シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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何が正しいか、ではなく
何が正しいか、とかではなく戦争は良くない。
戦争は良くないが、対立、分断は避けられない。
対立、分断に際し、不正義がなされたら戦うしかない。
何が正義で、何が不正義なのか誰が決めるのか。
だから、何が正義なのか、とかでもない。
非暴力不服従も圧倒的な暴力や無関心の前では無力。
そんな袋小路の中でジャーナリズムって、、、
ジャーナリズムのONとOFFの対比は分かるけど、、、
最後のテイストも、世の中がこんな感じなので、納得できない感も含めて、だって現実こうでしょ?と突き付けられた感じがする、
現実問題を風刺で描くことには大成功
でも、それを作ったアナタはどう思ってるの?と聞きたくなる映画だった。風刺のような世界観をドライな目線で切り取る主人公達。彼女達にも葛藤はあるが、それすらもドライな距離感で描くため、心に迫ることが無いままラストを迎えてしまった。A24に一般的なエンタメを求めるわけではないが何か欲しかった。モヤモヤが残る。それが作り手の狙いですと言われたら、そっすかと返すしかないんだけど。正直、ダンストがラストで取る行動はそうすると分かっていたし、それを受けた新人がああすることも分かってた。だからなんか物足りねえって思っちゃった。あまりにも前半が良過ぎたから。ケレン味のある入り口の割には出口はフツーなんだって感じ。全部、欲を言えばってことなんですけどね。
ラストが惜しい
第二幕までは文句なく面白かった。ただ、ラストでビビってた主人公が急に元気になる理由がわからなかった。突然「戦場ジャンキー」の血が騒いだってこと? いくらなんでもそれは唐突すぎる。
もっと前段階でビビってて、なにかきっかけがあって立ち直るとしてくれないと。そこが減点材料。
話の構成としてもピークが第二幕終盤の「あいつ」の「あのセリフ」なのもどうだったか。ていうかあのシーンしか覚えてないでしょ、みなさん。5年後もあの名台詞は語り継がれると思う。
それだけインパクトのあるシーン、セリフが第二幕にきてしまって、その後激しい戦闘シーンがあったとしても「事後処理」に感じてしまったのは私だけだろうか。
監督は「ジャーナリズムの価値」をテーマとして挙げていたが、もしほんとにそれを描こうとしてるんであれば計算は狂ってる。見終わって一番心に残るのは「戦場ジャンキーになる記者たち」だ。主人公の相棒も、弟子も撃たれた主人公を一顧だにせず進んでいく。
あ、テーマがずれてるのは別に映画の評価とは関係はないが。
救いなどない冷徹な反戦映画
アメリカは昔も今も豊かな国である。特にこの20年位の間に起こったIT及びAI の技術革新とそのビジネスの進化は圧倒的であり結果、国のGDPを押し上げ、1人あたり賃金も大幅に高め多くの人々が更に豊かになった。しかし全ての人に富は行き渡る訳ではなく凋落する産業も多々あり、こぼれ落ちる人々も増えている。
そのような中、ラストベルト地帯の伝統的産業に従事している人々や移民に仕事を奪われた人々を味方につけ、白人至上主義を声高にアピールし復活を目論むトランプ元大統領。
この映画は、まさに今、もしトラが実現しこの先、彼が憲法修正第22条を違反し3期目に就任し更にFBIまで解体しファシズム政権を作ったら、内戦は起きアメリカは悲惨な国に成り下がってしまう。という話である。
誰もが激しい戦闘シーンがどんどん出てくると映画と思っていただろうが、従軍カメラマンたちが大統領のインタビューをとる為にワシントンを目指すロードムービーだった。ガソリンスタンドを占拠する輩、JCペニーの駐車場に落下しているヘリコプター、見えない敵と睨み合いを続ける狙撃兵、戦争に背を向け日常を守っている街もあった。虐殺を続け死体を穴に埋めるアナーキーな赤いサングラス野郎とのギリギリの神経戦を経て、反政府軍はホワイトハウスを襲撃し大統領を追い詰め殺害する。そしてそれらをニコンの古いカメラで撮る。ラストはその白黒フィルムが現像されていく画像であった。そこに救いは何もない。憎しみは憎しみを生み、果てなき戦闘が続いていくのだろう。
このレビューを書いている(2024年10月12日レビュー記入)最中「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞した。核兵器廃絶を70年近く訴え続けた功績が世界に認められた瞬間である。この映画は内戦なので核に関する話はないが、内戦の先に他国との戦争があれば核の脅威(核保有国は核の抑止力なる詭弁を論じる)が主題となるだろう。核兵器廃絶は全く見えてこない世界であるがこのノーベル賞受賞が世界平和へ近づく一歩であってもらいたい。
おもしろかった! そして、つまらなかった!
