ボストン1947のレビュー・感想・評価
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市井の人々のパワーが「国」を動かした
韓国の映画と言うと、銃撃戦や裏社会での抗争、国を牛耳る者達の権力争いをメインストーリーにしている作品が多いが、本作は全く違う観点だ。
日本の支配から解放されても自由を掴むことはできず、先進国から「難民国」と見なされている韓国での人々の生き方を垣間見たような感じだった。
実話だから結末は判っているのに、ぐ〜っと力んでしまった。いい作品だったなあ。
祖国のプライド
以下で書ききれませんでしたが、イム・シワンも言わずもがなグッドです。
本日は会員サービスデイ。雨が降ったり止んだりの不安定な天気ですが、ヒューマントラストシネマ有楽町の午前回はほどほどの客入りです。
さて、本作は実話を基にしたストーリーでスポーツ(マラソン)物ということで、感動が約束された王道な作品。勿論、裏切らず終盤の涙腺崩壊は必至なのですが、感心するのは流石のカン・ジェギュ監督、映画が巧い。実話と乖離しすぎないバランスの取れた設定や演出は、けしてお涙頂戴だけの陳腐な作品になっていません。端折ってもいい情報はトントン拍子で進め、感動につながる導線となるシーンこそ丁寧に語ることで、109分という短めな上映時間で上手にまとまっていて感情移入しやすい作りになっています。
主演のハ・ジョンウは相変わらず素晴らしい。時代は日本の統治下から独立し大韓民国が成立したばかり。そのため国際的な立場が弱く認知度すら低い状況で、本当にボストンマラソンに出場できるのか中盤まで紆余曲折が続きます。指導者として、また国の顔として出場実現と勝利のために尽力するソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)。自身が背負う過去「自分たちのアイデンティティを歪められたくない」一心で語る大会前の演説は、もはや説得力しかありません。
さらに本作の肝は名脇役ペ・ソンウ。彼が演じるナム・スンニョンは「国民の英雄」であるソン・ギジョンの先輩であり、ともにベルリンで戦った同志。若きエース、ソ・ユンボク(イム・シワン)に目をつけ、やさぐれ気味のソンを表舞台に引っ張り出してボストンを目指すきっかけとなる人物ですが、人懐っこい笑顔で難しい状況を巧く取り成したり引き受けたりが尊すぎ。それも相まって、終盤は何ならこの人に一番泣かされた気がします。多くの作品に出演し、ドジだったり正体不明だったり、割とコメディリリーフ的な役割が多い印象がありますが、本作の存在感はとても印象的です。あっぱれ。
真面目だった
ボストンマラソンへの出場を目指す韓国のマラソンチームのお話だ。ベルリンオリンピックで金メダルをとっているのに、日本の統治時代だったため韓国の実績としてカウントされず日本を恨んでいる。そのため反日色が濃い。
主人公がそのメダリストで現役を引退して監督になる。お話のポイントが、ボストンマラソンに韓国として認めてもらうことや、予算がないこと、ユニフォームに韓国の国旗を採用してもらえないことなどをとても丁寧に描いているため、さっぱり面白くない。ユニフォームなんて勝手に国旗を縫い付ければいいし、それがダメなら優勝してから国旗を掲げればいいとしか思えない。それが史実なら仕方がないのかもしれないが、ちょっと触れる程度で充分だ。
僕はマラソンを趣味としていて、当時のトレーニングや戦略などをじっくり描いて欲しかった。選手は普段からやたらと、特に山を走っていたからそもそも足が速いくらいの表現だ。どうやってスタミナをつけるかとか、精神面など当時なりのことで今では間違っていることとか、そういう面白さが見たい。
レースが始まると熱い展開で面白い。犬に当たって転んで立ち上がるのも大変な状態になりながら復活して一位って、犬の件がなければ超楽勝だったのではないだろうか。
この歴史、心揺さぶられる
1936年のベルリンオリンピックのマラソン競技で、金メダルを獲得したソン・ギジョンと銅メダルを獲得したナム・スンニョン。2人は朝鮮半島が日本の植民地統治下にあったがゆえ、日本代表選手として日本名で参加せざるを得なかった。
