劇場公開日 2024年9月6日

ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価

全253件中、1~20件目を表示

2.5現代を砂漠にするのはまだ早い

2024年9月14日
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鑑賞方法:映画館
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まぬままおま

3.5眺める人生、眺められる人生

2024年9月8日
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鑑賞方法:映画館

 ヒロイン・カナのつかみどころのなさに、前半かなり戸惑った。友人を軽くあしらい、二股をかけ、あっさりと堅実な恋人を裏切る。彼女の目的や志向がさっぱり分からず、物語もどこに向かっているのか予測がつかず…。彼女の暴力性も相まって、不穏な空気におののきながらも、なぜか目が離せなかった。
 予告もちらしにも触れる機会がなく、タイトルとキャスト以外の前情報は一切なし、での鑑賞。そもそも、タイトル「ナミビアの砂漠」の意味さえも、よくわかっていなかった。時折カナがスマホで眺めている砂漠、エンドロールで延々と大写しになる風景がナミビアなんだろうな…と思いながら、帰宅後にネット検索。ナミビア共和国・ナビブ砂漠の人工池に集まる動物たちのライブカメラ映像が、気持ちが鎮まる、中毒性があるなどと支持されているらしい。では、彼女はなぜ、このサイトにハマっているのだろうか。
 後半、スクリーンがぐーっと反転してスマホの画面に押し込められ,カナが自分を画面越しに眺めるシーンが印象的だった。心や体が自分から切り離される、離人症を思わせる描写。恋人との生活がいよいよままならなくなり、仕事からもドロップアウトした彼女は、よろよろとカウンセリングに通う。箱庭にやっと置いた木の下で、顔を合わせるだけの隣人(あの!唐田えりか。ハマり役!)と楽しく歌い踊る。本作の中で唯一、純度の高い幸福なシーンだった。
 彼女は縛られたくない、解き放たれたい、と全身で叫ぶ。自分の自由のためならば,周りが傷つくことも厭わない。けれども、縛られず、解き放たれるためには、まずは自分を縛り付ける存在が必要になる。たとえば友人、恋人、仕事。そして、解き放たれるということは、拠り所を失うということでもある。やさしい元彼が作ったハンバーグを、もそもそと咀嚼して消滅させるカナ。滑稽なのか悲壮なのかわからない、ねっとりと残るシーンだった。
 人工池に集まる野生の生き物に自然を感じるように、作りものの世の中でうごめく自分を外から眺める、拭いきれないウソっぽさ。自分は眺める側ではなく、眺められる側だった。ならば、値踏みが大好きな人たちに鑑賞される人生から、フレームアウトすればいい。そう気づいた彼女が辿り着く先にあるのは、安堵なのか、失望なのか。…100年経ったら、どちらも大差なし。

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cma

5.0今年一番の日本映画

2024年10月31日
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鑑賞方法:映画館

無軌道であぶなっかしく、しかし強かで強靭さもある主人公像が本当に素晴らしい。岡崎京子の作品の主人公のようだ。タフで大胆で人を食ったような強烈な個性とエネルギッシュに現代を闊歩するカッコいい女が存分に見られる作品だ。この作品の主人公にとって、心の傷もまた自分らしさで個性である。現代の消費社会は残酷で傷つけられることもあるが、その傷にひるまない強靭さが全身で体現した河合優実の佇まいがすごい。『あんのこと』ではむしろ、社会の理不尽さに傷つき敗れる繊細な女性像を体現したが、こっちは現代社会を食い破るような強靭さと繊細さも併せ持ったような驚くべき主人公像を構築している。今年はこの2本で完全に河合優実の年になった。そして、山中瑶子の脚本は大胆不敵で見事なキャラクター造形力を見せてくれた。今後、日本を代表する映画作家になるだろう。

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杉本穂高

4.0戦いに疲れ、傷つき、怒るヒロインは大都会のヌーなのか?

