ボストン1947のレビュー・感想・評価
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私が国際大会が好きな理由が全て詰まっていた
私は国際大会が大好きだ。
今回のパリオリンピックも連日夜更かしをして、45個中43個のメダル獲得の瞬間をリアルタイムで見ていたほどだ。
けれどそんな私も、ボストンマラソンでこんな感動的な実話があったことをこの映画を見るまで知らなかった。
ただ祖国の国旗を胸に、祖国の代表として、祖国の人々に勇気を与えるために走りたいという想いが、戦争や政治や規則に阻まる苦しさ。もどかしさ。
けれど最後まで決して諦めない姿はとても感動的で、見ていて胸が熱くなったし涙が溢れた。
パリオリンピックでも、ロシアは国として参加することはできず、また難民選手団と括られて出場した選手たちもいる。
彼らの思いはどうだったんだろうと、想いを馳せてしまった。
出られただけでも嬉しいと思っていたのか、国の代表として出場したかったという想いはあったのか…。
私が国際大会が好きな理由は、国の代表として世界と戦う選手たちに、勇気や感動をもらえるからだ。
自分と同じ日本人が、死に物狂いで努力し、世界のトップを掴む姿に何度もパワーをもらった。
国際試合はそういう力があると私は思っている。
映画の演出として、多少ドラマチックにしているんだろうなというところはあったし
舞台やセットや構成は、なんだから朝ドラやスペシャルドラマを彷彿とさせるもので、そこは少し残念だったけれど、ソユンボク役の役者さんの清潔感のある綺麗な顔立ちと綺麗なランニングフォームには見惚れてしまった。
歴史とスポーツの国際試合が好きな方にはオススメな映画。
激動の時代を生きたランナーたちの知られざる物語
これは激動の時代を生きたマラソンランナーにまつわる知られざる歴史ドラマだ。1936年のベルリンから47年のボストンにかけて、3人の先輩後輩、師弟関係のランナーたちが共に力を合わせ、困難を乗り越えゴールを目指す。そもそもオリンピックには個人が国家を背負って挑むという側面があるが、その点、彼らは「どの国に帰属して参加するか」という大前提の部分で苦渋の決断や葛藤にさらされてきた人たちでもある。いざ念願の地、ボストン入りを果たしてからも試練は続き、同様の壁が立ちはだかる。それでも3人が一丸となって逆境を乗り越え、慣れないアメリカ文化に悩まされながら人々の支援や励ましを集めていく逸話の数々に引き込まれずにいられなかった。各々のキャラのタイプが絶妙に異なっているのも成功を呼び寄せる大きなポイント。短所を補い長所を活かし合う彼らが、肩を組みつつ、魂のバトンをつなぎ合っているようにさえ見える姿が感動的だ。
祖国の国旗をつけて走る喜び
ソウルオリンピックの開会式、聖火ランナーとして孫基禎が大きく手を振り登場し、韓国国民が万雷の拍手をしているシーンをよく覚えている。1988年のことだからその時76歳。ベルリンオリンピックから52年、この映画の舞台ボストンマラソンから41年経っていた。
ベルリンオリンピックでは日本国の金メダルと記録されているが、朝鮮人だからだろうが日本ではその事実はそれまでほとんどテレビ等で知らしめることはなく、このソウルオリンピックの時に初めて知った。
映画では表彰式で日章旗を隠したことの制裁で選手生命を絶たれたエピソードがあった。今からでも遅くないからソン・ギジョンの金メダルもナム・スンニョンの銅メダルも日本は韓国の記録に変えてあげてもいいんじゃないかと思う(不寛容な我が国やJOCにそんな芸当は出来ないだろうが)。
日本統治終了後の1947年において朝鮮はアメリカ占領下で難民国。映画の通り、途轍もない苦労をしたであろうソン・ギジョンはボストンで見事ソ・ユンボクを優勝に導き、更に1950年には1位から3位独占の偉業を成し遂げた。本命はオリンピックでのマラソンの金メダルだろうが、それは朝鮮戦争などの混乱で時期が遅れ、1992年バルセロナオリンピックでのファン・ヨンジュの金メダルでようやく念願が叶う。
不屈の努力でスポーツの世界で栄光を掴む物語は数多くあるが、国家の運命に翻弄されながら成し得たソン・ギジョンの歴史は別格の重みがある。
素直にいい涙を流すことができた良作でした。
ありがとうございます。
「ボストン1947」日本の植民地統治下のベルリン五輪で金メダルを獲...