表彰台でユニフォームの日章旗を隠したことでソン・ギジョンは選手の引退を余儀なくされ、第二次世界大戦が終わり日本から独立しても、メダルの記録は日本のままだった。
そんな身を切られるような思いをしたソン・ギジョンはその後、祖国で英雄となったが、無気力で物臭な日々を過ごしていた。
英雄ソン・ギジョンの名前の付いたマラソン競技で、1位獲得した若者のソ・ユンボクは、幼い頃からソン・ギジョンに憧れていたが、表彰式に現れたソン・ギジョンの酒臭く興味のない様に失望してしまう。
若者達にマラソンの指導をしていたスンニョンはユンボクの才能を目の当たりにして、ボストンマラソンに出場させようとユンボクを誘うが、ユンボクは病気の母親の為に金を稼ぐ必要があり、賞金がないと分かった以上とにかく金を稼がなければならなかった。
ギジョンと同じようにベルリンオリンピックで苦い思いしたスンニョンは、朝鮮から若いランナーを輩出すべく、若者達にマラソンの指導をしていた。
ボストンマラソンに若者を出場させようと奮闘するスンニョンに説得され、ギジョンは動きだす。そしてギジョンが監督をすることを条件に何とか道筋を見出す。
ユンボクに病気の母親がいることを知ったスンニョンは、その手助けをすることでユンボクをチームに迎え入れることができ、ユンボクも母親の為に一生懸命練習に励んだ。
だが、ユンボクの母親が病気とは知らないギジョンは、ユンボクが金の為に走っていると疑わず辛く当たってしまい、ユンボクはチームを出てしまう。
ギジョンはスンニョンに連れられ、ユンボクの母親の入院している病院へ。そこでユンボクの母親の深刻な病状を知る。
そんな中ユンボクの病気の母親が亡くなってしまい、母親のユンボクに走らせてあげたかったという思いを胸に、ギジョンたちはまたユンボクをチームに参加させる。
ここからが本格的にチームの奮闘がはじまる
ギジョンもスンニョンも指導に力がはいり、ユンボクも過酷な練習に励んだ。そして実力はギジョン以上と言われるまで成長した。
ギジョンはボストン行きの道筋を何とか見出すが、朝鮮は難民国とされ米国に入国するのに保証金を求められる。その保証金の問題を解消できずボストン行きは難しいとされたが、ユンボク達に期待し応援する人たちの心を動かし、その募金で保証金を解決することができた。
そしてギジョン、スンニョン、ユンボクはようやくボストン行きが叶いいざ!
だがまたボストンでも、アメリカに保証されるからにはユニフォームは星条旗でなければならなかった。またも同じ屈辱を繰り返すのか、いや、何としてでも朝鮮の太極旗を胸に走らなければ!
ボストンでの保証人としてあつらえられたペク・ナムヒョンは、この国は何でも金だといい、いい加減で本当に保証人が務まるのか不安だが、太極旗を勝ち取る会見での通訳はいい仕事をしてくれた。
頑として星条旗を条件と譲らないアメリカ側に、3人の熱意が伝わり、会見に来ていた人達をも巻き込んで太極旗を勝ち取ったのだから。
もうあとはボストンマラソン。
出場はユンボクとスンニョン。
ユンボクのペースを守り、誘導しながら走るスンニョン。
様々な苦い思いを胸に走るユンボクの顔は、凛として揺るぎなく、冷静で、芯の強さを感じさせた。
認知度の低い朝鮮を、実況でも侮っていたが、淡々と走り他国の強者を抜かしていくユンボクに注目し始める。
もうあとは見守るしかない!
1位に躍り出たユンボクだったが、犬を連れていたギャラリーの手からリードが外れてしまい、その犬がコースに飛びだしユンボクと衝突‼️
そんなことあるか⁉️
そして倒れるユンボク。たちまちペースを崩して体が言うことを聞かず立ち上がれない。それでも何とか立ち上がろうと頑張るユンボク。
さっき抜いた強者達にどんどん抜かれてしまう。
マラソンがスタートして間もなく、いてもたってもいられなくなったギジョンは自転車でユンボクの先を追う。そこで倒れたユンボクを見つけて駆け寄る。そしてユンボクが立て直せるよう懸命に声をかけサポートする。
あぁ、何とか立てた。ユンボク 頑張れ!もう涙が止まらない。
そして徐々にペースが戻って再び走り出す。
あぁ。なんだ。もう。本当に涙が止まらない。
そしてもう、凛として揺るぎない、芯の強さを感じさせるユンボク再び。
ここからのユンボクが強かった。強くて素晴らしかった。
なんとまた追い上げ1位でゴール!
