「凡庸な芸術家の肖像」リモノフ kneewarさんの映画レビュー(感想・評価)
凡庸な芸術家の肖像
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いやーベン・ウィショー良い。知らなかったロシアの詩人・政治家の半生を人間臭く演じて見ごたえたっぷり。時代ごとに髪型と身なりを変えて。鬱屈した感じがドニ・ラヴァンに通じるセクシーさだ。
リモノフという人、ポスターからはゲバラみたいなかっこいい人物かと思いきや全体的にカッコ悪く、こじらせてる男子はどの国にもいるのだなと思わせる。劇中に出てくる詩もビミョー。テレビに映るノーベル賞作家ソルジェニーツィンに毒づくところなど、「あいつらセルアウトしやがって」とボヤく売れないバンドマンみたい。
そういう芸術家としての彼の凡庸さが、70年代〜2000年代の社会の移り変わりを映す構成になっているのが巧みだ。つまりリモノフを礼賛してないところがいい。
ベルベット・アンダーグラウンドとか音楽の使い方はややコテコテすぎると思ったが…
三島由紀夫に傾倒していたらしいリモノフがホームレス黒人男性と絡むあたりのねちっこさが一番印象に残った。
ニューヨークの雑踏(オーブンセット?)での長回しなど撮影も凝っててお金がかかっているがこの映画、全世界でかなり赤字っぽい(制作費推定1,050万ドルに対し興収38万ドル)…でも見られて良かった!
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