ボストン1947のレビュー・感想・評価
全75件中、61~75件目を表示
お勧め出来る内容でした
実話という事だが戦前の昔の事だし、聞いた事もない知らない話だが評価も高いようなので鑑賞してみる事に。
結果はとても感動的で久しぶりに目に熱い物が2度も込み上げてくる内容でした。
ボストンへ行くまでの苦難での一度目、そしてボストンマラソン大会での感動的なラストで2度目!
韓国国内でさえ批判される作品は確かに見ても厳しい…。
今年312本目(合計1,404本目/今月(2024年8月度)37本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
実はこの映画は韓国国内ではものすごく否定的に取り上げられていて、政治的思想等とは別に近現代韓国史については相当な資料が残っているものの、それに真っ向から矛盾する内容であることで、いわゆる「告発サイト」(この映画がいかにダメか、みたいなものを証拠を出して指摘するサイト)も国内だけにとどまらず英語でも書かれているし、何ならそれを個々出して指摘する動画(youtube)もあり、確かにそれらを突き合わてみるとかなりの問題点があるんじゃないか…と思います。もちろん、日本から見て、「日帝」の表現がどうだの「東海」の表現がどうだのといったことではなく(それは韓国の映画としてそういった表現は十分理解できる)、そもそも論として「なんでここまでこうしたの?」というような解釈が多く、しかも根本から否定するような部分の改変になっているのが厳しいところです。
それらを否定するともはや作品から色々消されて「無」しか残らないために「無」をみていることになってしまうところ、確かに近現代の韓国史については、例えば朝鮮戦争や「北の存在」、あるいは1990年頃まで民主化がされなかったことによる色々な政治思想にかかわる事件の扱い(「南山の部長たち」など。一つの説と断ってはいるが、ご遺族の配慮か何もかも登場人物が架空)や、あるいは済州島事件、麗水順天事件他確かに「配慮が必要だろう」という映画は近現代韓国史にはあります。もちろん日本でも、つい最近の最高裁判例が示した強制不妊手術の歴史やあるいはハンセン病への施策など一般的に「眼をつぶりたくなる」ことがないわけではないので、そこはまぁ「お互いそう」とは言えますが、この映画は「どうでもいい部分で改変していて無茶苦茶」という部分になります。
個々気になる点は以下の通りです。
なお、評価にあたっては、上記の「告発サイト」ほか、KBS(韓国の国営放送。NHKにおよそ相当)の映画解説、海外の評価サイトなども加味した上でネット上で読める範囲で論文等で整合性を確かめたもの、大阪市立中央図書館等で確認が取れたものになります。
--------------------------------------------------------------------------------------------
(減点0.5/太極旗をつけてマラソンを走ることについての論争は実際にあったか)
まずこの問題です。確かに当時のアメリカ軍は韓国を事実上支配していたため、「純粋な意味で」韓国を象徴する太極旗「だけ」を着用することにはひと悶着ありました。ただ、政治思想とスポーツ参加は別というのが当時のアメリカの考えで、アメリカ国旗と太極旗を組み合わせたデザインで最初から用意していたほか(このことは当時の写真が複数存在し、「告発サイト」でも確認が取れる)、アメリカもこれを許容していたのです(アメリカは日本のとった方法に対して、アメリカが支配していた中でも「日本とは違って民族の象徴となるものを着用することは禁止しない」という立場であったし、またその後の朝鮮戦争に備えてあえて着用を許すことでソ連・中国(当時)をけん制する狙いがあった)。
(減点0.5/保証金は誰が出したのか)
映画内ではアメリカ政府の協力が得られず、やむを得ず国内から募金が集まりという展開になっています。確かに国内(韓国の成立は1948年ですが、便宜的に使用。以下同じ)での協力はありましたが、アメリカの統制下にあった当時でも「国内の募金他では無理だろう」ということは軍幹部は知っており、また、「韓国が(条件つきとはいえ)参加するなら保証金くらい安いもの」ということで統治下にあった当時も韓国に友好的だったアメリカ軍の人たちが大半を支給しており、それを利用した形になっています(こちらは公文書が現在でも残っていることが告発サイトから示されている)。
(減点0.3/ギリシャ国旗について)
マラソンの参加国は多数にわたりますが、映画内で重要なファクターとなるギリシャ籍の当時の国旗の扱いも変だったという検証があります。具体的には当時、ギリシャ国旗は民間が使えるものと軍隊等が専ら使用できるものと2つ分かれていた(1980年代ごろまで。現在は統一されている)ところ、映画内で登場する国旗が後者(軍隊のもの)であることがこれもまた有志による「告発サイト」で示されていて、この点調べると確かにそうであることがわかります。
(減点0.2/「順天(スンチョン)でマラソン大会を開き…」)
エンディングロール直前のいわゆる「後日談」にあたる部分ですね。
この部分は事実なのですが(順天で毎年、功績者をたたえるマラソンはコロナ下等を除けば開催されています)、日本国内で見る場合、ソウルしか実質出ない状態で「のちに順天で…」といってもわかる方は少ないのではといったところです。
※ この点は、翌年(1948年)に麗水順天事件で順天はその抗争の真っ只中にあり、実際にマラソン大会が開けるような状態だったのかという疑問点はある程度韓国史を知っていればわく疑問ですが、実際に毎年開催されている(コロナ事情のみ中止されている)ようです。
--------------------------------------------------------------------------------------------
以上のようなことまで考えると、とても「史実通り」とはいえず(実際、韓国国内でさえ「やりすぎ」という反対運動(上映撤回の反対運動)が起きているのは事実で、この点は「史実に基づきますが細部はフィクションです」だけでは済まないので(アメリカを巻き込むなど、国際協調という観点で疑問が残る)、ちょっとどうだったか…といったところです。
後味爽快で最高に清々しい気分になる、熱量たっぷりの快作!!
