ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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おじさんにも沁みる(かもしれない)今を生きる若者の一つの日常
2020年代の若者像を、淡々と、時に暴力的に、描く。 ほぼ同年代の人物を日常的に目にすることもあり、彼ら彼女らの内面・捉え方の参考にしたい、といった安易な気持ちで視聴。 二人の男性の間を遷移する、刹那的な行動をしてしまう一方、自己分析も欠かさず、自分軸で生きている、主人公。 結果発露される出力された行為には、個人的にはまるで共感できず不快なシーンも多かったが、それが却って私にとって観るべき映画であるように感じるに至った。 それだけこれまではその、自分の感情に出来る限り蓋をして波風を立てないようにやり過ごす、面倒なものを見ないふりする、といったものにどれだけ依拠して私は過ごしてきたのだろうか…?それを刺激されたからこその不快なのか。 予定調和やスペクタクルとは全く違う、映画だからこそ描ける、面白くはない(内容では無い)が、観ていたい作品。 この年になってから、自分に正直に生きよう、問題と思うものにはきちんと向き合おう、などと云うのも何なのだが、その後押しをしてもらった気分だ。
山中遥子監督「ナミビアの砂漠」何をしたいのか何が欲しいのか分からな...
山中遥子監督「ナミビアの砂漠」何をしたいのか何が欲しいのか分からないし、なぜ怒りを覚えるのか分からないという誰もがかつて抱えた苛立ちを河合優実がリアルかつチャーミングに演じ切った傑作青春映画。河合優実 が街中を歩く、走る、不安定でありながら全てを肯定するシーンが素晴らしい。 「あんのこと」「ナミビアの砂漠」という傑作が世に出た2024年は完全に河合優実が制しましたね、恐るべし。
例えば砂漠の中を水を求めて生き物が彷徨う話
感想 男。女。人間。心理。 生きている社会はナミビアの砂漠と同じー。 態度行動で制限がかけられても心だけは自由で何を想い、考えても自由という考え方。例え人間的、倫理的モラルに欠ける考えであってもー。 人は生まれてから大人になるまでに、元々持ち合わせている先天的な性格と知性、後天的な親子関係やそれぞれの年齢時に受けてきた環境的影響や人間関係が、その人の個性として備わり、成長して更に人それぞれの時々の状況における印象や感想で個性の発現は変わっていく。そのようなそれぞれの個性や感覚が人間同士の付き合いの中で交わり、化学変化のような心理、感情、感覚の変化か起きていくと考える。 人間一人一人、心根や感覚に素直になるのは自由だし、良い事なのかも知れないが、人同士がコミュニケーションとして身体や心が交わる時、他人に対し何かしら尊敬出来る気持ちを共有するとか、ある程度の妥協点を見出し、良いところも悪いところも全て含めて自分が人として納得した範囲で受容出来るかを判断して行かないと、文明的な生活は成り立たないし、人間では無く、感情や考えを表現したり話したりする事の出来ない唯の動物であることでしか無くなってしまうと感じた。 女性的、男性的、いろいろな考え方はあるが、その考え方の相違が描写に鋭く端的に表現されていたと思う。 脚本・演出 これ!という答えがない、問題を提起した上で性別な心理判断としてはどう思う?という手法で話が作られていると感じた。人の先入観や性格、心理をかき乱すような演出が悩ましい程に観る者に考えさせる。これはこれでアリなのか。と感じた。 本作を鑑賞した自分なりの異性とは?という印象は女性はやはり広くて深く複雑な生き物であり単刀直入な男はとても敵わない。広く深く考え過ぎずにお互いに信頼出来て幸せになる方法は何か?と、譲れるもの、譲れないもの、を含めた妥協点は常に考えておかなといけない。と感じた。 主演の河合さん。今作でもアンバランスな難しい役をありきたりの表現で申し訳ないが、体当たりの、ありのままの姿を見せながら演じていて素晴らしいと感じる。 金子さん。芯のブレっぱなしのクリエイター役、難しい役だったな。という印象です。 寛一郎さん。情け無さ加減が今どき男子なのだなと感じました。演技は素晴らしいです。 他出演俳優陣のそれぞれの方の演技も素晴らしく、中盤までの展開は4レベル。終盤カナの心理描写で画面展開中にワイプが入ってきたところで全体的に観ていて自分の心にブレが入ってしまった印象を受けたので。 ⭐️3.5
カンヌ作品だが
カンヌの賞を取った作品と言うことで鑑賞。カンヌの負の部分が出ているため受賞した作品。カンヌ作品は基本は一般向けしない事が多いが本作は代表みたいな作品。意味がよくわからなく、しかし雰囲気は十分みたいな作品。男女平等などを掲げてる?主人公に感情移入出来ない、共感が持てないと思っていたら精神病んでいる。ではなぜそこが描かれてないのでただの精神を病んだ女性の話。しかもただのうわきしてるし、尻軽女っぽく描いているがなぜそうなったかをストーリーに入っていないので共感できない。 万引き家族やパラサイトなど良作もあるが今回は残念。 公開館数が少ないのも興行が悪いからだろう。芸術作品でエンターテイメントは出来るのだが、今作は無理だった。
一種のアイドル
