「命乞い」シビル・ウォー アメリカ最後の日 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
命乞い
世界中に派兵している合衆国が、テロではなく内戦が勃発することを仮想したことを映画化出来ることが驚きであり称賛できる。
でも、
記者ジョエルは内乱後の大統領への最初のインタビューを何にするかと悩んでいて、それが現に現実に実現すると、
ジョエル「大統領、何か一言?」
大統領「殺さないでくれ」
なんと、馬鹿馬鹿しいほど普通の質問に、応答はさらに普通で笑えた。
感情に流されず報道写真家は記録を残すことと言いながら、
新米報道写真家の盾となり命を守ってあげて散っていったベテラン報道写真家リー、
そのリーを亡くし命を守られたジェシーは、覚醒したように脇目も振らず大統領射殺現場に突入し記録写真を撮り収める。
民間ミニタリーマンが、捕獲した記者にアメリカ人とは、どの種類のアメリカ人と詰問する。
さらに南米、中米、何処から来たアメリカ人か?
南北アメリカ大陸、合衆国の成り立ちを想像すると侵略と奴隷のアメリカ大陸が見えて来て笑えてくる。
他にもこの映画は、アメリカ人がアメリカを客観的に俯瞰した謙虚な姿勢で警告を発していることを感じる。
そう、カメラマンもソルジャーのように第一線で任務だけを果たして行くだけでいいのか?
そんな自問に足がすくみだしたリーが取った行動が救いだと感じたが…
大統領の辞世が命乞いだったことも素敵だった。
(・∀・)
シビル・ウォー アメリカ最後の日
劇場公開日:2024年10月4日 109分
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、
内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。
連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、
テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、
ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。
戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストは、
14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。
彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。
出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のキルステン・ダンスト、
テレビドラマ「ナルコス」のワグネル・モウラ、
「DUNE デューン 砂の惑星」のスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、
「プリシラ」のケイリー・スピーニー。
シビル・ウォー アメリカ最後の日
劇場公開日:2024年10月4日 109分