かなさんどー

劇場公開日:2025年2月21日

かなさんどー

解説・あらすじ

「洗骨」で映画監督としても注目を集めたお笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリこと照屋年之が監督・脚本を手がけ、沖縄を舞台に独自の死生観と笑いを交えながら親子と夫婦の愛おしさを描いたヒューマンドラマ。

赤嶺美花は認知症の父・悟の余命がわずかだとの知らせを受け、7年ぶりに故郷・沖縄県伊江島に帰ってくる。美花はかつて母・町子が亡くなる間際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父のことを許せず、父に対して心を閉ざしていた。帰郷しても父との関係を修復しようとしない美花だったが、島の自然に囲まれて両親と過ごしたかけがえのない時間を思い返すなかで、母が遺した日記を見つける。そこには母の真の思いと、父と母だけが知る愛おしい秘密が記されていた。

「賭ケグルイ」シリーズなどで知られる沖縄出身の松田るかが美花役で主演を務め、母・町子を堀内敬子、父・悟を浅野忠信が演じる。タイトルの「かなさんどー」は、沖縄の方言で「愛おしい」という意味。

2024年製作/86分/G/日本
配給:パルコ
劇場公開日:2025年2月21日

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(C)「かなさんどー」製作委員会

映画レビュー

4.0 松田るかの沖縄語、堀内敬子の歌唱がしみじみと良い

2025年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

幸せ

主人公・美花役の松田るかのプロフィールを見て、NHK朝ドラ「ちむどんどん」など出演作をいくつか観ていたのに印象がほとんど残っていなかったが、本作での好演でしっかり記憶した。沖縄出身だそうで、当たり前ながら自然なウチナーグチ(沖縄語)での台詞が味わい深い。標準語や別の方言ならきつくなりそうな内容でも、沖縄の言葉だと温かみが加わるような、マイルドになるような。口げんかしていてもユーモラスに聞こえたり。王道のストーリー展開とはいえ、やはり終盤の美花には泣かされた。

母・町子の堀内敬子については、かつて映画やテレビドラマでの演技しか知らないまま朝ドラ「エール」最終回での歌唱に驚嘆したクチで、劇団四季出身と聞いて納得したものだった。娘と洗濯物を干しながらさらっと口ずさむように歌う「かなさんどー」がしみじみと素晴らしく、よいキャスティングだなと感心。

この歌を初めて聴いたが、沖縄民謡歌手・前川守賢(しゅけん)の1983年のデビュー曲だそう。曲自体が美花と母と父・悟(浅野忠信)の家族の物語で重要な役割を担っていることに加え、歌詞の内容が脚本に反映された部分もあってなかなかうまい。歌の標準語訳が字幕で出るシーンもあるが、関洋氏の「たるーの島唄まじめな研究」というサイトで詳しく解説されているので、関心のある方はよかったら検索してみて。

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共感した! 7件)
高森郁哉

4.0 【“わしんなよー、かなさんどー。”今作は、沖縄の小さな島で暮らしていた熟年夫婦の愛と、或る出来事で父と疎遠になっていた娘が、知らなかった二人の深い愛を知り、家族の絆を取り戻す物語なのである。】

2025年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

ー 沖縄の言葉は、分からない単語も多いが、優しい抑揚が好きであり、”喜納昌吉&チャンプルーズ”の”ハイサイおじさん”も収録された名盤「喜納昌吉とチャンプルーズ」は、夏に英国ロックを聴く合間に、車中で頻繁に流すほど好きである。
  そのアルバムの中に”島小ソング”と言う歌があり、その歌は“わしんなよー、わしんなよー、わしんなよー、ヘイヘイ、わしんなよー”と言うフレーズで始まるのである。
  ”ハイサイおじさん”の歌詞は少しおっかなかったりするのだが、沖縄弁は良く分からないので問題はないのである。ー

■妻・マチコ(堀内敬子)を病で失った父・サトル(浅野忠信)は、年齢を重ねると共に認知症を患っていた。
 二人の一粒種の娘の美花(松田るか)は、母が亡くなる間際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父親を許せず、7年前に島を後にしたが、父が末期の状態という知らせが入り、仕方なく物調面で、島に戻るのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・冒頭、昭和風のワンピースを着てお化粧をした美花が、病院の中を笑顔で歩いてくる。それを見たオバサン達は”財産目当てだねー。”と口にするのである。
 上手いオープニングであるし、ラストとの連動も良いシーンである。

・物語は、、マチコが存命時に美花と話す、マチコとサトルの出会いとその後のデートの話と、マチコ亡き後に認知症が進み入院しているサトルの姿を冷たい目で見る美花の姿と入れ子構造で構成されている。

・サトルがバーで会ったマチコに一目ぼれして、会うたびにテッポウ百合の花束を持って来た話や、父から引き継いだ建設会社の社長のサトルが、毎晩飲み歩いても、マチコは愚痴をこぼさずにサトルの好きなてぃびちを煮る姿を見て、美花は”何で、怒らないの!”と言うが、マチコは”お父さんも大変だから。”と、気にしないし、いつも化粧をしている理由を美花が尋ねると、”お父さんの前では、綺麗で居たい。”と言うのである。
 ー マチコを演じた堀内敬子さんは、もっと映画に出て、脚光を浴びるべき女優さんだと思っているが、今作での優しい笑顔はとても素敵である。-

・或る日、美花は生前に母が”絶対に見せない”と言っていた日記を見つける。そこには、若き二人がデートする様が記されているのである。
 それを読み、初めて美花は、両親の深い愛を知り、自分の姿を見た認知症が進んだ父が”ミチコ・・。”と呟いた事を思い出し、母の若き時の青い水玉のワンピースを着て、父の見舞いに行くのである。
 そして、父の部下を使い車椅子に乗った父に対し、且つてのデートの時と同じ経験をさせるのである。

■今作で、一番響くのは、美花が沖縄の衣装を着て、サトルが植えたテッポウ百合が一面に咲き誇る花畑で、沖縄の愛を謳った民謡を歌うシーンである。
 その姿を、車いすに座った父は、優しい眼で見ているのである。
 サトルを演じた浅野忠信さんは、誰もが認める名優であるが、このシーンでの慈愛に満ちた眼が素晴しいのである。

<今作は、沖縄の小さな島で暮らしていた熟年夫婦の愛と、或る出来事で父と疎遠になっていた娘が二人の愛を知り、家族の絆を取り戻す物語なのである。>

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NOBU

3.0 悪くはないんだが

2025年5月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

カワイイ

ストーリーはこう言っちゃなんだが、はっきり言ってよくある話といった感じ。丁寧に破綻なく作られていて、よく出来ており全体的に悪くはないんだが、なんというかあまりにかっちり作られすぎていて今ひとつパンチが弱いというか破綻が無さすぎる。物語的にも描き足りないところがちょこちょこあるように感じた。松田るかは相変わらず上手くて可愛いが。

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バラージ

1.5 かなさんどー

2025年4月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

かなさんどーの意味は、前もって検索しなくても、ラストに分かります。
イイ映画を作ろうとしたんだろうな。と、想像はつきます。
けど、ありきたり過ぎて何も響きませんでした。
しばらくしたら、記憶からも消えて行く作品かな。
ただ、浅野忠信は安定の演技。
松田るかさんは、収穫でした。

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映画館難民