シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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想像してた内容と違った
アメリカの内戦という攻めた内容だったが、その背景が特に説明されずジャーナリストを主眼にした内容であり全体的にテーマがよくわからない。
道中何度か戦闘に出くわすが、誰と誰が撃ち合っているのかもわからん。
最後の戦闘シーンは迫力あって良かった。
タイトルなし
圧倒的な音響。
一発目の恐怖。
パンパン撃ってる間は何とも無いのだが、ゆっくり車を走らせているところに急に銃撃があると体がビクッと動くくらいに音響が凄かった。
途中、赤いサングラスの兵士が「どういうアメリカ人だ?」と聞き香港人が殺された後、兵士たちを老人が車で轢き殺すのだが、一緒に突き飛ばされた女の子が死体の山の上にいることを認識し、観客にも生理的な嫌悪感を抱かせるような惨い死体が積み上がっているシーンでは、恐怖で少しだけ劇場から逃げ出したくなったのが正直なところだ。
だが、冷静な自分もいて、このくらい酷い描写を知っておかないと抑えられた描写で、どの程度カモフラージュされているのか相対化できてわかりやすくなるじゃん、などと思った。
死体が運ばれている中でも小鳥のさえずりが聞こえ、草花には風が当たりそよいでいるのが印象的であった。
ホワイトハウス戦は緊迫感が良かった。
エンドロールが、大統領の死体と西部独立勢力軍兵士たちの写真が現像されていく演出なのも一つ引き出しが増えた気がして良かった。
不思議の合衆国のアリスたち
思えばアメリカはずっと国外で戦争しつづけてきた。それは映画でもそうだった。
たまにアメリカで戦争があったと思ったら、敵はだいたい宇宙人かゾンビだった。
そんなアメリカが作った本土決戦としての戦争映画!と言いたいところだが、その実主人公が後身を育てる中に人生が〜。みたいな映画。
とにかく、映像がすごい。
わざとらしすぎないくらいの荒廃と、そこにドラマを与える人間のわざとらしくないくらいのヤサグレ感。
アメリカを移動する中で、魔法の国に迷い込んだようなのに、なぜかわざとらしくない地獄が次から次へと主人公たちを足止めする。
シン・ゴジラが俺たちの見たかったゴジラを描いてくれたけど、ゴジラというより日本を描いていたように、アメリカ人がみたかった戦争ってこれなのではないか、とさえ思った。
容赦なく、、、
緊迫感がすっと続くので鑑賞後はちょっと疲れていました。
いやー、容赦なく人が死んでいく。死んでほしくない人も死んでいく。恐ろしい映画です。
2024年、新星ケイリー・スピーニーの活躍が著しい。ますます注目です。
戦場カメラマン
アメリカの内戦を追う戦場カメラマン、メディアの人を中心にしたお話!日本の予告は予告詐欺だとちょっと思った激しい戦闘シーンある様に見える作りだから低評価付けてる人は予告で騙されてる人多いのかな?とA24の予告見れば違和感無い。
下手なホラー映画より怖かった。
アメリカの内戦で敵味方関係なくみんな同じ戦闘服だから誰が敵なのかパッと見わからない怖さ、内戦って兵士じゃなくても普通の人で何してくるかわからない輩が出てくる怖さで私は楽しめました。ゴリゴリの戦争物では無いのでそれを踏まえてみた方が良いです😌
力こそ正義 その先にある狂気
大統領選挙真っ只中のアメリカ
映画の内戦はなんだか
民主党VS共和党に見えました。
選挙で戦うのは大いに結構ですが
映画のように内戦になる事だけは
絶対に避けて欲しいです。
しかし今のアメリカの分断は
このような映画が作られるほど
深刻なのでしょう。
戦闘場面(特に銃声)がリアルで
思わず目を背けたくなる
シーンの連続でした。
緊張感が半端では無く
最後まで息が詰まりそうでした。
力こそ正義
しかしその先にある狂気
自身の中にある
正義感や思いやり
しかしそれとは正反対の
憎悪やエゴ
どちらも自分です。
普通の人々が
徐々に狂気に走っていく
戦争の怖さ
他人事では有りません。
世界中の全ての争いが
一日も早く終わる事を
願って止みません。
映画予告を観て、民主党と共和党で二分する現在のアメリカを舞台とす...