2024年9月18日
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鑑賞方法:映画館

知的

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清藤秀人

4.5根深い男社会への不服を全身で表すカナに、ぐいぐい突かれる痛みと快感

2024年8月31日
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鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

興奮

男女平等や多様性尊重の理念が当たり前の語られるようになった昨今の日本でも、男女格差は厳として存在するし、そんな根深い男性優位社会に不満を抱きながらも「自分一人が声を上げたところで何も変わらない」と消極的に現状を容認している大勢(恥ずかしながら私もそう)にとって、カナ(河合優実)の恋人に対する暴れっぷりは、単に目の前の相手だけでなく、優しいふり理知的なふりで女性という存在をじわじわと押しつぶそうとするより大きな男社会そのものへの不服を体現しているように見える。それは自分でも気づいていなかった急所、あるいはツボをぐいぐい突かれるような痛さをもたらすが、その痛みを受け入れることで積年の凝りやこわばりがほぐれ、ほどなく快感に変わっていくのに似ている。

監督・脚本の山中瑶子は日本大学芸術学部の監督コースに通うも、馴染めずに中退。その後独学で初監督作品「あみこ」を制作したというが、型にはまらない作風、小器用にまとめようとせず粗削りでもいろいろ試してみようという意気が映像から伝わってくるのが実にいい。

この「ナミビアの砂漠」を観たことがきっかけで、身のまわりで不満に思いつつも受け流していたことを自分から変えていったり、理解しているつもりで実は勘違いだった言動を改めたりする人が増え、めぐりめぐって社会の古い体質が改善されるなら、それこそまさに“痛快”ではないか。山中瑶子監督にはこれからもその独創性を極める方向で突き進んでほしいと願う。

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高森 郁哉

2.0エンドクレジットが短めだったのは良かった

2025年1月2日
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鑑賞方法:映画館

カウンセリングのシーンが興味深かった以外は、登場人物のほぼ全員に多かれ少なかれウンザリするのでどーもいただけない。

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Mr. Planty

3.0新藤兼人賞を見た後に、見る

2024年12月30日
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公開されたときから精神的に病んでいる女の子の話は、話題になっていたので。
そこまで話題になるのならと、映画館に行ってきました。
私小説風の演技重視だが、映画文法しらずで、自由に撮った感じの映画でした。
これがカンヌで賞を取っているのが凄いですね。
好き嫌いは分かれるタイプの映画だと思いました。

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カーモディ

2.5着地点がティンプトン

2024年11月30日
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鑑賞方法:映画館

最後までちゃんと見れたのは河合優実の演技のおかげか?
パンフレット買わなかったが何が書いてあたのかな〜買って読んだら評価が変わるのか?

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moonsing

3.5とってもえっちでした。

2024年11月24日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

萌える

山中監督の作品はあみこしか観てないが
女の(というより人間の)恥部を曝け出すタイプの方だと思っていたので、
今回もとても良かった。

第一印象は、あら、山中監督、だいぶエロくなりましたねと、←
個人的に寛一郎さんのビジュアルがとても好きなので、彼のエロいシーンも見たかったです。

終盤、観客を納得させるかのように、躁鬱とか精神病に持っていってて蛇足だなと。
そんな診断ついてもつかなくても、女は結構ああいう感じだよなぁと反面教師的にみてました。
彼氏とは、ちょっと一緒に見れない。1人でみてよかった。

ラストシーン、中国のお母さんたちと電話してふと何かを取り戻したのかな。
そう考えると、引き金となったのは冒頭の友達(の友達?)の死なのか?なんだろう。
中絶しても人生は続いてく、仕事はしなきゃいけないし、
ご飯も食べなきゃいけない。
生存したいかは正直分からないけど、生きていく方に足が向いている。

他の方のレビューを見ればきっと答えがあるんだろうけど、
私は私なりの答えを見つけたいので、人のレビューは見ずに、何度かこの映画を反芻して、答えを探していこうと思いました。

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もち米太郎

1.0なんで評判良いのかわからない…。

2024年11月16日
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チンアナゴ

3.5懐かしのATG映画

2024年11月16日
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虎吉

3.5若いころ

2024年11月13日
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21歳の時は似たようなものだったな〜。懐かしい。今どきの若者ってわけでもなく、あんな感じだよ。

物語としてはまあまあかなあという感じだけど、若い女性の繊細なひりつきを描いたという点では面白かった。タイトル出る前までがよかったかな。

起きるときのぐだぐだした感じとか、無意味に走ったりとか、めんどくさいからズボンはかなかったりとか、女性からみたらあるあるなのでは。

脱毛サロンという、女性なら7割くらいの人が行ったことあるけど男性は知らない場所のリアルが書かれておもしろい。無表情でお互いやり過ごす場所。

彼氏がふたりとも絶妙にウザくてなぐりたくもなるわ〜。2人目の彼はケンカの後すら意識高くてマジうざっ。水飲めとか、服着ろとかうるさいな。

若い頃のなんかムカつく感じを思い出した。
でも何にむかついてるのかよくわかんなかったなあなころ。砂漠の水飲み場くらいなにもかも遠いんだもん。

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hyvaayota26

2.5河合優美のプロモーション映画?

