「トランスフォーマーZERO」トランスフォーマー ONE 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
トランスフォーマーZERO
『トランスフォーマー』通算8作目にして、初のアニメーション。
VFXを駆使したド派手なロボット・アクションが売りなのに、アニメーションなら昔のアニメシリーズと同じじゃ…?
いやいや。そこはさすがのハリウッド・ハイクオリティーCG。
実写ではまだ本格的に舞台になっていないトランスフォーマーたちの母星“サイバトロン”。
近未来感と高度文明。地下世界、地上世界、高層ビル群並ぶ大都市…。
そこで繰り広げられる冒険。逃走&追跡のアクション…。
ロボット・バトルは勿論。
魅力や醍醐味は損なわれていない。
タイトルには“ONE”と付けられているが(ちゃんと意味あり)、話的には“ZERO”。
荒廃する前、栄えていた惑星サイバトロン。
その地下世界で採掘業に従事する二体の若いロボット、オライオンパックスとD‐16(通称“ディー”)。後のオプティマスプライムとメガトロン。
後に敵対するこの二体が親友同士なのも驚きだが、オライオンは無鉄砲でディーは真面目。何より二体共、トランスフォームが出来ない。
どうやってトランスフォーム出来るようになったか、性格の変化、敵対するようになったかがドラマ展開の肝。
採掘現場の上司ロボにコケにされ、有能ロボのエリータ‐1のお小言を聞き、日々の労働にうんざり。ある時、オライオンとディーはレースに飛び入り参加。結果的に敗れてしまうが、トランスフォーム出来ないのに奮闘し、会場を沸かせた二体を“憧れ”が褒め称える。
英雄センチネルプライム。かつて侵略者=クインテッサに仲間を皆殺されても未だ闘い続けている。
興奮する二体。が、怒った上司ロボにより最下層のゴミ処理場に。
そこでウザハイテンションのB‐127(通称“ビー”)と出会う。後のバンブルビー。
ビーが“友達ロボット”を紹介していると、謎のメッセージが。かつてセンチネルと共に闘ったアルファトライオンで、失われたエネルギー源“マトリクス”の在り方を示し…。
ディーの制止に聞く耳持たず、オライオンはマトリクス探しの冒険へ。ビーや同行するハメになったエリータの協力を経て、地下世界を抜け出し地上世界へ。
追っ手やクインテッサの襲撃などピンチをくぐり抜け、メッセージの発信地に。
そこにはかつての闘いに敗れたプライムたちの亡骸。皆再起動不可だが、アルファトのみ辛うじて再起動可。
再起動したアルファトから衝撃の真実…。
プライムたちを殺したのはクインテッサではなく、センチネル…!
センチネルは皆を騙し、クインテッサと取引していた。
その時マトリクスを手中にしようとしたが、マトリクスは消滅。相応しい者にしか手に入れる事が出来ない。
オライオンらがトランスフォーム出来ないのも、センチネルがその能力を起動前に抜き取っていた。
これらの真実を信じられないオライオンたち。
が、その直後、センチネルがクインテッサと取引する場を目撃してしまう。地下で皆が苦労して採掘した“エネルゴン”をクインテッサに。まだ足りず、脅されたセンチネルはさらに労働を増やすと言う。
英雄と思っていたセンチネルの裏切り…。特にセンチネルに憧れていたディーは激しい憎しみを抱く。
この真実を皆に。が、トランスフォーム出来ぬ若造の言う事など誰が信じるか。
アルファトがパワーを与え、オライオンたちはトランスフォーム出来るように。
この能力をどうするかは自分次第。
皆一つ(タイトルの“ONE”)となり、オライオンたちは命運を懸けた闘いに赴くが…。
センチネルに裏がありそうなのは何となく。だって、如何にも胡散臭そうだったし。
やっぱりどころか、クソ野郎。
ディーが憎しみ持つのも分かる。
この憎悪がディーを変えるのも予定調和だが、正直センチネルとの決着より最大のクライマックス。
邪心に染まったディーが暴走。センチネルを圧倒し、命を狙う。
その砲撃の盾になるオライオン。
今君がやっている事はセンチネルと同じだ。
が、親友の哀しき叫びは届かず、砲撃はオライオンを射貫く。
オライオンは遥か地下深く、星の中枢へ…。
(意外と呆気なく)センチネルを倒したディーは新たな支配者になろうとする。我が名はメガトロン!
その頃オライオンは…。星の中枢で全ての源から、失われた筈のマトリクスを与えられる。
仲間や皆を率いたリーダーとしての素質。自己犠牲精神や最後まで友を思う心。正義に溢れた相応しき者に。
それがお前だ。オプティマスプライム!
メガトロンと対峙。新たなプライムとなったオプティマスの力はメガトロンを圧倒。追放を宣言。
かつての親友同士は決別し…。
アニメーションだからか実写より少々青少年向けな作風だが、話は非常に見易く分かり易い。
ビーやメガトロンの後の配下スタースクリームらの登場もお楽しみ。
今回はサイバトロンでの話なので、当然人間は登場せず、シリーズの魅力の一つであるロボットと人間の交流が無いのは致し方ないか…。
オプティマスらはサイバトロンを守る自由の戦士=“オートボット”として。
メガトロンらは“ディセプティコン”を名乗る。
今回はオプティマスとメガトロンの決別まででサイバトロン荒廃となった激戦は次にお預けだが…。
成績が思ったより振るわず次あるか不明だが、いやいや、やってくれよォ~!