夏目アラタの結婚のレビュー・感想・評価
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どんな境遇でも純愛は美しい!
悲惨な環境が生み出した犯罪者である若き女性(黒島)と、同じく真っ当な子供時代を送れなかった児童相談所の仕事をする男性(柳楽)との純愛の一本の大きな太い幹を中心として、事件の謎が徐々に明かされていくストーリーは実に秀逸でした。ただし、不幸な人生だと、本当に犯罪を犯すかというと、これもその人の境涯次第かもしれません。環境に左右されない人間であれば、犯罪は起こさないということも承知していますが、その上でも彼女の犯罪への道筋は仕方のないことかもしれないという展開力に圧倒されました。ヒロインの黒島は悲惨な人生の中で白馬の騎士を待っていました。それが柳楽であったという設定は、まさにハッピーエンドそのものです。しかし、人間は自分の中に裁判官を置いて常に自分に判決をしがちです。この二人が純愛に生きていこうとする気持ちを、二人に中にある裁判官が行かせようとはしませんでした。それが弁護士の中川の力強い言霊によって突破口は開かれます。自分の心の声にしたがい二人は幸せになっていくのです。しかもこの時の二人は、お互いに出会ったことに深く感謝しています。その感謝の気持ちが、幸せへの道のスイッチとなったのでしょうか。結婚式のシーンに感涙です。いずれにしてもこのサスペンス(とにかくハラハラドキドキします)は傑作中の傑作であると思います。
追記 黒島の姉に当たる子供が産められていた場所の探索では、新潟県村上市の自然が映し出されましたが、私の故郷でもあったので不思議な感慨マックスでした。
あまり期待してなかったが良作だった
ダークな世界ですが、、、
連続殺人犯と獄中結婚と言うパワーワード
予告を観て「何コレ!面白そう!」と鑑賞を決めた作品。
コミックスも12巻で完結しています。
気になってちょっとだけ先読みをしてしまった。
長い話をギュギュっと2時間にまとめるのは本当に大変だったろうなぁと思いました。
俳優陣のイメージはピッタリでした。
弁護士役の中川大志さんがはぁはぁと熱の籠った喋り方をするのだけ気になりました。
真珠に思い入れのあるキャラクターだったのかな?と思うのですが映画では深掘りされないので、熱狂的な信者の様な印象でした。
獄中と裁判所のシーンが多いのですが、次はどんなことを言い出すんだろう?とアラタと真珠のやりとりをハラハラしながら楽しめました。
そもそもフィクションですからツッコむのが間違いなのですが、児相の職員があんなに拘置所に面会に行ったり裁判を傍聴しに行ったりできないよなぁと思ってしまいました。
アラタが真珠の狂気と影に惹かれていくのもイマイチピンとこなくて、なんでわざわざ自分から面倒ごとに首を突っ込んでいく必要があるのか?とそれを言ったらおしまいなのですが…。
話の奇抜さやストーリー展開の速さで楽しむことができました。
原作のコミックスも読んでみたいと思います!
ものたりなかった
柳楽くんの目力
無料公開されていた原作3巻まで見てから臨む。
結末は知らないから、ドキドキしながら見ることができ、楽しかった。
最初はありえないでしょ、と思ってた殺人鬼容疑者との結婚設定もなぜかアリに思えてくる心理誘導がすごい。
改めて柳楽くんの目力を買ったという監督の人選も見事。原作のイメージとは違ってても塗り替えてきた。
黒島結奈も意外に狂気の女を好演してた。
桃ちゃんはもう少しソフトなイメージだったかも。。?
