ボストン1947のレビュー・感想・評価
全16件を表示
今まで見た中で1番つまらない
これを見るくらいなら服の編み目でも眺めていた方がマシ。星をマイナスにしたいくらいです。
時間を潰す為に1番近い時間だったこれを選びましたが、クソみたいなストーリー、雑なCG、汚い食事シーン、全てが最悪。
どこまで事実に基づいて作られているのか知りませんが、これのどこが感動出来る話なのか不思議でなりません。
自分の確認ミスなのに思い通りにならなかったらもうやらない!帰る!と周りに迷惑をかけ、結局ルールを守っただけの政府側が妥協する羽目になるのは本当に意味が分かりません。ワガママすぎます。ずっと怒鳴っているような喋り方も不快です。
選手は沢山居たはずのに、1人の選手だけを一生優遇し追い続けているのも面白くないです。
ただこれが韓国人だ!と表す映画としてなら最高ですね笑 この1本で二度と韓国の映画は見ないと誓いました。
太極旗にかける思い 国家と民族の狭間で翻弄されたマラソンランナー
日本人唯一の男子マラソン金メダリストとして知られる孫基禎。このベルリン五輪での記録は公式のもので朝鮮半島が独立した後も覆ることはなかった。
本作はかつて植民地支配のもとで祖国を奪われ、名を奪われ、記録を奪われた人間たちの熱きリベンジストーリーである。
日々の生活で国から格別愛されてるという自覚のない人間にとっては自国の国旗に対してさほど思い入れもないだろうが、植民地支配のもと民族的弾圧を受けてきた朝鮮の人々などは自国の国旗にエスニックアイデンティティーを見出すので特に思い入れがあるのだろう。本作はその国旗そのものがテーマになっている。
ベルリン五輪の表彰台での孫基禎と南昇竜が日章旗掲揚の際にうつむいてけして見上げることのなかった当時の写真は有名である。孫たち朝鮮人はご多分に漏れず当時酷い差別を受けていた。選考会で驚異的な記録をたたき出した彼らを選手から外したい日本人コーチはベルリン入りした後の貴重な調整期間にもかかわらず無茶な選考レースを無理矢理行いふるいにかけようとしたくらいだ。それは逆にほかの日本人選手をつぶしてしまうことになるのだが。
孫はこの表彰台では自分たちを差別してきた国の国旗を見上げることはできなかったと自伝には書いている。
彼が生まれたのは日韓併合後であり、この大会後に招かれたドイツ在中の朝鮮人実業家の家に掲げてあった太極旗を生まれて初めて目にしたという。
彼は自分の国の旗はわが民族とともにこうして今も生き続けていることを実感したという。
この偉業達成ののちに彼のあずかり知らぬところで日章旗抹消事件が起きた。民族系新聞の東亜日報が表彰台の孫の胸の日章旗を消した写真を新聞に掲載したのだ。
彼はその快挙により統治下の朝鮮ではいまや民族的英雄として祭り上げられていた。それは彼には青天の霹靂であった。しかし同じ英雄として内鮮一体のプロパガンダに利用しようとしていた日本にしてみれば彼を民族的英雄とした独立運動が再燃することを恐れた。
彼の身は当時の日本にとって英雄から危険人物へと変化し、彼への扱いはとても五輪初の偉業を成し遂げたオリンピアに対するものではなく、政治犯のごとく厳しい取り調べを受け常に監視がつきまとった。
ただ、彼はこのような仕打ちを受けながら恨をつのらせるよりも朝鮮独立後は後進の育成に力を注ぎ、スポーツを通して世界平和を訴える活動に尽力した。
彼を支えた同胞のみならず、支援してくれた数少ない日本人、そして国際大会の場での他国の選手たちとの熱い交流が彼をそうさせたのであろう。特に同じベルリン五輪に出場してメダルを獲得したジェーシー・オーエンスとは生涯にわたり交流があったという。彼も黒人でアメリカでは冷遇され大統領が彼と面会したのは五輪後10年を経過した後だったという。
本作では国旗への思いというテーマを強調するために、後進であるソ・ユンボクのボストンマラソンでのユニホーム問題が描かれている。これは日本から独立を果たしたにもかかわらず朝鮮半島がいまだアメリカの占領下にあり独立を果たせていないことへの無念さを象徴するシーンとして作り手が創作したものだ。実際のユニホームは太極旗と星条旗が二つプリントされたものであり問題はなかった。このあたりの創作は本国公開当時物議をかもしたようである。
史実物はどこまで史実に忠実に描くべきか、作り手の創作はどこまで許されるのか線引きは難しいが、個人的には本作のテーマを強調させるために許容される範囲だと思った。
むしろコースに犬が飛び出して転倒したくだり、あれは創作らしいという記事を目にしたが、孫氏のお孫さんが伝え聞いていたことや「孫基禎 帝国日本の朝鮮人メダリスト」という書籍にも記述があることから事実と思われる。正直こちらの方が創作ならがっかりしただろう。