これが実話というのに驚くのと、また1つ昔の日本政府の愚行を知り呆れました
主役の若きランナー ソ・ヨンボクを演じるイム・シワンさんが本物のマラソンランナーの様で素晴らしかった、相当に脂肪を落としたらしく無駄のないアスリート体型を作り上げていることと、何より走り方が凄い、上半身が全くブレず疾走する姿がメチャクチャかっこよかった
伝説の金メダル選手ソン・ギジョンを演じるハ・ジョンウさんがイイ男ですごくカッコよかった、自身マラソン選手として屈辱を経験し、その屈辱を晴らすためにソ選手を導く熱き指導者を存在感いっぱいに演じ、とても印象的でした
1940年代の韓国やボストンの素晴らしい映像美をバックに展開する熱いストーリー、そしてローポジションで捉えたマラソンランナー達と並走する迫力の映像と特にラスト15分ぐらいのボストンマラソンのシーンは圧巻!音楽もすごく良くてエキサイティングな演出が素晴らしかったです
三人が素晴らしい
冒頭のベルリン五輪での二人の姿は嘘ではない。上がる日本国旗を見ようとしない記録映像が残されている。本名さえ名乗れなかったソン・ギジョンとナム・スンニョンがソ・ユンボクの素質を前に第二のソン・ギジョンにしようとする。本当に三人それぞれの性格がはっきりと分かる。世も名声も捨て投げやり的なソン、友情も若者達も妻も大切にするいかにもいい人!のナム、若い感情をストレートに、気持ちが良いほど出すソ。
・良かったところ。
この三人の繋がり。ナムから何となく渋々監督にされたようなソンが段々と熱くなっていく。というより日本国旗を胸につけ五輪を走った無念さを心に秘めていたのに、そこにふっと火がついて思いを外に出さざるを得なくなったように見えた。ナムが本当にいい。ある時はソンを、ある時はソを包む懐が暖かい。シーンとしては短かったが山の中の道を二人して走った時は鳥肌が立った。そしてソ。雰囲気から真っ直ぐな瞳から意地っ張りなところから何より本番での走りについてはとても書き尽くせそうにない。
ソンが星条旗ではなく太極旗を胸に走ることを望む姿勢にやはり熱くなった。この国の建国は翌1948年であり主催者側は間違っていない。でもそれをソンの思いが超える。かつて否定された自分達。国ではなく存在を認めるよう訴える声に、私に韓国語が分かったらもっと伝わってくるのに!と悔しかった。
そしてソの勝利を喜ぶ人達。ボストンから遠く離れた故郷、いくつかの場所でラジオの周りにできていた人の歓声。アメリカ兵もいて嬉しい。表彰式に流れる曲は「蛍の光」。実際に使われていた時期があったので史実かもしれない。現在の国歌は1948年から。
・あれ…と思ったところ。
実はそれが何かはっきりしない。でも観ている時「違う、そこじゃない!」と思っていた。ナムが何人もの若者達を鍛えるシーンがある。「そうじゃなくて三人を観たい!」と感じたことは確かだが韓国は1950年のボストンマラソンの表彰台を独占するのだから、ソ以外の人材も育てていたと表す必要な要素。でもなぜかじりじりしていた。
その一方で「展開速い、もっとゆっくり観せて!」と感じたのも事実だ。
私が観たかったもの。日本の占領から解放され喜びが来たと全身で感じた人達が前にしたのは祖国の分断、別の者の統治、恐らく貧困。その中で生きようとする姿。
次々に起こる難関にソンとナムが、時にソも加えてじっくりと、すぐ答は出なくても、言葉少なくても語り合う姿。
これらも入れるのは尺で無理かな。
足を運べる映画館も少なく、映画の選り好みがかなりあると分かっている私が言うのもおこがましいが、私が洋画をあまり観ないのは字幕に頼らざるを得なくて、するとどうしても意味を割愛しなければならないからで。そして邦画を観るのは「間」があるからだ。何も言わないで瞳だけで語る時間。それが好きだ。
観ていて息ができなくなる山場はマラソンのシーンだと分かっている。その前にこちらが心の準備をする「間」が欲しかった。それが弱かった。どんどんストーリーが進んでいってしまった。そこが残念だった。
人々の力が結集した大きな奇跡の物語
敗戦国となった日本の植民地から解放された朝鮮半島ですが、今度は米ソの手によって南北に分断されます。その分断前の1947年のボストンマラソンに挑んだ人たちのお話。これも実話を元にしているということで、歴史というのは本当に様々な事を教えてくれますね。当時韓国が国として認められていなかったなど驚きましたが、実に感動的な素敵な映画でした。