児童虐待、放置親、見た目や境遇に対する子供たちの容赦ないいじめや偏見。そんな中で同じ境遇のヤンキーだけが手を差し伸べられる現実。考えさせられることも多い。
同情じゃなく自分そのものを見てくれる人を求めていた真珠と、幼い頃優しくしてくれた人を求める心情は矛盾しないのか?でもあれはあれでありのままの自分に接してくれた、となるのか。。
裁判傍聴も人生で一度体験しておくと色々また見方が変わるのだろうなと思った。
ちむどんどんする
いつうちなーぐちで話すかドキドキしながら見てたさ〜
なわけないけど、久々にスクリーンで見る黒島結菜さんの猟奇的殺人犯の演技は、何か良く無いことを心に秘めてるような企んでるようなこちらを不安にさせる僕っ子で随分と惹かれるものはありましたが、多分よく似た僕っ子にお願いしようとしたけどトイファクと揉めたか演技的に問題あったかで難航したのかなと。
柳楽優弥さんは序盤の「結婚しようぜ!」の破天荒加減が秀逸でさすが銀魂の土方隊長がハマり役って感じだったのに、だんだんとキャラが丸まってしまい感情移入すら突っぱねる感じがどんどん薄まっていってしまったのが残念でしたね。今どき主人公がタバコ吸ってるのも珍しいし。そもそもこれって何年くらいの時代設定なんだっけ?
トップカットの空撮といいスーツケースからの木の葉を跨いだ視点の上昇といいドローン使った絵はとても良かった。構図とかもところどころ印象的なんだけど空想と現実の境目みたいなののメリハリが曖昧だったのが没入できずに腕組んで見始めちゃった原因でもある。
内容的にはもう少しふたりの駆け引きだったり紆余曲折があったりするはずなんだろうけど(原作未読)とにかく隔てられてた2人が法廷でフィジカルに接触するシーンがクライマックスなはずなのにそうでもなくてね。最近の日本映画って圧倒的に毒親の話多いけど失われた20年のツケがどっと回ってくる2020年代ってことなのかしらね?
SPEC以来久々に堤監督の作品見たけどやっぱ色々日本映画はきついね。ハリウッドの作品とか海外の話題作が途切れてる今こそ攻め時なのに…キー局気づいてるのかなあ?最後の悪あがきかなあ?ネフリ一強時代来ると鑑賞料金また上がりそうで嫌だな。
とはいえ感動した!とか伏線回収素晴らしい!って褒めてる人多いのが救いです。私自身はいまいちハマらなかったですスイマセン
そろそろauマンデーは絶対映画館で映画観る!って意地になるのもやめる時期かもしれない。とはいえ今週末公開の哀れみの3章とベイビーわるきゅーれに期待!
それでは!ハバナイスムービー🎞️
確たる柳楽優弥の存在感
異色の恋愛映画
心に残る作品
全てがマイルドで惜しい
連続バラバラ殺人の容疑で逮捕された死刑囚である女・品川真珠(黒島結菜)と、被害者遺族の少年が児童相談所の担当職員である夏目アラタ(柳楽優弥)の名前を無断で使用し文通していた
ある日、真珠から「一度お会いできませんか」という手紙を受け取った少年は、まだ見つかっていない父親の首の遺棄された場所を知る大きな手がかりになるかもしれない と、アラタに相談を持ちかける
アラタはそれを了承し真珠との面会に臨むが…
という所からこの物語は始まります
正直原作の独特の空気感を出せていない、見やすいように皆マイルドなキャラクターになっているなぁと感じました
最後はサイコスリラーやサスペンス要素を一気に大団円ルートに持っていく為か突然雰囲気が変わってしまい
終わったあとは何か…ちょっと気を衒ったラブストーリーだったな…みたいな印象になってしまった
若い層や万人ウケを狙うならばこれで良かったのかもしれないけど、元々が少しニッチな層にウケる設定・雰囲気の作品な為、個人的には少しがっかりしてしまいました
狙える層が狭いかもしれないけど独特の攻めた雰囲気の作品から、綺麗にまとめたけど器用貧乏な代わりに万人から嫌われにくい作品になったなと
