ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
全271件中、21~40件目を表示
4ヶ月ロングランのわけ
流石に行かなくちゃとサービスデーと仕事の合間がぴたりとハマったのがユーロスペース。あんまり良い思い出がないから警戒はしていたのですが…案の定、後ろのおじさんが席を蹴る系と持ち込みのお菓子の袋カサカサ音させ系のダブルコンボでわたしの137分が終わりました。途中で後ろ向いてお菓子分けて貰えばよかったかな?って思ってる間にやっとタイトル出た(笑)。
というわけで、周りのことが気にできず自分勝手なタチの悪いオッサンが全く出てこない若者の若者による若者のためのこの映画ですが、実はカナの自暴自棄や心の不調の原因は「父親はクソ野郎で死ぬべきだが、父親以前に1人の人間として接しないといけないし、許してあげるべきだと思う」という言葉に集約された、毒親であるオッサン、つまり父親へのトラウマなのかも?と思ったり。愛情は欲しいけど与えることは苦手で、他人の所有物にはなりたくないのに独占欲はある、みたいな感情のチグハグさも幼年期に負った心の傷(愛されなかった/愛され過ぎた/異常な愛情だった等)が原因なのではないかと。自分もなかなかの家庭環境だったので今だにお酒を飲んで声を荒げる人が本当に嫌いで理解できませんし、女に手を挙げる男も男に手をあげる女もとても苦手です。なので、後半のシーンはずっと顔を引き攣らせながら観てましたけど、山中遙子監督の言う
「生きている過程、その延長に映画を作れたらいい」
「映画は社会を映す鏡だから、映画で描かれていないと、社会に存在しないということになってしまう」
という意図はとてもよく反映されていたと思います。全ての若者が自暴自棄なわけではありませんが、10年後や20年後、下手すると2.3年後の自分すらイメージせずに今を生きている人がとても多い気がしますし、彼らの示す優しさとか思いやりはどこかで借りてきたような薄っぺらさを感じてしまうこともしばしばです。むしろそれがあるのはまだ良くて、自分さえ良ければ良いという行動をする人が増えてきたような風潮をよく捉えている描写がたくさん。でもこれってつまり、彼らの親の世代が子供に対して薄っぺらかったりどこか歪んだ愛情しか注いでこなかった因果応報だったりするのかもしれません。世代を超えたブーメランってやつですね。特に共感を拒むようなカナの行動や態度、言葉遣いに、子供を正しく(正しいって何?)育てることの難しさを痛感せざるを得ませんでしたね。知らんけど。彼氏のハヤシなんて親の理想に潰された感じがめちゃくちゃリアルでしたし。
とにかくギチギチだった戦中戦後を生き延びた世代が未来ある若者がお腹いっぱい食べれて楽しく自分らしく生きていける世界を作ってくれたのに、それをいとも簡単にぶっ壊したベビーブーマーの世代は今後日本がなくなっていく原因として語り継がれていくに違いありません。日本と語り継ぐ日本人とそもそも日本語が残っていればですけどね。
いやあいい映画だったな!みたいな気持ちにはなりませんが、河合優実の憑依系の表現力と体当たりの演技(必然性のないシーンを監督が敢えて入れた意図とは?)と死んだ魚の目には長すぎるカットを飽きさせず見せてしまう迫力を感じました。にしても宇垣美里さんがあたらしいテレビのコンテンツアワードでこの作品を上げてたのは中居正広問題が明るみになっているだけに意味深。「お前みたいなもんが作ったもんは毒だろう」ってね。
なんだか取り留めのないレビューになってしまったけど
なんだか取り留めのない映画なんだよたぶんね。
毒親、ダメ彼、ダメ彼女、ダメ旦那、ダメ嫁経験者(もしくは継続中)は強烈なフラッシュバックにフラフラするかもね。
それではハバナイスムービー!