日本の支配の元に日本名で出場したベルリンオリンピック。優勝した表彰式で胸の日の丸を隠したのは祖国への思いから。もう二度とあんな思いはしたくない。
日本代表として走ったソン・ギジョンとナム・スンニョンが今度は祖国のために置いてきた物を取り戻しに立ち上がります。
若きランナーソ・ユンボクと共に目指すはボストンの地。マラソンを走るのに必要なのは怒りではなく謙虚だと言う言葉が響きました。
様々な困難や苦悩が次々襲い掛かりますが、彼らを支えたのは仲間たちだけでなく、ボストンへ行かせようとお金を出し合ってくれた人など多くの民衆の力でした。
その思いはただ一つ。祖国の誇りを取り戻したい。その思いがこの偉大なる奇跡を起こしたのでしょう。いや、現地ボストンでの人々の後押しも忘れてはいけないですね。
日章旗でも星条旗でもなく太極旗を胸にしたレースシーン胸が熱くなります。
覚悟を持って挑む人の思いがもたらす力は無限の可能性を秘めているのだと教えてもらいました。
いい映画を見ました
感動
わかってても泣ける。
ゴール間近の回想シーン、(「将来何になるの?」「ソン・ギジョン!」)で涙腺崩壊。
そして1位でゴール。号泣。
日本人でも泣けるんだから、韓国の人たちは感動一入だろうな。
米国独立ゆかりの地ボストンで独立朝鮮の代表として認めるよう訴えるせソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)の姿には胸を打たれた。
当時のソウル、ボストンの街の再現が素晴らしい。
CGというのかVFXというのかはアクションでなくこういう風に使ってほしい。
【“太極旗を胸に、民族の誇りを懸けて走る。”ベルリン・オリンピックのマラソンで金メダルを取りながら日章旗を掲げさせられた朝鮮が、終戦後にリベンジを誓う物語。特に後半の展開はムネアツなる作品である。】
■1936年。ベルリン・オリンピックで日本統治下の朝鮮のソン・ギジュン(ハ・ジョンウ)とナム・ウンニョン(ペ・ソンウ)は日本代表として、日本人の名前でマラソンに参加し見事にソン・ギジュンは金メダル、ナム・ウンニョンは銅メダルを獲得する。
だが、二人は表彰台で日章旗が上がるのを無念の思いで見、ソン・ギジュンは胸の日の丸を隠す様にした事から選手生命を絶たれる。更には記録は日本のままとなる。
そして、終戦後に大韓民国が建国された後はナム・ウンニョンと共にマラソンコーチに就任していた。
その際に出会ったのが、ソ・ユンボク(イム・シワン)だった。
◆感想
■序盤
<ややスローペースの展開である。>
・ソン・ギジュンはやる気の無い生活をしており、自分の名が冠されたマラソン大会の表彰式にも、酒の匂いを漂わせながら登場し、優勝したソ・ユンボクにもそそくさと金メダルを掛けて去る。
・そんな中、ナム・ウンニョンはソ・ユンボクの力量に目を付けるが、ユも又、貧しさと病院にいる母の為に金を稼ぐ日々を送っている。
・だが、20km走で事前練習をサボったために、コースを間違え4位になったソに対し、ソン・ギジュンはもう20km走るように指示するが、ペース配分が掴めないソは一緒に走ったナム・ウンニョンに最後のスパートで抜かれてしまう。
■中盤
<やや、展開のペースが上がる。>
・ソは心を入れ替え、ソン・ギジュンもナム・ウンニョンの協力の基、ソを47年のボストンマラソンへ出場させるように、動き始める。
・だが、混乱期の韓国は未だ”難民国”の扱いで、国際大会参加の資格所得や、米国入国の際の保証金2000弗や保証人の確保に苦労する。
ー この辺りは知らなかった事が多く、興味深く鑑賞する。独立しても、スポーツの世界には色々な柵があったのだなあ。
そして、漸く米国に渡った監督ソン・ギジュンとコーチ兼選手のナム・ウンニョンとソ・ユンボクだが、渡されたユニフォームには星条旗が付いている。保証人(キム・サンホ)らも抗議するが、”難民国”と言う扱いのためだという主催者側の答え。ここで、ソン・ギジュンを演じた若き名優ハ・ジョンウの抗議のスピーチがムネアツである。
