要があった?
何故、死体の一部を隠す必要があった?
何故、ピエロの化粧をしていたのか?
父親が脅していたのは事実だったってこと?
_φ(・_・すげー 引き込まれた。
自分だったらどうすんの?って考えるんだけど?どうしますか?
殺人鬼は殺人鬼ですよ。4人殺しているんですからね。あの3人も本当に死にたいって言った確証なんてないんですよね?ラストシーンどう捉えるか?私にはあのスキッパがサイコーにサイコに見えましたが、、、、。
死刑に至る病〟って映画の阿部サダオのカメラアングル似ていましたが黒島結菜の方が数倍怖かった。黒島結菜の代表作になるのでは?柳楽優弥もいいのですがあの手のお兄ちゃん的役は卒業したほうがいいかなぁ、、もっと違う奴が見たいですね。
明日は漫画を大人買いして来る予定です。
原作の漫画大好きな者です
※原作、映画ともにネタバレしていますので閲覧注意です※
原作の漫画は世界で一番と言っても良いぐらい面白いです。
単行本を楽しみに生きて、しかも最終回で今まで追いかけてきて良かった、と幸せな気持ちになれた漫画です。
映画もとても楽しみで、劇場ではなぜか緊張しました。絶対面白いものになっていると信頼していましたが2時間でまとめるとなると原作とは変えているだろうし、未知のものに対する期待と不安がありました。原作通りにしてほしいという願望はなく、漫画と違う点を楽しみにしていました。
柳楽さんはイメージしてたアラタよりは可愛い感じ(喋り方とか)だけど、どんどんハマります笑。
環はもう原作と見分けつかない!笑
真珠もリアリティあって良かった〜
唯一原作通りが良かったかなと思う点は、裁判中の真珠の衣装なんですが、白いワンピースってたしか襟がなかったよね?(細かい)
あとちょっと見てみたかったなあ〜と思ったのは、真珠のアクリル板に手をつく動きのバリエーション(ワンパターンに見えてしまった)、アラタの未成年に手を出せない的な葛藤の表情、カッコ悪い表情で泣くアラタ、真珠の逆告白です。
あと離婚届ももっと細かく千切り倒して紙吹雪みたいにしてほしかったかな〜!笑
意外と狂気を感じる動きは少なかったです(それはそれでリアルで良いんだけど!)
そして検事も裁判長もカッコ良かったです!弁護士は狂気を感じる目をしてくれてたのに最後まで良い人で、裏切られました笑。
エンドロール後に弁護士の秘密が明かされるかな、と思いきやまさかのものすごいハッピーな秘密が明かされ、一気に多幸感に包まれました。
嫉妬するほどXの織り込み方がうまーーい!笑
最高でした。原作でもあったのかも…?!と匂わせる絶妙なエンディング。乃木坂太郎先生監修の和訳も本当に素敵でした。「ボク」って書いてるから真珠の歌?!と思ってたら乃木坂太郎先生監修の文字が出てきて涙ですよ、そこが一番感動したかも笑。
私にとって、どん底から救い出してくれる夏目アラタは「夏目アラタの結婚」という作品そのものであり、本当に原作にも映画にも感謝しています。作ってくれてありがとうございました…!