新藤兼人賞を見た後に、見る
公開されたときから精神的に病んでいる女の子の話は、話題になっていたので。
そこまで話題になるのならと、映画館に行ってきました。
私小説風の演技重視だが、映画文法しらずで、自由に撮った感じの映画でした。
これがカンヌで賞を取っているのが凄いですね。
好き嫌いは分かれるタイプの映画だと思いました。
とってもえっちでした。
山中監督の作品はあみこしか観てないが
女の(というより人間の)恥部を曝け出すタイプの方だと思っていたので、
今回もとても良かった。
第一印象は、あら、山中監督、だいぶエロくなりましたねと、←
個人的に寛一郎さんのビジュアルがとても好きなので、彼のエロいシーンも見たかったです。
終盤、観客を納得させるかのように、躁鬱とか精神病に持っていってて蛇足だなと。
そんな診断ついてもつかなくても、女は結構ああいう感じだよなぁと反面教師的にみてました。
彼氏とは、ちょっと一緒に見れない。1人でみてよかった。
ラストシーン、中国のお母さんたちと電話してふと何かを取り戻したのかな。
そう考えると、引き金となったのは冒頭の友達(の友達?)の死なのか?なんだろう。
中絶しても人生は続いてく、仕事はしなきゃいけないし、
ご飯も食べなきゃいけない。
生存したいかは正直分からないけど、生きていく方に足が向いている。
他の方のレビューを見ればきっと答えがあるんだろうけど、
私は私なりの答えを見つけたいので、人のレビューは見ずに、何度かこの映画を反芻して、答えを探していこうと思いました。
なんで評判良いのかわからない…。
やたらイケメンでやたら性格の良い二人の好青年を手玉に取り二股かける今どき女子。
4:3の狭苦しい画面で淡々と起伏のないドラマを見せられて、たまに唐田えりかが脈略もなく現れたり、ランニングマシーンで走りながら自らの暴力を傍観する謎シークエンスが入る。
はっきり言って意味不明で退屈な映画。
と、なんども欠伸をして失神寸前になっていたら主人公の性格の破綻は精神疾患のせいだとヒューマニズムに訴えかけられる。
これはヤバい映画を見てしまった。
なんでこれが評判良いのか、わからない。
監督が新藤兼人賞候補に上がるのも不明。
河合優実は頑張ってた。
それだけが唯一の救い。
ストレス溜まる映画。
懐かしのATG映画
そういえば 若い頃ってこんなだったな…と。
主人公の女の子が映画中盤まで真面目に
勤務先であるエステに通っていたこと。
やたらお腹空いたと言ってたこと。
ちょっと年上の 面倒見の良いカレシがいたこと。
ハンバーグを美味しく作れる男なら
風俗行こうが全然構わない
昔は真珠のピアスだったけど、
産婦人科がくれた腹の子の画像。
映画見終わって、お腹空いて
豚カツ屋へ駆け込んだ。
若いころ
21歳の時は似たようなものだったな〜。懐かしい。今どきの若者ってわけでもなく、あんな感じだよ。
物語としてはまあまあかなあという感じだけど、若い女性の繊細なひりつきを描いたという点では面白かった。タイトル出る前までがよかったかな。
起きるときのぐだぐだした感じとか、無意味に走ったりとか、めんどくさいからズボンはかなかったりとか、女性からみたらあるあるなのでは。
脱毛サロンという、女性なら7割くらいの人が行ったことあるけど男性は知らない場所のリアルが書かれておもしろい。無表情でお互いやり過ごす場所。
彼氏がふたりとも絶妙にウザくてなぐりたくもなるわ〜。2人目の彼はケンカの後すら意識高くてマジうざっ。水飲めとか、服着ろとかうるさいな。
若い頃のなんかムカつく感じを思い出した。
でも何にむかついてるのかよくわかんなかったなあなころ。砂漠の水飲み場くらいなにもかも遠いんだもん。
河合優美のプロモーション映画?