”ボストンマラソンは、アメリカ建国が切っ掛けの大会でしょう!何故に私達朝鮮人が、星条旗の付いたユニフォームで走らなければいけないのか!”その熱いメッセージにマスコミ、観客から徐々に沸き起こる拍手のシーンは良かったぞ。-
■後半
<展開は一気にギアがトップ入る。特に、ボストンマラソンのシーンはムネアツである。>
・報道陣も誰もソ・ユンボクを知らない。”日本人か?中国人か?”などと言っている。一方、韓国に残る人達はラジオの前にかじりついて、放送を聞いている。
・レースシーンは特に良い。本格的なトレーニングにより体脂肪率を一桁まで絞ったイム・シワン演じるソ・ユンボクが、細かいピッチで強豪を次々に追い抜いて行く様は、観ていて興奮する。途中、道端で応援していた老婦人の犬がリードを離れて道に飛び出してしまい、ソ・ユンボクが転倒してし次々に強豪に抜かれながらも必死に立ち上がり、再びドンドン追い抜いて行く様。
そして、彼が貧しく小さかった時に道端の神様の供え物の食料を拝借したり、お返しをしたりするために山道を走るシーンが盛り込まれながらも、彼は心臓破りの坂道をピッチを落とさずに強豪たちを抜いて行くのである。ラスト僅かで最後の先頭ランナーに追いつきサッと抜き去ってゴールのテープを切るシーンと、それを遠い韓国で聴いていた人たちがソが優勝と聞いて、沸き立つ姿も良い。
・驚くのは、35歳のナム・ウンニョンが12位に入った事である。凄いなあ。
<今作は、漸く日本から独立した韓国が、ボストン大会で太極旗を胸に悲願のマラソンの優勝を果たす過程を、当時の時代情勢を背景に描き出した作品である。
特に、ソ・ユンボクが太極旗を胸に疾走するボストンマラソンシーンは観ていて興奮するし、感動する。そして、最後は爽やかな気持ちになるのである。
私は、今作は素直に佳き作品であると思います。>
個人の歴史と国の歴史との交錯
太平洋戦争後、米軍の統治下にあった韓国のランナー達がロンドン五輪出場を目指し、ボストンマラソンから国際レースデビューに挑む物語。劇中に登場するランナー達は実在の人物で、本作は彼らの歩みを基にしている。
韓国のナショナルチームが国際大会に出場した実績がない・出場予定のランナーの記録は公式記録ではなくほぼ見込みのもの・そもそも韓国は他国の統治下にあり独立国家として認知されていない…という復興期ならではの事情が費用以上にチームの頭を悩ませる様は、現代日本の国内で暮らしているとあまり考えることのない、パスポートやビザの役割、国という単位に属する意味を意識させられた。
国内スポーツの灯を絶やさぬよう後進を育てたいスンニョンと、賞金目当てで始めたマラソンの魅力に目覚めるユンボク。ボストンマラソンへ出場することを最優先に考えていた二人が、ギジョンの「国内外の同胞たちに祖国の存在を伝えるために『韓国チーム』として出場したい」という執念を汲んで、チームとしての結束を新たにする流れが熱かった。
本来は彼らの同胞と言えば半島の北側も含まれるのだろうが、韓国の映画であるため、その点については「分断されている」ということしか触れられていない。史実ではギジョン氏の出生地は北側で、劇中でも兄弟が北にいるとされている。
映画『ぼくの家族と祖国の戦争』同様、占領から解放された国の戦後の混乱の一端を知ることができる作品だった。スンニョンやユンボク以外の出場者、そして出場を果たせなかったランナーにも、終戦からこの大会までに様々なドラマがあったのだろう。
劇中の、ランナーを補助する機能を追求し始める前のシンプルなシューズとウェアを見ると、本作の舞台となった時代では、まさに人間の生身の能力を競い合っていたことがわかる。
また、劇中のランナー達はもともとスポーツ教育を受けてきたわけではなく、子供時代の労働が走力や持久力、頑丈さの開花に繋がったと評されてもいる。市民が彼らを応援し活躍に涙するのは、世界の頂点を獲ったアスリートへの賛辞というだけでなく、彼らが体一つで成功した庶民のヒーローだったからでもあるのだろう。
本来のシンプルさのもとでスポーツや競技を楽しむことが恋しくなる作品だった。
パリ五輪の年にオリンピックを考える
走るシーンのダイナミックな構図に、思わず力が入りました。
結末を知っているのにドキドキハラハラ。
最後まで諦めずに走る姿に感動しました。
さすがはカン・ジェギュ監督!
