「ある程度歴史の知識がないと難しい」リモノフ amaneさんの映画レビュー(感想・評価)
ある程度歴史の知識がないと難しい
構成も内容も、こういった大衆向けの映画館ではやらないような映画。
映画自体も含め、「芸術って客観的評価なんてないからな」と思ってしまう。
歴史的な部分をある程度知っていないとセリフの一つ一つが理解できないし、つぎはぎだらけのストーリー展開の中にリモノフの空想も差し挟まれているため、とても難解な映画だと感じた。
ドストエフスキーを彷彿とさせる人生。
愛のある平凡で才能もない穏やかな人々は、リモノフの父親の様に世の中が巧みに情報操作されている事にも気づかず、純粋に愛と正義を貫いて死んでいく。
でも、リモノフのように尖り、世の中の本質・真実を知り尽くして生きたからといって、人の人生として何かが変わるのだろうか。
出所の際、記者に撮り直しを依頼されヘラヘラとそれに応じるリモノフの姿がその答えを物語っている気がした。
中盤、リモノフの詩が映像とともに流れるシーンがあり、監督はこれが撮りたかったのではと思う程、心に染み込んでくる。
映像と、文字でなく「音読」という形を取ったことで、リモノフの詩がより完成したものとなって観客の心に届くのだと感じた。
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