ちなみにソ・ユンボクがホテルの便器で顔を洗うのは創作だと睨んでいる。
植民地支配によって奪われた民族の誇りを取り戻すために闘った三人のランナーたち。本作はカン監督の熟練の技が光るエンタメ作品であり、テンポがよくてダレ場も一切なく大いに楽しませてもらった。マラソン映画としてはけして外せないクライマックスのマラソンシーンの迫力も圧巻だった。
偉人である孫基禎自身の伝記映画は意外にもまだ作られていないのでこちらの方はシリアスな作品として見てみたい。
ところで前述の有名な表彰台でのうつむき写真はその後大きな影響をもたらした。アメリカが公民権運動に揺れるさなか、メキシコ五輪で表彰台に上がった黒人選手もこれに倣い星条旗を見上げることをしなかった。彼らはキング牧師を支持していた。同じような出来事はそれ以降の世界大会でも続いた。
よくスポーツの大会で物議をかもすのがいわゆるスポーツに政治を持ち込むなという言説である。スポーツ選手はスポーツだけしていればいいんだ、スポーツ以外何も考えるなとでも言いたいようである。
人が政治的意見を述べることは民主主義においては当然表現の自由として保障される権利である。スポーツ選手だから、芸能人だからという理由で制限されるいわれはない。ましてや彼らの主張はある特定の政党を支持するというのではなく、差別などによる人権問題に対して抗議の声を上げているのであってそもそも政治的意見ではないのである。
スポーツマンシップとはスポーツを通して健全な精神を養うことを言うのなら、差別などの不健全なことに異議を唱えることはスポーツマンシップに則った行為といえるのではないだろうか。
むしろアーリア人の民族的優位性を知らしめるためのプロパガンダとして利用されたベルリン五輪をはじめとしていままで散々スポーツを政治利用してきたのが国家であることはいうまでもない。
内容的には感動。でも日本蔑視の盛り込みが心にささる。
全体的にはとても感動。
資金を調達し、ようやくたどり着いた大会。
昔はこういった助け合いってあった、という本当に親身な師弟関係。
いろいろな難題を克服しながら、とうとうボストンまで来た。
ラストランの、ころんだあとの足のふるえはどうやって演技になるのか。
すごくリアル。
そして、ハ・ジュンウのスーツ姿がかっこいい。
この映画でこの感想はどうかと思うが、本当に白い麻のスーツが良く似合う。
さすが主演俳優、と思った。
最初の、日本の国旗を手で隠して引退になったという点で、また日本蔑視の映画なんだとがっかりした。
韓国映画が好きなんだが、こういった部分が中国映画にもある。
子供のころから刷り込まれた日本蔑視の部分が、こんなところに出てくる監督の年代なのかな。
難民国として、国際社会に復帰することの意味は、想像以上に大きなものだった
2024.9.5 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年の韓国映画(108分、G)
戦後の混乱期に国際大会に出場しようと奮闘した朝鮮マラソンチームを描いたスポーツ映画
監督はカン・ジェギュ
脚本はカン・ジェギュ&イ・ジョンファ
原題は『1947 보스톤』で「1947年、ボストン」、英題は『Road to Boston』で「ボストンへの道」という意味
物語は、1936年のベルリンオリンピックにて、日本人名・孫起貞として優勝したソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)が描かれて始まる
彼は「日本人代表として走ったこと」をスピーチで強要され、日章旗を月桂樹で隠したことなどを理由に、マラソン界から追放されることになった
それから10年後、戦争が終わって日本の統治は終了したものの、今度は米ソによる管理体制に入る
ギジョンの功績はレース名を冠するまでになり、そのレースも10周年を迎えることになった
だが、ギジョンは酒を浴びて表彰式に遅れて来るなど、自堕落な生活をくり返していた
ベルリンの盟友・ナム・スンニョン(ぺ・ソンウ)は呆れるものの、再び二人で世界の舞台を目指したいと考えていた
スンニョンは高麗大学のマラソンチームの監督をしていて、そこには貧乏な出身ながらも短縮マラソン(20km)で優秀な成績を叩き出したソ・ユンボク(イム・シウン、幼少期:キム・ジョンチョル)もいた
ユンボクはギジョンに憧れてマラソンを始めていたが、自堕落な彼を見て落胆し、能力の高さから高慢な態度を取り続けていた
映画は、スンニョンがボストンマラソンへの参加を考え、ギジョンを誘う所から動き出す