面白かったのは何よりも第2次南北戦争というコンセプトだ。
現代のアメリカで内戦が発生して、アメリカがパレスチナのようになる。
先進国が戦場になる。
治安はなくなり、憎しみが吹き出し、凄惨な私刑が横行する。
実に惨たらしく、恐ろしく、心に迫る映像だ。
このシチュエーションを成立させるために、監督が採用したアイデアとは何か?
理由を説明しないこと!
なぜカリフォルニアとフロリダが合衆国に反旗を翻したのか?
全く説明されない。
内戦状態から話が始まり、物語が終わるまで、全体状況についての説明が一切ない。カメラで写していない地域のことが全くわからない。なんなら反旗を翻したカリフォルニアとフロリダの現状もわからない。アメリカが内戦状態に陥ったことで、諸外国がどんな反応を示しているかとか、世界経済がどうなっているかとか、全然さっぱりわからない。
正しい。
現代のアメリカが内戦に突入する可能性はゼロだ。
納得できる理由を作ろうとするとすればするほど、アメリカが内戦に陥るような世界を作り出そうとすればするほど、その新設定のせいで、映画の中の現実が、我々の生きている現実とは違うものになってしまう。
じゃあ、なにも説明しない。
アメリカが内戦状態に陥り、至るところで戦闘が始まり、多くの人間が殺されていく。
その映像を怒涛のように流すことで、否応なしに映画の現実を受け入れさせる。受け入れるしかない。
映画だからできるマジックである。
内戦は、分断されたアメリカの比喩だ。
19世紀の南北戦争と違うのは、別々の勢力が合衆国に戦いを挑んでいるところだ。戦っている人間ですら、自分が銃口を向けている敵が何者なのかわからない。撃たれるから撃ち返している。殺されそうだから殺している。どさくさ紛れに殺したいやつを殺している。
現実の反映があるから、映画の中に溢れる人間の悪意や狂気が心に迫ってくる。あの赤メガネだけではない。無関心な街にもだ。この部分だけで、この映画は十分に傑作になっている。
では、つまらなかったところはどこか?
説明が足りていないところだ。
面白かった理由と表裏一体なのだが、この作品、説明すべきことも省略している。A24らしさと言ってしまえばそうなのだが……。
いちばん象徴的なシーンが、主人公リーの死だ。
リーはなぜあそこで、ケイリーをかばったのか?
人間性の発露? 先輩としての責任感? 彼女を止められなかった後悔?
解釈が絞り込めないので、映画のクライマックスである一番キメのシーンを、ありがちで平凡なムーブで決められてしまったガッカリ感で見送ることになってしまう。
あのシーンのアイデアは実に素晴らしい!
戦場ジャーナリストは、仲間の死すら、写真におさめなければならない。
素晴らしいカットが目の前にある!
人の心など捨てて、シャッターを切り続けろ!
その絵の迫力に、ストーリーが負けている。
前ふりを積んでいけば、むちゃくちゃエモーショナルなシーンにできるのに、必要なお膳立てが足りないので、心が滑っていく。
なんでもいいんですよ。
リーはこの仕事を最後に故郷に戻って農場を継ぐつもりだったとか、ケイリーに対して、戦場に高揚を覚える戦場カメラマンは失格だ、と教え諭すけれどケイリーにはなかなか理解してもらえないでいたとか、もっと単純にケイリーは亡くした妹に似ているとか、なんでも。
そういう前振りの後で、リーが飛び出し、ケイリーをかばって死ぬ。
すると情感がこもる。
あそこでリーが飛び出す理由。
ケイリーをかばったことで失われたものの価値。
自分のせいでリーが死んだことに、ケイリーは何を思うのか?
その辺がさっぱりわからない。
想像で補おうにも、手掛かりが少なすぎる。
もったいない……、本当にもったいない……。
とはいえ、この作品は現代アメリカがパレスチナになるというアイデアが本当に素晴らしく、隣人だったはずの人間が隣人を殺しだすおぞましさを体感するのに大画面と大音響はぴったりでした。特に音!