【追記】
最後の真珠の笑顔…かわいそうな子になったら、またアラタが来てくれる…とかいうサイコパス丸出し動機で事件起こしてないよね?まさかね?笑
地面に座り込んじゃったらアラタがバイクで来てくれたの、子どもの頃のシーンと重なって良かったです。
ラスト近くまで釘付けでした
原作未読です。
後半、ラスト間際までとにかく楽しませてもらいました。
ずっと緊張感があって、真珠さんへの「信じてあげたい」とアラタへの「騙されるな」が常に自分の中でせめぎ合っている感じです。
裁判が毎回面白くて、真珠さんが初めて語ったあと検察が間髪入れず「加害者はどうやって殺したのか」と言い出した時など、どうなるのかと本当にワクワクしました。
知能指数のくだりもすごく納得がいって、脱走するあたりまでは釘付けでした。
それまでが怒涛のミステリーだったせいかもしれませんが、脱走した辺りからがいやにフワッとした?ような印象。
最後アラタが真珠さんの幼少期と会っていたくだりについては、好みもあるとは思いますが、個人的には急にアラタと真珠さんを安売りされたようでガックリ来ました。
アラタが過去に見た可哀想な子の話をした時にまさか違うよな…?という気はしてしまっていたので、ここにきて自分でも予想出来るオチを付けられたのが安売りと思えてしまったのかもしれません。
ラスト近くまではとても面白かったです。
出だしからぐいぐい映画の世界に引き込まれました。
予告を観て想像していたのと全然違ってびっくりした。
ホラー、サスペンス、法廷モノ、ラブストーリーと移り変わり、最後どうなるの?とドキドキしてたら、オチは真珠の初恋だったんかい!というラスト。
前半の死体解体や児童虐待が全部吹っ飛んで、帰り道、なんか幸せな気分だった。
佐藤二朗さん、「あんのこと」で観た時よりバージョンアップした変な人の役だった。
キモ!!!の二文字を進呈します。
死刑囚の人たちにちょっかいをかけることをやめることができない自分の闇に、まず向き合いなさい。
現代にこういう人、いそうだし、いるんだろうなー。
今回、私が感じたのは、その人の成育歴は、歯に出るということ。
親に手を掛けられて育った子は、20歳で永久歯はそろっていて、歯並びもキレイ。
かたや、歯医者に行くことを親に禁じられた子の歯は、ボロボロ。
私は、実際に、40代で歯が一本もない男性に会ったことがあります。
にかっと笑うと、歯茎のみ。
ホラーかよと、背筋が寒くなった。
毎日の丁寧な歯磨きや、歯科に歯のクリーニングに行く習慣は、きちんと親からインストールされていないと、身につかない。
真珠の歯、ちゃんとケアをしてあげてね、アラタくん。
この映画が、もし小説だったら、読み始めたら徹夜で朝まで泣きながら読むコースでした(*^▽^*)
2時間で終わる映画でよかった。
主演2人には、スタンディングオーベーションです。
出だし、アラタに真珠に会ってとお願いする少年のリアルなお母さんにも、拍手を送ります!
鑑賞動機:予告での黒島結菜の怪演5割、同じくオリヴィア・ロドリゴ『ヴァンパイア』5割。
原作は読んでないが、伏線の回収され具合に震える。事件自体の謎、そして真珠自体の謎は外連味が強いけれど、アラタと一緒に真珠に翻弄されていくうちに、何が起きていたのか見届けたくて、のめり込んで観てしまった。×とかクンクンとか、何かあるんだろうとは思ったが、そうくるとは。
序盤はモノローグが多めでちょっとどうかと思ったし、おそらく原作からかなりエピソードや描写を削っているのだろうが、逆に真珠という存在が際立つことになったのかもしれない。
桃ちゃん…いい!
そして…エンディングのオリヴィア・ロドリゴ『ヴァンパイア』が本作に絶妙にフィットしているのがすごい。
動機がわからない
終わり方は悪くないし、主役二人の演技はなかなかだけど、なぜそんなことをするのか説明不足で、キャラに寄り添えない。
なぜ夏目は婚姻届出すまでして真珠にせまろうとするのか?
真珠は無実を言いながら結局殺害を認めるのはなぜ?
弁護士が真珠の無実を信じるのはなぜ?
描写されている事実だけではあまりに説得力不足です。
それで最後にみんなそれなりの善人にされてもねえ。
黒島結菜さんの演技は圧巻です
見てない方も居るかと思うのでネタバレを控え目にします。
原作を見てますので、さすがにあの伏線を2時間で回収は無理かと思って観ましたが、被害者家族や弁護人等のエピソードを丸々カットして何とか2時間に詰めた内容ですね。原作の完了前に映画脚本が完成していたらしいので仕方ないかもしれません。ただ映画としては完成していたのかなって思います。
品川ピエロを演じられる若手女優って誰も居ないだろうなって思ってましたが、黒島結菜さんの演技は圧巻ですね。この映画の脚本内容で品川ピエロを演じるなら、これ以上は無いのかもって思います。柳楽優弥さんと黒島結菜さんの演技を観る映画って感じです。他の出演者はエピソードをカットされ過ぎて…ね。佐藤二朗さんとかキャラ違い過ぎですし。
ラストの主題歌で原作者の乃木坂太郎氏が日本語訳を付けてますが、これが一番原作ぽいのかもなって感じです。
追加。公開1週間なんで踏み込みます。ネタバレありで。
映画だと3回、原作だと4回の公判後のドラマが映画版は非常に飛ばしてます。被害者家族の伏線を全て飛ばした関係だと思いますし、ホントの父親探しも、犯行の理由、警察の追跡や藤田さん、アラタの母親、検察の情状、最後の面会まで全てない。どうしても2時間じゃ無理ですが黒島結菜さんの演技がやはりよかったんで、何か勿体ないんですよね。
それでもボクは愛してる
てっきり弁護士が獄中の死刑囚と結婚する話と思ってた。つまり、それくらいの関心。
後はコミック原作、監督は堤幸彦、柳楽優弥と黒島結菜が出てるって程度。
事前情報や詳細もほとんど知らず、漠然とこのセンセーショナルな題材だけ。堤印のサスペンスみたいだし、一応見ておくか。
こういうのが意外や面白かったりする。本作も然り!