大会への参加を在韓米庁に打診するものの、担当者のスメドレー(モーガン・ブラッドリー)は「朝鮮は難民国のために、アメリカに入国するためには保証金900万ウォンと在米の保証人が必要だ」と言う
それは本国の決定であり、在韓米軍のホッジ将軍(ロン・ケリー)の発言一つで可能だったが、彼は大会への参加には否定的な立場だった
そこでスンニョンは「ギジョンからプレゼントされた靴で優勝したジョン・ケリー(ジェシー・マーシャル)の記事」を見つけ、彼に手紙を書くことを考える
渋々、ジョンへの手紙を書くことになったギジョン
だが、その返事には「招待はOKだが、ギジョンが監督になること」が条件になっていた
そして、スンニョンは出場のために監督を降り、ギジョンが就任することになった
映画は史実ベースに脚色を加えている作品だが、かなり綿密に再現されていた
難民国認定からの入国の難しさ、在米朝鮮人のペク・ナムヒョン(キム・サンホ)がこぼす「何もしてくれない祖国」という言葉も辛辣なものとなっている
だが、そんな祖国だとしても、ギジョンは太極旗を胸に走る意味を強く感じていて、ボストンマラソン財団の公式会見では自説を語り、その大切さを訴える
その言葉は記者団の心を掴み、運営側は星条旗を外して、太極旗にて走ることを許可するのである
スポ根映画としての成長過程、ユンボクの周囲で起こるドラマなどもサラッとしていて濃密
コメディ要素もユーモアがあって暗くなりそうなシークエンスでも弛緩作用が効いていた
レースシーンも迫力があり、最初から最後まで集中力を切らすことなく鑑賞できるのは良かったと思う
若干のロマンス要素もあって物語に華もあるし、瞬間湯沸かし器のようなギジョンの葛藤もしっかりと描かれていたと思う
公式記録を今更変えることは難しいと思うが、記憶だけは語り継がれて行ってほしいと素直に思えた
いずれにせよ、事前に必要な知識はないが、日韓併合、戦後の過渡期の歴史の流れを知っていないと、なんで米軍?と思ってしまうかもしれない
このあたりは基礎教養の部分で、若干耳の痛い話も出てくるが、これは朝鮮サイドの意識と感覚で描かれているので当然のことだと思う
史実映画としても発見があるし、スポーツ映画としても見応えがあるので、気になっている人は事前情報(レースの結果など)なしで鑑賞しても良いのではないだろうか
感動あり、笑いもあり
知らない話だったのですが、なんとドラマティックな実話なのでしょう。
募金が集まるシーンや朝鮮の国旗が認められたシーンは泣けました。
マラソンのシーンはテンションあがりました。
はじめての飛行機や渡米の珍道中には笑いました。
感動だけでなく笑いもあり、想像していたよりずっと楽しい映画でした。
Runner
実話ベースの韓国映画ということでフラッと鑑賞しましたがこれが最高で最高で、思わず泣いちゃうところもあるドラマ性とスポ根ならではの熱もあって素晴らしい1本に仕上がっていました。
韓国は今でも反日思想が根強いというのは様々な媒体で知ってはいますが、今作を見るとその理由も分からんでもない卑劣な行動があったのも考えさせられましたし、だからこそ自分たちの名前と自分たちの国のためにタイトルを取りたいというその行動力は尊敬しちゃいます。
マラソン選手としての心掛けで喝を入れて、それをもってもっと成長するという王道ながら沁みるシナリオもスポ根好きにはたまらなかったです。
資金面でボストン行きが難航するという難しさもしっかりと描かれており、上の人間は動こうとしないからギジョンが動き回るけれど歯が立たず、それでも諦めなければなんとかなるの精神でめげずに動き続けた姿は本当にカッコよかったです。
自国の旗を胸につけるために尽力する姿も胸熱ですし、そこにいくまでの盛り上がりにも参加したくなるくらい盛り上がっていました。
マラソンを描くという点でも良さが際立っており、ペース配分はもちろん、ナムがラビットになってユンボクを誘導したり、普段の特訓で鍛えられたことによって上り坂も下り坂にも対応できてどちらでもスパートをかけれるという利点を活かして進んでいくところが見応え抜群でした。
フォームもマラソン選手そのものの躍動感で、息を入れるタイミングだったり前進気勢だったりと本物のレースをよりドラマチックに思える演出になっていました。
ラストは王者との一騎打ちで両者共にヘロヘロのはずなのに最後の力を振り絞って駆け抜けていく様子には思わず感動して涙が出ちゃいました。
現地にいた人たちも自国問わず、全身全霊かけて走ってくるユンボクをめちゃくちゃ応援したんだと思いますし、それをすぐに出迎えてくれるギジョンの暖かさ、そして無事に完走したナムも思いっきり抱きしめて泣き笑いというもう盛り上がりまくりで観ているこちらもその場にいるかのような感覚でした。