もしかしたら起こり得る現実の1つ
結構深く考えれる映画
伝えたいその先
アメリカにはすみたくねー
馬鹿には難しい映画でした。
馬鹿には難しい映画で、モヤモヤが残りました。
以下、疑問が残った部分です。
・登場人物の行動への疑問①
「冬のワンダーランド」に向かう道で怪しさに気づいた時、サミーは引き返せって言ってた気がするけど進んだのはなぜ?戦闘が起きている場所ならいい写真が撮れるかもしれないから?
・登場人物の行動への疑問②
トニーの車にジェシーが乗り移ったあと。ハイになって爆走してたら武装勢力に運悪く遭遇しちゃったって事?
というかトニーのイカれたテンションが気持ち悪すぎてあの後から集中出来なかった。「最高にイケてる」じゃないんよ。アメリカ人こわい。
・登場人物の行動への疑問③
ホワイトハウスから出てきた専用車に大統領が乗ってないことにリーだけが気づくシーン。他の戦闘員たちは馬鹿なの?誰でも気づく手口じゃない?
・登場人物の行動への疑問④
大統領にインタビューした男性、あの人録音してたっけ。自分と周りの戦闘員だけ聞いてても意味無いのでは…
タイトルなし
地獄の黙示録 ver.A24?
前情報を全然仕入れず鑑賞!
真面目な戦争映画かと思いきや、内戦に至った経緯や背景はノータッチ!
中盤の“ウィンターワンダーランド”のシーンからA24お得意のアトラクション映画に変身!
(後から知ったが、実際にあの場所あるらしい!)
特に中盤の赤グラサンに処刑されかけるシーンの緊張感が凄まじかった。
全編通して、銃撃戦の音響の迫力よ!ほんとに戦場にいるような恐ろしさ。
序盤の柱のに隠れながらの銃撃とラストの戦闘は是非音響のいい劇場で観たいところ!
そして主要キャスト4人、とてもいい。
あと後半、西軍?のキャンプ地の手前のシーンが、夕陽+川+ヘリ!地獄めぐり的な映画の構成も完全に『地獄の黙示録』意識してるなー。
惜しい点
・各場面はそれぞれ見応えがあったが、単発感というか、もう少し物語的な繋がりは出せなかったものか?主役の彼女いくらなんでも終盤で覚醒しすぎやないですかね。(そもそも戦場カメラマンってあんな最前線にいけるの?)
・見せ場は人間?社会派ドラマ?戦闘?戦場カメラマンの視点に終始してるから止むおえないが、直近で『地獄の黙示録』を見返してしまったので、若干食い足りない感。
アメリカ人には面白いのかもしれないけど
正直、で?、という映画でした。
政治的な分断が進むと、アメリカですら(トランプならありえなくもない?)内戦が起こるかもしれない、という映画。
私はアメリカ人でも無いし、二党政治の分断も実感ないし、そもそも3つのエリア?に分かれて内戦になって大統領が殺されるという映画のリアリティが全然なく、内戦になった背景は全く説明無いし、なんで2党制なのに3つに分かれた?くらいの、実感はない内容でした。
身近な国民同士が殺し合うことに若い女性ジャーナリストとして慣れていき、恩人の死を見捨てて目の前の撮影を優先するシーンは、人間の恐ろしさを表現してるのかもしれないけど、その手の表現は他作で数多とあるし、ウォーキングデッドを見た方が非常時の人間の恐怖を感じるかもしれません。
アメリカ大統領選に合わせて興収を狙った?