映画予告を観て、民主党と共和党で二分する現在のアメリカを舞台とするタイムリーな戦争(内戦)映画を想起させますが、その題材で始まったら2時間の映画時間枠で収まるはずも無く、そんな映画ではありませんでした。
ベテラン・シニア・駆け出しの4人のジャーナリストたちのロードムービーであり、R指定の残虐なシーンもありますが、なかなかどうして深く、重く、想定とは違いましたが、魅せる内容だなと前半は上々な立ち上がり。しかしアジア系二人のジャーナリスト仲間がファンキーに登場した時のジェシー(ケイリー・スピーニー)の行動は、次にくるこの映画で最もショッキングなシーン(昔の映画「ディア・ハンター」のロシアンルーレットの名シーンに並ぶスリリングさ)へのきっかけ作りとはいえ、成人女性としてはあまりに軽率であり、戦場カメラマン見習いというより、単純に野次馬根性を満たすためにカメラ持っている軽い子に見えて興覚め。また終盤、ジャーナリスト視点であっても、自分とどう関わった死体かで、同じ死体でも見方も変わる、その差異を表現して欲しかったなと。(ケイリー・スピーニーにではなく、脚本・演出への意見)
後半は映画予告通りの戦争映画っぽさが出てきますが、全体を通じてもはや4人の行動に焦点が当てられたストーリーで来てしまっているので、別に米国を内戦させなくても、世界の数多ある紛争地区が舞台で成り立つ話かと思いました。逆に米国を舞台にしたがゆえに、「で、アメリカさん、この後どうすんの?」と思わせられたまま放られてしまいます。
リー(キルスティン・ダンスト)とジェシーの師弟以上に母娘を思わせる関係、殺し合っている場所に咲く小さな花、幻想的に焼けていく森など、いくつか秀逸な映像・シーンもあって良かったのですが、イイ所、惜しい所と凸凹した印象でした。
あまり期待しないで観て
まず現在の米国は以前にも増して分断された国となっている。その構図は白人対非白人、保守対リベラル、格差拡大、犯罪率の高さ等様々な要因により病める大国となっている。そんな中で銃社会である米国はいつ反乱が起こってもおかしく無い世界とも言える。だからこのような内戦が絵空事ではないのだ。
先行IMAX上映が限定館で行われ鑑賞した。本編では内戦になった直接的な説明は無い。視点は飽くまでジャーナリスト目線で物語は進む。戦闘場面は凄いのひと言だが途中、中だるみするシーンが結構な尺あり緊張は持続しない。観ているとツッコミ所満載でもう少しリアリティを追求して欲しかった… 特定の党を名指ししたく無いのだろうが、まずカリフォルニア州とテキサス州は絶対に手を組む事はない(なぜなら青の州と赤の州だから)。こういう作品を観たい訳ではなかったのだよ… またしても期待し過ぎてしまった感が否め無い。しかしこれは製作側の問題では無く観るこちら側の問題である。また鑑賞中に斜め後ろの席のお兄さんが席を揺らす?貧乏ゆすり?で絶えずシートが微妙に揺れていて最悪の環境であった事も影響したかも…
A24の作品なのでやはり怖い映画である事は間違い無いのでその点は保証します。
【追記】
日本版副題の「アメリカ最後の日」は余計ではないのか⁇ 観る者は全く違う内容を想像してしまうので…
ぐったりした
見終わってぐったりした。緊張が続きすぎた。戦場のリアルという点では、個人的には、アメリカン・スナイパーを越えた。アメリカでも大ヒットと聞くが、アメリカ人がどれだけリアリティを感じたのかが気になった。大統領選前(日本では、だが)の公開に、制作側の意図は何か、気になった。
戦争を市街戦をリンチを消費するということ
内戦状態のアメリカをロードムービーとして描くという点で新しいと思ったが、恐らくこういう人たちがいるだろうなと人たちが映像化されていてなるほどなるほどと思いながら観ました。
この作品の肝は押井守パトレイバー2を2024年にアメリカで違和感なく実写化した点でしょうか。
私達が知っているあの街で市街戦、不謹慎だけども興奮してしまう我々は劇中のジャーナリストの興奮を否定できない。
この映画にその点の批評性までは感じることはできず、質の良い素材をどんどん提供してくれる映像作品と思いました。
今までアメリカの映画では敵対する国から、宇宙から、異次元から、実験施設からくる異物から攻撃され、それを乗り越える作品にリアリティがあったのが、分断後の内線にこそリアリティを感じる2024年という意味で重要な作品となるのでしょうか。
そういえばホワイトハウスに突入するときの上空からの各勢力の動きの可視化ショットはジョン・ウィックのバトルシーンのようで興奮しました。
こんなこと起こるのかなぁ…というひとごとで見てるとかなりの衝撃。 ...