そして世界記録まで更新!
あぁ。本当に良かった。
子供の頃、病気の母親の為にお供えを盗みに行ったあのきつい坂道。
母親への思いがユンボクを強くしたのだ。
第二次世界大戦の時代がもたらす背景が如何なるものだったのか、この映画を通してすごく大事なことを学んだ。すごくいい映画だった。
そしてギジョン、スンニョン、ユンボク皆90歳を超えて長生きされたと。感服させられた。
感動して目がウルウル( ;∀;)
日本の統治下に置かれた1936年のベルリンオリンピックでは、旭日旗が描かれた日本のユニホームを着ないとオリンピックには出られなかった。
オリンピックって、アスリートからしたらいつかは出たい夢の晴れ舞台。
どんな状況元であれど、オリンピックに出ることに意義がある、ソン・ギジョンは努力が認められて一位になった。だが、朝鮮人としてではなく日本人としてのレコードになってしまったために表彰台では月桂樹で旭日旗を隠したことにより選手生命を絶たれてしまう。
そこから、ボストンマラソンに参加しないかの呼び声が掛からなければ自堕落の生活だったのだろう。ソン・ギジョンの心に抱える苦悩は云わなくても分かる。
そんなときに、才能あふれるソ・ユンボクとの出会いを機に、自分と同じ辛い目にあわせたくない思いが揺れ動かしたのではなかろうか。
ボストンマラソンのレースの終盤に犬という障害に負けてしまいそうになっても、ソン・ギジョンが的確なアドバイスを行い再び自らのペースを取り戻したソ・ユンボクのゴール前で見せた力強い走りは見ている者の胸を熱くさせた。
中には泣いている人もいた。
私も泣きそうになった。
韓国がまだ国家として承認されていない時代に保証人や保証金の問題、でられないかもしれないを見事に払拭させたソン・ギジョン、ナム・スンリョン、ソ・ユンボクの働きかけも素晴らしいし、突き動かされた国民の優しさも素晴らしい。
称賛に値する作品だと思うヽ(=´▽`=)ノ
走りは謙虚に!
1936年マラソン元オリンピックメダリストのソン・ギジョンとナム・スンニョンが手を組み若手期待のホープ、ソ・ユンボクを1947年ボストンマラソンに韓国代表として出場させようとする話。(実話)
金の問題、マラソン出場が決まるも韓国代表ではなく、他国代表など色々な問題が…。
中盤過ぎ辺りまでは正直ストーリーには引かれず、終盤の韓国代表としてボストンマラソン出場が決まった辺りから熱かった。
ペース配分の為リミッターになってるナル、そのナルの言葉でリミッター解除でごぼう抜きしてくユンボクの姿が熱かった…のも束の間、観戦者の手から放れた犬が飛び出てユンボク転倒。
その直後ユンボクの立てない姿が産まれたての子鹿の様に見えてしまって笑うとこではないけれど1人でツボってしまった…、もといラストのストレートの追い抜き、その途中の回想シーンでの「ソン・ギジョンになる」って言葉とレース結果で感動したし、後からゴールしたナルからの「どうだった」のやりとりも良かったね。
本作終わりの3人のその後には驚いて3人共95歳前後まで長生き…、その秘訣は?キムチ(乳酸菌パワー)?マラソンで鍛えられた心臓?そこがある意味一番気になったかも。
すっごく面白かった 隅から隅まできちんとできてるし、 エンターテイ...