銃もなければデモも投票もあまりしない日本人には関係ない映画なのに、なぜ話題になっているのでしょう。
「おまえは、どんなアメリカ人なんだ?」
「香港出身の記者です。」
バキューン
中国へのアンチテーゼなのかもしれないけど、設定がわからないだけに全非白人を想起させるし、設定の軸がないのでシーンごとの意味があるのか無いのかわからずに、ただ人が簡単に殺されることの本能的な不快感だけが揺さぶられる映画でした。
わざわざ映画館で観なくても、テレビドラマな感じで観ればよい程度に感じました。
アメリカってやっぱスゴイ
観たほうが良いと言われて映画館の上映最終日に滑り込み鑑賞。
緊張感の上に作品が乗っかってるような映画。
緊張感、ハンパない。
最近では一番集中して見たと思う。
全く隙のない映画だと思いました。
この映画は自動的に集中を強いるような映画なので、私は2時間以上は観てられないなと思いました。
映像がカッコ良い、美しい。『決めの画です』って言ってる画って、中途半端だと嫌な感じになることがあるけれど、この映画は全くそれがない。
画の美しさが、現実ではない世界の、狂った世界のリアリティーを底上げしている感じがしました。
特に気に入ったのが正面アングルをとても効果的に使ってる所で、ホントやるなって感じでした。
音の演出が素晴らし過ぎる。
映像と音で「これでもか!」って感じで,、緩急をつけて来ます。
役者は当然のごとくうまく、細かい演出も効いていて、ある意味ベタな展開なとこも多いの
ですが、それを上手に入れてきてくれます。
言葉でなく画で色々と説明をしてくれるので、とてもテンポが良く、映画らしい映画やなと思って観てました。
アメリカの新しい大統領が決まった日にこの映画を見てたことが何か感慨深いです。
この映画の制作が決まったと頃の一番近いアメリカにとっての戦争は内乱だったのでしょうか。
この映画で描かれてる世界は私にとって身近な現実ではありませんが、この現実は世界の何処かにある現実なんだと思わさせてくれる説得力の塊のような作品です。
観てる途中に思い出した映画は、エイリアン、トレスポッティング、プラトーン、イージー・ライダー、ユージュアルサスペクツなどで、全くジャンル違いなものもありますが、作りのテイストみたいなものがこれらの作品に似てる感じがしました。
観始めた時は「お腹すいたな~」なんて思ってましたが、途中から完全にお腹すいたの忘れて魅入ってました。
何かがあったMJ
「ザ・ビーチ」も「28日後…」も「MEN」も好き。何よりも「エクス・マキナ」が大好き。だったら飛び付けよ!ってな話ですがズルズル引っ張ってようやく鑑賞。で、やっぱり好きだなぁこの人の語り口。若手が勢いで「見えなく」なっていく様との対比で「見える」様に戻っていく主人公に、自分の中の"何か"を掻きむしられて終始ザワザワしておりました。「パージ」寄りの感じを想像していたので暫くは「ん?」て感じでしたが、穏やかじゃないのにどこか穏やかに映るロードムービーな作りは流石だなぁなんて思ったりもして。まぁ、個人的に好きだから甘々なだけかもしれませんけども苦笑
是非とも「マリウポリの20日間」と合わせてご鑑賞くださいませ。
ゾンビの出ないゾンビ映画(?)
旅をしながら、いつゾンビが出てくるかわからないドキドキを楽しむゾンビ映画。その“ゾンビ”が“弾丸”になった「ゾンビの出ないゾンビ映画」な印象。
ってゆーか、基本はロードムービーですね。主人公は報道カメラマンなので、カメラマン目線。主人公が兵士とかなら戦争映画になってたかもしれないけど…
その辺が思ってたのと違ったところ。てっきり戦争映画だと思ってた(^_^;)
それにしても、キルスティン・ダンストは、久々に見たらもうオバサンだな。
人の事言えないけど…(^_^;)
逆に(?)、ジェシー役のケイリー・スピーニーが可愛かったので、今後に期待ですね(^^)b
とりあえず、トランプが大統領になったら、こんな事にならないとは言えないので、アメリカ国民には、しっかり考えて投票して欲しいところです(^_^;)
世界の縮図なの。
もう600以上レビュー上がってるからね、自分用に忘れないように書いておくだけ。
話の軸は有名戦場カメラマンと彼女に憧れる若い子の成長の話で割と普通ですが、アメリカの崩壊の様子がえげつない。映画自体内戦の経緯とか原因とか説明ないけどまああんまり政治のこと興味ないから勝手にやってくれって感じの田舎の人達が不気味に怖い。
そして戦争の混乱に乗じて大義のない人間の凶暴性が私怨や私欲と言う形で爆発してる人達も怖い。
そういう部分をジャーナリストの目を通して客観的に捉えている、、そんな映画です。だから戦争アクションって感じではないよ。アメリカ広いから場所による温度差が極端で、まあそれをもって現在の世界の縮図的に見せるのが本作のテーマって事だな。
選挙の投票率異常に低い日本だとどんな感じになるんだろう?
昔仕事で何度か車でアメリカあちこち回った事あるけど異常に広くて途方にくれたの思い出した。まあ日本の25倍の面積だから無理もないけど。カルフォルニア州が日本とちょうど同じらしい。
本当に殺人一家がいたり、戦争?知らない、、って人がいてもおかしくないと思うよ。
目が届かない広さってホラーだね。
大統領選挙の日に
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