映画なんでしょうね。古くは角川映画や相米慎二監督作品みたいな不条理さを感じますが、いま現在ではヒロインが病んで癒えていく所を、丸々描くんですね。にしてもこんな尺が要ったんですかね? 監督さん、途中持て余したんじゃないの? 河合優実さん、最近綾瀬はるかさんとCMに出始めましたが、それに通じるキレイさでした。水を飲むように言われていたので薬物? と思いましたが・・エンディングのカモシカ? ちょっとほっとしましたね。
今どき
前半の今どき女子っぽい展開のリアリティはさすが。 おそらく的確なディレクションに河合優実が確実に応えていたのだと思われる。 対する男子のあまりにも(良い意味での)ポリティカル・コレクトネスには笑った。ホント優しいんだな、って… いっぽう後半の展開にはピンとこなかった。あれほど病む理由が飲み込めなくて… 河合優実、金子大地など、若手俳優のポテンシャルは大いに感じられたが、そんなに騒ぐほどの作品とは思えなかった。 個人的に「サマーフィルムにのって」のビート板と凛太郎のその後と思ったら笑っちゃったけど…
鑑賞後ずっと考えてしまっている
まるで、ドキュメント映画を観てるような感覚。観てる途中はなにを見せられているのか分からなくて少し困惑したが色々考えると…🤔彼女は実在していたし、世の中のいびつさや、人の生きづらさ、色々な想いが頭をめぐる 彼女はこの後どうやって生きていくのだろうか?この物語は自分にも当てはまるのではないか?今もずっと考えてしまっています…
自分とは
この作品が問いかけているテーマは「自分とは何か」だと観ていて感じました。 劇中の少女は、何をするにも意欲的ではなく、その場しのぎのような日々を過ごします。 しかし、恋人との別れや喧嘩や様々な出来事を通してその中で、改めて、「自分とは何か」に関心を抱くようになります。 そしてその過程はまるで「ナミビアの砂漠」をひたすら歩くような、 「解らない」謎解きなのだという事を作品を通して感じました。
虚無感
ナミビアにあるナミブ砂漠にはチーターがたくさん棲んでいるそうですが、この作品がモチーフとして描いていたのは、水辺に集まるオリックス。作者の意図がどこにあったのか、全編を見終えても、よく理解できませんでした(汗;)。主人公カナ(河合優実)やホンダ(寛一郎)、ハヤシ(金子大地)らの交友関係や言動にも共感や理解できるところが少なく、悶々としてしまいました。命にまつわるエピソードが時々出てきますが、それらに対するカナの思考も一貫性がなく、ふわふわした印象。自分がやりたいことを探求するのではなく、自分を満たしてくれない相手にぶち切れる姿に、ホンダやハヤシと同じような反応をしてしまいました(汗;)。とてもリアルな演出にヒリヒリするような感触でしたが、面白くないし、好きでもない。これは一体何だろう?自分の中では、「悪は存在しない」(24)と似たポジションの作品でした。
河合優実のビジュアルブックのような作品
河合優実の魅力が爆発してました。 カナの生い立ちは深掘りされなかったけど、日本人気質のホンダと、ニューヨーク生まれのハヤシ、自分の事を知りたいと言うカナ。 “自分探し”なんですが、いかんせん長めの作品で日常を延々と描いているので印象的な台詞もシーンすべて埋もれていってしまい… 情報過多で自分で考える力が低下しているのは確かに。 冒頭は町田駅だと思いますが絶妙に良いチョイスだな~と思いました◎
どのツラ下げてカナ(若者世代)に向き合えばいいのだろう
映画やドラマの主人公が、逆境の中、あちら立てればこちらが立たずみたいな状況で決断を迫られることがあります。 「自分のことは自分が一番わかってるさ」 なんて言いながらクライマックスシーンへ向かっていく。 でも、この映画を見たら、 「自分のことは自分が一番分かってない!」 ということが否応なく突き付けられます。 自由奔放に彼氏を翻弄しながら、サクッと乗り換えちゃうカナ(河合優実)。 と思わせておいてからの意表をつく怒涛の展開! 映画的には決して分かりやすいとは言えないし、どちらかというとまったりしてるのに、どのシーン、どのセリフもインパクトが強烈なのでテンポ良く感じられるのです。 ひとつひとつのシーンは、無意味そうに見えて実は意味深だったり、突拍子がないように見えるのに、あー、その辺の気持ちが整理できなくて(上手く言語化できなくて)つい手が出てしまう感じ、分かるー!と共感しまくり!! 自分はいったい何にイラつき、何に怒っているんだろう。 少子化と貧困で消えていく日本。 なんてことも言ってたけれど、別に何か経済的な専門書などを勉強してからの根拠があっての発言でもない。 今の時代に生まれ育った20代や30代の世代の体感的な実相のようにも感じる。 暴走というよりは〝迷走〟するカナをもう無理〜と言いながらも必死に受け止めるハヤシ。 ハヤシは、今の日本の無責任な大人たちに向かって、こう振る舞えばとても生きづらいいまの世代の若者たちへの罪滅ぼしになるかもよ、という象徴のようにも見える。 ノーパンしゃぶしゃぶの話も、それを嫌悪感混じりに紙ストロー程度の軽さで表すことで見事な伏線となっている。 バブル崩壊や失われた何十年という〝過去の失敗〟から逃れることのできない中高年世代。 若い世代が迷走せざるを得ない世の中にしてしまった責任のある我々中高年世代は、彼らの思いを良い悪いではなくそのまま必死に受け止めて、なんとか日本を生き延びさせるために頑張らなければいけない。 そんなことを考えてしまいました。
タイトルの意図することって何だ?