2024年11月11日
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鑑賞方法:映画館

河合優美の演技力は昭和末のスケバンだろうと宗教二世だろうと何でも演じられるくらいに起用で抜群なものがある。初の主演作「かぞかぞ」を経て題名が流行語大賞候補にもなった「ふてほど」で人気が出た河合優美の為に所属事務所が制作したプロモーション映画といったところ。河合優美の演技自体は引きつけられるのだが色々とシーンが目まぐるしく変わるので何を見ているのかが分からなくなってしまうのが多々あるのが難。精神科のクリニックでの診察費として額は忘れたが異様な金額が提示されていたのは全額自己負担なのか、それとも日本国内では未公認で合法的に購入出来ないような危ない薬でも処方されたのだろうか?河合優美がどきつい台詞回しをするのは「ふてほど」をイメージしているのだろうか?

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大阪マフ

3.5単なるのドロドロ恋愛映画ではなく

2024年11月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

怖い

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kiouyk

4.0同じく河合優実主演の『あんのこと』が辛かった人にこそおすすめしたい一作

2024年11月9日
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鑑賞方法:映画館

主人公カナ(河合優実)の視点で紡いでいく展開は、同じく河合優実の近作『あんのこと』をどうしても連想してしまいます。本作の主人公カナもまた、周囲の状況や関わりあう人々に翻弄され、苦しむ描写がある一方、その先の光明が見える部分もあり、『あんのこと』や、あるいは昨年公開の『市子』(2023・杉咲花主演)などの鑑賞体験が辛いものだった人にこそ、お勧めしたい作品です。

とはいえ、本作もまた気楽に観ることができる作品、というわけでは決してありません。山中瑶子監督の作劇は、何気ない情景や言葉の中に重要な要素をそっと差し込んでいくところがあり、油断していると次の展開の意図が分からなくなった……、という目にあうこともしばしば。見方を変えれば、繰り返し鑑賞することで、作品内容の理解をより深めていくことができる、奥行きのある作品、ということになります。

また山中監督の押しつけがましさほぼ皆無の演出だからこそ、登場人物の多様な人間性がにじみ出ています。例えば作品冒頭、友達の話を親身になって聞いているように見えるカナが実は別の会話に気を取られていて全く友達の言葉が耳に入っていない、というふるまいは思わず笑ってしまうし、独善的な言動が目立つハヤシが終盤にかけて見せる意外な一面にもある種の救いがありました。非常に解釈しがいのある作品なので、複数人での鑑賞もおすすめです!

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yui

4.0無になって観る

2024年11月8日
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共感できるとか、リアルだとか、どうでもいいよね。
カナはカナで、生きてる世界がある。
映画なんて見てどうなるの。ってセリフが好き。
だって自分も、どうにもならない映画を見て2時間使ってるからね。
ややこしいこと考えても解決しないので無になって観てました。

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ゆう

4.5今のところ本年No.2、オススメ

2024年11月4日
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鑑賞方法:映画館

登場人物がみんなキャラが立ってて、どのシーンも鮮烈に印象に残ってる。
ヘタレ彼氏の諸々、ランニングマシンとキャンプのシーンが特にお気に入り。

河合優実さんは、他の作品でも目立つ演技をしてたけど、この作品でとても好きになった。

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Hibiki

1.0久しぶりの超ハズレ映画

2024年10月31日
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鑑賞方法:映画館

上映後30分くらいからしんどくなってきて、中盤からはゲンナリウンザリ。難行苦行のような映画鑑賞だった。
この程度の脚本で映画が出来るんだなぁ、と呆れるばかり。
ほんとうに時間のムダでした。

あー、しんど。

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peke

4.5ボーダーの女性の話

2024年10月28日
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泣ける

知的

幸せ

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とくこ