その後の3人はマラソンのみならずスポーツという面で大きく貢献していて、皆さん90歳を超える大往生までなされているもんですから、本当に健康に元気に生きていたんだなぁと嬉しくなりました。
俳優陣の熱演が本当に最高で、イム・シワンの肉体改造、ハ・ジョンウとペ・ソンウの体全部使った演技とどのシーンを切り取っても見応えのあるものになっていていました。
スポ根ものとして、人間ドラマとして素晴らしい作品でした。
自分の国を誇りに思う、なんて素晴らしいんだろうと目がキラッキラに輝いていました。
鑑賞日 9/2
鑑賞時間 18:15〜20:10
座席 A-5
真面目だった
ボストンマラソンへの出場を目指す韓国のマラソンチームのお話だ。ベルリンオリンピックで金メダルをとっているのに、日本の統治時代だったため韓国の実績としてカウントされず日本を恨んでいる。そのため反日色が濃い。
主人公がそのメダリストで現役を引退して監督になる。お話のポイントが、ボストンマラソンに韓国として認めてもらうことや、予算がないこと、ユニフォームに韓国の国旗を採用してもらえないことなどをとても丁寧に描いているため、さっぱり面白くない。ユニフォームなんて勝手に国旗を縫い付ければいいし、それがダメなら優勝してから国旗を掲げればいいとしか思えない。それが史実なら仕方がないのかもしれないが、ちょっと触れる程度で充分だ。
僕はマラソンを趣味としていて、当時のトレーニングや戦略などをじっくり描いて欲しかった。選手は普段からやたらと、特に山を走っていたからそもそも足が速いくらいの表現だ。どうやってスタミナをつけるかとか、精神面など当時なりのことで今では間違っていることとか、そういう面白さが見たい。
レースが始まると熱い展開で面白い。犬に当たって転んで立ち上がるのも大変な状態になりながら復活して一位って、犬の件がなければ超楽勝だったのではないだろうか。
この歴史、心揺さぶられる
1936年のベルリンオリンピックのマラソン競技で、金メダルを獲得したソン・ギジョンと銅メダルを獲得したナム・スンニョン。2人は朝鮮半島が日本の植民地統治下にあったがゆえ、日本代表選手として日本名で参加せざるを得なかった。
表彰台でユニフォームの日章旗を隠したことでソン・ギジョンは選手の引退を余儀なくされ、第二次世界大戦が終わり日本から独立しても、メダルの記録は日本のままだった。
そんな身を切られるような思いをしたソン・ギジョンはその後、祖国で英雄となったが、無気力で物臭な日々を過ごしていた。
英雄ソン・ギジョンの名前の付いたマラソン競技で、1位獲得した若者のソ・ユンボクは、幼い頃からソン・ギジョンに憧れていたが、表彰式に現れたソン・ギジョンの酒臭く興味のない様に失望してしまう。
若者達にマラソンの指導をしていたスンニョンはユンボクの才能を目の当たりにして、ボストンマラソンに出場させようとユンボクを誘うが、ユンボクは病気の母親の為に金を稼ぐ必要があり、賞金がないと分かった以上とにかく金を稼がなければならなかった。
ギジョンと同じようにベルリンオリンピックで苦い思いしたスンニョンは、朝鮮から若いランナーを輩出すべく、若者達にマラソンの指導をしていた。
ボストンマラソンに若者を出場させようと奮闘するスンニョンに説得され、ギジョンは動きだす。そしてギジョンが監督をすることを条件に何とか道筋を見出す。
ユンボクに病気の母親がいることを知ったスンニョンは、その手助けをすることでユンボクをチームに迎え入れることができ、ユンボクも母親の為に一生懸命練習に励んだ。
だが、ユンボクの母親が病気とは知らないギジョンは、ユンボクが金の為に走っていると疑わず辛く当たってしまい、ユンボクはチームを出てしまう。
ギジョンはスンニョンに連れられ、ユンボクの母親の入院している病院へ。そこでユンボクの母親の深刻な病状を知る。
そんな中ユンボクの病気の母親が亡くなってしまい、母親のユンボクに走らせてあげたかったという思いを胸に、ギジョンたちはまたユンボクをチームに参加させる。
ここからが本格的にチームの奮闘がはじまる
ギジョンもスンニョンも指導に力がはいり、ユンボクも過酷な練習に励んだ。そして実力はギジョン以上と言われるまで成長した。
ギジョンはボストン行きの道筋を何とか見出すが、朝鮮は難民国とされ米国に入国するのに保証金を求められる。その保証金の問題を解消できずボストン行きは難しいとされたが、ユンボク達に期待し応援する人たちの心を動かし、その募金で保証金を解決することができた。
そしてギジョン、スンニョン、ユンボクはようやくボストン行きが叶いいざ!
