「今そこにある危機」シビル・ウォー アメリカ最後の日 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
今そこにある危機
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って別の映画のタイトルやん。
でも実際トランプが暗殺されていたらと考えると、そら恐ろしい。
クランクインから公開まで、世界情勢の読みをはかったようなタイミング。
特にアメリカのような銃社会は簡単に分断が起きやすいと思う。なぜなら銃は殺人の抵抗への閾値が下がり、自分の主張を貫くために、簡単に暴力に訴えられるアイテムと化すから。
日本は政治思想による分断よりも、同調圧力による分断が起きやすい。
もし日本が銃社会で、コロナ禍だったとしたら? 都市からマスクをしないで訪れた人間を、地方の人が打ち殺す―――。東京ナンバーの車を狙撃する。ワクチンを打たない人間を脅す。そんな想像が頭をよぎる。
内戦の無秩序と、正義の氾濫による混沌。
今現在、世界中で現実に起きていること。
映画では、目の前で起きていること以上の情報が得られない。人も情報も分断された世界では、なにが真実で今なにが行われているのか、自分の目で足で、確認するしかない。
本物の現場もそうなのだろうと思う。
街はステレオタイプのぶつ切り感はあったが、銃撃戦は臨場感と没入感があった。
若い戦場カメラマンがいかにして一人前になるか、という側面も持つこの映画で、「遺体の前で笑顔を見せる兵士たち」の写真が出来上がるまでの、ドキュメンタリーを見ているようでもあった。
キルスティン・ダンストが、昔と同じようなどこか寂しげな瞳で、枯れた色気を出していた。
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