こんなこと起こるのかなぁ…というひとごとで見てるとかなりの衝撃。
戦争映画というよりかはロードムービーで新人カメラマンの成長物語の方がしっくりくる。
予想外な
殆ど予習せずに鑑賞
アメリカ合衆国で内戦が勃発する映画
とだけで映画館へ
戦争映画なのかと思ったら、
カメラマン目線で描かれる戦争映画で
基本的には戦闘シーンは白兵戦中心
最後は予想外の展開
アメリカのマスコミって
あそこまで最前線に従軍出来るの?
など、色々疑問も浮かびました。
あとは、効果音がちょっと不快だった場面がチラホラ
個人的には軍隊目線の戦争映画か、
カメラマン目線なら真実に近い
感じにして欲しかったですね。
色々情報提供できると思うので必読📕
見てて誰が敵か味方かわからんしどっちが正しいのかもわからないしなんなの?内戦てそういう事ですからそれが正しい答えです🤓
ガチな話ホラー映画と比べても断然シビルウォーのほうが遥かに怖いです😱
これを読んだらかなり観る視点が変わると思うので必見です🤓エンタメ要素一切無しのウルトラリアル戦闘映画🥶今年見た作品でも上位に入るくらい凄かった作品です🤩
まず凄いのが同じアメリカ🇺🇸同士で戦っていて同じ軍服で同じアメリカ人だから敵か味方が見た目では全くわからない状態で戦っているから観ているこちらが全く見分けがつかない事によって緊張感が増すんですよね😱(戦場カメラマンがいつ誰に撃たれるかわからない状況を作っているからずーっと緊張感が持続するので見ていてかなり疲れます😞)
あと詳しい人なら絶対に有り得ないでしょうと思うテキサス州とカリフォルニア州の同盟(共和党と民主党の連合軍ってマジかよ笑)が政府軍と戦い大統領抹殺の為に戦争してるってのが面白いですね🔥
この作品の凄いところなんですが銃声の音で俳優がビックリしてるのがリアルだと思ってたら実際に実銃と同じ音量での撮影をしているのと俳優たちに細かい指示をあえてしていないからどこで銃撃音がするのか全く分かっていないからリアルにビックリしているという事で
実弾撃ちまくる寸前のリアルな環境を作っての撮影なのが功を期してますね!(撮影の手法が有名なエクソシストの撮影現場みたいな狂ったやり方してるし🤣)
あと戦争してる理由などに一切触れて無いし 見ている側もどちらの味方をすれば良いとか一切無いからそこも内戦という部分で同じ体験をさせられるんだよなあ🫥
あと市街地戦闘という事でスタックを組んでの室内への侵入などの部分が精密に演じられており良かったですね!
この監督28週後の制作やって作品としてはエクスマキナやMEN 同じ顔の男たちの人なので普通の戦争映画な訳が無いとは思ってましたが良い方向に監督の癖が炸裂していて良かったと思いますよ🤭
今からかなり重要な話をします🤓
自分はアメリカ版の予告しか見た事無かったんですが(10カ月くらい前にA24の公式が出した予告はちゃんと戦場カメラマンが主役の戦闘メインじゃない作品だってよくわかる内容でYouTubeでA24で調べて10カ月前に出してる予告を見たほうがいいと思いますよ日本の予告とイメージが全く違うので!ちなみに日本の予告はアメリカ版の何バージョンかあるうちの戦闘メインの編集の予告です)たら最初から戦闘がメインじゃなくて戦場カメラマンがメインの作品だって理解した上での鑑賞なので予告詐欺とは思って無かったです! 感想で予告と違うって意見が多発していて! 予告と違うって何?となったので今やっと日本の予告を見たんですが戦闘メインの作品ぽい予告で戦場カメラマンがメインになるのを隠してるから その落差で評価を下げる人がいるんですが これは日本の予告を作ったやつが悪いですわ👎
あと恐怖レベルでいうと今年ダントツで1番怖いと思った作品!(戦争映画で怖いと思う作品としては過去の名作と比較してもかなり上のほうですね自分の体感では🥶)
平穏なシーンと緊張感のあるシーンのメリハリが凄いのよ‼️一流大手映画会社じゃなくて小規模な作品ばかりのA24制作だから(パラマウントとかワーナーじゃないんだから色々と無理ですから笑笑)無限に戦闘シーンて訳にもいかないのを上手く戦場カメラマン目線という事であまりお金をかけずに上手く作ってるので関心しました!
