「"28日後"の脚本家らしいCIVIL WAR」シビル・ウォー　アメリカ最後の日　ヘルスポーンさんの映画レビュー（感想・評価）

初めて28日後を観た時のあの閑散としたイギリスから今回はアメリカへ。

ド派手なドンパチが描かれる戦争映画を期待していると肩透かしに合うくらい地味な映画だが、退廃的でリアリティのある人間描写と容赦ない暴力シーンで、今回はゾンビは出ないがより人間の残酷さ儚さが際立っておりドキュメンタリー映画のようなリアリティある作品だった。

連邦政府側が弱すぎるような気もするが、ワシントンD.C.へ向かう道中は誰が敵か味方かわからない怖さ、結局のところ対話を望まない西部勢力の暴力には暴力で対抗するしかないという今の世の中にはピッタリなメッセージ性の強い映画だった。故に笑えない映画だ。

エルトン・ジョンかよ！笑　ってくらいふざけたメガネで登場するジェシー・プレモンスが存在感があってよかった。話の通じないヤバい奴をやらせたら天下一品。たまたま妻のキルスティン・ダンストの付き添いでいたら抜擢されたという話だそうで。

あの結末で、これが娯楽映画として上映出来てしまうアメリカはやはりすごいと思った。