だがまたボストンでも、アメリカに保証されるからにはユニフォームは星条旗でなければならなかった。またも同じ屈辱を繰り返すのか、いや、何としてでも朝鮮の太極旗を胸に走らなければ!
ボストンでの保証人としてあつらえられたペク・ナムヒョンは、この国は何でも金だといい、いい加減で本当に保証人が務まるのか不安だが、太極旗を勝ち取る会見での通訳はいい仕事をしてくれた。
頑として星条旗を条件と譲らないアメリカ側に、3人の熱意が伝わり、会見に来ていた人達をも巻き込んで太極旗を勝ち取ったのだから。
もうあとはボストンマラソン。
出場はユンボクとスンニョン。
ユンボクのペースを守り、誘導しながら走るスンニョン。
様々な苦い思いを胸に走るユンボクの顔は、凛として揺るぎなく、冷静で、芯の強さを感じさせた。
認知度の低い朝鮮を、実況でも侮っていたが、淡々と走り他国の強者を抜かしていくユンボクに注目し始める。
もうあとは見守るしかない!
1位に躍り出たユンボクだったが、犬を連れていたギャラリーの手からリードが外れてしまい、その犬がコースに飛びだしユンボクと衝突‼️
そんなことあるか⁉️
そして倒れるユンボク。たちまちペースを崩して体が言うことを聞かず立ち上がれない。それでも何とか立ち上がろうと頑張るユンボク。
さっき抜いた強者達にどんどん抜かれてしまう。
マラソンがスタートして間もなく、いてもたってもいられなくなったギジョンは自転車でユンボクの先を追う。そこで倒れたユンボクを見つけて駆け寄る。そしてユンボクが立て直せるよう懸命に声をかけサポートする。
あぁ、何とか立てた。ユンボク 頑張れ!もう涙が止まらない。
そして徐々にペースが戻って再び走り出す。
あぁ。なんだ。もう。本当に涙が止まらない。
そしてもう、凛として揺るぎない、芯の強さを感じさせるユンボク再び。
ここからのユンボクが強かった。強くて素晴らしかった。
なんとまた追い上げ1位でゴール!
そして世界記録まで更新!
あぁ。本当に良かった。
子供の頃、病気の母親の為にお供えを盗みに行ったあのきつい坂道。
母親への思いがユンボクを強くしたのだ。
第二次世界大戦の時代がもたらす背景が如何なるものだったのか、この映画を通してすごく大事なことを学んだ。すごくいい映画だった。
そしてギジョン、スンニョン、ユンボク皆90歳を超えて長生きされたと。感服させられた。
感動して目がウルウル( ;∀;)
日本の統治下に置かれた1936年のベルリンオリンピックでは、旭日旗が描かれた日本のユニホームを着ないとオリンピックには出られなかった。
オリンピックって、アスリートからしたらいつかは出たい夢の晴れ舞台。
どんな状況元であれど、オリンピックに出ることに意義がある、ソン・ギジョンは努力が認められて一位になった。だが、朝鮮人としてではなく日本人としてのレコードになってしまったために表彰台では月桂樹で旭日旗を隠したことにより選手生命を絶たれてしまう。
そこから、ボストンマラソンに参加しないかの呼び声が掛からなければ自堕落の生活だったのだろう。ソン・ギジョンの心に抱える苦悩は云わなくても分かる。
そんなときに、才能あふれるソ・ユンボクとの出会いを機に、自分と同じ辛い目にあわせたくない思いが揺れ動かしたのではなかろうか。
ボストンマラソンのレースの終盤に犬という障害に負けてしまいそうになっても、ソン・ギジョンが的確なアドバイスを行い再び自らのペースを取り戻したソ・ユンボクのゴール前で見せた力強い走りは見ている者の胸を熱くさせた。
中には泣いている人もいた。
私も泣きそうになった。
韓国がまだ国家として承認されていない時代に保証人や保証金の問題、でられないかもしれないを見事に払拭させたソン・ギジョン、ナム・スンリョン、ソ・ユンボクの働きかけも素晴らしいし、突き動かされた国民の優しさも素晴らしい。
称賛に値する作品だと思うヽ(=´▽`=)ノ
走りは謙虚に!