しっかりエンタメ、しっかり感動。
ユンボク選手の脚力を裏付けるエピソードには、人生で無駄な経験は一つもないと思えます。
…そう言えば、私が初めて見た韓国映画は『シュリ』でした。
当時はハリウッドばりのスケールの大きさに驚いたものでしたが
今ではオスカーを受賞するほどですもんね。
そして、エンタメ要素にはユーモアも不可欠!
ちょっと怪しい現地の保証人が良い味出しててお気に入りです。
ナムコーチ夫妻も良き。
この映画を知った時に、小学校の道徳の授業を思い出しました。
あれは、ベルリンオリンピックのソン・ギジョンさんのことだったのか…。
日本人じゃない人が日本人として走らされたことは理解していましたが、それが意味する植民地だったり、民族の尊厳だったりがピンときていなくて。
今更ながら事の重大さがわかりました。
=自分の国の国旗をつけて参加する=
ただ韓国人として出場する為に、その後にもこんなに大変な思いをしていたことを知って驚きました。
そもそも、国境があるから争いが生まれると思うのですが。
決して民族を否定するわけではなく、それぞれの文化を尊重しあえれば共存できるはず。宇宙から見た地球には国境線は無いんだから。
ボストンに着いてからのエピソードにも感動しました。
あと、当時の韓国の国歌も驚きでした。
あれ?既に日本から解放されたのに??と一瞬混乱しましたが、元はスコットランド民謡です。
それでもやっぱり複雑には違いない。
とにかくイム・シワンさんの走りがすごかったです。
とにかくイム・シワンさんの走りがすごかったです。
ドラマ『ミセン‐未生-』を見て以来ずっとイム・シワンさんのファンで演技の上手い俳優さんだなあと思っていました。しかし本作は演技力だけでなく、体当たりの疾走・根性に新たなイム・シワンさんを見た思いです。
イム・シワンさんとペ・ソンウさん本当に素晴らしかったです。二人とも吹き替えを使わず自ら走っておられました。映画に使われたシーンだけでもものすごい距離を走ってましたが、使われなかったシーンも含めてどれだけ走ったのだろうと思いました。
元々走っていた俳優を起用したのかそれとも撮影前に訓練をしたんだろうかと考えながら映画を見ていました。
そして上映後のトークショーで監督さんが1年間体脂肪6%にコントロールしながら演じきったイム・シワンさんを褒めておられましたが本当に長い期間頑張って撮影に挑んだんだなあと改めて感動しました。
凄く気持ちいい実話
涙
金は大事、でももっと大事なもの
マラソンの“日本代表”として1936年のベルリン五輪メダリストとなった2人の元韓国人ランナーが、若きランナーを連れ47年のボストン五輪に“韓国代表”として出場した実話を映画化。スポーツも背景も異なるが、2月公開の『ネクスト・ゴール・ウィンズ』同様、ワンスアゲインスポーツものといえる。
マラソンが題材の映画は、いかんせんマラソン自体地味なスポーツゆえに、いかに人物背景をドラマチックに魅せるかがカギ。その点本作は、祖国を代表しているはずなのに、その祖国から満足な資金協力が望めないばかりか、“難民国”としてアメリカ代表扱いされるという韓国チームの辛さを描いており、そうした事情を全く知らなかった者としては興味深く観れた。お話そのものは類型的ではあるけど、金は確かに大事だが何よりもアイデンティティを失うなというナショナリズムなメッセージは、いかにも韓国らしい。
にしても韓国映画を観る度に思うが、あちらの俳優さんは実に味のあるイイ顔をしている。あと出番少なめだったけど、若きランナーに横恋慕する女性役の女優さんも可愛かった。
全75件中、61~75件目を表示