「映画のもう一つの大切な機能」ジガルタンダ・ダブルX La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画のもう一つの大切な機能
冒頭からは、「ああ、またぶっ殺し・血しぶきのインド映画か」と気持ちがやや萎えかけたのですが、物語は意外な方向へ爆走を始めます。悪逆非道な土地のギャングの親分の暗殺を命じられた刑事が彼に接近したところ、その親分の映画好きに思わず巻き込まれて行くお話です。
インドの片田舎でクリント・イーストウッドを崇拝した映画館があるなんて、それだけで魅力的で是非行ってみたくなるではないですか。そして、「いや、それでいいの」とツッコミを入れようとすると、そんなのドンドン無視してぶっ飛ばして行くスピード感に翻弄されます。
また、「映画を撮る映画」という形式から想像される「映画」とは「ストーリー映画」ですが、本作では、「現実を記録し世界に後世に広く伝える」という映画のもう一つの大切な機能に収斂していくのも素敵です。
映画好きの気持ちを色々詰め込んでギュッと五目おにぎりにした様な作品でした。
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