「カナコの正体」ナミビアの砂漠 キッチンナベさんの映画レビュー(感想・評価)
カナコの正体
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カナの表情がダークな感じに変化したのは、ハヤシ家のキャンプのあとでした。
キャンプでカナコっていうハヤシの知り合いが登場するじゃないですか。その後ろのキャンプの参加者たちが、何故かこの再会を、固唾を飲んで見守っているように見えますよね。いや、表情とかは分からないんだけど、なんか雰囲気が。
つまり、カナコはハヤシの元カノ。あの写真の胎児を身ごもったのもカナコ。キャンプの参加者にはそれが周知の事実なので、カナコと2人の出会いを心配そうに見ていたというわけ。そのことに気付いてしまったカナは、キャンプから帰って以降、ハヤシへのモヤモヤがつのり、ハヤシがふざけてカナのお腹の音を聴いた時にキレたんですね。
ということが、三回観てやっと分かりました。
この映画はカナの生態観察日記でもあるわけですが、“カナって今なんでこんな表情してるんだろう”というのを解き明かすのも、この映画の楽しみ方のひとつですよね。
なので、この映画に無駄なシーンなどいっさい無いと私は思います。
終盤の、カウンセリングから隣人との焚き火の妄想シーンへの流れ。そして戦いのあとハンバーグをモグモグしながらの、ハヤシとカナの微妙な表情の移り変わり。ここで、何故か涙腺が緩んでしまうのでした。
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