河合優美の演技力は昭和末のスケバンだろうと宗教二世だろうと何でも演じられるくらいに起用で抜群なものがある。初の主演作「かぞかぞ」を経て題名が流行語大賞候補にもなった「ふてほど」で人気が出た河合優美の為に所属事務所が制作したプロモーション映画といったところ。河合優美の演技自体は引きつけられるのだが色々とシーンが目まぐるしく変わるので何を見ているのかが分からなくなってしまうのが多々あるのが難。精神科のクリニックでの診察費として額は忘れたが異様な金額が提示されていたのは全額自己負担なのか、それとも日本国内では未公認で合法的に購入出来ないような危ない薬でも処方されたのだろうか?河合優美がどきつい台詞回しをするのは「ふてほど」をイメージしているのだろうか?
単なるのドロドロ恋愛映画ではなく
8割苦しかったけど、見ていたかった。
カナが隣の部屋のお姉さんと出会えて、こちらが救われた。
最初の方のカフェのシーン、近くの席の人の声が耳に入ってきて、目の前の相手の話に集中できなくなるの、分かる。
散歩のシーン、道が二つに分かれているところで立ち止まってどっちに進むか考えて、進んだ先が行き止まりで引き返す。
決断はよく考えて下した方が後から他責にならず納得できるし、間違えてもやり直したら良い、それだけ。
一人目の彼氏が突然現れて、地面に四つん這いになって泣くシーン、笑ってしまった。君じゃないとだめなんだ!って感じで、熱いね〜笑
突然いなくなった、って言ってたから、冷蔵庫とか運び出してたのは彼氏の仕事中ってこと?
カナは何度も「拾えよ」と命じていた。優位に立ちたい、コントロールしたい、という感じ。
口論でさえ避けたいし、喧嘩はしたくない、取っ組み合いの喧嘩ができる仲はすごいなあ。
バーベキューで川辺の岩の影で吸ってたのは、大麻?だからカナはそのあと目が虚ろだったり、彼氏はぐっすり寝てたの?
カナは、会話が足りていないのかなと思った、誰かと話すことは自分を理解することに繋がっているし、カウンセラーと話すようなことを彼氏とも話せたら、カナも、カップルの仲も、安定するのかな。
君を理解できるのは僕だけ!君を一番よく理解しているのは僕だ!、僕が君を守るから!君には僕しかいないから!、だから一緒にいよう!戻ってきて!みたいな、よくあるよな〜
まず、他人を理解することはできないことを念頭に置いて、けれど少しでも相手をよく知りたいと思い、試みを止めないことが、健全なアプローチだと思う。
最初は『愛がなんだ』みたいな感じかと思ったけど、違った。カナが、嫌なことには嫌という反応を示しているから?単なるのドロドロ恋愛映画ではなく、ちゃんとカナの感情を中心に置いた生き様を描いた映画だったと思う。
髭の剃り忘れ、若いイケメンのファッション髭はやっぱり苦手。だらしないし、それがカッコいい良いと思っているから、苦手。
同じく河合優実主演の『あんのこと』が辛かった人にこそおすすめしたい一作
主人公カナ(河合優実)の視点で紡いでいく展開は、同じく河合優実の近作『あんのこと』をどうしても連想してしまいます。本作の主人公カナもまた、周囲の状況や関わりあう人々に翻弄され、苦しむ描写がある一方、その先の光明が見える部分もあり、『あんのこと』や、あるいは昨年公開の『市子』(2023・杉咲花主演)などの鑑賞体験が辛いものだった人にこそ、お勧めしたい作品です。
とはいえ、本作もまた気楽に観ることができる作品、というわけでは決してありません。山中瑶子監督の作劇は、何気ない情景や言葉の中に重要な要素をそっと差し込んでいくところがあり、油断していると次の展開の意図が分からなくなった……、という目にあうこともしばしば。見方を変えれば、繰り返し鑑賞することで、作品内容の理解をより深めていくことができる、奥行きのある作品、ということになります。
また山中監督の押しつけがましさほぼ皆無の演出だからこそ、登場人物の多様な人間性がにじみ出ています。例えば作品冒頭、友達の話を親身になって聞いているように見えるカナが実は別の会話に気を取られていて全く友達の言葉が耳に入っていない、というふるまいは思わず笑ってしまうし、独善的な言動が目立つハヤシが終盤にかけて見せる意外な一面にもある種の救いがありました。非常に解釈しがいのある作品なので、複数人での鑑賞もおすすめです!