逆に単純エンタメになってないけど
この監督故に緊張感と不穏な雰囲気の作り方が上手くてホラー映画よりこの作品のほうが断然恐怖レベルが高いですよマジで(ガソリンスタンドのシーン 途中で道路のど真ん中で兵士が一人死んでて敵と睨み合いをしてる場面に遭遇するシーン 車から下ろされて軍服着たヤバいやつにどの種類のアメリカ人か?って聞かれる近年では最強クラスの緊張感最高峰の激ヤバのシーン🫣)変に生々しいエグいシーンだらけでパンチが効いてましたね✊(ホラー映画じゃないのにホラー映画より怖い作品て 大怪獣のあとしまつ 愛アムール シビルウォーは殿堂入りです🤮)
あと音楽の選曲が自分は良かったと思います🎵(エグいシーンで軽い曲を流すのは確信犯よね)
そういや2回くらいありましたが無音のシーンがかなり効果的に使われていてセンスの良さを感じました🫶
最後に通常スクリーンでも音響ヤバかったからIMAXで鑑賞してないのはかなり痛いです🤕
最後の最後にですが 日本の予告だけを見てA24制作でホラーが得意な監督だって知らないで映画館に行ってたら戦闘シーン少ないし予告詐欺だしなんなのよ🤬ってなってるでしょうね😡
結局なんの映画?
IMAXで観ました。映像は凄いものありましたが、ちょっと期待外れかな。というか、なんの映画?アメリカで内戦が勃発し、それを戦場カメラマンが追いかけるというストーリーなのだが。よかったシーンは予告編である赤サングラスの男のシーンのみ(怖い!)。気になったのは不自然さ。そもそも戦場カメラマンが兵士の後をあのように追いかけるのは現実にあり得るの? それと、最初は若いカメラマン女性がすっぴんのような感じよかったが、途中から他のカメラマン含め顔立ちや服装が綺麗になる不自然さ。長旅ならもっと汚い感じになるはず。邦画によくありがちだけど、そういうなんってしらけるよね。
リアルな怖さを感じた
ジェシー・プレモンスが怖すぎた。予告であったWhat kind of American? に恐怖が詰まっていた。ツッコミどころはあったものの、内戦のリアルな怖さがカメラを通じて伝わってきて楽しめた。
残酷な世界で目覚める本能
まさかシビルウォーがA24スタジオの作品だったとは
エンタメ系アクション映画だと思い込んでいたけど、最初にA24のクレジットが出てきて驚いた
常に日常に潜む隣り合わせの恐怖をえぐってくるA24が切り込んだアメリカが抱える不穏な未来
ただのアクション映画を越えた恐ろしい映画だった
このまま行けばアメリカにいつか訪れる可能性があるだろう恐ろしい未来
トランプが選挙に勝つため使った戦略が生み出した国の分断
ホワイトハウスが襲撃されたあの日
長い年月を費やし培われてきたアメリカの民主主義がいとも簡単に崩壊する様を眺めた人々が感じた危機感を見事な映画に昇華させたA24の手腕
お仕着せがましさや説教くささなど微塵も感じない、ただ純粋な恐怖
戦場カメラマンに憧れ、自分も戦場カメラマンになる夢を抱いた少女
そして戦場カメラマンとして日々を生き、精神が麻痺してしまったカメラマン達
戦いに随行する少女が成長して、むき出しの本能を研ぎ澄ましたカメラマンとして生まれ変わりゆく様を通して悪政がもたらす恐ろしさを痛感する
かれらの旅路に現れる様々な人々
混乱に乗じて己のルールで平気で人を殺す人達
平和という幻想に包まれて、すぐ隣で起きている悲惨な現実を見ないふりをして関わらず生きる人達
全てはフィクションだけど全て現実に潜んでいる
政治への無関心な日本に訪れる未来は?