すっごく面白かった
隅から隅まできちんとできてるし、
エンターテイメントとして、秀逸
しかも実話って驚き
独立後に独立国として認められないって、
こんなことがあったなんて知らなかった
韓国の昔の時代設定の作品って、なんかしみじみする
イムシワン、
よくたくさん走りましたね、お疲れ様でした
日本は倒されてませんよ
1936年ベルリン五輪のマラソンで、日本代表として金銅メダルだった半島出身の元選手が、1947年のボストンマラソンにKOREA代表として選手を送り込むために奮闘する話。
1948年のロンドン五輪を目指すも国際大会での記録がないことから、ボストンマラソンに出ようとなって巻き起こっていくストーリー。
ベルリン五輪でのマラソンの結果とかその時の国旗に纏わることなんかは知っている状態で観賞したけれど、この話しは知らずに観賞。
独立したとと言っているけれど、当時は独立はまだ却下され米陸軍の軍政下ですね。
どこまでが事実かは知らないけれど、確かに個々人の頑張りは大したものだし、そして成し遂げられた結果はすばらしかったしで、映画として面白かった。
政治的なことへの言及はしないでうまいこと作られているけれど、ある意味この国らしいなという思想やゴネ得感は流石だった。
こっちも実話か❗️
素晴らしかった!忘れたらいけないこのストーリー
予想以上に素晴らしかった。ハ・ジョンウ、イム・シワンら出演俳優の演技も素晴らしかったし、時代背景から太極旗でボストンマラソンにしたいソンユンボク、ソンギジュンらの熱意、執念がスクリーンから伝わった。
特に、ソンギジュンの名前は韓国に関心がある方は忘れてはいけない。終盤のマラソンシーンは観ごたえあり。歴史背景、アメリカでのアジア差別もこの作品から学べる良作。テーマからして忘れてはいけない出来事でもあり、現在進行形である。
2024年公開の韓国映画ではこの作品がベスト。
アッサリとした雑な印象のコリアン・ドリーム映画‼️
1936年のベルリン・オリンピックのメダル獲得が、日本人扱いになってしまった韓国の二選手が、戦後の47年、若手選手ソ・ユンボクとともにボストン・マラソンに挑む・・・‼️韓国映画だけにもっとドロドロした展開かと思いきや、爽やかすぎるコリアン・ドリーム映画だった‼️映画はボストンに旅立つまでの前半と、ボストンについてからの後半に分かれます‼️それぞれの人間ドラマとユンボクの母親の病気、そしてボストンでの保証金の工面が描かれる前半‼️母親がいきなり病床で登場するのでそこまで胸に響かないし、保証金の問題もアッサリ解決‼️後半は太極旗の問題とマラソンのシーンなんですが、私が気になったのはマラソンのシーン‼️ランナーとキスをすると結婚できるキスストリートや、心臓破りの坂の設定もイマイチ活かされていない‼️しかもランナーであるユンボクを客観的に描写してあるため、心臓破りの坂や観客の犬によって転倒した際などのユンボクの感情描写がないため、なんとも感情移入しにくいシーンとなってしまったのは残念ですね‼️上映時間が1時間48分と長くないため、もうちょっと時間をかけて場面描写や感情描写に力を入れて欲しかったです‼️
映画として面白かった
スポーツ嫌いの私なのですが、マラソンに関する実話が題材の作品なのに、面白いと楽しみ、また感動しました。
第二次世界大戦(太平洋戦争)終戦が1945年。
南北がアメリカとソ連に分割統治され、南側は独立宣言したものの「難民国」扱いでアメリカの属国化が3年続き、1948年には「大韓民国」「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」が建国されつつ南北対立が激しさを増し、1950年には朝鮮戦争が勃発……
そのはざまの「1945~1947年」が舞台。
戦争に人生を翻弄された、ソン・ギジョン(孫基禎)監督、ナム・スンニョン(南昇竜)選手兼コーチ、若手選手ソ・ユンボク(徐潤福)3人の絆と、世界に朝鮮(=コリア=のちの大韓民国)が独立したこと、強いマラソン選手がいることを示すために、1947年ボストンマラソンに挑む姿を描いたのが本作。
ソン・ギジョンが、当然というレベルの母国への愛と誇り(ナショナリズム)をもった人物として描かれ、自らが引退を強制された過去の出来事を若い世代には繰り返させたくないという熱く優しい気遣いの人という、キャラのバランスの良さに感心した。
そして、「病気がちな母のために、子供のころから寺のある山頂までの峠を走っていた」新人選手ソ・ユンボクが、登り坂で驚異のごぼう抜きをするというドラマチックな脚本は、観ていて血が滾る展開でした。