1936年マラソン元オリンピックメダリストのソン・ギジョンとナム・スンニョンが手を組み若手期待のホープ、ソ・ユンボクを1947年ボストンマラソンに韓国代表として出場させようとする話。(実話)
金の問題、マラソン出場が決まるも韓国代表ではなく、他国代表など色々な問題が…。
中盤過ぎ辺りまでは正直ストーリーには引かれず、終盤の韓国代表としてボストンマラソン出場が決まった辺りから熱かった。
ペース配分の為リミッターになってるナル、そのナルの言葉でリミッター解除でごぼう抜きしてくユンボクの姿が熱かった…のも束の間、観戦者の手から放れた犬が飛び出てユンボク転倒。
その直後ユンボクの立てない姿が産まれたての子鹿の様に見えてしまって笑うとこではないけれど1人でツボってしまった…、もといラストのストレートの追い抜き、その途中の回想シーンでの「ソン・ギジョンになる」って言葉とレース結果で感動したし、後からゴールしたナルからの「どうだった」のやりとりも良かったね。
本作終わりの3人のその後には驚いて3人共95歳前後まで長生き…、その秘訣は?キムチ(乳酸菌パワー)?マラソンで鍛えられた心臓?そこがある意味一番気になったかも。
アッサリとした雑な印象のコリアン・ドリーム映画‼️
1936年のベルリン・オリンピックのメダル獲得が、日本人扱いになってしまった韓国の二選手が、戦後の47年、若手選手ソ・ユンボクとともにボストン・マラソンに挑む・・・‼️韓国映画だけにもっとドロドロした展開かと思いきや、爽やかすぎるコリアン・ドリーム映画だった‼️映画はボストンに旅立つまでの前半と、ボストンについてからの後半に分かれます‼️それぞれの人間ドラマとユンボクの母親の病気、そしてボストンでの保証金の工面が描かれる前半‼️母親がいきなり病床で登場するのでそこまで胸に響かないし、保証金の問題もアッサリ解決‼️後半は太極旗の問題とマラソンのシーンなんですが、私が気になったのはマラソンのシーン‼️ランナーとキスをすると結婚できるキスストリートや、心臓破りの坂の設定もイマイチ活かされていない‼️しかもランナーであるユンボクを客観的に描写してあるため、心臓破りの坂や観客の犬によって転倒した際などのユンボクの感情描写がないため、なんとも感情移入しにくいシーンとなってしまったのは残念ですね‼️上映時間が1時間48分と長くないため、もうちょっと時間をかけて場面描写や感情描写に力を入れて欲しかったです‼️
「祖国」「国民」の尊厳
「走る」映画にハズレなし
レースの抜きつ抜かれつのシーンだけでもドラマになります。
孫基禎の、ベルリンオリンピックの屈辱の金メダルの件は知っていたが、南昇竜が銅メダルだったことも、ボストン・マラソンの逸話も知りませんでした。
実話ベースなので、政治的思想等や、近現代韓国史的事実に照らして微妙だったりするようだが、映画としてみたら、熱量のある、爽快な作品でした。
主演の3人が良い。特に、スンニョン「先輩」、ポジティブで、しかも粘り強く、諦めない。35歳にしてフルマラソンに復帰して大舞台で走り、12位で完走したときには見ていてガッツポーズ、心のなかでスタンディングオベーション。奥さんも、奥さんとのやり取りも良かった。
ユンボク、生活のために走り回って自然に足腰と心肺能力を鍛えていたのね、ボストンの心臓破りの丘のシーンでは、お供え物の盗み食いで培った足腰とノウハウで軽快に飛ばす、アクシデントに見舞われながらもいつのまにか優勝争いに食い込んでの回想シーン、「勉強もしないで将来何になるの?」と言う母に、「ソン・ギジョン」と答えた小さいユンボクに涙が出そうでした。
アメリカ側の身元引受人の、胡散臭いけどいい奴なペクさん、良い味です。
最初はお金だけ取っていなくなる詐欺師かと思った。
3人の、いや、朝鮮の人々の念願の、太極旗をつけて走る、が叶ってよかった。
ソン・ギジョンの打ち立てた11年前の記録を、教え子のユンボクが(太極旗を付けて!)破ったところは、実話と知っていても胸が熱くなる。アクシデントがあっても結果がこれなんて、どれほどの選手だったんだろう。
全体的にユーモアがあり、人々の優しさも感じるムネアツ映画でした。
レースのシーンが素晴らしい。カメラワークと実況とで臨場感にあふれ、手に汗握った。