3人の男性が犠牲になった凄惨なバラバラ殺人事件。犯人は名字と太ったピエロ姿をしていた事から、“品川ピエロ”と呼ばれる事に。
児童相談所職員の夏目アラタは、被害者の子供からある依頼を受ける。遺体はいずれも身体の一部が無くなっており、頭部を見つける為に犯人に会って欲しい、と。
初面会。そこに現れたのは太ったピエロからかけ離れた華奢な若い女だった。名は、品川真珠。
本当にコイツが連続殺人鬼…?
しかし真珠は会うなり、「思ってた人と違う」と拒否。
咄嗟にアラタは、「俺と結婚しようぜ!」と言った事から…。
弁護士じゃなく、児童相談所職員。
本気のプロポーズじゃなく、引き留める為の手段。
こっちは依頼である目的の為に。
しかし相手は気持ちをぶつけてくる。
本気なのか、弄ぼうとしているのか。
その手に乗るか。聞き出してやる。
駆け引き。
手続きも済ませ、結婚は本当。が、本気で惚れる訳がない。
…と、思っていた。
真珠の予測不可能の言動。
言ってる事もころころ変わる。
驚きの発言。「ボク、誰も殺してない」
性格もどれが本当か。子供みたいなあどけなさ、女性らしいしおらしさを見せたかと思いきや、暴言や挑発的な態度も。
ニタッと笑うと歪んだ歯並び。底知れぬ気味の悪さ。
なのに何か、人を惹き付けるものがある。
それでなくとも事件や人物像にはまだまだ謎が。
殺されたのは3人。が、現場には別のもう一人と思われる血痕が…。
暗い生い立ち。父親は不明、母親と二人。
幼少時はぽっちゃりで今と別人のよう。
虫歯になっても歯医者に連れて行かれず、母親から虐待を受けていた…?
幼少時のIQは70と、同年代の子供と比べると低い。それ故学校ではいじめられ…。
しかし今のIQは100以上で、平均並み。
いや平均どころか、時折人の心や中身を見透かすような言動も…。
幼少時はIQ低かったのに、今は頭がキレる。そもそも10年やそこらでIQが30以上も上がる事があるのか…?
本当は犯人じゃない。別人説まで浮上。が、獄中で刷り変わる事など…。
本当にコイツ、何者なんだ…?
公判が始まり、真珠の証言はまたしても世間を翻弄させる。
同時に少しずつ明かされていく真珠の過去。
その間も真珠の視線は、アラタを見据えている。
真珠、お前は俺に何を求めているんだ…?
今年は『誰も知らない』でカンヌ史上最年少男優賞から20年。天才子役は現在の日本映画を背負って立つクセ者実力派になった。
柳楽優弥の巧さ。普通の真面目な児童相談所職員ではなく、元ヤンキーという設定がミソ。チョイ悪な性格、心の声(ナレーション)も含め、ユニークな役作り。
勿論堂々対しているものの、さすがの柳楽クンも今回ばかりは食われた。
個人的に黒島結菜って、あんまり印象無かった。『カツベン!』のヒロインくらい。朝ドラでもヒロイン務めたらしいが…。
イメージは清純派。可愛いし。
それが、どうだ! イメージからかけ離れ、覆す、この超絶存在感!