ソ・ユンボクのボストンマラソンでの活躍で、翌年に建国した大韓民国をIOCが正式な加盟国と認めた歴史的事実をベースにしていて、嫌味がなかった。
どこまでが事実なのかは、正直私には判断がつかないです。
ユンボクの家族のエピソードについて、日本ではあまり文献が見当たらないし。
ボストンマラソンで走ったユニフォームについても、映画には朝鮮太極旗だけのデザインが使われていたが、韓国の言説には「実際はアメリカ星条旗と朝鮮太極旗の2つがあったのに、新聞社が太極旗だけに写真を加工して、それしか記録が残っていない」というものも(翻訳検索で)見つけたが、どちらが真実かも私にはわからない。
ただ、少し前までの韓国等のアジア作品によくあった、反日思想、侵略されたことへの恨み、国家間の分断を煽る形に強調されていなかったのがよかった。
昨今の「南北統一」を呼びかけるような異様な民族意識という風潮もなかった。
夢を追う若者が、自国の国旗を掲げてスポーツ競技に出る、その喜びを純粋に描いていた…
その「映画として」の単純さや演出が面白さを生んでいたように思いました。
韓国の自分勝手な主張と執念深さを知れる
1936年、ベルリンオリンピックのマラソンで日本は世界新記録を樹立し、金と銅のメダルを獲得した。しかしその記録を出した選手は、日本名・孫基禎と南昇竜として参加した朝鮮人のソン・ギジョンとナム・スンニョンだった。そしてその世界記録も日本人の記録となり、第二次世界大戦後、朝鮮が北朝鮮と大韓民国となった後も日本の記録として残っていた。10年経ったある日、ギジョンのもとにスンニョンが現れ、2人は若手有望選手ソ・ユンボクを1947年のボストンマラソンに出場させ、祖国の記録を取り戻そうと行動した史実に基づく話。
韓国からアメリカのボストンまで飛行機で行くのに、ソウルから日本(羽田?)、グアム、ハワイ、サンフランシスコ、ボストンと行くだけで大変な旅だったんだなぁ、と思った。
大韓民国として独立したのは1948年8月であり、韓国はそれまではアメリカの軍事政権下に管理されてた状態であり、正式に国として認められていなかったのだから、アメリカの星条旗での参加は当たり前だと思うが、この辺りを曖昧にしてる様な気がした。
さすが自国に都合よく歴史を作る韓国の作品だと思った。
さらに言えば、ベルリンオリンピックで各国最大3人までがマラソン選手として参加出来、その日本代表としてのオリンピックへの派遣だったのだから、日本の国旗で表彰されるのは当たり前であり、文句を言うのなら、オリンピックの日本代表としての参加を辞退すれば良いだけ。
他の日本人は落とされたのだから、あんな態度は許せない。
何とも勝手な言い分の様に感じた。
政治的な部分が無ければ良い作品だと思うが、あまりに韓国の自己主張ばかりの史実紹介で、こんな偏った作品に普通の星は付けにくい。
「祖国」「国民」の尊厳
「走る」映画にハズレなし
レースの抜きつ抜かれつのシーンだけでもドラマになります。
孫基禎の、ベルリンオリンピックの屈辱の金メダルの件は知っていたが、南昇竜が銅メダルだったことも、ボストン・マラソンの逸話も知りませんでした。
実話ベースなので、政治的思想等や、近現代韓国史的事実に照らして微妙だったりするようだが、映画としてみたら、熱量のある、爽快な作品でした。
主演の3人が良い。特に、スンニョン「先輩」、ポジティブで、しかも粘り強く、諦めない。35歳にしてフルマラソンに復帰して大舞台で走り、12位で完走したときには見ていてガッツポーズ、心のなかでスタンディングオベーション。奥さんも、奥さんとのやり取りも良かった。
ユンボク、生活のために走り回って自然に足腰と心肺能力を鍛えていたのね、ボストンの心臓破りの丘のシーンでは、お供え物の盗み食いで培った足腰とノウハウで軽快に飛ばす、アクシデントに見舞われながらもいつのまにか優勝争いに食い込んでの回想シーン、「勉強もしないで将来何になるの?」と言う母に、「ソン・ギジョン」と答えた小さいユンボクに涙が出そうでした。
アメリカ側の身元引受人の、胡散臭いけどいい奴なペクさん、良い味です。
最初はお金だけ取っていなくなる詐欺師かと思った。
3人の、いや、朝鮮の人々の念願の、太極旗をつけて走る、が叶ってよかった。
ソン・ギジョンの打ち立てた11年前の記録を、教え子のユンボクが(太極旗を付けて!)破ったところは、実話と知っていても胸が熱くなる。アクシデントがあっても結果がこれなんて、どれほどの選手だったんだろう。
全体的にユーモアがあり、人々の優しさも感じるムネアツ映画でした。