巷の人が、「朝鮮の3大英雄、李舜臣、安重根、孫基禎」と言っていて、伊藤博文を暗殺した彼が英雄とされていることに、改めて日本の憎まれぶりが分かった。日本統治下での無念の金メダルのソン・ギジョンの話なので、こういう話が出てくるのも当然といえば当然ですが。
日本は世界から切り離された島国で、歴史的に国民のアイデンティティーが問われることが少なかったような気がします。さらに日本人は、第二次世界大戦で敗戦した瞬間から、国民とか祖国の尊厳というものにあまりこだわらなくなったかもしれません。(そう思っただけで確固たる根拠はないのでそのように読んでください。)
だからといって、日本の自主独立国としての権利や国益を侵害するような他国の行為を傍観して良しとしているわけでもないと思います。
三人が素晴らしい
冒頭のベルリン五輪での二人の姿は嘘ではない。上がる日本国旗を見ようとしない記録映像が残されている。本名さえ名乗れなかったソン・ギジョンとナム・スンニョンがソ・ユンボクの素質を前に第二のソン・ギジョンにしようとする。本当に三人それぞれの性格がはっきりと分かる。世も名声も捨て投げやり的なソン、友情も若者達も妻も大切にするいかにもいい人!のナム、若い感情をストレートに、気持ちが良いほど出すソ。
・良かったところ。
この三人の繋がり。ナムから何となく渋々監督にされたようなソンが段々と熱くなっていく。というより日本国旗を胸につけ五輪を走った無念さを心に秘めていたのに、そこにふっと火がついて思いを外に出さざるを得なくなったように見えた。ナムが本当にいい。ある時はソンを、ある時はソを包む懐が暖かい。シーンとしては短かったが山の中の道を二人して走った時は鳥肌が立った。そしてソ。雰囲気から真っ直ぐな瞳から意地っ張りなところから何より本番での走りについてはとても書き尽くせそうにない。
ソンが星条旗ではなく太極旗を胸に走ることを望む姿勢にやはり熱くなった。この国の建国は翌1948年であり主催者側は間違っていない。でもそれをソンの思いが超える。かつて否定された自分達。国ではなく存在を認めるよう訴える声に、私に韓国語が分かったらもっと伝わってくるのに!と悔しかった。
そしてソの勝利を喜ぶ人達。ボストンから遠く離れた故郷、いくつかの場所でラジオの周りにできていた人の歓声。アメリカ兵もいて嬉しい。表彰式に流れる曲は「蛍の光」。実際に使われていた時期があったので史実かもしれない。現在の国歌は1948年から。
・あれ…と思ったところ。
実はそれが何かはっきりしない。でも観ている時「違う、そこじゃない!」と思っていた。ナムが何人もの若者達を鍛えるシーンがある。「そうじゃなくて三人を観たい!」と感じたことは確かだが韓国は1950年のボストンマラソンの表彰台を独占するのだから、ソ以外の人材も育てていたと表す必要な要素。でもなぜかじりじりしていた。
その一方で「展開速い、もっとゆっくり観せて!」と感じたのも事実だ。
私が観たかったもの。日本の占領から解放され喜びが来たと全身で感じた人達が前にしたのは祖国の分断、別の者の統治、恐らく貧困。その中で生きようとする姿。
次々に起こる難関にソンとナムが、時にソも加えてじっくりと、すぐ答は出なくても、言葉少なくても語り合う姿。
これらも入れるのは尺で無理かな。
足を運べる映画館も少なく、映画の選り好みがかなりあると分かっている私が言うのもおこがましいが、私が洋画をあまり観ないのは字幕に頼らざるを得なくて、するとどうしても意味を割愛しなければならないからで。そして邦画を観るのは「間」があるからだ。何も言わないで瞳だけで語る時間。それが好きだ。
観ていて息ができなくなる山場はマラソンのシーンだと分かっている。その前にこちらが心の準備をする「間」が欲しかった。それが弱かった。どんどんストーリーが進んでいってしまった。そこが残念だった。
感動
わかってても泣ける。
ゴール間近の回想シーン、(「将来何になるの?」「ソン・ギジョン!」)で涙腺崩壊。
そして1位でゴール。号泣。
日本人でも泣けるんだから、韓国の人たちは感動一入だろうな。
米国独立ゆかりの地ボストンで独立朝鮮の代表として認めるよう訴えるせソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)の姿には胸を打たれた。
当時のソウル、ボストンの街の再現が素晴らしい。
CGというのかVFXというのかはアクションでなくこういう風に使ってほしい。