可愛らしさや魅力もあり。それと同時に滲ませる、不気味さ、薄気味悪さ、異常さ。何処かピュアさや哀しさ、儚さも…。
公判でのファッションはある意味黒島結菜のコスプレショー。
もうとにかく、彼女が出てくる度に惹き付けられる。魅せられる。
よくぞこの難役をやりきった。圧倒的怪演は拍手喝采モノ!
センセーショナルな題材だけに、キャスティングも個性的。
弁護士役の中川大志は好助演も光る。
“裁判マニア”の佐藤二朗はらしさ全開だが、ちょっと浮いてたかな…。
当たり外れ激しい堤幸彦だが、今回は当たり。
エンタメ、トリッキーなサスペンス、ミステリーとしての面白さ。
見せ方も凝り(照明を落とし、印象的なガラス越しの面会)、所々ユーモアも滲ませる。
二転三転の法廷劇でもある。
ボクは誰も殺してない。犯人は、ストーカーのように付きまとっていた実父。その実父が3人を殺し、その手伝いをさせられた。本当の事を言ってるような、嘘を言ってるような…。
検察がそれを崩すも、新たな証拠で発覚した真珠の現年齢。
それが事実だった場合、死刑は求刑出来ない。立証され、公判は棄却。ならば今真珠を拘束している法的根拠は…? 司法の盲点も付く。
難点も無い訳ではない。さすがにリアリティーに欠ける点や強引なご都合主義もある。被害者の内一人の殺害動機は分かるが、他の3人の殺害動機は…? ちょっとピンと来なかった。
それでも上々。エンタメ・ミステリー、裁判劇、司法への問い掛け…。
この路線で終着するのかと思ったら、意外な方向へ。
単なる見世物じゃなく、ちゃんと獄中結婚した二人の“ラブストーリー”であった。
一時二人で逃避行。
アラタが寝てる間に居なくなった真珠は再逮捕され、やり直し裁判。
居なくなる前に真珠はアラタにある事を託す。
見つけ出し、真珠の衝撃の真実。壮絶な過去。
母親が歯医者に行かせなかった理由、幼少時IQが低かった理由、急にIQが上がった理由にも繋がる。
先日見た『市子』を彷彿させた。殺人を犯したが、壮絶な人生に翻弄され、誰もが市子の幸せを願った。
なら、真珠だって…。実は一人の女性の哀しいドラマ。
そんな彼女が何より求めたのは…
自分を見、こんなボクでも愛してくれる人。
真珠の想いは本物だった。真っ直ぐアラタを見つめていた。
しかし、アラタはずっと…。憐れんでいた。
自分の愚かさに気付いた時…。
死刑囚と結婚…? 言いたい事あるなら、言え。真珠を幸せにしてやれるのは俺だけだ。
にしても、何故真珠はアラタを…?
EDで明かされる“出会い”。
あの時から。真珠の匂いを嗅ぐ行動も異常さかと思ったら、探していた。確かめていた。見つけたのだ。やっと。
究極なまでのラブストーリーであった。
✖️
柳楽優弥君は好き好き。
黒島結菜ちゃんは「ごめんね青春」の生徒役は覚えてるけど、あまり存知上げず。。
(氷魚君のパートナーのあの子か!)
原作未読ですが、堤監督作品はほぼ観てます。
予告がインパクトありましたね。
目尻下げてニッカ〜!からのあの歯並び!!
"死刑囚へプロポーズ"ですと?!?
興味が湧きました!
日本中を震撼させる連続殺人事件が起きる。
現場となったアパートで、バラバラ死体をカバンに入れている人物を逮捕。
髪の毛ボサボサ、顔はまるでピエロ?のようなメイク。
太った、血まみれのボロに身を包んだ犯人は、一見女性か男性かもわからない風貌。
現行犯逮捕されたのは真珠(結菜ちゃん)
後に"品川ピエロ"と呼ばれる死刑囚。
被害者はバラバラに切断されており、DNA鑑定によると犠牲者は4人と判明する。
被害者の1人、その息子から、まだ見つかっていない父の頭部の隠し場所を聞き出す事を依頼され、真珠に接触する事になるアラタ(柳楽君)
予告でもネタばれされていた面会室でのガラス越しのプロポーズは、何と2人が初対面した僅か数分後の出来事だったとはビックリ!