祖国の国旗
マラソン✖️民族独立の物語なんて感動するしかない
スポーツはそんなに好きな方ではないんですが、マラソンは何故か泣くほど感動します。
あの苦しそうな顔や、勝っていてもどこで引っくり返るかわからない長いレース、見てるだけで無条件で応援したくなります。
そんなマラソンを題材に、属国扱いの朝鮮が国旗を掲げて、見事オリンピックで金メダルを取る。嘘みたいな実話で、本当に感動しました。
たぶん本当の事なんでしょうが、「君が代」の歌詞だけを変えて、日本の国家を無理矢理歌わせていた場面は恥ずかしく辛かったです。
ただ統治するのがグローバルスタンダードだった時代の慣習を、現在の人間が見て反省するのはいいとしても、非難するのはお門違いだとは思っています。
感動した理由の一つに、現代的な科学トレーニングや機能的な道具がない時代の、根性論的なアドバイスや、修行みたいな練習が良かったですね。
効率的じゃないけど、気持ちが熱い。そんな時代のオリンピックもいいですね。
また知らなかった韓国の歴史に触れました。
実話ベースの王道スポ根
孫 基禎
歴史を知ろうと思った
忘れてはならない事
1936年のベルリン五輪のマラソンで優勝したにもかかわらず、韓国併合以後の日本人として金メダルを受賞せざるを得なかった孫基禎(ソンギジョン)氏の名は知っていた。しかし、戦後にはコーチとして世界記録でのボストンマラソン優勝者を生み出していたとは全く知らなかった。日本人としてこれは知っておかねばならないだろう。
東亜日報は、孫基禎氏の五輪マラソン金メダル受賞式の写真から胸の日章旗を削除して紙面に掲載し、日本から無期限発刊停止処分を受け、孫氏も(記事掲載に直接の関りはないが)マラソンからの引退を強制された。この事も知っておかねばならない。
更に、JOCのHPでは、歴代「日本人」メダリストの中に今も孫基禎氏の名を留めている。
孫基禎はソン・ギジョン
先に公開のソウルの春に続いて現代史の中の事実を基に脚色した韓国映画。粛軍クーデターネタのあっちと比べると、民間スポーツの話だけにエンタメ度は高く、テンポよく進むベッタベタな展開ながら、わかっちゃいるけど泣かされる。
三丁目の夕日的なアンバーな画面だったり、ボストンまで行くのに何回飛行機乗り継いでんだ?などあの時代へのノスタルジーも素直に味わえる。レースシーンのリアリティをあまり気にしない方向での感動演出には目を瞑るとしても、いくらなんでもその体型でマラソン選手ってのは無理がありすぎなんじゃないすか、ナム先輩…。
日帝の支配からやっと独立かと思いきや今度は米軍の統治、その後は朝鮮戦争で南北分断、さらには民主化までの長い道のり…と、そんな隣国の苛烈な過去をよそに経済成長を遂げてきた戦後昭和の我がジャパン。当時の絶好調ぶりのツケが今になって回ってきてるという気がしなくもない。
スポ根に史実にサクセスストーリー
とてもわかりやすい映画、しかも多少の予備知識もあったのに泣けました。
終戦後、日本から解放されたばかりなのにアメリカの管理下にあるという時代の韓国が舞台。
ベルリンオリンピックで韓国人ながら、日本代表として金メダル銅メダルだった2人が、指導者として祖国を背負ってボストンマラソンを目指す実話ベースな映画です。
日本人として複雑な思いになるシーンもありますが、決して反日な感じではなく当時の風潮を簡潔に表しているのでしょう。
指導者の2人と若き天才ランナーのやり取りが良くて、どうしてもそちらに感情移入してしまいます。
紆余曲折あってボストン入りしたのにさらなる受難が降りかかり諦めずに立ち向かう、その集大成としてのレースなんて、そりゃ泣きますよね!
実話ってところがまた感動が倍増です。
1日1回だけの上映でしたが、スキマ時間に鑑賞して良かったです。
アイデンティティ
笑って泣けて手に汗握って大感動
1936年から1946年の韓国。
ソン・ギジョンとナム・スンニョンから、
ソ・ユンボクへバトンを繋ぐように、
祖国への思いを胸に、強い覚悟を持ってレースに挑む
マラソンランナーたちの姿を実話に基づいて描いたヒューマンドラマ。
日本人として胸が痛むところもありますが、
母国を大切に思う気持ちに、非常に心を揺さぶられました。
あの時代だからというのもあるのでしょうが、
今の自分に祖国に対して、こんな想いはないなぁ…と、
我がことながら少し残念に思ってしまいました。
監督の脚色による紆余曲折な展開の効果も感動を倍増させてくれましたし、
ラストのボストンマラソンのシーンは、実話なので結果は判っていても、
手に汗握る迫力で、ゴールした瞬間、泣きながら心の中で拍手喝采です。
ソン・ギジョンとナム・スンニョンの友情関係も、
ソ・ユンボクとの師弟関係も、温かくてステキでした。
補足ですが、
たまに、ソン・ギジョン役のハ・ジョンウさんが大鶴義丹さんに、
ソ・ユンボク役のイム・シワンさんが若いときの鶴見辰吾さんに、
勝手に脳内変換されてしまう時がありまして、ひとりツボってました。
祖国の国旗と国歌は言葉では言えない誇りがあるんだと
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