【“太極旗を胸に、民族の誇りを懸けて走る。”ベルリン・オリンピックのマラソンで金メダルを取りながら日章旗を掲げさせられた朝鮮が、終戦後にリベンジを誓う物語。特に後半の展開はムネアツなる作品である。】
■1936年。ベルリン・オリンピックで日本統治下の朝鮮のソン・ギジュン(ハ・ジョンウ)とナム・ウンニョン(ペ・ソンウ)は日本代表として、日本人の名前でマラソンに参加し見事にソン・ギジュンは金メダル、ナム・ウンニョンは銅メダルを獲得する。
だが、二人は表彰台で日章旗が上がるのを無念の思いで見、ソン・ギジュンは胸の日の丸を隠す様にした事から選手生命を絶たれる。更には記録は日本のままとなる。
そして、終戦後に大韓民国が建国された後はナム・ウンニョンと共にマラソンコーチに就任していた。
その際に出会ったのが、ソ・ユンボク(イム・シワン)だった。
◆感想
■序盤
<ややスローペースの展開である。>
・ソン・ギジュンはやる気の無い生活をしており、自分の名が冠されたマラソン大会の表彰式にも、酒の匂いを漂わせながら登場し、優勝したソ・ユンボクにもそそくさと金メダルを掛けて去る。
・そんな中、ナム・ウンニョンはソ・ユンボクの力量に目を付けるが、ユも又、貧しさと病院にいる母の為に金を稼ぐ日々を送っている。
・だが、20km走で事前練習をサボったために、コースを間違え4位になったソに対し、ソン・ギジュンはもう20km走るように指示するが、ペース配分が掴めないソは一緒に走ったナム・ウンニョンに最後のスパートで抜かれてしまう。
■中盤
<やや、展開のペースが上がる。>
・ソは心を入れ替え、ソン・ギジュンもナム・ウンニョンの協力の基、ソを47年のボストンマラソンへ出場させるように、動き始める。
・だが、混乱期の韓国は未だ”難民国”の扱いで、国際大会参加の資格所得や、米国入国の際の保証金2000弗や保証人の確保に苦労する。
ー この辺りは知らなかった事が多く、興味深く鑑賞する。独立しても、スポーツの世界には色々な柵があったのだなあ。
そして、漸く米国に渡った監督ソン・ギジュンとコーチ兼選手のナム・ウンニョンとソ・ユンボクだが、渡されたユニフォームには星条旗が付いている。保証人(キム・サンホ)らも抗議するが、”難民国”と言う扱いのためだという主催者側の答え。ここで、ソン・ギジュンを演じた若き名優ハ・ジョンウの抗議のスピーチがムネアツである。
”ボストンマラソンは、アメリカ建国が切っ掛けの大会でしょう!何故に私達朝鮮人が、星条旗の付いたユニフォームで走らなければいけないのか!”その熱いメッセージにマスコミ、観客から徐々に沸き起こる拍手のシーンは良かったぞ。-
■後半
<展開は一気にギアがトップ入る。特に、ボストンマラソンのシーンはムネアツである。>
・報道陣も誰もソ・ユンボクを知らない。”日本人か?中国人か?”などと言っている。一方、韓国に残る人達はラジオの前にかじりついて、放送を聞いている。
・レースシーンは特に良い。本格的なトレーニングにより体脂肪率を一桁まで絞ったイム・シワン演じるソ・ユンボクが、細かいピッチで強豪を次々に追い抜いて行く様は、観ていて興奮する。途中、道端で応援していた老婦人の犬がリードを離れて道に飛び出してしまい、ソ・ユンボクが転倒してし次々に強豪に抜かれながらも必死に立ち上がり、再びドンドン追い抜いて行く様。
そして、彼が貧しく小さかった時に道端の神様の供え物の食料を拝借したり、お返しをしたりするために山道を走るシーンが盛り込まれながらも、彼は心臓破りの坂道をピッチを落とさずに強豪たちを抜いて行くのである。ラスト僅かで最後の先頭ランナーに追いつきサッと抜き去ってゴールのテープを切るシーンと、それを遠い韓国で聴いていた人たちがソが優勝と聞いて、沸き立つ姿も良い。
・驚くのは、35歳のナム・ウンニョンが12位に入った事である。凄いなあ。
<今作は、漸く日本から独立した韓国が、ボストン大会で太極旗を胸に悲願のマラソンの優勝を果たす過程を、当時の時代情勢を背景に描き出した作品である。
特に、ソ・ユンボクが太極旗を胸に疾走するボストンマラソンシーンは観ていて興奮するし、感動する。そして、最後は爽やかな気持ちになるのである。
私は、今作は素直に佳き作品であると思います。>
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