レースのシーンが素晴らしい。カメラワークと実況とで臨場感にあふれ、手に汗握った。
巷の人が、「朝鮮の3大英雄、李舜臣、安重根、孫基禎」と言っていて、伊藤博文を暗殺した彼が英雄とされていることに、改めて日本の憎まれぶりが分かった。日本統治下での無念の金メダルのソン・ギジョンの話なので、こういう話が出てくるのも当然といえば当然ですが。
日本は世界から切り離された島国で、歴史的に国民のアイデンティティーが問われることが少なかったような気がします。さらに日本人は、第二次世界大戦で敗戦した瞬間から、国民とか祖国の尊厳というものにあまりこだわらなくなったかもしれません。(そう思っただけで確固たる根拠はないのでそのように読んでください。)
だからといって、日本の自主独立国としての権利や国益を侵害するような他国の行為を傍観して良しとしているわけでもないと思います。
「シュリ」の監督さんの作品です
日本でも大ヒットした「シュリ」の監督さんの作品です。
自分が初めて見た韓国映画が「シュリ」で、スケールの大きさに驚いた記憶があります。
本作は日本の降伏後間もない朝鮮を舞台にした作品で、日本が悪役の映画を見るのは躊躇したのですが、お気に入り作品の監督さんの作品なので映画館にて鑑賞。
反日の描写はあるのですが滅茶苦茶酷いというほどではなかったです。
ストーリー的に韓国人にウケる話だと思います(苦闘の末の勝利)。
でも日本人の自分にはそれほど響かず、「韓国の人、おめでと、良かったね」という感想。
ただ、本作の韓国内の興行成績は良くなかったそうです。なんでだろ?
北がほとんど出てこない and アメリカ軍政に否定的だったから?
歴史的には主人公が望んだようにアメリカ占領下の朝鮮(大韓)から独立国になりますが、その直後に起きた朝鮮戦争で国土が灰燼に帰します。うーん。
とても勉強になりました
韓国映画を観始めたのはここ数年なのですが、見応えのあるものばかりで、最近はすっかりハマってます。ということで、本作も鑑賞予定に入れ、公開初日に行ってきました。
ストーリーは、1936年のベルリンオリンピックのマラソン競技に日本選手として参加し、金メダルと銅メダルに輝いたソン・ギジョンとナム・スンニョンが、祖国のヒーローとなったものの、その記録は終戦後も日本のものであったことから、祖国の名誉を取り戻すべく、“第2のソン・ギジョン”としてソ・ユンボクを育て上げ、ボストンマラソンに挑戦する姿を描くというもの。
韓国のマラソン史にこんな事実があったとは全く知らず、とても勉強になりました。そして、その名誉回復のためにボストンマラソンにかける選手たちの思いが、とにかく熱いです。そんな熱い思いに突き動かされるように、韓国の人々が一致団結して選手を送り出そうとする姿が沁みます。また、渡米後も韓国がアメリカ統治下であることを理由に、星条旗をつけて走ることを強いられるのですが、そのルールに対して韓国人としての尊厳を強く訴えるギジョンの姿にも心を揺さぶられます。
肝心のレースも、マラソンという地味な競技ながらも、臨場感あふれる実況とカメラワークで、その迫力をしっかり感じさせているのも好印象です。また、レース中にアクシデントに見舞われながらも、最後まであきらめることなく走り続けるユンボクの姿に、熱いものが込み上げてきます。そんな幾多の困難を乗り越えて栄光をつかむ姿に、韓国国民ならずとも高揚するのを覚えます。
ただ、一方で日本人としては、やや複雑な思いも残ります。日帝だなんだと日本を敵視する描写の数々は、日本人として申し訳なく思いますが、やはり気持ちのいいものではありません。スポーツに政治を持ち込まないように、必要以上に日本を貶めるような描写は避け、アスリートとしての意地とプライドと純粋な思いだけで描いたなら、もっと爽やかな物語になったように思います。とはいえ、反日感情を煽ったほうが韓国ではウケがいいのなら、こういう仕上がりになるのも自然なことだと感じます。
あと、これは自分が悪いのですが、本日5本目の鑑賞で集中力が落ちていたせいか、思ったほど泣けませんでした。配信が始まったら、しっかり覚醒している時に改めて鑑賞したいと思います。
主演はハ・ジョンウで、韓国人のアイデンティティを取り戻そうとする熱い演技が光ります。脇を固めるのは、イム・シワン、ペ・ソンウ、キム・サンホら。中でもイム・シワンの走る姿は、本物のアスリートのようですばらしかったです。
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