食べた後の食器も洗わず、プラごみも放置、脱ぎ着した衣類もその場に放置したままで平気な顔して生活していることにドン引き。本当に好きなのか疑問符が立つけれども彼との曖昧な関係性を継続していることにも引き気味。21歳ってこんな感じなのだろうか。河合優実の体当たりの演技はよかったけど、結論の不明瞭な作品だった。 そもそも、「ナミビアの砂漠」って言うタイトルはどこから来たんだ?カナがスマホで観ていた動画や、ナミブ砂漠でインパラらしき動物が水を飲んでいるエンドロールは何を表現していたのだろう。
自分探しはここから
いままで全く描かれた事のない女性象の作品でした。我儘、気まぐれ、八つ当たり、やる気ない。 怠惰な毎日。あまり関わりたくない女性だけどたまに顔を出す一般常識。人間にありがちな、訳の分からない苛立ち。子供のような八つ当たり。 普通の大人でも誰しも持ち合わせているかもしれない。 人間の不可思議な部分を表現した作品でした。 そして河合優実さん。 本当に時代を牽引する女優に必ずなると思います。 もう一度劇場で観たいです。
カナの喜怒哀楽、一挙手一投足が存分に発揮
見事だった。凄い作品だった。山中監督はしてやったりだろう。河合優実と年代も近い事があり彼女が演じたカナの喜怒哀楽、一挙手一投足を的確に描いていた。 河合優実の作品の中で、過去最高の作品。 見事でした。 河合優実はますますトップ女優の道を歩んでいるんだなとスクリーンから感じた。 解釈、考察しがいがある作品でもある。
なんかよくわかんないけど、 すごく没頭して見てた 河合優実を見るた...
なんかよくわかんないけど、 すごく没頭して見てた 河合優実を見るための作品って感じ ずっと目で追ってしまう
不遜な感情が堂々巡りする
とにかく長かった。まだかな、と時計を見たのが経過後1時間半。そこそこ限界だったけど最後までなんとか頑張って見ました。話が面白くないとかではないし、役者さんたちの演技は常に満点。若者のリアルな日常や、仕事へのスタイル、恋愛への依存度などが事細やかに描かれていました。きっとあえてセリフを少なくしているのでしょう。そんな中で、登場人物たちの情緒をこれだけ巧みに演出できるのって、制作側、演出側はかなりエネルギーを持たないと無理だと思うから、やっぱり凄い作品なのだとも思うのです…が、それを差し引いても長かった。 まず何を伝えたいのか、まったくわからず。どう受け取っていいかわからない場面がずっと続いたので、しんどかったです。そもそも私はこういう若者のリアル日常をドキュメント式に追ってるという映画が苦手みたい。「ちょっと思い出しただけ」も過去に低い点数をつけてしまったしりりまぁ実際にこういう若者カップルは大勢いるし、私も経験があります。人生としての苦い記憶としてよみがえっただけの、そこそこ辛い時間でした。合う人には合うと思います。寛一郎さんもしっかりと嫌な役を演じ切れていたし、金子大地さんも素晴らしかった。唐田えりかさんは相変わらず綺麗でした。そろそろ河合優実さんは、明るい役どころで見たいです。
懸命に生きるということ
人間の内面の奥深くにあるもの。心の叫び、葛藤。何かそんな感じなのですかね。 人はみな誰でも、泣いたり笑ったり怒ったり、喜んだり悲しんだり悩んだり苦しんだり傷付いたりする。自分の事を好きになったり嫌いになったり、そんなふうに生きて来たし生きて行く。砂漠を彷徨うように。そうかそれで題名に砂漠が付いてるのかな? 見た人それぞれの感じ方があって生き方があると言うのかな。 カウンセラーの先生が言っていた、心で思った事は誰も止める事が出来ないと言うような言葉にはなるほどその通りだと納得。でもそれを口に出したりすれば批判を受ける事もあると言うのが生々しいですね。 河合優実は相変わらず河合優実で、河合優実じゃない河合優実がそこには居て、河合優実が作り上げたカナが河合優実を離れてカナと言う一人の女性として確かにそこに存在してました。 多かれ少なかれ見た人みんなに当てはまる事があって、みんなカナなんじゃないのかな。いやカナだけじゃないホンダやハヤシであったりするのかも。 どうにもならない事もあったであろう自分のこれまでを振り返るのも良いかも知れない。 いい映画を見ました
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