アラタは真珠に受け入れられ、消えた頭部の隠し場所を聞き出す事が出来るのか?
目的を果たすためとはいえ、だんだんと真珠のペースにハマっていくように見えるアラタにハラハラした。
かなりぶっ飛んだ展開。
本当に籍を入れてしまうなんて驚いた。
しかし、このプロポーズがきっかけとなり、黙秘を続けていた真珠は徐々に事件の真相を語り出す。。
2人の駆け引きは緊張感があり、真相は?と
先が気になる進行はお見事。
面会室でのガラス越しの心理戦は
"死刑にいたる病"の阿部ちゃんvs水上君
"ラストケア"まさみちゃんvsマツケンのソレと比べると(類似性高しなので)やや緊張感や迫力に欠けたが、コロコロと変わる真珠の表情や声色には引き込まれました。
アラタも本音を悟られないように、真珠に寄り添った風を装ったり、言葉を選んだり、、
目が泳ぐ表情、反して目力!
彼の葛藤や苦悩、もしかして惹かれている?動揺など、様々な感情が行き来する様子はリアリティありました。
「ボク、誰も殺してないんだ」
こちらの想像通りに進む展開からの
二転三転する想像外の進行はとても面白かったです。
伏線回収もなされ、分かりにくい所はしっかりとセリフで説明をしてくれていますw
しかし
しっかりとしたサスペンスを期待していたからか、もっとヒリヒリしたかったのは本音。
ラブ要素多めで、ちょっと笑える所もあって、若い子向けのコミックスが原作だからなのかな〜と思いました。
サイコパスに見えた真珠ちゃんでしたが、その生い立ちから真正のサイコパスではなかった様で残念。。
アタラ
ヤラレちゃうのかと思ったのに。。
そこを期待していた私も素質あり?!
きゃーーー!!
真珠の無実を信じる熱心な弁護士
(大志君)
純粋に、正義感の塊だったけれど、こちらも狂った人物だったら面白かったのに。。
(真珠によるマインドコントロール完了済みとか。。)
バッドエンドが割とイケる口なので、ちょっと欲しがってしまいました(°▽°)
ラブストーリーかっ!!
結局、真珠の願望通りになったわけだが、これは純愛なのか?!
運命なのか?!
彼女の描いた筋書き通りに収まった、
いや、収められた感が強くて、、
アラタ、、本当にそれでいいのか?!
と。ちょっと心配にはなりました。。
あの、純粋で優しい、かわいそうで健気だった赤トンボ太っちょちゃんと、痩せた真珠が同一人物に見えなかったのも、個人的にモヤってしまった。。
(見た目ではなく)
どこにそんな狂気が??
そんなに狂うかな〜。。
死刑囚マニア!
なる人が実在するのかは知りませんが、彼の発言がいちいち鋭く刺さって怖かったです。
二朗さんお得意のキャラでした。
丸山礼さんで冷めたけど、市村裁判長は良かったです。
主題歌も本作とマッチしていてナイス選曲でした♪
虫歯でキスしたら…
誰かを憐んでいる人ってなんだか上から目線になってるなあと以前から感じていたので,まさに我が意を得たりであった。「憐れむ」って神の視点なんじゃ?
冒頭近くで,自分は誰も殺していないと真珠が宣言し,心身の苦痛から解放するために死なせてあげることを彼女は人殺しと明確に区別するのだが,当然のことながら法秩序はそれを許してくれない。彼女に他の選択肢を持たせることができるのは,哀れみでも善意でもお金でも無いように見える。たぶん唯一の答えは「教育」だろう。
などと色々考えさせてくれる秀作ではあったが,終盤の蛇足感がちょっと残念。
怪演に引き込まれた
原作未読。
あまり期待せず鑑賞。評価が思いの外高かったので軽い気持ちで。
黒島の怪演に引き込まれた。光と影の演出が上手く、不気味さがなお一層強調されていた。
アラタの視点で鑑賞していたが、自分の中の感情も揺れた。真珠の本音はどこにあるのかアラタと一緒に考えた。アラタ役の柳楽は、適任だった。
色々と不明点はあったものの、中弛みは一切なかった。見終わってみて、純粋な恋愛を描いていたのだなと感じた。
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