無になって観る
今のところ本年No.2、オススメ
ボーダーの女性の話
他のコメントでも「自分が許されたような気持ちになった」という感想がありますが、自分も同様です。
映画そのものがセラピーのようでした。
主人公は家族を捨てた父親を恨みながら、無理矢理許していた。
父も人間だから仕方ない。親を憎みたくない。
抑圧した怒りの矛先は、恨んでもいい他の男たち。
男性に依存的な態度を見せる一方で激しい攻撃性を持っていました。
女性には攻撃性を見せないあたり、母親との関係は悪くないのだろう。
ちょい役の隣人女性もいい空気感を出しています。
自分が恋人と喧嘩する声を聞いているはずなのに何も知らないように微笑んで挨拶してくれる自然体な態度が、主人公にとっては母親的な包容力を感じたのだと思います。
「お腹すいた」
これは子供のように甘えているのだと気づきました。
「お父さん、お腹すいた」
父親には言えない。叶えてもらえない欲求。
安心感や甘えが生んだ食欲。
一人で食べることを嫌がるのは、恋人が不在の父親の代わりだからでしょう。
ここ、痛いほど共感できます。
共依存の元カレとは違い、「お互いに高めあえる対等な関係」を求めた新しい彼氏は、許しだけでなく厳しい叱咤もする。主人公にとっては理想的な関わり方だと思います。
境界性人格障害、双極性障害というワードが出てきたのには驚いた。
多分、主人公は境界性人格障害だと思います。
女性に対してはアンバランスにならないあたり。
同じ病気を抱えている人や、主人公と似た性質を持ったかたには気づきがある作品だと思います。
ま!!!!!
美人ならではの展開ですけどねっ!!!!!!
意味は分からないがエネルギーは感じる
きっとナミビアも砂漠も出てこないんだろうな、と思っていたら、やっぱりそうだった。一部、スマホで砂漠の映像見てる瞬間があるのと、エンドクレジットのところだけそれらしい映像が映るが、特にナミビアについて語られるシーンは無い。なんの意味があるのか、わからない。でもよく分からないエネルギーは感じる。
冒頭、駅近くのビルを歩いて喫茶店にたどり着いた河合優実が、友だちの話と男たちの風俗の話とを、同時に聞く場面から心を掴まれる。
目の前のことがまるで他人事のように思える。多分この頃から、もう病気が始まっている。
陰惨なストーリーのことを鬱展開と言ったりするが、文字通りのうつ病の物語になっていき、目が離せなくなる。
あと恋人との喧嘩がリアル。特に突然男が暴力的になったり直後に謝ったりとか、すごくよく分かる。自分にも心当たりがある。
男たちの方も病気ではないか。
ロリコン…
大昔ノーパンしゃぶしゃぶに行ったことを素直に白状するが(俺は寛一郎か)、そんな自分のようなおっさんにはハードル高そうな作品かと鑑賞前には身構えていたものの、河合優実をずっと観ているだけで137分が不思議と飽きなかった。いちいちリアルな彼女の演技はもちろんだが、ホン・サンス的ズームや脳内ワイプにえっ?となったり、ふたり組になって溶けていく…とかのポエムな(キモ)脚本とか、心療内科の葉山さんの話し方とか、唐突な唐田えりか力などなど、画面に惹きつけて離さない工夫がしっかりされていた。
お腹空いてないって言ってる…からのキレっぷりや、洗濯機など周囲の音が耳に障る不安定さ、葉山さんとのやりとりなどを通じ、カナが抱えているものを想像しつつ、しまいには自分がカナに同化していくような感じすらしたが、理解できていないところも多いので、気のせいだと思う。とりあえず、映画なんか観てなんになるんだよと言われても「あみこ」も観てみたくなった。キャンプだホイ!
BGMとして観る作品
全271件中、21~40件目を表示