「ウオームービーかと思ったらロードムービー? 追記:赤いグラサンの男は…。」シビル・ウォー アメリカ最後の日 Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
ウオームービーかと思ったらロードムービー? 追記:赤いグラサンの男は…。
10月4日(金)
公開初日の「シビル・ウオー アメリカ最後の日」をフォトグラファーの友人とユナイテッド・シネマ浦和のIMAX(字幕)で。
状況の説明は無い。いきなり内戦下である。大統領が何をしてどういう理由で内戦になったかは、描くと政治的にも色々まずい事があるからだろう。テキサス州とカリフォルニア州の同盟を主軸にした西部勢力(WF)と政府軍が対立している。WFが優勢でホワイトハウスへ向かうのを追って、先を越して14ヶ月取材を受けていない大統領の単独インタビューを取ろうとするジャーナリスト・ジョエルとカメラマンのリー(キルステン・ダンスト)、記者のサミーに23歳の若いカメラマンのジェシー(ケイリー・スピーニー)が加わる。
ここからは完全にロードムービー、ワシントンD.C.へ向かう4人だったが、給油に寄ったスタンドでは私刑にした友人を吊していたり、途中で政府軍とWF(民兵?)の戦闘に遭遇し、銃弾飛び交う中で戦闘の状況をカメラに収める。
リーがキャノンやソニーのデジタルカメラを使っているが、ジェシーはNIKONのフィルムカメラを使っている。SONYのロゴが消されているのはコロンビアに対する忖度か?
ジェシーが撮ったフィルムを携帯キットで現像していたが、一緒に観た友人によれば、実際戦場カメラマンはああいった携帯キットで現像するものらしい。でも現代のUSならデジタルだろう。二人の違いを際立たせる演出か。
民間人の死体をトラックに一杯積んでいる武装集団と遭遇する。赤いサングラスをした男(ジェシー・プレモンス)は「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」途中で合流したジョエルの友人二人は彼らに射殺される。リーやジェシーやジョエルも危なかったが、車に潜んでいたサミーが彼らを車で跳ね飛ばす。しかし、彼らの仲間に銃撃されてサミーは息絶える。
WFの基地でサミーの遺体を降ろした一行はWFと一緒にホワイトハウスへ向かう。
ここからがウオームービーだ。ホワイトハウスを包囲したWFは一斉攻撃をかけ、邸内に突入する。突入のため戦闘する兵士を撮影するが、リーには躊躇いが見られるがジェシーは肝が据わったようにシャッターを切り続ける。
そして、大統領執務室へ突入する際にリーはジェシーをかばって銃弾を浴びる。リーに構わず兵士を追うジェシー。遂に大統領は確保される。ジョエルが大統領に何か一言と問えば「私を殺させるな」ジョエル「それを聞けば十分だ」WFの兵士により合衆国大統領は射殺される。
同じ国の兵士同士が、自国内で戦い、殺し合う。そして、大統領を殺して笑って記念写真を撮るのだ。そのモノクロの記念写真が現像されてはっきりとして行くところで映画は終わる。
「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」自分と違う種類のアメリカ人は躊躇無く射殺する。惨憺たる思いである。今回の大統領選挙後にこうならない事を祈るばかりである。
ベテランジャーナリスト・サミーを演じたスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソンに助演男優賞を。
追記︰映画が終わって劇場を出るとロビーで「憐れみの3章」の予告編をやっていた。あれ、この人は赤いグラサンの男では?
赤いグラサンの男を演じたジェシー・プレモンスは、カメラマンのリーを演じたキルステン・ダンストの夫で、当初別の俳優だったが出演出来なくなり妻からの連絡で急遽出演したらしい。拘束2日でギヤラは無し?私は気が付かなかったがクレジットに名前が無いらしい。あのシーンから明らかに雰囲気が変わったし、あのシーンの後で俳優たちも休養が必要だったと監督が語っている。ある意味、この映画のハイライトだった。
プレモンス、大好きです。「パワー・オブ・ザ・ドッグ」で妻のキルステン共々知りました。赤いサングラスはプレモンス自身が幾つかサングラスを持参して、赤に決まったということ、どこかで読みました。キルステンとプレモンスが出るからこの映画見ました!
Mr.C.B.2さん
Nikonだけでしたか。日本のメーカーが此処でも頑張ってるんだ!レベルでしたね 😆
フィルムの現像、映像で何度か見た事があるだけです。
報道や映像に何らかの関わりのある方とない方は、本作に対する捉え方や見方が違うかも知れませんね。
Mr C.B.2さん
フォトグラファーのご友人との鑑賞!
専門的な話も色々と教えて貰えそうですね。
SONYのロゴが消されてる事には気が付きませんでした。
ジェシー・プレモンスが急遽出演された事を、私は鑑賞後に知ったのですが、赤のサングラスは敢えて顔を隠す意味合いもあったのでしょうか。
あんなにインパクトのある役所だったのに、まさかジェシー・プレモンスだとは全く気付きませんでした。。
共感&コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、内戦も取材も今一歩でしたね。
着想のおもしろさと公開のタイミングはばっちりなのに、ちょっともったいなかったです。