「美しい光」私たちが光と想うすべて nahahaさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい光
普段インド映画は殆ど見ないが、そんな僕でもインド映画らしくないのがよく分かる。歌も踊りも一切ないが、インドの今がざらついた手触りを伴ってこれ以上ないほどリアルに、かつ幻想的に描かれる。
説明を極力排した(不足しているのではなく、削ぎ落としている)ストイックな作風は、最近だと「ルノワール」にも通じるものを感じる。この一見曖昧な作風を、退屈で意味不明と感じる人も多いかも知れない。だが現代インド社会の描かれ方はドキュメンタリーと見紛うほどにリアルでだし、葛藤を抱えながら生きる人々の姿は、どの登場人物も例外なく普遍的で美しく、だからこそ愛おしい。
長く愛すべき映画。
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