また、せっかくの柳楽優弥くんの演技を〝わかりやすさ〟のために潰してしまっている気がしました
彼は沈黙や静の演技もとてもお上手だと思うので、アラタにあえて話させない事でも表現させてあげて欲しかった
説明口調の頭の中の台詞が多過ぎて、これでは演技の必要がどんどん無くなってしまう
また、原作のアラタの基本的に根はいい奴だけど少しチンピラ感のある粗野な感じこそが今の柳楽くんには合うと感じていたので
アクの減った劇場版のアラタでは、柳楽くんであるメリットを減らしてしまっていました
真珠のキャラクター性も同じく、不気味で気持ち悪い女なのに、どこに魅力を感じるのか…いつの間にか操られそうな、気を抜けば(死刑囚なんだから塀から出られるはずがないのに)隣に立って居て突然刺されるのではないか?どこまでも底が知れない、掴み所が無いのに突き抜けている
気持ち悪いし怖いのにどこかエロティックで、こちらが勝手に少女性を感じたり
それらの印象さえもすべてが真珠の思惑通りなのか?と感じさせる
そんな独特の気持ち悪さと魅力が、何だか結局は普通の健気で可愛い女の子…にされてしまっていた
そして友情出演の佐藤二郎さんが出て来た瞬間から、彼の怪演に持っていかれ過ぎです…
佐藤二郎さんほどの方をあくまで脇役にも関わらずある程度自由にやらせるのであれば、メインのキャストにはもっと自由に、思い切りやらせなければバランスが崩れてしまいます
2時間という時間で書ききれないほどの内容だったかもしれないというのはありますが、それでも
欲しい演出や表現が足りないせいで、それぞれの人物のキャラクター性や話の内容、感情の機微が薄過ぎる印象になっている
人物の考え方や背景の描写が薄いあまりに突破なだけの行動をしているようになる時がある
また、その突飛な行動も不気味さを演出したり、筋のあるおかしな奴特有のもの…という訳ではなく、ただのご都合主義設定になってしまっている
全てが薄まってしまった上でラストの突然のラブストーリー展開、これが更にこの作品をチープに感じさせてしまっていると感じます
伏線の回収も原作では真珠側でそんなに大きな要素となっていなかった〝匂い〟で雑に纏めてしまった
原作から改変されている部分や内容も、とりあえず綺麗にまとめる為に丁度いいからしただけ感がありました
(原作を知っていたり柳楽優弥くんの演技を楽しみにしていたからというのも大きいですが)全体的に全てが少しずつ惜しい作品になってしまっていました
ただ、原作を見ずにこの映画だけを見れば
それなりに綺麗にまとまっていますし、若いカップルなどが一緒に見るのであれば良い雰囲気の作品ではないかなと思います!
エンタメ作だからこその実力
なぜバラバラに?
原作未読だが、平均点の高さに惹かれて鑑賞。
連続殺人犯「品川真珠」(黒島結菜)が捕まるが、完全黙秘を貫く。被害者たちはバラバラにされて捨てられていた。被害者の一人の息子が、父親の首を見つけ出したくて、児童相談所の職員「夏目アラタ」(柳楽優弥)を名乗って真珠と文通を始める。それを知ったアラタ本人が、「俺が見つけてやる」と少年に約束し、拘置所を訪ねて真珠と面会。首の行方を訊き出そうとするが、はぐらかされる。これは一筋縄ではいかないと感じて、「お前と結婚してやる」と申し込む。すると真珠が「自分は誰も殺してない」と言い出して――といったストーリー。
柳楽さんは、ただの「正義の味方」ではない、不良少年上がりのひと癖ある男を好演している。朝ドラが酷評された黒島さんも、本作では底の知れない容疑者を怪演している。
伏線もよく回収されている。ただ、真珠の殺人は1件を除いて自殺幇助なのだが、ではなぜ遺体を解体しなければならなかったのかという疑問は残る。
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