そんな日本映画を観てみたい
ハードなシナリオ
理念の先にもし分断が加速したら。
SFテイストな、僕らのちょい先に有るかも知れない物語なんだけど、少女の成長物語としての一面も描かれる。
未熟を乗り越え人としてアップデートするのが成長なんだけど、本作は報道と言う少し特殊な世界のルールな訳ですよ。
ラスト少女の目の前で大変な事が起き、普通なら取り乱し、とても耐えられないような事態に落ち入るんだけど彼女はラスト、静かに客観としてシャッター切るんだよね。
アレを非人道的、心の無い行為と捉えちゃう人も居るでしょうけどアレが報道なんだよな。
世界に事実を伝えると言う仕事は客観で在らねばならない、ただ現実のみを淡々と嘘無く伝え、主観とメッセージを乗せないのが正しい報道なんですよ。
世界に有る事実が応援協力すべき事なのか?否定すべき許せない事なのかの判断は見た側がすれば良い。
だってそこに伝える側の主観主張乗せるのは思想コントロールになっちゃうじゃん。
それはルール違反だよと僕達が戦争の歴史で学んだ事じゃん。
だから報道は時に個人を捨ててでも客観を獲得しなきゃいけないんだよな。
そこを主観と感情、思想で進んだのがそもそものこの戦争なんじゃん。
それを静かに決断、成長と描く少し残酷にもハードで強いシナリオだったな。
「PRESS」の意義と欺瞞
すごい映画でした。
まず、状況がよく分からない。
内戦でアメリカが二分し、非正規軍がワシントンに攻め入ろうとしているって辺りから始まるんだけど、何のことで揉めてるのか、双方の言い分はどうなっているのかなど、詳細が説明されないから、観客としてどっちに肩入れして観ていくべきかの判断基準が示されない。
でも、例えばイスラム教国家の内戦を描いた映画を観る時「どちらに理があるか」なんて関係なく、純粋に人間同士が殺し合うことの不毛さを感じるのに、舞台が多少見知ったアメリカになると、起こっている地獄は同じなのに、日本人の我々でさえ「正義と悪」を探してしまう。
本作では、その辺りの背景が描かれない分、ちゃんとその地獄を感じられるつくりになっている。
特に私が強く感じたのは「報道」という立場について。
もちろん、命の危険を冒してこういう事実を伝えるという人々がいてこそ、我々は世界中で起きていることを知り、考えることができる。
それはわかるのだが、報道記者、カメラマンという存在があくまで「仕事」である以上、そこには会社や記者同士の、収益や栄誉に関する競争から逃れることはできない。
記者の目的である「伝える」という大前提から逸脱し、「スクープを独り占めしたい」「過激な写真を撮りたい」という欲望が一種性的なエクスタシーにも似た喜びに置き換わったとき、それは「報道」と呼べるのか。
建前上、「PRESS」は戦場でも中立の証人として攻撃の対象から除外される。
報道が、憲法でも保証された表現の自由のひとつの形態である一方で、大きな欺瞞と隣り合わせになっている怖さも感じずにはいられなかった。
エンドロールで、現像されるように徐々に現れる写真。
これの意味するのは「地獄」以外にない。
戦場に赴く中で、ジャーナリストという仕事に辟易としていくリーと、逆に取り込まれていくジェシーの対照的な姿も印象に残る。
(ジェシーも良かったね)
あと、あえて内戦を無視して通常の生活を続ける地域。ああいうものの存在を示すことで、グッとリアリティが増す。
いや、もちろんあの赤いサングラスのイカれ兵士のクダリも刺さったけど。
で、このジェシー・プレモンス恒例の「マット・デイモンと見間違える件」ってのもあるんだけど、調べたらキルスティン・ダンストのパートナーなのね。
とにかくずっとピリピリしてて、気が抜けない、ホラーみたいな映画でした。
【追伸】
朝イチの劇場はお客さんも数名という感じでしたが、映画ラスト、ホワイトハウスでの「あの」シーンで、(無音演出の中)ずっと携帯で誰かと話してた年寄りを、私は一生許さない。
絶対に許さない。
中盤から徐々に恐ろしさにアクセルがかかってくる
序盤は登場人物やシーンの少なさからスケール感がなく退屈に感じ、あくびが出た。中盤から徐々に恐さからの緊張感にアクセルがかかっていった。
恐さとは価値観の違いからくる力こそが正義、共存不可の世界であり、それこそが戦争なのだと改めて考えさせられた。
ちなみに約7分の出演だった赤いサングラスの男が「憐れみの3章」に出演していたジェシー・プレモンスでキルスティン・ダンストの夫だと観終わってから知った。
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